オーディオと言うと、なんか高級(高価格)と思ってしまいますが、さらに高級オーディオという言葉からして、差別的で何か反感を感じます。
高級だろうと並級だろうと、結局まともな音を再生した人が勝ちなのです。電気回路を少しでも理解すればご自身の強みにつながるはずです。
昔の私でしたら、価格を聞いてひれ伏していましたが、今は全くそういうことは無くなっています。特にヴィンテージというものには、興味がありません。
これは元の音を再生できる能力の無いものと言い切ります。それは後で詳しく述べます。
そもそも、電気回路で低周波増幅は、一番最初の能動回路で、現在では完全に成熟したものです。
それを人の感性で音が良いの悪いのと言い切るので訳が分からなくなります。これが実にいい加減なものなのです。
何か劣るものを、他で安易に補完する方法では限界があるということを覚えておいてください
これをご理解いただくだけで無駄をすることはかなり減ります。
問題点 | 考えられる問題点 | 悪い改善策と理由 | 良い改善策と理由 | その他 |
低音が出ない | スピーカーの箱が小さい 口径が小さいfゼロが高い |
トーンコントロールなどで低音を増強 する 元を直さず、周囲を替えて直す考え |
スピーカーの箱を大きくする 口径を大きくなfゼロの低いユニットを 使用する。原因を改善して能力を高め ている。 |
スピーカーシステムの場合 もう少し大きいものにする |
この例は、あまりに単純でバカにするなと言われそうですが、実は昭和の時代の賢明な少年たちは実践していたことです。まず簡単なトーンコントロールで
低音を増強します。はじめは低音が出ることで喜びを感じます。しばらくすると違和感を感じます。次に箱を大きくすることやfゼロの低いスピーカーユニット
を用いることで、ここで箱の大きさと低音再生能力を知ります。原因と対策ですね。ここでの苦労、これが経験値というものです。
ところがここで原因を追究せずに対策ばかりして大人になったとします。この陰には、このスピーカーなら価格も高いし問題なしということが刷り込まれてし
まう、高級雑誌やオーディオ雑誌、カルト情報があります。元を直さずアクセサリー類の追加や何の責任もないアンプが悪いとさえ思うようになりそれを交換
してしまいます。
1、元の音以上に良くはなりません。
意外にこれを理解している人は、多くないのです。元の音をいかにそのまま増幅するかです。ですからアンプは色付けが少ないものが好ましいのです。
2、悪いものを良くは出来ません
良くしようとして余計なものを付けているに他なりません。
再生能力の低いスピーカーに高価な複雑な電線を使う。これをアンプ側から見てみましょう。アンプにすればその電線+スピーカーのネットワーク回路の
受動素子、そしてスピーカーこれが負荷になります。負荷は軽い方が良いのです。電線とネットワークのコイルでインダクタンス(L)フィルターの
コンデンサー(C)抵抗(R)が重い負荷になります。それに低音を再生するためには、大きな口径のスピーカーユニットを駆動する能力が必要に
なります。試しにフルレンジのスピーカー1発を普通のアンプで鳴らしてみてください。アンプにとっては軽い負荷で生き生きとした再生音になります。
ところが、負荷が重くなればなるほどアンプに駆動能力の大きなものが必要とされます。
ヴィンテージは発展途上の時代のもの
懐古趣味の方は別にして、古いもの、昔のものは音が良いというのは伝説と言い切りましょう。
私は、ヴィンテージでも使い方で現在でも良好な音質改善を提案するのでヴィンテージ好きと思われることもあります。
昔のアンプのトーンコントロールは必需品でした。それはスピーカーも低音再生能力が低く、またレコードも低音、高音が不足していました。このため強力な
トーンコントロールという調整機能がありまた音量を絞った時に低音高音がやせるので低音高音を持ち上げるラウドネスといった機能もありました。
昭和の終わりころには、トーンコンがソースの音質向上によりほとんど使われなくなりデフィートといったバイパススイッチや回路そのものが排除されました。
もう20年以上前です。ところが最近スピーカーの小型化によりまた必要になってきました。低音不足を感じる方が方が多いからです。
この意味ではスピーカーは住宅事情に合わせて退化したのかもしれません。
ヴィンテージに話を戻します。ヴィンテージの時代のスピーカーは人の声の帯域に聴感上好まれるものが少なくありません。その反面低音や高音不足に、
悩まれている方も少なくはありません。しかしながらヴィンテージ愛好家のおおよそは、オリジナル主義です。例えばアルテックのA5やA7は、家庭用では
ありません。にもかかわらず劇場用のものを狭い部屋で直近で鳴らします。結果うるさい音となるのは信じたくなくても事実です。
こんな巨大なスピーカーなのに低音、高音(現代で言う)が出ません。それは使用目的が全く異なるからです。
これを改善するのは、マルチアンプ駆動です。一般家庭の狭い部屋でも低音用、高音用アンプでそれぞれ駆動しネットワークを排除します。その代り
高品質なチャンネルデバイダーでパワーアンプの前で駆動するだけのことです。
ここで言う悪いものは、オリジナルのネットワークユニットです。これを排除しただけで、驚くほどの音質改善ができます。604でも同じ効果があります。
部品や付加装置で音は改善されません。
昨今、ブログという個人の日誌が多くなり、好き勝手なことを書いている人も少なくはありません。
その中で部品1個交換して、音が良くなったと鬼の首を取ったかの記事をたまたま目にします。(個人の日誌なので勝手は構いません)
日記は、他人に見られると恥ずかしいものです。あり得ないことを平気で書いています。
(例、10PFのセラミックコンをマイカコンに交換したら音が良くなったまでは良かったのですが、タンタルに買えたら・・・・と書いていました。(10PFのタンタルねぇ~)
それを見た人が惑わされなければ良いだけですが、部品で音が変わると信じている人がPFもμFも単位を分からずやっているだけの悲しいことです。
音を変化させにくい増幅回路
完全に成熟したアナログオーディオの増幅回路です。昔のようにメーカーの設計技術者が電気的特性が良く、さらに音が良い回路を設計しようにも、現代では
昔のように需要の無いオーディオ用トランジスターが製造されていないので、設計できません。その代りOPAMPという優秀なオーディオ増幅回路が開発され
普通は、それで用が足りる時代になりました。これらは小さいチップの中に従来の回路が入っていて非常に音質も優れています。
逆に言うとトランジスタで、デスクリート回路を組んでもそれ以上のものは中々作れません。そういったICの活用はもう30年以上前から始まっています。
今まで何人もの人がこのトランジスタ式は音が素晴らしいというので、中のICを指さしこれはICだと説明すると半数の方は、それ以降疎遠になります。
これらのICを応用して音の良い(変化させにくい)回路を設計することは、トランジスタでの回路設計ではできなかったことが容易くできることなのです。
トランジスター3段増幅といった回路はIC化によって安価に差動入力コンプリメンタリー出力が可能になりました。
デジタル回路半導体IC
メーカーのアプリケーションデータのとおり使用する回路が基本、高度な測定器が無いと動作の保証は難しい。
アナログ回路半導体IC
自由にアナログ回路技術を駆使して使用するので経験値から受動部品の適材適所が生かせる。測定器は最小限で可能。