東芝グランドコンサート2016 ダニエルバレンボイムシュターツタカレペレベルリン~ベルリン国立歌劇場管弦楽団~

しばらく、演奏会を聴きにいっていなかったので、今回は奮発して友人ら5人と行ってきた。というと偉そうに聞こえるかもしれないが、気取った意味は全くないと前置きしておく。初っ端から下世話な話をするがS席26K円。今の、私にとっては大金である。しかし現実は演奏の素晴らしさを語る前に、演奏者だけで総勢80人、一人あたりに300円も出してはいないということに気付く!。今回の鑑賞をとりまとめた友人K氏は、チケット発売と同時に動き回り、オーディオ的観点からホールセンターのステージと同じ高さの位置の前過ぎず、後ろ過ぎない場所を押さえてもらった。オーディオ的観点というのは、コンサートに通いなれた人が言う2階の席の方が音が良いとか言うのとは違い、通常スピーカーの中央でオーディオは鑑賞するものだから、それと同じ条件に合わせるという意味合いである。後で述べるがオーディオ的再生で定位の判断が付くからである。

 今回のバレンボイム指揮ベルリン国立歌劇場管弦楽団であるが、まぎれもなく折り紙付きのものに、私ごときがとやかく言うものではない。言わせてもらえるとすれば、指揮に従ってそれぞれの演奏者が寸分の狂いもなく演奏するその様に感動した以外何もないのである。行く前にベルリンフィルでないのと言われ、一時でもそう思った自分が、恥ずかしく思った次第である。初日の仙台は、バレンボイムのピアノで通常編成のオーケストラのモーツァルトのピアノ協奏曲22番で中央で客に後ろを向けながら演奏と指揮を執るといった神業的演奏であった。スタインウェイの開放の音も珍しく思った。次はここからが圧巻、80人の大編成オーケストラによるブルックナーの交響曲2番は、旧県民会館という今となっては狭いホール。指揮者も主席バイオリニストもステージの縁(ふち)ぎりぎりであった。後日オーケストラに詳しい友人に聞くとこのホールでは、通常45人程度の構成だそうである。ブルックナーの交響曲2番はマイナーともいえる曲目だと思う。正直自宅では2番は聞いたことが無い(レコードCDも持っていない)ものであった。帰りに会場直売のタワーレコードの出店にも、2番単品は無かった。国内版のBOX(全曲)を勧められたが、高額なので、全曲聴くのは大変だと断った。他のものを物色中、それを察したのか店員は1つだけ安価な輸入盤のBOXが残っていますと、わざわざ持ってきてくれた。若い男性店員であったが、そういう気配りは嬉しいことだ。他と合わせて買ったのは言うまでもない。

ここからは、私のオーディオ的主張だから、気に入らない部分もあるかと思うのでご注意いただきたい。
再生音楽(オーディオ)の場合、実際の演奏を相当にスケールダウンして、オーディオ装置による再生音楽に没頭している訳だが、オーディオというもの、趣味性から本来の演奏音楽が捻じ曲げられていることが非常に多い。勿論80人の大編成のオーケストラをこんな小さいスピーカーから再現するのは、無謀なのではあるが、それをしようというのは人間の欲望なのであろう。長年再生音楽をマルチアンプという再生方法で聴いているが、大型になる傾向があるが、満足の出来る再生音が得られる一つの方法である。今回注意深く演奏を聴いていたのだが、実際の演奏と同じようにCDやレコードには音質は別にして収録されているのである。再生帯域と十分な分解能が無いとそれらは聞き取れない。ようするに十分な低音再生能力、音が埋もれることのない分解能の両立こそが音楽再生能力であり、それが至福のひと時へのいざないとなる。良くオーディオマニアは、もっと楽器が前に出て来るはずだとか訳の分からないことを言う。好き勝手に特定の楽器が前に出てくるようではまともな鳴り方ではない。うちに来た方で定位が良いことに気が付く人が多い。それは分解能の高さとうねりの少ないことが大きな理由である。うねりが少ないから大型のマルチアンプでもボーカルがセンターに定位することは勿論のこと、楽器が横に並び前後(奥行)もわかる。分解能が高くなると低音弦楽器(Double bass)のピツィカートも埋もれることなく聞こえる。

立派な表紙と装丁のプログラム(頒布品)1,500円と、お値段も良い
中身も厚い上質の紙だ。これは家に持ち帰って、*コーヒーテーブルブック的なものになる内容
しかし、そのまま手に抱えて帰るにはつらい。袋は無いか売っていたお姉さんに聞くと、ご用意していませんとのこと。
タワーレコードのお姉さんは、CDを大きな袋に入れてくれてナイスフォローおかげで、一番町を通り、地下鉄で帰るのも
楽だった。

*コーヒーテーブルブック
今時使わない言葉になりつつあるかも知れないので補足
音楽を聴きながら、飲むコーヒーテーブルにさりげなくあるようなパラパラめくって読めるるような内容の本のこと