新開発MMフォノイコライザー

昨年超低雑音電源を設計し、低雑音に取り組んできた。
次はMMフォノイコライザーを超低雑音設計目標に製作した。現在入手可能な部品で製作が必須条件だ。
とにかく、音質の次元が違うと言っても言い過ぎではない。これまでに試聴した人、4人が即座に購入を決めるくらいだ。

今は、フォノイコは、デジタル時代に入ってから設計基準がおざなりに思える。
昔から言われている許容入力300mVを得るには電源電圧は最低±15Vが必要である。
なのに最近の外付けEQは、12VのACアダプタのものもある。もっと重要なことは低雑音化だ。
フォノイコライザーの残留ノイズがあれば微小なカートリッジからの信号が消えてしまう。

設計目標 一流メーカーハイエンド製品以上の特性

PCM音質でユーチューブにアップしてあるので、試聴いただきたい。

公開の音声(コーデック)はOpus(251)です。
静粛感と余韻は、徹底した低雑音による効果と思う。
高音質対応のスマホでは、イヤホンでもよくわかります。

高音質対応プラウザは、MicrosoftのEdge GoogleのChromeです。
念のためですが、インタネットエクスプローラでは、通常音質です。

https://www.youtube.com/watch?v=NM-ggHzCRK8

ユーチューブ試聴 ビルエバンストリオ

超低雑音電源+超低雑音フォノイコ入力をショートして内部雑音をWaveSpectraで表示




超低雑音電源+超低雑音フォノイコ入力にMMカートリッジを接続してWaveSpectraで表示




参考用低雑音電源を使わない場合
3端子レギュレーター電源+超低雑音フォノイコ入力をショートして内部雑音をWaveSpectraで表示



超低雑音電源+超低雑音フォノイコ入力にMMカートリッジを接続してWaveSpectraで表示

回路構成は音質的に定評のある従来から製作している、フラットアンプ回路を踏襲した。(下がブロック図)

入力段にMMカートリッジが接続されることから高gmで超低雑音のFETが必要だ。
従来なら2SK146あたりのデユアルFETが入手できたが現在では入手困難だ。とりあえず手持ちの2SK146Vで作ってみよう。
中間に用いるのは、音響用OPAMP MUSES 8820DだがOPAMPの出力に電流バッファを設けて負荷を軽減する。
これでOPAMPの性能を100%出し切れ特性も良くなる。
初段のFETは、データシートEn-Id表から十分にノイズの下がりきる電流値10mA近くになるよう定電流源には20mAとした。
負荷抵抗R5、R6はノイズに影響する部分でQ1Q2のIDSS選別により決まる。実験結果おおよそ10V~8Vが最適値だ。

イコライザー素子はコンデンサーを精密選別することで正確なRIAA偏差となる。これにより20Hz~20KHzで偏差0.2dBが得られる。
NF型のイコライザーアンプは、どうしてもRnfの電解コンデンサーやタンタルコンの特性で低域端が丸まる。
これを嫌ってDCサーボ型にするこれによって出力のコンデンサーも排除できる。

この回路で残留ノイズ10μV(-100dBv)を狙ってみる。余裕の4μV以下となる。これには、プリント配線パターンも大きく影響する。
この辺になるとアナログ設計のノウハウが必要だ。ネットリストでお手軽にパターン設計は出来ない領域だ。



ブロックダイヤグラム

これが試作した基板だ配置の工夫で片面基板で上手くまとめることが
出来た。
基本的な動作はバラック配線で試験
RIAA特性や、発振の有無など回路に基本的に問題はない

残留ノイズ試験はしっかりケースに組まないと測定できない。

ケースに組んだ試聴用実機1号
FETは、選別した2SK369V
ペア組熱結合すれば146Vと同等以上
RIAA偏差0.2dB
許容入力300mV
出力2V時S/N 110dB以上 (A)
1kHzひずみ率 0.005%
残留ノイズ 4μV以下
入力換算雑音 -138dB以下
GAIN 30dB 1KHz

この値は、昔からオーディオ(自作)している人なら信じられない(嘘っぽい)値だろう
これなら文句なく超低雑音だ。

   試聴用実機1号の結果が良かったのでまとめて基板は製作した。
細部の部品は変更しているが、基本性能に変わりはない。
写真のものは完売

次回製作分は、同じ部品が入手できず頓挫。
   残留ノイズ測定結果
10μVフルスケールなので、大体わかると思います。
こちらの実機は初段のFETは現在入手可能なものを選別してペア組したもの。
これは、ヤフオク用に2台まとめて製作したもの。(第一弾終了)
超低価格で出品している。
従来機をご使用の方からは、お叱りのメールもあり苦しいところだ。

現在直販含め好評なため随時追加製作中

現在の基板在庫があるうち製作します。
第三弾製作中
   間違いなく4μV以下です。
それで音質と聴感上のノイズ等は実際に聴いてみないと判らない。
フォノEQのリファレンスモデルC-37の登場です。
ターンテーブルDP80のWアームにV15TYPEⅢを付け同じ条件にして
試聴します。

C-37の保証特性(MM型ノーマル30dBから抜粋)
RIAA偏差0.3dB
許容入力300mV
出力2V時S/N 110dB以上 (A)
1kHzひずみ率 0.005%以下
入力換算雑音 -138dB

残留ノイズ 6μV以下
プリはアキュフェーズC-3850フラグシップ機
ノイズについて、どちらも残留ノイズは同じ程度。
ボリュームをフルに上げて比較した。測定結果は問題ないことになる。

音質の比較については、個人の感想になるので書いても仕方ない。

スマホで録音ですが試聴

2017年8月26日現在  今回は電源部とまとめて10セット製作予定(第三段分)

今回はEQ基板は、好評なハーメチックタンタルバージョンとしたが、今度はEQ素子のコンデンサーが入手困難となった
超低雑音電源も合わせて製作中
8月29日現在3台イコライザーアンプは製作済み
内部構成
希少なハーメチックタンタルコンを電源部パスコンに採用
このパスコンは、耳の優秀な方、に好評

超低雑音を謳っているが、フォノイコライザーの場合雑音がいかに少ないかが大きな指標になる。
元々小さな、カートリッジの発電電圧を増幅する訳だから、それを無視して音質は語れない。

デスクリート構成やOPアンプだとかそのような次元ではない。
使用半導体
2IC
4トランジスタ
6FET
4ダイオード
フォノイコライザーの場合、電源部を同じ筐体にするとハム音が出やすい。
トランスをシールドしたり手間がかかるため別置き電源としている。
しかしこれは、普通の雑音の少ない電源とは異なる。

回路が全く違う構成だ。
これが超低雑音電源の内部
使用半導体
4IC
6トランジスタ
7ダイオード
これだけの電子回路構成の電源は、普通
はない。