はじめに
VUメーターアンプは調整済みでご提供しているのには訳があります。基準に合わせてきちんと調整する必要があるからです。回路は簡単ですがもし製作記事にしても調整が必要となれば、機材をそろえないと、中々正確なものは出来ません。ここでは調整についてご紹介いたしますが、基板単品で調整するのと、コネクタ接続方式は多くの利点があります。実装間違いなどがあると配線を外したりで汚くなってしまいます。故障した時も修理しやすいです。尚組み込んでしまったものの再調整は発振器とレベル計で調整出来ます。調整出来るようにTP端子やショートピンを設けているのはこのためです。基板単品での調整はTP端子を使っても良いのですが、一々クリップを挟んだり面倒なため専用測定冶具を製作して、プローブピンで拾っています。テストCDに入っている信号はCDの絶対最大値に対して-20dBを0dBにしていますが、CDプレーヤーでも±3dB程度の差があるのと音圧稼ぎで守られていませんので、音楽CDによってまちまちなのが現状です。だから民生用で使用するにはレンジ切替が必要なのです。
基板製作工房 ご注文いただいた基板は1枚1枚丁寧に部品挿入して、無鉛銀入り半田で半田します。静電気対策、温度も設定して、品質には十分注意しています。拡大鏡で半田の目視確認を行いその後、調整工程に移ります。 |
調整工程全体の流れ 本機は+12Vと-12Vの正負電圧を使用しているので定電圧電源電圧の確認をはじめに行う。冶具側のスイッチで切り替えて正負共測定する。 発振器から1KHz+4dBmの信号を出力してアッテネッターを介して基板に入力します。この時の入力レベルも間違いないかレベル計で確認します。 +4dB、0dB、-10dB、-20dBを入力して各レンジ+4dBの出力になるように調整します。そうです4レンジ左右分ですから、8回も調整する必要があります。それに補正用2個、合計10個もの調整があります。 |
出力、周波数共、安定な発振器(左)を使用 操作しやすいステップアッテネッターで基板への入力を絞る |
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アッテネッターのレベルは常時監視 +4dBは+10dBに対してなので-6dBなれていない人は戸惑う要因となる 右のようなデジタル表示はわかりやすい。デジタルは基板の+4dBの調整 出力側に挿入している。 |
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これが専用に製作した調整冶具 入力、出力およびTP、電源電圧は左のようにコンタクトピンより取り出す。 ちなみにこの冶具の製作費の方がはるかに高額。 白いのはデルリンと言う材料。テフロンよりは安い。 なんで冶具を使うかは、毎回TPにテスターリードを当てていては効率が悪 いためです。 |
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ここまでは測定器による調整 ここでようやくVU計の登場、最後にもう一度+4dB、+0dB、-10dB、-20dB を入力してどのレンジでもVU計で0VUとなることを確認して調整完了。 規格品のVU計はこれくらい正確に合っています。良く測定器を基準にした らいいのかメーターを基準にしたらいいのか判らなくなる部分ですが、測 定器で調整されていて誤差があれば、メーター補正ボリュームが別にあ るのでそれで補正します。 |
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