ダサコンは、朝陽館がよく似合う。…かどうかは定かでないが、もはやホームグラウンドの趣と風情漂う湯島の旅館に、第三勢力コンベンションが帰ってきた!
未だ極秘事項に属する、何を以って「第三」なのか?という謎の解明に向け、地道な聞き取り調査はしていない。
今回初めて、バッグひとつでダサへ出発。ぼくにとっては特筆に値する(笑)出来事として、特に明記しておきたい。オークションに出品できる本が(ホントに)無い、というのも寂しいものだが、サインを貰うための本さえ持ち込まないという身軽さも、また魅力あり。
朝陽館への道程は迷うことなく、意外と覚えているものだった。すっかり日が暮れた道すがら、昨年はまだまだ明るかったことに気付く。SF大会との間隔が同じなので違和感がなかったが、そうか、去年は一月早い開催だったのか。到着するや否や、早くもu‐ki総統に遭遇。入院中でかなりヤバめとの事前情報だったが、思ったよりは元気そうでなによりだ。そして、参加費値下げのウレシイ受付。
会場入りに余裕があるのは良いね、やっぱ。スタッフの皆さんに挨拶したり、集まってくる参加者の面々と雑談して寛いだり。ダサ初参加ののむのむさんも、SFセミナースタッフでお馴染みだしね。企画会場の大部屋では、清水賢治さんにワセミスのSFファンジン〈アステロイド〉のバックナンバーを見せて戴く。重かったでしょうに、ありがとうございます!
湯川光之さんからは頂き物あり。感謝。
7時を少し廻ってから、開会の辞、参加者紹介と、ダサコンの幕が開く!
ここで早くも、事前に行われた「オンライン書評に関する大型アンケート」より、タニグチリウイチ@積ん読パラダイスさんと、銀河通信の偉大なるゴッドマザー、安田ママ@乱読めった斬り!に対する、「最も参考にしている書評」として最多得票を獲得した栄誉を、讃え敬い崇め奉る表彰式を行う。
今回のメインとなるゲスト企画は、『不良のための読書術』(ちくま文庫、2000年)の著者、永江朗をお迎えしての、書籍・流通に関するガイダンスである。この著書を見ても伺えるように、ぼくのような片寄った現場サイドの観点からしても、永江さんは机上の空論と感じさせることの少ない、地に足の着いた議論とアジテーションを展開する論客として信頼が高い。
ダサコンは、作家・ライター・翻訳家、編集・出版社、ネット&リアル書店関係者のほか、読者として業界に意識の高い構成メンバーが多いゆえ、質疑応答が白熱。錯綜するあらゆる話題に数値を交え明快に答えてゆく、永江さんの精力的な姿が光る好企画であった。
その後はいつもの調子で雑談モードに。もはや見知った顔触れ多し。ディーラーズで購入した、東洋大S研(東洋大にのみ適用)の会誌〈ASOV〉22号『野田大元帥への返歌』が、期待通りオモシロイ。
そうこうしているうちに、バード中津@角川春樹事務所さんを中心に、ジャンル分けとプロモーションなどのSF出版絡みの話が始まったが、ほどなくしてオークションが予告されたため移動する。
しかし、MZTさんはすっかり古本屋のオヤジ化していた。と断言するのもあんまりなので、今回は若旦那くらいにしておこう(笑)。などとうっかり油断していると、mutさんまでが古本ブルドーズへと躍進めざましいらしい。一体、彼に何が(笑)。とかなんとか言った所で、ぼくらの遥か彼方にはあの(!)彩古さんがいるんだから、全くもってノー・プロブレムだ!
ぼくはまあ、おとなしく(?)していたが、イイ感じで競り落としていくのはπRさんである。SF大会で証明済みだけど、気持ちの良い競りを演じてくれる。そして、愛・蔵太さんや倉阪鬼一郎さんが、フラリと来て大人買い。総統も盛り上げる。例え値は上がらずとも!
終了後はご歓談タイム。というか、朝までダベる(笑)。彩古さんとちゃんとお話するのは初めてかな。内容はご想像の通りだ(笑)。しかし、今はもうミステリオンリーなのかと思っていたら、SFもまだまだ主戦場とのこと。収集に賭ける情熱と行動力に頭が下がる。
そして、茅原友貴クンや青木みやさんらを中心に何やら色々と話し込んでいたものの、記憶に留めるべきは、一部において内容外の物議を醸した(?)映画『U‐571』が、「O‐157」と紛らわしい、という事実であろう(笑)。
途中、ダサコン名物のカードゲーム新型が投入された模様だったが、なんとなくずるずると参入せずにいた事は、今となっては惜しむべきかもしれない。ぼちぼち朝を迎え明るくなった頃、顔を洗って大広間へ戻ってみると、眠りから目覚めたu‐ki総統が、並み居る人々の関心を攫っていた。そこでは総統の、かなりプライバシー入った部分までをも含んだ過去から導き出される、夢見がちな人々(通称、ドリーマー)へ捧げる賛歌が叫ばれていた>ホントか?。しかし思いのほか、その過去は近かったりする。およそ人生経験の全てがネタと化し、確実にヒットを飛ばすという稀有な才能は、総統の独壇場と言っても過言ではあるまい。減衰中でも、無敵生命体としての機能に変化は無かったようである。
朝を迎え、エンディング。解散後もワイワイと、いつもの如くルノアールへ押し寄せる。そこでは志村さんに、「星ヅル」折り紙の指南をお願いする。しかし、普通の折り鶴さえ覚えていない人間を阻む困難に立ち向かうためには、幾人もの助っ人の手を渡らねばならないのだった。まあ、名人の星ヅルとの紙相撲対決において、完勝を納めたのでヨシなのだ(笑)。
いつ雨が降るか、という予断を許さぬ天候の下、一歩さん、羽鳥一紀さん、πRさんと共に行く、魅惑の東京観光をコーディネート。コースは神田神保町経由、早稲田行きという、都会の魅力を余すことなく盛り込んでみました(笑)。そこで如何なる成果があったのか、なかったのか?
各人の奮闘、逡巡の程は、これはまた別の話…。
ダサ4は、安定したカラーを醸し出した点で、最も成功したと言ってよい。スタッフにとっては、毎回危ない綱渡りなのかもしれない。だがそんな事とは関係無く、「ダサコン」という場が自ら歩みだす足音を感じるのだ。回を重ねるとはそういう事。今は解らずも良し。ダサコンは、ここにあるのだから。