'99 SFセミナーレポート

 99年5月2日(日)AM9:45、場外馬券売り場に向かうおじさん達にまぎれてJR水道橋駅に集まるアヤシい人々。そう、それは「ださこにすと」(命名、ダイジマン)。説明するまでもなく、例の3月に行われたださこん参加者の集まりであった。彼らが向かうのは、全逓会館。抜けるような青空の下、一行は「SFセミナー」に参加すべく、ぞろぞろと歩を進めたのであった。

 などという書き方は、疲れるのでもうやめた(笑)。とにかく、私はSFセミナーは初体験。もし、3月のださこんに行っていなければ、おそらくセミナーにも参加していなかったでしょう。そこでお誘いを受けたのと、ださこんでこういったコンベンションの雰囲気がだいたいわかったので、前ほど敷居が高くなくなったのが、参加理由。
 私には、SF大会は誰でも参加できるお祭り、ださこんは仲間同士のオフ会、セミナーは本当にコアなSFもののいくところ、という感じがあったんです。最も上級者向け、といいましょうか。確かにそのとおりで、SF力のない私にとってはちょっと難しすぎてわからない部分もありました。よって、今回は「詳細レポート」というよりは「ごくごく私的レポート&感想」ということでご勘弁を。

 受付をすませ、9階の、200人ほどの入れる会場に突入。椅子と机がだーっと並んでいて、前の壇上で、ゲストがトークをするという形式。会場の左右では、ファンジンを販売。

 10:30、事務局長柏崎玲央奈さんの挨拶で昼の部スタート。
プログラム1は、「文庫SF出版あれやこれや」。ハヤカワ文庫編集の込山博実氏、東京創元社SF文庫担当の小浜徹也氏、ハルキ文庫担当の村松剛氏の出演。司会は高橋良平氏。

 書店員という私の立場からしても、もちろん読者のひとりとして聞いても、実に興味ある対談でした。出版社のホンネなどというものは、そうそう聞く機会などありませんからね。

 まず、各出版社の紹介。ハヤカワSF文庫は、来年の8月で創刊30年を迎えるとのこと。創元は、ミステリの読者にもわかるSFをということで、ハヤカワより若干遅れてSF文庫をスタート。ハルキ文庫は、創設時に、まず最初何を出そうかと考え、小松左京・半村良・光瀬龍など昔角川が出していて今読めないものをフォローしたらどうだろうと考えて始めたら反響がよかったので、SFにシフトしたとのこと。昔からのファンも、新しい若いファンも獲得できたよう。

 ここで、今話題の絶版・復刊についてのトーク。
まずハヤカワの弁。復刊というのは特になく、あくまで品切れという形にしておいて、5年くらいたって読者の要望が高まったら重版をかけるという形式にしているとのこと(たとえばスタートレック)。ただ、1000冊以上の管理点数をもっているので、売れ行きの悪かったものの再版は難しいとのこと。いくら倉庫にあっても、書店の棚にも限界があるし(そうです!)、書店に出なきゃ売れない。面白いけど手に入りづらいものは、機会を見て重版を検討したいとはおっしゃってました。これはホントに作品の力次第だそう。あと、エヴァなどの外的要因(笑)。つまり、売れるものでなきゃ重版しないよってことですよね。商売だもの、そりゃ当然だ。30周年は何か考えてらっしゃるそうなので、皆様こうご期待!

 創元の弁。今回の4月の復刊フェアはとても好評だったとのこと。この復刊フェアというのはもともと、ハヤカワの90年アンコールフェアが売れてたのでマネしたら評判がよかったんだそう。知りませんでした。前回復刊したクーンツの『人類狩り』はとてもよく売れたので、こういういいものを掘り起こして復刊していきたいとのことでした。復刊や重版のたびにカバーを変えたりするのは、とのハヤカワ側の質問に「もうからないですよ!ただ、読者と書店のため!売り上げは上がったけど、コストもかかってるんです」と強調しておられました。

 ここで小浜氏の名言を書いておきます。「みんな、SFが冬だって言うけど、出版界そのものが冬!とくに小説は冬!さらに翻訳界は冬!!」…あうう、おっしゃるとおりですう。書店員の立場として、日々ひしひしと実感してます。本をたくさん読んでる人間って、割合で言えば本当にごく少ない。しかも、どんどん減ってきてる気がします。皆、決して本が嫌いではないと思うんです。ただ、なんせ忙しすぎて本をゆっくり読む時間がないんですよ!このあたりは、私はもっと大きな社会的問題だと思います。

 小浜氏によると、「やっぱり数字ついてないとダメね!ミステリにはベスト10がある。あの帯がついてるついてないでだいぶ違う」とのこと。込山氏も、「確かにSFマガジンでやったハヤカワSFベストの帯を巻いたら売れた」そう。高橋氏は、「信頼できる、影響力の強い書評を書く人(オピニオン・リーダー)の力というのは大きいのではないか」との弁。なるほどね。確かに書店サイドから見てますと、ちょっとテレビで紹介されるなり、ガーッと売れる本っていっぱいあります。『五体不満足』しかり、『日本語練習帳』しかり。SFじゃないですが。SF読みの肩を強く押すものが何かあればいいですね。ワタクシ的に言えば、ネットというのはそうしたもので言うなら実に大きい力です。『ブギーポップ』しかり、『星ぼしの荒野から』しかり。掲示板やメーリングリストで話題になってると、読まなきゃとにかく話がわからないですから、何が何でも読もう!と思いますものね。

 最後に、これからの予定。ハヤカワは、シーフォートサーガ4を8月ごろ出す予定。エンディミオン続編が冬頃。ハルキは小松左京の短篇集を3冊予定。光瀬龍もいくつか。あとは川又千秋などを予定。角川春樹小説賞というのを創設するとか。創元は、火星シリーズをとにかく買って下さいとのこと。発行部数はとても少ないそうですので、皆様ぜひ一冊といわず今後の為に何冊でもお買い求めを!この売れ行きによって、今後の展開が大きく開けるかおじゃんになるかが決まるそうですので!他の作品に道が開けるかの大きな瀬戸際だそうですよ!

 ちょっとオマケ。東京創元社は、オンライン出版の予定はいまのところないそうです。検討中だそう。早川は、ホームページがもうじきできるそうです!こうご期待!(これは大森望氏情報)

 ここで昼休み。私達ださこん組は、14人で台湾料理屋さんへ。おいしかった!

 13:30、プログラム2は「スペース・オペラ・ルネッサンス」。ゲストはSF評論家の大宮信光氏、『星界の紋章』の著者である森岡浩之氏。司会は堺三保氏。

 実は私、恥ずかしながら『星界の紋章』を読んでおりません。知りもしないのにヘタなこと書くとアレですので、このプログラムのレポートはちょっとパスさせていただきます。失礼!

スペース・オペラの中の帝国主義と民主主義、スペース・オペラによって宇宙への憧れをかき立てたい、などのトークに花が咲きました。

 休憩をはさんで、14:20、プログラム3「『雪風』また未知なる領域へ」。ゲストは、星雲賞を連続受賞したことのある御大神林長平氏が、新刊『グッドラック 戦闘妖精・雪風』をひっさげて登場。聞き手は牧眞司氏。

 実を申しますと、私、これの前作『戦闘妖精・雪風』も読んでないんです〜。すみません!(予習として、『プリズム』を読みましたが。)でも、この講演を聞いて、なにがなんでも読まずにはおれない気持ちになりました!とっても面白そうなんですもの!前作を読んでない者にも、じゅうぶん楽しめる内容のトークでした。神林氏には初めてお目にかかりましたが、言葉をゆっくり選びながらの穏やかな話し方がとても素敵で、好感が持てました。

 まずは牧氏による前作と新作のあらすじ紹介と、15年後の今になって続編を書くことになったいきさつの説明。神林氏は、「前作で、最後にちょっと決着をつけないまま終わりにしたところ、周りにいろいろ聞かれて説明するのが面倒になった。もし、主人公に決着がつくとしたらこんなシーンだな、というのがずっと前からあって、そのラストシーンに向かって書いた。」と答えておりました。

 牧氏の「新作まで15年というブランクが空いたわけだが、現実のテクノロジーの変化を意識したか?」との問いに、「あまり意識しなかった。なぜなら、前作でメカ的趣味は書き尽くしたから。現代の戦闘機は姑息!カッコ悪い!」という神林氏の答えに場内爆笑。

 「あなたの作品にはマシンへの愛といったものが感じられるが、神林さんにとってマシンとはどんな存在?」との問いには、「いい機械を見た時、それを作った人間、作り手に対する畏怖を感じる。もし悪い機械を見ても、それを作った人間が悪いな、と思う。機械は悪くない!(笑)別に機械を擬人化しているわけではなく、あくまで機械は人間が作ったものという意識がある。」とお答えになりました。

 「作品の中で、言葉というものも大きな意味を持っているが、神林さんにとって言葉もマシン的存在では?」との問いには、「頭の中のものが具現化したものという点ではどちらも同じ。その人が書いた文や言葉を検証すれば、その人の考えというものが分かる。」とのお答えでした。「では、読んでて作者の中身に興味をもった本はありますか?」との質問には、「京極夏彦にハマりました!本好きには、あの厚さだけでうれしい。こんなに読める!と思う。あのウンチクがたまらない」と話しておられました。なんかこのあたり、とても嬉しそうにしゃべってて、ほほえましかったなあ。

 「『雪風』には“ジャム”という未知の敵が出てくるが、これはいったい何か?」という問いには、「あれはもともと太古の地球にいたもので、とある理由で地球を出ていたのが帰ってきたら今の状態になっていた、という風に考えている。正体はぼくにもわからない(笑)。ここに書かれてるのが全て。そもそも、この本のテーマは“全く未知の相手とのコミュニケーションは可能か?”ということなので、正体がわかっては意味がない。でも、人間には未知のものを解釈するという力がある。それを書きたかった」とのお答えでした。「3作目は?」との質問には「まだわからない。が、もし書くとしたら、“我々にジャムがいると確信できるのはなんなのか?”ということを書くかも?」とのお答えでした。

 「これからの出版予定は?」には「朝日ソノラマから書下ろし長編が出る予定なのだが、もう1年くらい遅れてて…。バリバリのSFです。題は『永久帰還装置(仮)』。“帰るということはどういうことなのか”がテーマ。あとは、アンドロイドを主人公にしたものを考えてるところ。『敵は海賊』も考え中。」とのお返事でした。楽しみですね!

 お話のあとは新作のサイン会。私もしっかりサインをいただきました。ありがとうございました。(ダイジマン、スタッフとして売り子をしてました。)

 15:50、プログラム4、「篠田節子インタビュウ」。写真よりずっとお美しい方でした。おっとりした上品な話し方をなさる素敵な方、と思いきや、話していくうち、実は意外な素顔が判明(笑)。「ホラーなのかミステリなのかSFなのかはっきりしない作風なので、どこのジャンルからもはじきとばされております」などと謙虚なご挨拶でスタート。聞き手は山岸真氏。

 「今までで一番読んでてこわかった本は、スタニラフ・レムの『ソラリス』です」という始まりで、SFファンのつかみはオッケー!(笑)

 「ミステリとSFの違いは、すなわち発想の違いだと思います」と前置きして、黒板を持ち出して会場の皆にいきなりクイズを出されました。「10年前のアスファルトの下に、3ヶ月前の死体が発見されました。なぜだと思いますか?」皆がうーんと考える中、篠田氏の「大森!大森、出て来い!答えろ!」の暴言に一同驚愕。あ、あの大先生を呼び捨て!大森望氏、会場からマイクを持って登場、「えーこれはですね、地球にはマントル対流というものがありましてー」という答えに、会場爆笑の渦!「あんたミステリ評論家クビになるよ」と篠田氏キビシイお返事。が、篠田氏の答えは「地層の逆転があった」または「地底王国というものがあった」だったそう。で、ミステリものから大ひんしゅくをかったとか。

 つまり、篠田氏いわく、「ミステリは収束型の思考である。緻密に組み立てられた、合理的に納得のいく考え方をする。が、SFは拡張型の思考である。常識をはずれた発想がどんどん出てきて妄想が止まらなくなる。で、私はどうも後者の発想である。」なるほどねえ。この考え方は非常に面白かったです。

 読書暦は子供の頃は冒険小説が好きで、題も作者も覚えてないが、案外SFも読んでいたそう。「もともとは八王子市役所にお勤めで、どちらかの小説講座にいらしたんですよね?」との問いに、「はい、旅行記とかを書いたらけっこう採用されてたので、思いきってとらばーゆしてライターになろうと考えて、勤めながら多岐川恭小説講座に通いだしました。通い始めたらあっという間に泥沼で、デビューしていました」とのことでした。

 「やっぱり読者がいてこそ小説!読者の為に、読者をゆさぶりながら自分の表現したいものを書いていきたい」とおっしゃってました。

 などなど楽しいお話をたくさん聞かせていただいて、16:50終了。昼の部はここで閉会。

 またまたださこん組で集まって、お昼を食べたところと同じ店で夕食。今度は17人という団体に!(笑)

 おなかがいっぱいになったところで、ぞろぞろと夜の部の会場、旅館ふたきへ。ダイジマンが受付にいて、まるで旅館の若旦那のようだ、とu-kiさんに突っ込まれてました。(笑)

 19:00オープニング。夜企画の紹介と有名人紹介(笑)。本でお名前はかねがね、みたいな方があっちにもこっちにもごろごろいて、ビビりました!すっごい濃い方々ばかりでした!初めて顔を見た方もいっぱい!へーえ、あの人こんな方だったんだー、とミーハー丸出しでキョロキョロしてしまいました。

 夜企画は、同じ時間に4つの企画が同時進行で、どれに参加しようか悩みました。とりあえず一コマ目は、ニムさんと「スター・ウォーズの部屋」へ。渡辺麻紀さん、大森望氏、添野知生氏、柳下毅一郎氏などが、夏の新作「エピソード1」の予告編を見せてくれて、いろいろと話に花が咲きました。ううっ、楽しみ〜!ダースベイダー(子供)かわいいぞ!それにしても、アメリカじゃ上映1ヶ月前からキャンプして並んでるんですって?おそるべし、スター・ウォーズマニア!

 途中でこっそり抜け出して、「老いたる霊長類のためのフェミニズムSF」の部屋へ。ここは、牧眞司氏と柏崎玲央奈氏が、フェミニズムについて、ティプトリーなどを例に出してしっとりじっくりと語っておりました。私は基礎知識がないのでアレですが、面白かったですよ。でも私がここに参加するには、もっと勉強してからでないとダメだな。

 2コマ目は、「真夏の前のホラーの部屋」へ。出演は倉阪鬼一郎氏、東雅夫氏、大森望氏。「今、ホラーとSFの境界にまたがる小説が多い。ここらで領土問題をはっきりさせよう」という趣旨で進行しました。「『パラサイト・イヴ』は果たしてSFかホラーか?」「『黒い家』は?『リング』は?」などという本が題材に出され、ああでもないこうでもない、と熱い議論が交わされました。

 面白かったのは、ホラーの人が読むと、その本のここがホラーだ、SFの人が読むとここがSFだ、というのがちゃんとわかる、ということ(笑)。すごい。私にはとうていわからないわあ。えっ、『黒い家』ってホラーじゃないの?など、いろいろとひっくり返されたり、勉強になったりしました。なにせ私ホラー読みじゃないので、怪奇小説と恐怖小説と幻想小説とオカルトとモダンホラーとゴシックホラーと、あとええと、スリラーか!こんなにいろいろ細かく分かれてるなんて知りませんでした。しかも、ホラーの方にはすべてこの分類がちゃんとできる!感心しましたね。小浜氏のたびたびの「あれはどう読んでもSFだよ!」のセリフには笑わせていただきました。とにかく、皆自分の視点から見るので、同じものを見てても皆意見が全然違って、面白かったです。

 3コマ目は、さすがに濃い議論に疲れて休憩。どこにも行かず、大部屋で皆とだらだらしゃべってました。いろんな人とお話できて、楽しかったです。カナザワさんが、神林氏の大ファンで、ここでずっと3時間くらいご本人としゃべってたそう。すごく嬉しそうでした〜。今お話ししたことを、ノートパソコンに早速書きこんでました。あ、私、篠田氏にもサインもらいました。へへへ。

 4コマ目がつらかった!一番行きたい「ネットワークのSF者たち」と、ダイジマン出演の「ほんとひみつ」が重なっちゃったんです。うう、どっちも見たい〜!とりあえず「ほんとひみつ」を見てたら、ニムさんの強制連行にあって「ネットワーク」に引きずり込まれました。行って見たらびっくり!こ、これは宗教団体の集まりか?皆、額に白い三角、ならぬピンクの四角い画用紙を貼りつけて、ハンドルネームまたはサイト名が書いてある!アヤシイ!アヤシ過ぎ!(笑)

 司会は森太郎氏と田中香織嬢。まず検索エンジンを使って、SFとミステリを検索してみたら、実はミステリよりSFページの方がずっと多かったとか。SFは横のつながりが多いが、ミステリはミステリ書評のみのページは横のつながりがあるが、ミステリもやってる、みたいなサイトは案外つながりがないらしいとか。へーえ、初耳だったなあ。

 また、ネットの書評を見て本を買ったことがあるか、買うときの参考にするか否か、他の人の書評が気になるか、などの質問に挙手で答えました。だいたい皆、人の書評はよく読んで参考にしてるようでした。(私もそうです、最近でいうならブギーや、『もてない男』かな)

 挙手により、今回のセミナーが初参加の方で、ださこんで声をかけられて参加した方(私もそのひとり)がけっこう多いというのが判明しました。確かに、いきなりこんなに濃いところにひとりで参加はこわいよね。okkoさんが、「私、2度SF大会にひとりで参加しましたけど、つらかったです」と発言したら、大森先生が「とてもそうは思えない」とぼそりと発言。ウケました。大森先生いわく、「やっぱりまずネットでやりとりして、オフ会いって、コンベンション行ってってのは普通の流れだよ、誰でもいきなりコンベンション参加はしないでしょ」。では、ださこんは踏み台?(笑)

 森氏が、「ネットで十分コミュニケーションできるのに、どうしてオフ会やるの?」と聞かれて、うまく答えられなかったと発言。大森先生によると、「アメリカじゃオフ会なんてめったにやらない。そのかわり、コンベンションがいっぱいある」とか。これもいろんな意見が出ました。(ワタクシ的意見を述べさせてもらえば、そりゃ人間って生身のもんですから、いくらネットでやりとりできても、やっぱり実体にはかなわないですよ。文章だけのコミュニケーションにはやはり限界があるでしょう。だから、掲示板でもめ事が絶えないわけだし。)u-ki総統の発言もおかしかったです。「書くよりしゃべる方が早い」そりゃそうだ。

 あとは、星雲賞で、野尻抱介氏の『沈黙のフライバイ』組織票はいいのか否か?という議論も出ました。ホントはいけないんだけど、マジでやれば影響力はあるでしょうとのこと。ここはちょっと難しい問題のようですね。

 東京創元社のホームページができたのはなぜ?という質問あり。小浜氏いわく、「全くの企業的企画です」とのこと。溝口@書物の帝国の「審判の日」(復刊要望メール)はどうなったのか?の質問には、「出版社としては、売れさえすればいいので、意見は意見として受け取りますよ。でも、こんなの欲しいの?面白くないよ?ってのも要望されてるけど、これは目録を見てただ絶版だから書いてあるだけ?」との答え。これには溝口氏が、「いえ、皆読んで面白かったのに今これが手に入らないという義憤で書いたものです」と答え、小浜氏も納得しておられました。

 その他にもいろいろ面白い意見交換があったんだけど、うーん、このくらいしか思い出せない!途中で抜けて、「ほんとひみつ」も見物にいったし。こちらは、私はダイジマンの企画デビュー演説を聞きにいっただけなので、詳しくはダイジマンレポートをお待ち下さいませ。いつになるかは不明ですが(笑)。ここの部屋は、濃かったです。皆、超マニアック!なんでそんなこと知ってるんだか、この人たち…。本フェチ、本おたくな方々の集まりでした(ほめ言葉ですよ!)

 最後の企画は、恒例「古本オークション」。ださこんよりはるかにディープなオークションでした。「そんな本がこの世にあったのか!」と、勉強に(?)なりました。筒井康隆の本とか。あれは二度と世の中に出ない本でしょう。ほかにも、超貴重本がいっぱい!私は、コバルトの『たんぽぽ娘』ほか計3冊ゲット。日頃、時間がなくて古本屋めぐりなどできない私にとっては、こういうオークションはたとえ値段が高くても、それを見つける手間を考えたら、とてもありがたいです。皆様の丁寧な解説もあるしね。私も持ってるある本がすごい貴重本というのには驚いたな。ダイジマンに感謝せねば。

 オークションが終った時点で朝4時!さすがに体力の限界を感じて、寝に行きました。私の部屋の方々は、この時すでに全員熟睡。私も、そのまま8時まで爆睡。

 8:30、エンディング。スタッフの挨拶で幕を閉じました。ゲストの方々、スタッフの皆様、本当にお疲れ様でした。おかげさまで、楽しませていただきました。ダイジマンによると、大盛況だったとか。解散時に、こんなに人が大勢いたことはなかったそうですね。皆様の努力の賜物ですよ。来年もまた、ぜひよろしくお願い致します。ありがとうございました。

 解散後、ださこん組はまだこりずにずるずると10人ほど集まって「ルノアール」で朝食&本談義。いやはや、本の話を始めると止まりませんな。気がついたら12時、ってもうお昼じゃん!ここで最終解散。皆様、9月のださこん2でまたお会いしましょう!

(このレポートになにか間違い、誤解などございましたら、訂正いたしますので、なにとぞお知らせ下さいませ)


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