DASACON1レポート

 99.3.13(土)、東京(水道橋)の朝陽館本家にて、記念すべき第1回ださこん森太郎氏命名、第3勢力コンベンション)が開催されました。受付は18時〜19時。私は、途中で道をお巡りさんに聞き(^^)、19時5分前くらいに到着。ちょうど、ちぇろ子さんと一緒に受付しました。会場は、古い落ちついた感じの旅館。ダサコン様という看板に笑いました。受付でお金を払い、名札を貰って、部屋に荷物を置いてから会場へ。

 広い畳の部屋に、縦に2列長い机が並び、ほぼ30人近くくらいの方がいらして、スタートを待っておりました。私は後ろの方の、okkoさんやちぇろ子さん、お給仕犬さんたち女性陣のテーブルの隅に着席。あ、あの方もこの方もいらしてるよ!などとキョロキョロ。ニムさんも到着。

 19:10、u-ki総統の挨拶により、スタート。ざっと自己紹介をした後、なんと電報が来てるとのことで、森太郎さんが読んで下さいました。シーフォードさんのオブジェ入り電報、冬樹蛉さんの「ヤマトの諸君」で始まるキティちゃん電報(初めて見たよ!)、喜多哲士さんの電報が披露され、爆笑の渦に。

 19:30、さっそく山之口洋氏&涼元悠一氏対談。前に出したテーブルに3人で並んでいただき、浅暮三文氏(第8回メフィスト賞受賞作家)の司会でゲストの挨拶。3人でちょっと事前に打ち合わせした結果、いきあたりばったりでいくことになりました、と最初から笑わせてくれました。

 まずは、ネタバレ覚悟ということで、『オルガニスト』コーナーからスタート。『オルガニスト』の作者、山之口氏を涼元氏と浅暮氏が質問攻めにするという趣向でした。
 まずは、ストップというパイプオルガンのしくみから解説。体で実演してくださいました。あれは、フロッピーに記憶させると、前と同じ状態が再現できるそう。涼元氏が、「ラストに彼はオルガンになってしまうが、音楽になるというのとオルガンになるというのは違うのではないか?」という質問。これに山之口氏は、「まず人間があって、その上にオルガニストがあり、その上に音楽というベクトルがあり、その上に向かって行くというベクトルを表現したかったのだ」と答えました。バッハの4つのデュエットは異質だとおっしゃって、このCDをかけてくださったりして、音楽と自分とのかかわりなどを話してくださいました。

 お次は『青猫』コーナー。今度は涼元氏が質問攻めに。ファンタジー賞は基本的には縦書きのみなのだが、三井不動産のネットのページの募集要項には、縦書きのみとは書いてなかったので、これだけを頼りに封筒にデカデカと「三井不動産宛て」と書いて応募したのだ、と笑わせてくださいました。

 「あれは暗号小説ですね」との浅暮氏の言葉に、「でもわりとわかりやすく書いたつもり」と答え、「快楽、落雷、増幅」のところの暗号がわかった方いますか?と皆に逆質問。この解答には参りました。こんなのわかんないよお〜、涼元さん!16進法がどうとかいっぱい説明して下さいましたが、数学2だった私には(恥)ちょっとお手上げでした。(脳のメモリ足らなくてごめんなさい!)わかる方々は、ほ〜おとうなずいてらっしゃいました。

 山之口氏の、「p155の“世界はもう完成している”うんぬんだが、普通の考えでは世界はどんどん発展して行ってるという考え方だと思うから、それとは食い違う、アンチテーゼ的見解ですね」との言葉に、「今、世界はしばらくは安定した状態で、しばらく自分たちはこの世界を変える必要がない、そういう停滞期にたまたま自分たちは生まれてきた、そこに閉塞感を感じる」と答えました。山之口氏は、「企業なんかは、20世紀の考え方のまま、21世紀に突っ走ろうとしている。でも、自分は2000年を自分の折り返し地点にして脱経済したい、21世紀を第2の中世みたいに暮したい」とのことでした。

 浅暮氏は、「偶然かもしれないが、お二人とも今トレンドの恋愛小説ではなく、友情を対象にしてるのが面白い」とのコメント。涼元氏は、「恋愛はもう出尽くされてるから、別の畑を耕そうと思って」と返事。山之口氏は、「女性が書けないんです」とのこと。「今、恋愛はゲーム的になっている」とのコメントに、涼元氏は、「純文学路線にいったから、文学はいきづまったのかも。ゲームの血が文学に入ると、逆に若い人が戻ってくるかもしれない」とのご意見でした。

 「次回作は?」との浅暮氏の問いに、涼元氏は「高校を舞台にした恋愛ものを…」との返事に一同大爆笑!(彼の日記を読めばその答えは明らか。)山之口氏は「フランスの謎の詩人を主人公にした、一人称の小説を書いてて、そのために頭の中を中世にする作業を今しています」とのこと。空想歴史小説という感じらしいです。どちらも楽しみ!

 21:00に閉幕。楽しいお話、ありがとうございました。(このレポートのここはちょっと解釈が違うなどご意見ありましたらご一報下さいませ)

 ここで、森太郎さんから、NIFTYのFAX送信サービスからまた祝電ということで、またまた爆笑ものの電報が披露されました。

 21:10にお酒が回って、乾杯。歓談に突入。私は周りの席の女性陣と音楽談義など。22:00ごろダイジマン到着。22:30、かつきさんの出題で、スタッフの考えたWebサイトクイズ。全員起立して、答えを○×を手で合図し、間違ったら座るというシステム。問題は、ださこん賞ノミネートページについての出題。どういうわけか、私はわかりもしないのに運だけで残ってしまい、ラスト3人の中に入ってしまいました。ニムさんとふたり残ったところで前に出され、ラストクイズ。私はここで間違えたので、ニムさんがめでたく優勝。おめでとうございました!ふう、私当たらなくてよかった。またSFものの烙印を押されるところでしたわ。ニムさんは、お菓子のメダルをもらいました。なんか、ことあるごとにこの首からかけるメダルやお菓子(をスタッフが配っておりました。最初に&最後に到着した方、クイズに当たった方、などなど。これが最も多い方はラストで「ださこん大将」として表彰されるとのこと。

 23:00、古本オークション&SFカルタ大会。ここで、会場は前と後ろの2つにほぼ分裂。私はカルタは全然わからないのでパスして、オークションに参加(ちょっと目的があって、図々しくも一番前のかぶりつきの席をゲット)。まず、木戸英判さんの古本からスタート。それぞれ、持ちこんだ方が値段を決めて、口上を述べるのですが、この方の口上はお見事でした!もう、あれはひとつの芸ですね。もう爆笑につぐ爆笑!周りの揶揄もなんのその、ノリにのっておりました。また詳しいんだわ、この方!

 いろんな方がたくさん本を出してくださり、私のようなSF初心者には、本の紹介を聞いてるだけでとても勉強になりました。この間のオフ会でも思ったのですが、本当に皆様すごいです。1.本を出しただけで皆その本を知っている、2.内容について語れる(内容をしっかり覚えてる)、3.いつ出たとか、今絶版とか、古本屋なら今値段がいくらくらいとか知ってる。脱帽です。尊敬です。皆様にとっては当たり前のことかもしれませんが。くわしい本の出品や、その値段、誰が落としたかなどはいずれ他のページでどなたかが全部アップするとのことですので、そちらをご覧下さい。

 今回のオークションは、すごかったですよ〜!熱い闘いが繰り広げられました。目玉は、なんといっても溝口掲示板で話題沸騰の山尾悠子の本!彼女の本が出品されるなんて夢にも思わなかったので、皆驚きの声!声!声!目の色が変わりましたからね、この瞬間。たちまち値段はつりあがり、まず『オットーと魔術師』は2冊出たものを3人のゲスト作家が奪い合い。誰も譲らないので値段上がる上がる!緊迫した闘いで非常に面白かったですが、結局山之口氏と涼元氏が3100円(だったかな?)ゲット。
 が、これだけではすまなかった!なんとなんと、今はもう入手不可の三一書房の『夢の棲む街・遠近法』と『角砂糖の日』が出品!もう会場騒然!皆立ち上がっちゃって、「とりあえず座ろうか」との山之口氏の声に爆笑。これも激しいバトルが繰り広げられ、前者は4100円で涼元氏がゲット(これでは手が出ないわ〜)!帰りの交通費を心配しておられました(笑)。後者は溝口さん。『夢の〜』は、装丁も美しい箱入りの、素敵な本でした。ニムさんと、「これいいね〜」と言い合ってました。どこかの出版社で、版権取ってくれないかな。絶対売れるのに!

 私は、狙ってた本をだいぶ買うことが出来て非常に満足。友人に頼まれてた『星虫』を、山之口氏と張り合って1100円でゲット。更に、『メルサスの少年』も山之口氏と張り合って勝ちました。なんか、図々しくて済みませんでした、山之口さん!譲っていただき、ホントに申し訳ないです。他にはダイジマンお勧めの新潮文庫『タイム・トラベラー』、早川銀背の『夜の翼』、新潮文庫『戦時生活』(恩田陸お勧め、実はこないだのオフ会でも狙ってたんだ)など、今回はだいぶオイシイのを入手できました。こんなに読めるのか、私!頑張らねば!

 いつのまにやら日は開けて14日(日)1:30、延々と続くオークションに、皆少々疲れが見えてきて値段がむちゃくちゃになってきたので、いったん休憩。私はここでノートパソコンを持ってきて掲示板チェック&書きこみ。また歓談に。ぼつぼつ、寝る人も。が、さすがにネットものは夜に強い。皆、元気元気!私はここで涼元氏にサインをいただきました。ちゃんとDASACONの文字も。ありがとうございました。 

 で、第2回オークション再開。今度はダイジマンの持ってきたSFマガジンなどが出品。ほとんど1冊50〜100円で、大方u-kiさんがゲット。彼の、オークションの解説も爆笑でした。とにかく、何を説明してもギャグになってしまうのだ。皆に、「それはなんか違うよ!」と突っ込まれまくり。私なんか、元ネタがわからなくても笑いが止まらなかったからなあ。終了したのは、なんと3:30!いやあ、お疲れ様でした。サイトウマサトク@月下工房さんが、早速入手した本をノートパソコンのデータベースに入れていた。まめだなあ。蔵書2500冊くらいはここに入ってて、入ってないのがあと2500冊くらいあるそう。すげえ本持ち!いいなあ。

 まただらだらしゃべってて、気がついたら朝の5:00。ここで、かつき@ファンタジア領さんのアニソンクイズスタート。なんと出題100曲!よくそんだけ集めたよなあ、とダイジマンと感心する。また、解答者もツワモノ!なんで最初の1音だけでわかるのよ、あなた方!もう、谷田貝@ノストラダまスさんと、u-kiさんと、一歩さんの独断場でした。なんであんなに知ってるの〜??
 私は、「おじゃる丸」しか解答できませんでした。さすがに、これは皆さん見てないらしい。あとは懐かしモノしかわからなかったなあ。口ずさんでると、「トシがばれますよ」とみらい子さんからチェック。この辺りで、寝ていたらしい大森先生復活。森太郎さんが、「okkoさんの傾向が非常に興味深い、最近のは観てないといいながら人のお勧めのは観てるのね」とコメント。優勝者は、谷田貝さんとu-kiさんのお二人でした。ダイジマンが、「こういう人達を見てると、オレなんて全然普通だと思うよ」とぼそりとコメント。それは違うと思います。充分濃いよ、キミだって!

 6:00終了。もう外は明るくなってて、世界は朝に。ああ、ついに徹夜してしまったよ!だって、寝たらもったいないもんね。起きてきた山之口氏をつかまえて、ダイジマンと溝口さんと一緒にサインをいただく。ありがとうございました。私は涼元氏と、谷山浩子談義で盛りあがる。例の匿名メールについてのお話も聞かせていただく。いつのまにか大森先生が隣にいらして、ちょっとお話する(ドキドキ!)。ダイジマンが、「大森さんのWeb日記はいつ本になるんですか?」と質問。「5月くらい」とのこと。もうすぐだ!楽しみ!私はトーゼン買いますよ。

 このあたりになると、だいぶ眠くて意識が朦朧としている。あちこちで沈没してる方も。おかしかったのは、7:00過ぎからテレビをつけて、「ゴーゴーファイブ」や「ロボコン」や「おじゃ魔女どれみ」をリウイチさんと谷田貝さんが真剣に見てたこと。日記のとおりだよ、リウイチさん!谷田貝さんは、あのまめさがアニソンの強さに出るんですね。

 ああそうそう、第2回と第3回Webサイトクイズも実施。第2回は、あっさりと浅暮氏に決定(私は一問目で挫折)。皆、眠くて頭が回転してないっぽい。すぐに3回目実施。こちらの優勝は大森氏。

 9:00になり、エンディング。注目のださこん賞発表。読んで面白いサイト3位「大森望のSFページ」、2位「倉田わたるのミクロコスモス」、1位「冬樹蛉の〜」でした。役に立つページは、3位森山氏の「独断と偏見の〜」、2位「倉田わたるの〜」、1位「大森望〜」でした。賞品は、超昔のでっかいフロッピー(笑)。大森氏は、「読んで面白いサイトを目指してたのに〜」とコメント。皆爆笑。また、メダルを最も多くもらった記念すべき「第1回ださこん大将」も、大森さんでした。

 9:30、終了宣言。無事終了、お疲れさま&ご苦労様でした。u-ki総統は、「前回、次は合宿形式といってたのが実現してとてもうれしい。またやります」と宣言しておりました。いろんな方と直接お話できて、ホントに楽しかったです。初めてお目にかかる方もいらして、また、世界がひとつ広がったな、と思いました(SFセミナーも誘われちゃったし)。次回も楽しみにしております。

 朝の日差しが徹夜明けの目に眩しい中、各自解散。居残りの方々は駅前のルノアールに。皆少々疲れて呆然。ダイジマン、寝るな〜!ここでまた掲示板書きこみ。大森氏に覗かれてアセる。カナザワさんがページを作る予定とのことで、できかけのページをちょっと見せてもらう。ここの掲示板にもさっそく書きこみ。開設が楽しみ!5月くらいとのこと。彼、外見がお若くてびっくり。年齢をお聞きしてさらにびっくり。

 11:40、重くなった荷物を抱えて(私は来る時は本を持ってきてなかったので、すっかり増えてしまってまいった)、帰路につく。ダイジマンは古本屋めぐりをするとのことでバイバイ。方向が同じRIKIさんとお給仕犬さんと帰る。お給仕犬さんに、「安田ママさんもすごいSFものなんでしょ」と言われて、釈明にあわてる。私はニセSFものです。(笑)

 というわけで、楽しい一夜でした。お会いした皆様、お世話になりました。スタッフの皆様、ご苦労様でした。またお会いしましょう!(このレポートに間違いなどございましたら、ご一報下さいね)


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