Event 小屋 (2001年 3月)

[演劇]劇団☆新感線「野獣郎見参〜BEAST IS RED」
[演劇]花組芝居「かぶき座の怪人」

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[演劇]劇団☆新感線「野獣郎見参〜Beast is RED」(2001.03.12,於 : 青山劇場)

初日観てきました。まずは、面白かったです。
公式HPの書き込みなど読んでても、「楽しかった」って感想がほとんどですから、「初・劇団☆新感線」の人には面白かったようですね。
で、これがね、劇団☆新感線でなきゃ、おいらも「凄く」面白かったって感想になったと思うんですよ。
でも、でも・・・劇団☆新感線はこんなもんじゃない〜〜〜!
この先読んでくださる方にあらかじめ、誤解のないように先に書いておきますが、「つまらなかった」なんてことはありませんでした。
ただ、やっぱり自分のいっちゃん大好きな「劇団☆新感線」だけに、すっごく贅沢な希望・期待を込めて、ちょっと辛口感想です。
っちゅうのも、これからきっとまだまだ素晴らしい舞台になっていきそうに思うから! < 劇団☆新感線はもっと凄いんです!
(とこういうことを書くと、「一度しか観に行かない(観に行けない)人もいるんですよっ!」とお叱り受けそうですけど、もう、開き直って・・・おいらはあと大阪で3回観に行きますっ! と言い切らせていただきます。)
(これはおいらが観た「初日」の感想です。
初日を観て三日目も観た友人から、わずか二日ですでに「凄くよくなってた」ってmailを貰いました・・・と聞いてるんで、大阪が待ち遠しいです。)

感じたのは、前半が弱かったなぁ、と。
ストーリーがすっきりスマートになりすぎてて、人間関係の描き方が希薄に感じました。
例えば、野獣郎と美泥の関係、野獣郎と蛮獄の関係、蛮獄と美泥の関係、野獣郎と甚五の関係、美泥と荊鬼・葛鬼の関係、甚五と北の宮の眠り姫の関係。
それと役柄個人、蛮獄や甚五の描き方も弱いなぁ、って。
蛮獄が最初っからあんまり熱く無さすぎてる・・・ちょっと「悪」っていうんかなぁ、世をすねてるっていうんかなぁ、が見え隠れしてるかのうような雰囲気を感じました。
甚五は・・・出番が少なすぎ、でしょう。彼がなぜ眠り姫を助けたいのか、の描き方が薄すぎ。また、粟根さん演じる錐蔵って役があることで、結果的に散漫になったような感じを受けました。
野獣郎=堤さん、美泥=高橋由美子ちゃん、蛮獄=古田新太さん、甚五=河野まさとさん、眠り姫=大沢さやかさん、荊鬼=前田美波里さん、荊鬼=村木よし子さんが悪い、ってのは無いんですよ。
ストーリー的にというか、演出的にというか、その当たりの説明が弱い・・・
前半のそういったエピソードというか、前振り、下敷きがあってこそ、後半の見せ場がもっと生きてくると思うんです。
個人的に野獣郎の中でのおいらの好きな「見所」って、蛮獄の三変化、眠り姫が道満王を指さすシーン、荊鬼の最期、そしてラストの野獣郎vs蛮獄の殺陣の中での美泥の台詞「殺さないで!」「なぜ殺した!」なんですよ。
で、さすがにね、一幕終わったときに感じた「なんかすっきりしすぎてるなぁ。」という感想とちがって二幕は集中して観ていました。
でもね、前半のエピソードがもっと描かれると、後半はもっと「グッ」と来るもんになるんやけどなぁ。
その当たりが、「面白かった」、けど「凄く面白かった」では無い理由です。

後、役者さん的には西門 & 風鏡役の松井誠さんが、おいら的には「?」でした。
初めて観るかたなので、ああいうお芝居をされる方なのかどうか分かりませんけど、「松井誠さんの西門、風鏡」ってのを観たかった気がします。
「初演に比べて」ってのはあんまり言いたくない、「初演は初演」「再演は再演」なんですけど、どうしても「西門、風鏡」が初演の「粟根さん」とダブってしまうんです。
他の野獣郎や美泥にはそれを感じなかったのに、西門、風鏡だけそれを感じてしまいました。
ひょっとしたら、初演を非常に熱心に研究された結果かもしれません、でもやっぱり「松井誠」さんを観たかったです。
今後変わっていけばいいのになぁ、と期待したいところです。

とまぁ、ここまではちょっと比較的辛口ですけど、これはね、せやかってそれだけ期待してる、ってことで。
でも、辛口だけやないですよ。
音楽、役者さんには、おおむね楽しませてもらえたし、お芝居としても、二幕以降はやっぱりよかったです。
照明は、おいらの中での「野獣郎」のイメージカラーって「赤 〜 BEAST IS RED」やったのに「青」やったのが、違和感受けましたね。
いや、それでも綺麗な照明でした。
ステージは奥行きが凄くあって、「阿修羅城の花道疾走」とは違うけど舞台の奥から手前への疾走、上手から下手、下手から上手への疾走が凄くよかった。
それと今回は「雨」のシーンを本水使っての演出があるんですけど、これもいい・・・はずです、初日はちょっとキッカケとかがずれてたのが残念でしたけど。
音楽ではオープニングのよし子さんがほんっとにいい、すばらしいです。
いきなりオープニングではいきなりド派手な殺陣・ダンスと歌・音楽は、いつもと同じ感想、「やっぱり凄くかっこよかった〜」!
で、オープニングは、予想してた2パターンのうちの一つが当たりました。
美泥と野獣郎の関係を語る上で、組み込んで欲しかったエピソードですからね。
(実はもう一つは、いつも通りのかっこよくド派手に始まるオープニングにはならないかもしれんけど、甚五と北の宮の眠り姫のエピソードを予想してました・・・オープニングどころか、本編でも無かったのが残念!)
あと客演の高橋由美子ちゃん、前田美波里さんもうまい!
もう一つ、個人的には「レッツゴー ミドロスキー5」がツボでした(^o^)
ただ今回の音楽、全般的に・・・もちろん「凄いなあ、毎回」って思いますし、実際今回も「凄いなぁ」と思ったんですけど、「殺陣」に食われてしまった、って印象もあります。
これはそれだけ「殺陣が凄かった」ってことで・・・殺陣はもう、これはほんと「すっごいなぁ」です。
ところでこれまた「初演」って話をしてしまうんですけど、今の劇団☆新感線の「殺陣」をささえている「アクションクラブ」田尻さん、川原さん、前田さんは、この「野獣郎」の初演からの参加なんですね。
せやから(これはおいらの思いこみかもしれませんが)座長いのうえひでのりさんの「野獣郎見参」に対する「殺陣」の思い入れって結構ある、と思うんですよ。
初演の殺陣、それはそれで凄くかっこよかったんですけど、ひょっとしたら「初めて」という部分で手探りなところもあったんかなぁ、って。
それを今回の再演で、「REVENGE」やないけど、ほんとものすごい数の「殺陣」を観せたかったんやろなぁ、って。
せやから、上に書いた「辛口」のなかでも書いた「ストーリーがすっきりスマート」になってるはずやのに初演より時間が長かった、それは一つには「歌が増えた」ってのもあるけど、「殺陣が増えた」からでしょう。
で、殺陣に関してはやっぱり主役で一番「殺陣数」の多い堤さん・・・かっこいいですねえ。
「阿修羅城の瞳」の染五郎さんとはまた違ったかっこよさ、染五郎さんが「静」なら堤さんは「動」、っかな?
そして、さすが元JAC! の殺陣に加えて、剣を構えて不敵に「笑っている」あの表情!
その「不敵な笑顔」が「舞台を楽しんでいる笑顔」に観えました、おいらには。
一番かっこよかった「殺陣」は、その堤さんと蛮獄新太さんが二人して道満王に挑むシーン。
二大「スーパー舞台俳優」の競演! この瞬間はマジでゾクゾクしました。
仮面ライダー1号と2号の競演、あるいはマジンガーZとグレートマジンガーの競演さながら(?)、スーパースペシャル、ゴージャス & デェ〜ラックス!
堤さんと並んでもう一方の主役、客演の高橋由美子ちゃん。
彼女はあんまりTVとかでもおいらは視てないんですけど、それでも一昨年「スカット 一心多助」を視てたので、むちゃくちゃ期待はしてないまでも、そこそこの期待はしてました。
で、今回の舞台の由美子ちゃんはというと、まずまず良かったんではないでしょうか?
殺陣に関しては、まわりが(特に堤さん、新太さん)がうますぎなので、割を食ってますね。
あれだけできれば十分うまいと思うんですけど、「まだちょっと甘いな」って感じてしまうのは。
後、美泥の「気持ち」の部分はまだ若干弱いです。
でも、初日の由美子ちゃんを観た限りでは、彼女ならこれからどんどんうまくなっていくような気がしました。
はっきり言って期待もてそうです。
その他の客演の方で特に目が付いたのが、前田美波里さん。
立ち姿が凄く綺麗、歌も殺陣もいいし、凄く劇団☆新感線に合ってました。かっこいいです。
松井さんは上に書いたとおり、「松井誠」さんを観たいです。
手塚とおるさんは可もなく、不可もなく・・・ま、正直、他の客演さんが強すぎます。でもあの声は味がありますよね。
大沢さやかさんは・・・う〜ん、分からんですまだ、はい。
「一応」客演の村木仁さん、もう「客演」やないでしょ(^^;) 準劇団員ですね。今回もお腹がすいてたようです、「いがいが栗満太」

と、今回はこのへんで。劇団員の方々の感想と、どれだけすばらしくなってるか、の感想は3週後、大阪初演を観たあとでまた書きます。

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[演劇]花組芝居「かぶき座の怪人」(2001.03.03,於 : シアタードラマシティ)

数年前から観たい、って思ってた「花組芝居」。
きっかけは劇団☆新感線に植本潤さんが客演されたから。
知らない劇団のお芝居観に行くと、やっぱりおいらが名前を知らない役者さんが多い方が、楽しみやすい、接しやすいって思うので、ずっと植本潤さんが出演される「花組芝居」を待ってました・・・待っているうちに去年は座長加納幸和さんも「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」「阿修羅城の瞳」で観ました。
で、前説、って言うんですかね、ラジオ番組もどき、いきなり笑わされました。
だるまの数、ほんまに数えよかな、って思ってしまったし。
肝心のお芝居の中身は・・・面白い、なんか「初めて花組観に来た」って気はしませんでしたね。
音楽とか照明とか、使い方がおいら好み。
ストーリーは、はっきり言ってほぼ最後の直前まで面白いけど掴めなかった、でも最後で九重八重子と梨園の養子(パンフ買ってないんで役名忘れてしまいました)が親子や、ってのがわかって、「あぁ〜なるほど〜」っておおむね納得。
それから「怪人」さん。自分では「怪人ではない」らしいけど、タイトルからして「オペラ座の怪人」同様、おどろおどろしいんかな、って思ってたらなんとまぁ、ユニークというか愛嬌があるというか、面白い「怪人」さんでした。
で、ちょっと長めの3時間公演、でも面白かったから時間の経つのは早かったです。
ただ、これが花組の全てではないような気もしたので、また(次回公演とは限らないけど)行ってみたいです。
・・・腹減ってたんかなぁ、途中でお腹が「Goo-」って鳴ってしまった・・・ひょっとしたらお隣の席の人に迷惑かけたかも(-_-;)

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