ダブリンの鐘つきカビ人間(2002.04.26,於 : シアター・ドラマシティ)
天保十二年のシェイクスピア 大阪千秋楽(2002.04.07,於 : 大阪厚生年金会館芸術ホール)
ちょっと「天保」からはそれる話になりますが、「劇団☆新感線」っておいらに取って刺激が強すぎます。
「麻薬」みたいなもんかも(もちろん麻薬なんてやったことないですけど)
よく「麻薬は始めると止められない」って聞くやないですか、あれと似たもんかも。
元々映画でも「ストーリー重視」よりは、「派手な映画」が好きやったんですわ。どうせ劇場で、大スクリーンで観るなら派手なモノの方が楽しめる、って。
お芝居でもその傾向がありまして、内容は素晴らしくても静かなお芝居、より派手というか観た目に&体に感じるお芝居が好きなんですね。
で、それは音楽もそうで、音楽が使われてないお芝居を観ると、どんなにいい内容のお芝居でも、「ここでこの場面に合った音楽が流れたらもっと感動できるのに」って感じることがあります。
それはオリジナルでなくってもいいんです。が、オリジナルやとなおさらいい、って感じ。
で劇団☆新感線の場合、オポンチ・ネタ系でも、歌舞伎・シリアス系でも、岡崎司さんの曲のおかげで、その場面場面でおいらの中では凄く盛り上げられてしまってます。
なので、劇団☆新感線が凄く好きです(もちろん、「音楽だけで」が理由でないことは書かなくてももうご存じやとは思いますが)。
ところが、ここで「天保」のお話に戻るんですけど、今回は「更に」って意味で、生演奏ですからねぇ。
でも、ホント大変やったと思います。「いんど屋敷」でも生演奏あったけど、今回はほぼ最初から最後まで「陰の儀太夫さん」たち、出ずっぱりでしたからね。
いつもいつも、「スタッフさん、役者さん、こんな面白いお芝居をありがとうっ!」って思うんですけど、今回はいつも以上に「陰の儀太夫さん、ありがとう & お疲れ様でしたっ!」です。
今日は音楽のこと中心に書いてますけど、上川さんの熱演といい、ホント、全ての面で凄く満足させて貰いました。
天保十二年のシェイクスピア(2002.04.02,於 : 大阪厚生年金会館芸術ホール)
「劇団☆新感線」と違うなぁ、と思ったのは、開演前に「DEFENDER」が流れない、ってこと位かな。
あと、まぁ強いて挙げれば、「劇団☆新感線」の役者さんとしては全面に出てきてるのはよし子姉さんくらい、ってことかな。
今回、立ち見1階席最後方やったんで、舞台が遠い分(といってもそれほど遠いとは感じへんかったけど)、舞台全体が観られました。
そこから観た舞台・・・「絵」作り、これはもう、劇団☆新感線の世界観と一緒で凄く綺麗。
桜のシーンや、よし子さん&西牟田さんデュオでの雪のシーン、そして鏡から続くラストはもう、圧巻!です。
今回は、「この天保十二年のシェイクスピアって、ひょっとしたら凄く悲しいお話なんかも。」って感じながら観てました。
で、そう思って観てしまうと、ホント、どんどん悲しく感じましたね。
三世次の出生〜登場に至るまでの行き方、王子・お冬・十兵衛・お光&おさち、その他にも色々・・・熊谷真美さん演じる清滝の老婆も、何とはなしにそんな気がします。
そんな中での「桜」のシーンはもう、凄い!
三世次の「自分に殺されない・殺される」ってとこでの鏡に映る自分・抱え百姓やった自分、それに深読みしすぎかもしれんけど、おさちを手に入れた時点で「俺は自分で思ってるほど、醜くはないのかもしれねぇ」ってところで既に自分を殺してしまってたんかなぁ、と思ったり。
でそんな背景があってのあのラスト。「阿修羅城の瞳」みたいな出門・つばき二人っきりのラストもいいけど、今回みたいな大勢で迎えるラストも(もちろん、そこに盛り上がりがあるからやけど)いいです、グッときます。
もちろん、途中には細かなギャグもふんだんに盛り込まれてるし、音楽は王子の歌うようなHARDなのから、のんきで陽気なモノ、悲しい曲、盛り上がる曲などバリエーションたっぷりで楽しめます。
あと、お光&おさち、沢口靖子さんの一人二役による早変わりも見所の一つでしょうね。
でも「早変わり」といえば、それより三世次が清滝を手に入れた直後の熊谷真美さんの「早変わり」、これが一番。
熊谷真美さんは他にも一人で結構何役もこなして(ひょっとしたら、あれは全部清滝の老婆の化けた姿なんかなぁ?)。
初日のレビューで書き漏らしたけど、熊谷真美さんも可愛くて元気で凄くいいですね。
あ、今回の最期に。
この「天保十二年のシェイクスピア」ってお芝居、2度観て2度とも感じたのは、凄くエネルギッシュな舞台やなぁ、ってこと。
特に三世次・王子・清滝の老婆なんやけど、それ以外の登場人物みな、エネルギッシュです。
なので、観ていて、少なくとも観ている最中は「上演時間が長い」とは感じません。終わって時計見て初めて「長かってんや」って思ってしまうけど(-_-;)
プロレスリング ノア「Encountering Navigation」(2002.04.01,於 : 大阪府立体育会館 第2競技場)