劇場☆新感線 

INOUEKABUKI HORIMIX
PSY U CHIC (西遊記) 〜仮名絵本西遊記より〜

(作=中島かずき/演出=いのうえひでのり)

公演記録

PSY U CHIC (西遊記) 東京公演
期間 : 1999年01月14日(木)〜31日(月)
会場 : こどもの城 青山劇場
静岡公演
期間 : 1999年02月03日(水)
会場 : アクトシティ浜松 大ホール
大阪公演
期間 : 1999年02月08日(月)〜14日(日)
会場 : 近鉄劇場
滋賀公演
期間 : 1999年02月17日(水)〜18日(木)
会場 : 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 中ホール
石川公演
期間 : 1999年02月20日(土)
会場 : 石川厚生年金会館
広島公演
期間 : 1999年02月24日(水)
会場 : 石川厚生年金会館
福岡公演
期間 : 1999年02月27日(土)〜28日(日)
会場 : メルパルクホール FUKUOKA
CAST
PSY U CHIC (西遊記) 孫悟空 : 筧利夫
経蔵 : 坂井真紀
幻奘 : 古田新太

猪八戒 : 深沢敦
沙悟浄 : 手塚とおる
美候王 : 池田成志
顕聖二郎神 : 鳥居かほり / 保坂エマ
千年人参女王 : 森奈みはる
金角大王 / 銀角大王 : 橋本じゅん

法蔵 : 中込佐知子
論蔵 : 管野美寿紀
牛魔元帥 : こぐれ修
道楽道人 : 逆木圭一郎
天鷹将軍 : 粟根まこと
天犬将軍 : インディ高橋
紅孩児 / 猿児 : 河野まさと
鉄扇公 / 猿公 : 礒野慎吾

悟空の分身 / 天竺軍兵士 / 花果山の猿 :

川原正嗣 , 前田悟 , 船橋祐司 , 武田浩二
佐治康志 , 大藤直樹 , 大林勝 , 関田豊枝

天竺軍兵士 / 美候宮女官・宦官 / 花果山の猿 / 千年人参国兵士:

安地里恵 , 梅津裕子 , 松村朋子 , 北原美智子
栄木みどり , 三井アヤ , 森川次朗 , 八木雅
観劇記録
[観劇公演]
1999年02月08日(月) 19:00公演 : 近鉄劇場 I列 23番
1999年02月11日(木・祝) 18:00公演 : 近鉄劇場 ZA列 25番
1999年02月14日(日) 13:00公演 : 近鉄劇場 J列 31番
1999年02月18日(木) 19:00公演 : 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール中ホール 1F C列 26番
[あらすじ]
天竺に眠る三蔵経典。この経典に触れた者は永遠の命を約束されるという。
東勝神州を治める美候王(池田成志)の命により、経典を奪うべく天竺に乗り込む
孫悟空(筧利夫)、沙悟浄(手塚とおる)、猪八戒(深沢敦)の妖怪三匹。
天竺守備隊を打ち破り、悟空達は経典を手に意気揚々と東勝神州へ凱旋。
だがそこで悟空を待っていたのは、美候王の下に仕える宦官・幻奘(古田新太)による
恐るべき企てだった。罠に落ち花果山水簾洞の石にされてしまった悟空。
その悟空の前に、あるひ突然、謎の三人娘が現れた。
その一人経蔵(坂井真紀)は悟空に嘆願する。
「私達は三蔵経典、私達を天竺に連れて行って下さい」と。
彼女たちは何者なのか?
そして、三蔵経典奪回のため、彼女たちを狙う顕聖二郎神(鳥居かほり)の登場。
さらに、全ての鍵を握る千年人参女王(森奈みはる)とは?
悟空と幻奘、宿命の対決が今始まる!
謎が謎を呼び、戦いが戦いを呼ぶ。悟空が宙を飛び、大空中戦ドッグファイとする
血沸き肉踊る大立ち回り!世紀末、悟空が飛ぶ!!
[感想]
いつもいつもの感想なんやけど、やっぱり、一言で表すなら・・・「かっこいい」につきる!
あと簡単に付け加えるなら、「凄い」「面白い」!やね。
ほんとね、こんな言葉でしか表現でけへんのか!って悔しくなる。
でも、それもいいかも。劇中の台詞を借りるなら「フィーリングだよフィーリング」!
ただ、あの舞台の良さは、やっぱ百聞は一見にしかず、で、言葉で伝えるより、一度観て貰ったほうがいいよね。もう、終わっちゃったけど。
VIDEOもいいけど、生舞台の半分も伝わらへんから・・・残念やけど。
VIDEOはホンマ、VIDEOとして観るんやなくって、VIDEOを通して、あの「生舞台」を思い出すためのもんやね。
で、百聞は一見にしかず!で、今回友人を誘って、友人に初めて「劇団☆新感線」(今回は性格には「劇団☆新感線」ではなかったけど、あの舞台は役者が普段と違うだけで、「劇団☆新感線」やったでしょう)を観せた。
正直「どうかな?」って心配は・・・全くなかった。大阪初日で「これはもう、自信を持って奨められる」って思ったし。
で、友人も、観るまでは「いったいどれほど面白いんやろ。」ってのと、「もし面白くなかったら、こんなに奨めてくれたのに、どう感想言うたらええんやろ。」って思ってたみたい。
でも、「一見」した結果は・・・もう、それはそれは、大変満足してくれた。
それに、友人だけやない。幕間の休憩や、終演後のロビーで、会話しているお客さん達、別に聞き耳たててたわけではないけど、話してるのが聞こえてきて。
「面白かったわぁ、誘てくれてありがとう。」って会話を、1度やない、何度も聞いたもんな。
ファンの贔屓目で面白い、ってもんやなく、「ホンマに面白いんや。」って今回は再認識でけた。

さて、で感想。
今回はまず、やっぱ「音楽」!
全体を通してのテーマとなってた、「悟空」、「天竺大血戦〜天竺という名の地獄」等々。
1幕はほんま、滅茶苦茶テンポええなぁ、って思ってたら、2幕は殺陣が多かったのもあるんやろけど、結構HEAVYやし。
で、劇団☆新感線での「歌」での一つの見せ場、女優陣によるデュオ。今回は「禁断の千年人参王国」。
そして、ラストに向けて後はまっしぐら、って直前で、最後の一息でまた盛り上げる「蒼い月夜のバラード」。
右近さんが出てなかったのがちょい残念ではあったけど・・・
その代わり、今回は新太兄貴の歌(「はかなく美しく〜夢幻の花」)も聞けたし、坂井真紀ちゃんの「Goin' Under Sunshine」もあったし。
でも、もう、ほんまにね。毎回毎回思うけど、司さんって、凄いよ、ホント
あんなけ舞台を盛り上げる音楽作るなんて。いつも期待外れ無し、期待以上。
もう、欠かせない、「劇団☆新感線」には。

で、お次は「大道具」&「照明」
今回、大道具ってあの大きな柱だけやのに、それが照明と絡んで、それぞれの場面が全く違う場所に見えて。
すごいよなぁ、これって。観ているもんの「目」やのうて、「感覚」で、舞台を、場面を変えてみせるんやから。
そんななかで今回一番照明で好きやったんは、「悟空 vs 幻奘」のフライング・DOG FIGHT!
それと、経蔵たち三蔵経典と顕聖二郎神が天界へ移動する際の、あの客先後方を照らす照明
もう、照明だけで、ドキドキさせられる。鳥肌たつもん。

そして、「ダンス」&「殺陣」
これももう、「劇団☆新感線」と切り離せんもんとなってきたね。
初っ端天竺での悟空一暴れから、ダンス & 殺陣がかっこええこと!
音楽と共にテンポよい進行にダンスもマッチしてたしね。
(いつもよりダンスが多かったようにも感じたけど、それが、余計にスピード感だしてた、って思うのはおいらだけ?)
今回は、長尺物、「棒(悟空の如意棒)」、矛、槍、鋤等が多かった。
で、あんな長いもん、しかも悟空の分身が出てくるとこなんか大勢で振り回して、の殺陣。
「髑髏城」での「捨之介 百人斬り」、「魔性の剣」でのオープニングを経て、ドンドン進化してるし。
特に幻奘、新太さんなんて、あの衣装であれだけの殺陣をこなしはるんやから・・・すっ、凄ぇ。
兎に角全編通してのテンポの良さ、スピード感と相まって、ほんと素晴らしかった。

で、今回はゴージャスな客演を含めた、豪華な出演者
「悟空」役の「筧利夫」さん、「劇団☆新感線」の舞台は久しぶり(実はおいらは初めて観た)、でも、もう動き回る動き回る。
台詞回しなんかもかっこええし、「悟空」役、ぴったりやった。
ほんま、いい。いい、また観たい!
日替わりギャグでも楽しませてくれました。
「経蔵」役の「坂井真紀」ちゃん、観るまでは「劇団☆新感線に合うのかなぁ?」って思ってたけど、見事にマッチしてたね。
というか、回数重ねるに従って、どんどん、馴染んでいってたね。
途中、ふと思ったんが、「髑髏城」でのミッチョンといい、今回の坂井真紀ちゃんと言い、「いのうえさんの好きなタイプなんでっしゃろか?」って。
1幕出番があんまり無い上、個性的な出演者が多かったため、若干霞がちではあったけど、でも、ほんと、すっかり「劇団☆新感線」にとけ込んでましたね。
かなり喉をやられて、ちょっとつらそうやったけど、その反面、なんか観てて楽しそうにやってらっしゃったし。
筧さん同様、彼女もまた観てみたい。
「瓢箪」役、もとい「沙悟浄」役の「手塚とおる」さん、よう観ると結構男前やのに、かぶりもんで笑いとってはったね。
「お笑い」担当みたいなイメージやったけど、結構好きやったなぁ。
「猪八戒」役の「深沢敦」さん、観るのは「D-LIVE」以来。
ちょっと目立つ場面が少なかったけど、歌もうまいし、やっぱりこの人もよかった。
この「沙悟浄」 & 「八戒」では、「悟空 vs 幻奘 のDOG FIGHT」直前の、二人の大立ち回りが、めちゃよかった。
最後、二人で親指たてて「NICE」って感じのシーンが。
そのあと道楽の鉄砲を「瓢箪」を盾にする「八戒」、そん時の手塚さんもよかったし。
びーちゃん「美候王」役の「池田成志」さん、日替わりギャグも兎も角、なんか面白いね、この人。
ほんと、観ていて、楽しそうにやってはるね。せやから、観てるこっちも楽しくなる。
次の「ドラゴンロック2」にも客演、聖子さんの「月影十番勝負」にも出演、ってことで、期待大!
女果「千年人参女王」役の「森奈みはる」さん、きれいやね。
全編通してを考えると、出番が少なかったけど、重要な役所。
で、歌、芝居、ダンス、+ 笑い、すべてよかった。
そして、鳥居かほりさんの欠場で急遽代役を演じた、「顕聖二郎神」役の「保坂エマ」さん、ほんと、「急」な抜擢やってんやろうけど、素晴らしかった。
あんなけ、ダンス、殺陣のあるお芝居で、しかも結構出番の多い役所を見事にこなして・・・凄い & 偉い!
彼女のがんばりで静岡以降も作品の質が落ちんかったもんねぇ。
千年人参王国での二人の絡みはかっこよかったぁ。
この森奈みはるさん、保坂エマさん、そして、「法蔵」役の「中込佐知子」さん、「論蔵」役の「管野美寿紀」さん、男中心の劇団の中で、いつもの舞台以上に女性陣ががんばってたのも今回の「西遊記」の特徴かな。
あと、劇団員意外で今回、特にお気に入りしてしまったのが、「誰」って個人やないねんけど、「悟空の分身」!
オープニングやカーテンコールでの「決め」ポーズが結構ね。
いやぁ、かっこよかったのなんのって。
さて、こういったゴージャスな客演陣を迎え撃つ、「金角大王 / 銀角大王」役の「橋本じゅん」さんを初めとする、劇団の面々、いつもと違って、ほんと脇役に回ったような雰囲気はあったけど、相変わらず個性だしてはったし。
いつものコンビを解消してのインディさんは、粟根さんと。
こぐれさんは、「プチン」がなかったのはちと残念やけど。
まさとさんは、相変わらず面白いとこもって行くし。「美候宮宮殿内聞き込み捜査」と「花果山での石になった悟空に "蹴り" を入れるシーン」、ほんま・・・笑ってまうわ。
礒野慎吾さんも元気良かったし。
そして、(かに)道楽道人の逆木さん、いつも重要な役を、いつも通りおもしろおかしく。
そして、なんと言ってもこの人、「幻奘」役の「古田新太」さん!
もう、文句無しにいい。新太さん出てきただけで、舞台が締まるもん。存在感あるし。
歌、ダンス、殺陣、小ギャグ、そして、ドスを利かせた台詞回し。
もう、悪役やらせたら、こんな凄み出せるひと、なかなかおらんで、って位、今回の「幻奘」はかっこよかった。
「スサオウ」以来ちゃうかなぁ、、ほんと、ここまで「悪」が出てる「新太」兄貴のお芝居も。
でも最後で、悟空達と一緒に西天取経に旅立つんやもんねぇ。
そこでの台詞回しもやっぱかっこええし。
敵役でこんなけ観てる人を惹き付けるやなんて、もう、ほんま、ズッコイね。反則やわ、あの巧さは。
今回初めて「古田新太」を観た人も、もう、ビックリしたんちゃうかな。演劇界にこんな人、役者がいるってことに。

そして最後は、「演出」&「ストーリー」
今回は「台本」が販売されてた。
で、台本読んでみて、改めて実感させられたのが、いのうえひでのり 氏の演出
いつもながら、あの斬新なアイデアには、それを生み出す中島かずきさん、いのうえひでのりさんにいつも感心してたけど、今回は、台本読んで、もっと感心した。
演出、って凄いね。そう、もちろんストーリーも素晴らしい。
そこへ、あんな味付け。
台本が「凄くよくできた白黒」なら、そこに見事に色つけて「カラー」にしてるもんね(例えが変かな)。
照明、ダンス、殺陣、音楽、配役、間、舞台での位置取り、呼吸・・・全て、台本から演出で生み出してるもん、ほんっと凄い!
更に今回は、「フライング」と「ローラーブレード」まで飛び出して。
本当、「どや、面白いやろ。」って自信もって観競られてるもんねぇ。

開演前の、いつもの「HEAVY DUTY」、「DEFENDERS OF THE FAITH」が流れて、「さぁ、始まるぞ!」って気分の時に今回は、客席照明も落ちて最後は、幕に「西遊記」の絵物語がうつされて、もう、気分を盛り上げる盛り上げる!
幕が上げずに芝居は始まった。
そして爆音と共に幕開け、いつものように最初っからもう、盛り上げる盛り上げる!
「西遊記」なのに、いきなり「天竺」から始まる!ってもう、いきなり観てるもんの予想を裏切って。
息つく間もなく、ダンス & 殺陣、で金角大王登場!
宝物庫を経て漸くオープニング、悟空 & 悟空の分身で、司さんの音楽をバックにオープニングダンス!
ほんと、ここまで息つく暇無し!
もう、じゅんさんもかっこええし、いつもの劇団の面々もいつものおもしろさ出してたし、客演の八戒、沙悟浄もかっこええし、もちろん、悟空も。
暗転後、美候宮でのお葬式、逆木さんのいつも通り、お約束。かに?
そして、幻奘=古田新太さん登場!
ここ美候宮ではね、ギャグ多くて緩急の緩。
でも、直後思いもせん展開。ほんっと、メリハリあるねぇ。
幻奘の裏切り。これが、謎かけ。今後に期待をもたせるねぇ。
「それは、ヒ・ミ・ツ。一度に何もかもわかっちゃつまらないでしょう、恋と一緒よ、野暮ねぇ。」
そういや、今回は「恋」と「戦い」の例えが多かったなぁ。
それに続く三蔵経典の登場。
この登場シーンも、思いっきり、スモークと共にフライング!
もう、直前までの緩に比べ、まさに急変!
で、更にかっこよく顕聖二郎神登場!
ここでも、戦いの駆け引きと恋の駆け引きを絡めた台詞が。
美候宮宮殿での一騒動のあと、舞台は花果山水簾洞へ。
ここで、悟空 vs 顕聖二郎神を経て、三蔵経典の謎が明かされる・・・話がだんだん佳境へ。
そして、1幕ラスト!感動のラスト。
窮地に陥る経蔵、法蔵、論蔵。そこへ!「釈迦と直談判か。考えてみりゃぁ、釈迦には俺も借りがある。」
って、かっこよく舞台後方から現れて。
(悟空)「こんな結界が何でぇ。俺様をだれだと思っていやがる。」
実はおいらは今回、ここが一番好きです。
大阪では、客席の真上をフライングしたもんねぇ。
(悟空)「こんな結界が何でぇ。俺様をだれだと思っていやがる。」
(三蔵経典)「人にあらざる神にあらざる 仏にあらざる魔にあらざる 天に一つの無縁猿 斉天大聖 孫悟空」
(悟空)「その通り!跳ぶぜ!」

1幕終わり。終わって、「えっ。」って思った。
1時間も経ってたやなんて、全然感じてへんかったから。
この幕間の休憩で思ったんわ、「もう、理屈抜きに滅茶苦茶面白い。本当面白い。なんってテンポええねん!」
時間が経つのを本当忘れさせらてたね。
でも、でも・・・もっと面白くなっていったんやね、後半は!

坂井真紀ちゃんの歌で始まる第2幕、じゅんさん、あれは轟天なんでしょうか?
ちょっとほのぼのした、ゆっくりした場面から、幻奘登場と共にお話は急展開。
天竺軍と悟空達、それに幻奘を加えて三つどもえの「三蔵経典」の奪い合い。
フライングの次は「ローラーブレード」
ここの殺陣がかなり気に入ってます、今回。
悟空の分身返し(?)、そして!
幻奘の一太刀のもと、如意棒ごと斬られる悟空!
こっからの(経蔵)「悟空ー!」、(悟空)「如意棒がぁ!」って後の悟空、筧さんの二刀流での、滅茶苦茶テンポいい殺陣(悟空 vs 悟空の分身)!
そこに駆けつける沙悟浄、八戒。でも瓢箪沙悟浄の能力が幻奘には効かず!経蔵が呪文を唱え、沙悟浄 & 八戒で悟空の分身を倒す、その間苦しんでる悟空に斬りかかる幻奘に経蔵が「オン・マ・ニ・パ・メ・ウン!」、一瞬ひるむ幻奘に悟空が一太刀!
ここ、この一瞬も観てるもんの気を抜かさない流れ!今回テンポよかった中でも一番気に入っています!

舞台を千年人参王国に移し、明かされる幻奘の正体!
もう、ほんと、いつも通り裏切られました、この設定。
「悟空(の分身) = 幻奘」やったやなんて!凄い、こんな発想!中島かずきさん、凄いよ。
再度の悟空vs幻奘を経て、ラストスパート。その前に、最終決戦に臨む前に、ちょっと一息。
「蒼い月夜のバラード」を経て、いよいよ最終決戦に!再び天竺に乗り込む悟空一行。
「魔性の剣」でいうなら、「大詰めだよ!」ってとこですね。
こっからエンディングまで、一気怒濤の畳みかけ!
天竺最終決戦、悟空 vs 幻奘、ここも大好き。って本当、大好きなシーンが多すぎるわ。
(幻奘)「名前もなければ過去もない 全ては幻 全てはうたかた 大いなる幻と書いて幻奘 破壊と混乱 それが俺の墓碑銘」
(悟空)「エピタフか、クリムゾンとは偉く懐かしいなぁ、よせよせ、プログレなんざ流行んねぇよ。男はいつでも、イッツ・オンリー・ロックンロールよ!」、「アイキャントゲッノウサティスファクション、まだまだぁ!」
そこに響き渡る釈迦の笑い声・・・この奇抜な設定!釈迦=(完全な)善でなく、経蔵達三蔵経典を奪う、言ってみりゃ「悪役」!
沙悟浄 & 八戒 vs 悟空の(幻奘の)分身を経て、これも観せ場、「悟空 vs 幻奘、空中戦(DOG FIGHT)!
もう、何がビックリしたって、二人がぶつかる度に、火花飛び散らせるんやもん。
そして天竺中央、天界への回廊(チャネル)、一歩及ばず、天界へ連れて行かれる三蔵経典、顕聖二郎神!
あの演出。みんな舞台から客席に向かって。また、客席を照らすあの照明。そして、
(悟空)「経蔵、法蔵、論蔵、あきらめるんじゃねぇぞ、お釈迦さんに会ったら啖呵きってやれぇ、私達には、猿とぉ、豚とぉ、瓢箪っていう、おっそろしいヒモついてんだぁ、下手に手ぇだすと痛い目見るぞってなぁ。」
こんな悲しい結末・・・いのうえ歌舞伎では珍しいよね。ほんま、ここだけは、泣かされそうなったよ、ホンマに。
でも、まだ終わらない。最後の最後、悟空 vs 幻奘の最終決戦!
ほんと、悪い味出してる幻奘、新太さん。迎え撃つ悟空、筧さん!
そして、幻奘を倒し迎えるエンディング。
幻奘も悟空の仲間となって、経蔵達を取り戻すため、改めて西天取経の旅の始まり。
エンディング、でもここからが本当のスタート。
幻奘(玄奘)、悟空、八戒、沙悟浄!西天取経のSTART!最後の最後で、めっちゃくちゃかっこええ、大見栄。
「天に道なし地に道なし めざうは遙か神の国 行く手を阻むか因果の地獄 無敵の猿が空駆ける 斉天大聖 孫悟空」

もう、ほんっと、感動!
面白いし、かっこええし、感動させるし、身震いさせるし!
恋だの愛だの、理屈屁理屈糞食らえ、ほんま単純にまずおもしろい。
でもって、かっこええ。感動もさせられたし。

最後になぁ。幻奘が味方になる、ちゅうのもええなぁ。
本当の西天取経の始まり、ここで終わるかぁ!
「西遊記」、初めて観たから、ほんとはまってしもうた。
そもそも、大阪初日と楽日、それと友人を誘った中日の3回も行ったんが初めてやった。けど、そんなけ観ても、もっと観たい、って思って、滋賀まで行ってしまったし。
お金と時間に余裕があったら、福岡まで行ったやろなぁ。
もう、生で観られへんのか、VIDEOでしか観られへんのか、って思うと悲しい!
で、ほんっと、思った。
これだけは、「是非、続編も観たい!」
続編も是非、再演して欲しい。

PSY U CHIC (西遊記)
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