劇場☆新感線 

劇団☆新感線 1998年春公演
SUSANOH〜魔性の剣

(作=中島かずき/演出=いのうえひでのり)

公演記録

SUSANOH〜魔性の剣 大阪公演
期間:1998年03月19日(木)〜24日(火)
会場 : シアタードラマシティ
名古屋公演
期間:1998年03月31日(火)
会場 : 愛知厚生年金会館
東京公演
期間:1998年04月05日(日)〜19(日)
会場 : サンシャイン劇場
福岡公演
期間:1998年04月24日(金)〜25(土)
会場 : 大野城まどかぴあ
CAST イズモノタケル : 古田新太
クマソノタケル : 橋本じゅん
オグナノタケル : 粟根まこと
マホロバ / エミシ : 天衣織女(劇団青い鳥)
ジャガラ国
ヤマト : 明星真由美(双数姉妹)
ミヤズ : 村木よしこ
アヅマ : 山本カナコ
ハタハタビコ : 礒野慎吾
サグメ : 右近健一
テナガビコ : インディ高橋
アシナガビコ:フランキー仲村
女官:江本敏子・ヒロシ
兵:はだ一朗・このまんま林・タニー山口
アマミカド国
オタラシノミカド:逆木圭一郎
オオウスノミコト:河野まさと
北のオオヒコ:川原正嗣(アクションクラブ)
南のタンバ:前田悟(アクションクラブ)
東のカワワケ:吉田メタル
西のキビツ:タイソン大屋
キズミ国
シロジシ:田尻茂一(アクションクラブ)
女たち:
アオジカ 杉本恵美
アカグモ 中谷さとみ
ホルスタイン 中村なる美
クロサギ 平川マサコ
観劇記録
[観劇公演]
1998年03月24日(火) 19:00公演 : シアタードラマシティ 4列33番
1998年04月25日(土) 19:00公演 : 大野城まどかぴあ J列12番
[あらすじ]
神と人とがまだ袂を分かっていなかった時代。
この国に、スサノオの剣と呼ばれる霊剣があった。
光と水と土に育まれた豊穣たる森が生んだ、命の剣。
その剣をふるう勇者は、鉄の剣を持つヤマトノオロチ一族の打ち払い、
一度は平穏な時をもたらしたと伝えられる。
が、いつしか人は心の海の底にその剣を沈め、
"クニツクリ"という名の戦に明け暮れるようになった。
乱世の中、スサノオの剣をつかみ覇を唱えんとする三人の心猛き者。
その名をイズモノタケル、クマソノタケル、そしてオグナノタケル。
が、彼らは知らなかった。
人の心が狂い、森が血に汚される時、霊剣は魔剣となる−。
三人のタケルが出会う時、新たなるヤマトタケル伝説が生まれる!
スサノオ・サーガ第三弾!
「スサノオ〜魔性の剣」
(以上、チラシより)
[感想]
いやいや、全くもってまたまた感激させていただきました。
またまた期待を大きく裏切られてしまった・・・いい意味で。
大きすぎる期待以上のものを「これでどや」ってほど返されて・・・大きすぎる期待以上のものを見せられた。
もう、「お見事!」っていう他ないよなぁ〜!
オープニングから「音楽」「舞台」を含めて一気に観ている者の心を鷲掴みにする展開。
カーテンコールまでもう全て最高!

去年の「髑髏城の七人」でもう「劇団☆新感線もいくとこまでいったなぁ、もう完成されたなぁ。」って思った。
でも、まだまだ。
今回「魔性の剣」見たら「まだまだ劇団☆新感線は凄くなっていくぞ、こりゃっ」って思った。
大阪、福岡と2度観劇&感激、いやいや洒落やのうてね、ほんまに。
特に2度目の福岡大千秋楽では、一度ほん1ヶ月前に見た公演やのに、初めて観るときと同じ感動!
いろいろあったやなことも全て吹き飛んだ!
やっぱり「劇団☆新感線」を見に行くと元気が出る。感動もできる。

「音楽」!

岡崎司さんによる音楽もまたこれまでを越えてよかった。
ストーリーにも影響されてるかもしれんけど、「SUSANOH」らしい、神話的、いや英雄活劇的な雰囲気がとってもよかった。
特に全編テーマ曲的な「魔性の剣」!
「SUSANOH」=「orochi」じゃない、「SUSANOH」=「英雄活劇、ヤマトタケル」って感じがし、新しかった。
普段のHARDROCKとはひと味違う、「英雄もの、ヒーローもの」的で凄く頭に残った!
司さん、凄い!

「舞台」!

「SUSANOH」につきものの「巨大な木」、これがチューブ状のもので作られてて、これがかっこよかったぁ〜!
そんな中で一番かっこよかった!と思ったのがクライマックスシーンの「クマソ VS イズモ」でイズモが登場するシーン!
クマソの呼びかけに応えて正面奥から、「木」が左右に開いてイズモが登場するシーンは、照明効果も含めてもうゾクゾクした!

小道具の「クサナギ」「ムラクモ」や「アメノ鏡」もよかった。
また、第一幕 & 第二幕オープニングや、要所要所で使用された、舞台上部に浮かび上がる文字!もよかった。

「役者さん達」

劇場でのアンケートにも書いたが役者さんが一段高いレベルにいったような、そんな気がする
前作「髑髏城の七人」を経て、今「いのうえ歌舞伎」をこんなに素晴らしく演じられる役者って、他におらんのちゃう?ってほど、みんな、言葉でどうあわらしてええんかわからへんけど、やっぱり「一段高いところ」に昇った、って感じを受けた。
(ちょっとえらそうかな。でも、そんなけ凄かった、っちゅうことを伝えたい!)

今回「男三人」が主役張る、ってのも珍しいよね。
いつもは新太さんなり、じゅんさんなり、客演の方がいて、でもって聖子さんがいて、ってパターンやのに。
今回は見事に、まずは今のりに乗ってる三人が「超」主役。
何で「超」かというと、このお話、主役はこの3人どころにおさまらへんから。
役者だけや無く、小道具の「神の剣」までが主役やから。
で敢えて「超」主役、って書きました。

さてその「超」主役3人。
イズモノタケル」を演じるのは、もはや説明はいらないでしょう、「古田新太さん」。
クマソノタケル」を演じるのは、「星の忍者」等でも大活躍、「橋本じゅさんさん」。
オグナノタケル」を演じるのは、「髑髏城の七人」で大!ブレイクしたと言われる、「粟根まことさん」。
この3人、実は「髑髏城の七人」でも、トリオを組んでたんですねぇ。
(「無界の里」に、最初に斬馬が現れるシーンを思い出して下さい。観てない人はVIDEOを買おう!)
オープニングの「魔性の剣」って文字が浮かび上がって、三人揃って客席に正面向きになったシーンで思い出したんやけどね。
で、その「SUSANOH EPISODE III」という文字が浮かび上がり、「魔性の剣」とうタイトルに変わった瞬間、三人の主役「イズモノタケル」「クマソノタケル」「オグナノタケル」が正面に向き直るシーン・・・かっ、かっこよすぎる、三人とも!
もう、この3人の今回の立ち回り、鳥肌もん!
今回の主役3人は「今、まさにピッタリ」って感じ。
粟根まことさんは、当初「殺人マシーン」風のクールな「オグナ」が展開上人を殺せなくなってしまう、そういった心の変化が凄く伝わってきた。
それにあの「槍」の殺陣!
前作「髑髏城の七人」での大算盤での殺陣といい、今回の槍といい、なんかかっこええとこ持っていく!
また、占い棒(?)を使って延髄を刺し相手を殺すシーンは・・・仕事人!
今回の粟根まことさんでの一番のおいらのお気に入りシーンはその占い棒を使っての「峰打ち」かな?ってのは冗談でやっぱり人を殺せなくなっていく、シーンと言うよりは流れかな。
いつもは「善玉」ベビーフェース役の橋本じゅんさんは、今回珍しくクサナギを手にしての「悪玉」ヒール役!でも、見事「荒ぶるクマソの王」って雰囲気が出てた!
最初の「斧」での殺陣、後半「クサナギの剣」での殺陣も両方ともかっかええが、やっぱり一番の見せ場は「クサナギの剣」を掴む瞬間か!
もう善悪どちらも見事にこなす古田新太さんは、今回これまた珍しく、一応ヒーローなんやけどちょっとお調子者(オグナとミヤズの絡みのシーンで後ろの木の陰でのぞき見してみたり)!でも、大詰めなんかにくると、もう存在感が違う!素晴らしい!
最後の「クサナギ」&「ムラクモ」二刀流での殺陣が、今回の古田新太さんでは一番のおいらのお気に入り!
お三方とも、もう、観ててしびれさせられましたわ。

両客演「天衣織女」さん、「明星真由美」さんはお見事!
「天衣織女」のマホロバ & エミシは凄く合ってた!
「マホロバ」としての厳かさ、「エミシ」の時のかっこよさ!
「明星真由美」さんは「劇団☆新感線」劇団員にいない、体格のよい(?)方なんで、今回の「ヤマト」、特に後半殺陣シーンに入ってから芝居に厚みが増したような、そんな気がする。
お二人とも台詞回しもかっこよかったし、素晴らしい!

さて「ジャガラ国」の長女、次女役。
ミヤズ」を演じる「村木よしこさん」、「アヅマ」を演じる「山本カナコさん」。
前回「髑髏城の七人」の「無明」と「無音」に続くコンビ、これが前回よりずっとよかった。
もちろん、出番も多かったし、重要なキャラクターやったからってのもあるかもしれんけど、でもそれ差し引いてもずっとよかった。

同じく「ジャガラ国宰相 ハタハタビコ」役を演じる「礒野慎吾さん」、「アマミカド国 皇子」を演じる「河野まさとさん」。
今回、個人的にはこの2人が特に「うわ〜、髑髏城の七人で大きく変わったなぁ。」って感じた。
今までちょい役が多かったこの2人が「髑髏城の七人」から大活躍!
今最高に乗ってるんじゃないでしょうか?

アクションクラブの方々はもうすっかり「劇団員」ですねぇ。
メタルさんやインディさん、フランキーさんより台詞多いし。
特に田尻さんなんて・・・ええ役貰いすぎ!って位活躍。

ってことで、今回あんまり目立つところの無かった「吉田メタルさん」、次に期待してます。
「X」ネタがつきた、これからが勝負だ、がんばれメタルさん!
「インディさん」&「フランキーさん」、今回は「SUSANOH」ながら「orochi」と違って、若干脇に回ったけど、いつもながらの名コンビ!今後も期待してます。
でも、たまにはもっと目立つ役もやってほしいなぁ。

そして、そして、今回の「ヒール」、「サグメ = クサナギ」を演じた「右近健一さん」!
いつもは最後まで生き残れない小悪党なのに、今回はRPGでいうところの「ラスボス」!
いつもなら「古田新太さん」がやってきた(デーモン小暮閣下が客演で演じたこともあったが)、最後の悪役。
その分いつもより若干出番は少なかったような気がするし、ギャグも少なかったような気がしたけど、「もう、これからの悪役は右近さんで」って思わすほどよかった。
「髑髏城の七人」以来、古田新太さんが善・悪両方こなし、今回のように「善」側に立ったとき、これからの「ラスボス」・・・期待してます。
ただ、出番が減って歌が減るとちょっと残念やけどもね。

とまぁ、やたら前回の「髑髏城の七人」以来、って書き方が増えたけど、それだけやっぱり「一段高いところ」に昇った、って感じを受けた、ってこと。
今後のいのうえ歌舞伎からもやっぱり目が離せない!

「ストーリー & 演出」!

話の展開は毎度のごとく、まるでいのうえひでのり座長&中島かずき先生の掌の上で踊らされているよう。
もう福岡大千秋楽も終わったことやしネタ晴らしオンパレードで振り返ります、あの感動感激!

まずは浮かび上がった文章で簡単に設定、背景が語られた上で始まる。
舞台上にはチューブ状のもので作られてた、「SUSANOH」のテーマとも関わる巨大な「木」がセットされてる。
この場面ですでに後半に繋がる伏線も張られている。
イズモがクマソの腕を外すシーンや、オグナが「占いをしてやろう」というシーン。
3人のタケルの紹介。
ちょっとお調子者っぽいイズモノタケル」。
ちょっとバカっぽい、体力自慢のクマソのタケル」。
そして、クールで殺人マシーンのようなオグナのタケル」。
そして敵襲、のっけから「殺陣」それも1対1とか2対2といったレベルでない、舞台上に10人以上が現れて繰り広げられる、観ている者のドキモをぬかせる「殺陣」
どこを観ればいいのか目の置き場に困る位激しい殺陣。
いつもの「劇団☆新感線」=「歌と踊り」を覆す、すばらしい殺陣
そして「SUSANOH EPISODE III」という文字が浮かび上がった下、三人の主役「イズモノタケル」「クマソノタケル」「オグナノタケル」が正面向きになったところで「魔性の剣」とうタイトルが浮かび上がる・・・かっ、かっこよすぎる
更に「魔性の剣」の曲の下、三人の「タケル」が順番に大勢相手に入れ替わり立ち替わり「殺陣」を舞う!
更に更にここで、今回のキーワード「赤と白とが交わるところ、3つの同じ言葉が1つになる(やったっけ)」。
ここまでが一気に、息をのませず繰り広げられる。
もうこの時点完全に観ているこっちはぶちのめされてしまった。
まさに、もうオープニングから観ている者の心鷲掴み!
・・・
ジャガラ国三姉妹のコント(?)、そのさなか現れる謎の女「マホロバ」・・・そしてオグナの謎の行動・・・。
クマソとヤマトの青春ドラマ or トレンディドラマ風の、一見コントのようなシーンを経て再び敵襲、アマミカド軍の登場、見事な「ギャグ(HappyMonkey「降伏なさる」&四人揃って「四面楚歌」)」付き。
(そうそう、大阪で観たときと福岡で観たときでアマミカド軍登場時の歌が変わってた。)
ここでいのうえ歌舞伎に付き物の「裏切り」、次女アヅマの裏切り。
そして、最大のいのうえ歌舞伎の裏切り、これはストーリー上での裏切りでは無く観ている者への見事な裏切り!
「神の剣」スサノオの種は実は三女「ヤマト」の左手に隠されていた!
オグナが心密かに思いを寄せるヤマト・・・が、ヤマトは自ら「オグナ」の槍の犠牲になる、まるで何かに取り憑かれたように。
その瞬間、「神の剣」スサノオは目覚めた。
しかしそれは・・・「スサノオ」の別の姿、血に飢えし神の剣クサナギ」の目覚めやった!
血に飢え神の剣はその隠しもとヤマトの血を吸い蘇る。
しかもそれを手にするのは、つい先ほどヤマトに惚れたばかりの、いつもはベビーフェース役を演じている橋本じゅんさん、クマソノタケル!
血が足りないと叫ぶ「クサナギ」は圧倒的な力でその場に居る者を薙ぎ払う!
更に「クサナギ」に斬られた者はみな「クサナギ」の魔力にとりつかれて蘇る。ヤマトもそう・・・。
魔性の剣「クサナギ」の目覚め・・・再び現れる謎の女「マホロバ」・・・「眠れる獅子を探せ」という言葉を残し、ここで第1幕が終わる。
しかし、ここでも伏線が・・・クマソとマホロバに何か関係のあるような伏線が。
もうその展開に、休憩中も呆然・・・す、凄すぎる、この話!まさにいのうえ歌舞伎の魅力大爆発!と思ったが、こんな程度で「爆発」と思ってた自分が甘かった。
・・・
2幕。ここから「いのうえ歌舞伎」特有のストーリー上での裏切りや登場人物の微妙な心理描写、愛憎等々が入り交じる。
自らの欲のため、国、民を売る「アマミカド」の王「オオタラシノミカド」。
自分が心動かされた女「ヤマト」を殺してしまったため、人を殺せなくなってしまった「オグナ」。
これなんかもう、グッとくるよなぁ。
幼い頃から殺人マシーンのように育ってきた「オグナ」が、たった一つのきっかけで人を殺せなくなってしまうやなんて。
それから運命に翻弄され、後に引けなくなってしまった「アヅマ」、「オオウスノミコト」。
そして、1幕最後で「クサナギ」に斬られた「イズモ」。
う〜ん、面白い!どんどん吸い込まれていく、この展開に!
舞台はアマミカドからキズミの国へ・・・「クサナギ」に対抗できるもう1つの「神の剣」があるという「キズミの国」へ舞台は移る。
クマソに勝つには真の神の剣「スサノオ」を手にするしか方法はない・・・オグナとイズモは「スサノオ」を求めキズミの国へ。
クマソはその2人にとどめを刺すため、「クサナギ」の魔力に取り憑かれた「クマソ軍」+ 途中で裏切った「アマミカド」軍とともにキズミの国へ。
そこでオグナとイズモが出会ったのは・・・あの女「マホロバ」に瓜二つの、キズミの国の長「エミシ」
戦いで傷ついているイズモはエミシとともに森の奥深くへ、オグナはクマソ&オオタラシノミカド連合軍を迎え撃つ。
・・・
イズモは真の神の剣「スサノオ」を手に入れようとする。
伝説の神の剣を手に入れるには「眠れる獅子」を倒さねばならない。
キズミの国の守護神、「シロジシ」と対するイズモ、しかし!「シロジシ」は「エミシ」のもう一つの姿。
神の剣を持つ者の宿命・・・このあたりの設定、う〜ん、もうたまらん。って思ってるのにまだまだ盛り上がる
この試練を越え、遂に!イズモはもう一つの神の剣を手に入れる!その名は「ムラクモ」!
イズモ達を守るため、捕らえられた「オグナ」達を助けに向かうイズモ。
が、オグナを初めとする面々もすでに「クサナギ」に斬られていた。「イズモ」を襲う「オグナ」、迎え撃ち、「ムラクモ」で「斬る」イズモ!
これもまた「神の剣」を持つ者の宿命なのか・・・が、オグナは蘇る。同じくイズモに斬られたミヤビらもまた。
斬られた者の血をすうことによって力を増幅させていく「クサナギ」に対し、斬る者に「心の血」を流させることで「クサナギ」の魔力を浄化させる「ムラクモ」!
(クサナギの剣」も「ムラクモの剣」も元は同じ、神の木「スサノオ」の種から生まれた、神の剣。ただ、その育ち方がことなっただけ、でこんな見事なお話にできる、この設定、どうやってこんな凄い凄すぎる設定を思いつくんやろ?やっぱいのうえひでのり座長&中島かずき先生は天才!やわ)
エミシがそう説明する、死んだはずのエミシが生きていた!何故・・・それは「シロジシ」は「神の剣」の荒ぶる面、ただそれを封じ込めただけ。
イズモ曰く、「何で説明してくれなかった」!
エミシ曰く、
「その方が盛り上がるだろ」!・・・か、かっこええ〜!
この後、オグナは自分に降りかかった縁を断つために父親「オオタラシノミカド」を倒しに行く。
最後は冒頭の「占い」、「これもこの場面への伏線やったんやぁ」って思わせる方法でオオタラシノミカドにとどめを刺す。
そしてもう一つの縁、「ヤマト」・・・これもムラクモを削ってできた枝とオグナの「心の血」によって魔力を浄化!
さぁ、ミヤビの台詞通り「大詰めだよ」!
そう、毎度のごとく、見事ないのうえ歌舞伎2幕の盛り上げよう!
クマソは実は、キズミの国を昔に出ていった男。
様々な伏線、因縁、謎、裏切り等々全てを飲み込んで、いよいよ大詰め。音楽も照明も盛り上げる!
「クサナギ」を手に入れた「クマソ」と、「ムラクモ」を手に入れた「イズモ」、いよいよ大詰めへ。
イズモ vsクマソ、ムラクモをクマソにたたき落とされるイズモ!
クマソ「もう手は残ってねぇだろ!」
イズモ「まだ手はあるさ。2本もな!!」
そして遂にその正体を現す、元ジャガラ国占い師「サグメ」=「クサナギ」!
「クサナギの剣」に斬られた者は「ムラクモの剣」でその魔力を浄化できるが、「クマソ」は「クサナギの剣」に斬られた訳ではない、そんな男を「神の剣 ムラクモ」で斬ればどうなるか・・・。
ふっ、深い、深すぎる〜・・・がこれもまだまだ。更に深いのがこのいのうえ歌舞伎!
イズモが選んだ手段は・・・クマソの「クサナギの剣」をまず奪う。
この奪い方が実は冒頭で伏線張られてた、クマソの腕を外す、って方法・・・細かい!
で、「クサナギで斬り、ムラクモで浄化する」・・・う〜ん、お見事!
・・・って思ったが、それこそ「クサナギ」の目論見通り。
「赤と白とが交わる」・・・つまり、「赤 = クサナギの剣」が、イズモの体を通して「白 = ムラクモ」交わる
そして、「3つの同じ言葉が1つになる」・・・「イズモノタケル」が「オグナノタケル」「クマソノタケル」を斬ることで、「3人のタケル1つになる」!
そして、魔性の剣「クサナギ」は完全体になる!
最後の最後でまた見事な裏切り!
クサナギの魔力に犯されそうになるイズモ、しかし!イズモは屈しなかった!
「神の剣」を持つ覚悟は「クサナギ」に負けなかった!
見事「クサナギ」を倒すイズモ・・・おっ、お見事、イズモ!お見事、いのうえひでのり & 中島かずき!
・・・
そしてエンディングへ・・・
クマソノタケルはヤマトとともに、自分が斬った者達の魔力を浄化させる旅に出る・・・「ヤマトノタケル」として!
オグナノタケルもどこかへ旅立つ、「縁があったらまた会おう」って・・・
イズモノタケルは、また最初のお調子者風で、新たな宝探しに出かける。
(今回、この主役中の主役「イズモノタケル」が、どこかお調子者風のところがあって、今までの「いのうえ歌舞伎」の主役とちょっと違う、珍しいキャラクターやった。これがまたストーリーに幅を持たせてたよな、って思う。)
その後ろでは、血に飢えし魔性の剣と化した「クサナギの剣」を浄化する「エミシ」の姿が・・・もう、凄くかっこええ、エンディングまで!

読書感想文を書け、って言われて、嫌々書いた感想文って、結構「感想」より「あらすじ紹介」になってしまう。
このレポートも、「感想」より「あらすじ紹介」っぽくなってしもうたけど・・・あの感動感激のシーンを説明せずにこの感動感激は書けへん!
ってな訳で、こんな感想になってしもうた。
せやかて、せやかて・・・もう全編かっこよかったんやもん!
何も考えずに最後まで、いのうえひでのり&中島かずきの掌の上で踊らされてたもん!
とまぁ、「いのうえ歌舞伎」の魅力満載!の、これまでで最高!って思える今公演でした。

このまま「劇団☆新感線」はどこまで凄くなっていくんやろ?

さて、次の「SUSANOH」サーガは・・・鬼と人との戦いの物語?か!
スサノオの剣は出てくるのか、オロチ一族は?
それより、次のSUSANOHは何年後?


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