チョウの貴公子
アゲハチョウ

チョウの中の貴公子といえば、「アゲハチョウ」
優雅に舞う姿はどこか気品がある。
市街地、草原どこにでも見られるなじみの深いチョウだ。
卵から成虫になるまで、観察したことがある人も多いはず。

アゲハチョウ
2令幼虫 卵は2ミリほどの黄色いまん丸な形をしている。
ミカン、キンカン、サンショなどの柑橘系植物の若葉の裏に産み付けられる。
探す場合は、柑橘系植物の周囲を舞っているアゲハチョウを目で追って、産卵場所を確かめて、葉の裏を見る。
卵から生まれた幼虫ははじめ細かな毛が生えているが、皮を1回脱ぎ終わると、画像のようなまだら模様となる。
このまだら模様で3センチほどまで成長する。
終令幼虫 数回脱皮を重ねると、鮮やかな緑色をした幼虫となる。
終令幼虫だ。
この頃が一番食欲も旺盛なようだ。比較的やわらかな若い葉をひたすら食べる。

終令幼虫の体をつつくと、頭部から黄色いつのを出す。
そのときに異臭を放つ。これで鳥などの天敵を驚かすのだろう。
幼虫の天敵は鳥のほかに、蜘蛛、コバチなどがいる。
サナギ 卵から孵ってから、3週間ほどで最後の皮を脱いでサナギになる。
夏場のサナギは緑色をしているが、冬を越すサナギは褐色をしている。共に保護色になっていて、外敵から身を守る役目をしている。
サナギは茎に体の2箇所を糸でとめられていて、すぐには外れないようになっている。
さわると、しりの部分だけ動かす。羽化が近づくと、ほとんど動かなくなる。
自宅で飼っていた幼虫がサナギとなり、羽化の様子をデジタルカメラで捉えようと試みたが、 日中、わたしが仕事に行っている間に羽化したようで、残念ながら羽化の様子は捉えられなかった。
機会があればまた挑戦してみたいと思う。
冬をサナギで越したアゲハチョウは、春から初秋のあいだ何度も卵→幼虫→サナギ→成虫を繰り返す。
近くに柑橘系の植物が植えられているところがあれば、かならず卵か幼虫が見つかるはずなので、 ぜひ子供さんといしょに観察して欲しい。



サナギの色は周囲の環境に合わせる


家屋の玄関の表札でサナギになった幼虫。
上にある葉の茎でサナギになったものと比べると、かなり黒っぽい色に変化している。
外敵から目立たないようにするため保護色を使っているのだ。
冬を越すサナギはこのような黒っぽい色をしている。


飼育方法
飼い方
市販の飼育ケースの大型のもののなかに、図のように水を入れた小ビンに柑橘系植物(ミカン、サンショウ、キンカンなど)を若い葉のついた枝を挿し、入れておく。
筆などを使って、採取した幼虫を↑に移す。
葉が無くなってきたら、新しいものと交換する。
サナギから成虫がかえったら、外へ逃がしてやる。


キアゲハの幼虫
キアゲハ
アゲハチョウの仲間で、キアゲハがいる。
アゲハチョウがもっと黄色みが増した種類で、羽根の模様はアゲハチョウとよく似ている。
しかし、幼虫はパセリ、ニンジンなどのセリ科の植物を食べる。
セリも食べるので、セリが生えている湿地帯などで幼虫を見つけることができる。
画像は皇子が丘公園の人口湿地帯に生えたセリにいたキアゲハの終令幼虫。
残念ながらこの画像を撮った1週間後、湿地帯のセリは幼虫とともに刈られていた。
人間を中心に運営されている自然公園ではよくあることなのだが、サナギを撮ろうと思って再訪したのに非常に残念。


アゲハの仲間
アオスジアゲハ
アオスジアゲハ
羽根の青いスジが特徴で、
幼虫はクスノキの葉を食べる。
都市部でクスノキを植えられることが多くなったので、
街角でもよく姿を見ることができる。
動きが素早いため、捕獲することは難しい。
画像は民家の玄関前に撒かれた水を飲みに来ていたところを撮影。


クロアゲハ
クロアゲハ
幼虫はナミアゲハと同じく、ミカン類の葉を食べる。
比較的良く見かけるアゲハチョウであるが、幼虫を見かけることが少ない。(少なくとも私の場合)
ナミアゲハより、日陰を好むという話もるので、日陰の場所に植えられているミカン類を探すと見つかるかもしれない。
成虫の飛び方は、ゆらゆらとゆったり飛ぶ感じ。
一説では死者の使いという話もあって、気のせいか、盆の時期に見かけることが多い。
1999年6月観察 7/26UPLOAD
2002年05月13日 補足
2007年02月24日 再補足
Yasushi_Kusada