セミを観察しよう

セミはわたしたちにとって一番身近な昆虫で、セミの鳴き声を聞くと、夏が来たことを感じる。
春に鳴く、ハルゼミという種類もいるが、やっぱりセミの季節は夏。
街の街路樹、庭、公園、神社、木のある場所にはどこででも鳴き声を聞くことができるし、
注意してみれば姿を確認することもできる。
クマゼミ 画像はクマゼミ 近所の植木で撮影。日本では一番大型のセミ。



アブラゼミの抜け殻 アブラゼミの抜け殻
幼虫で6年間過ごす種類もいる
セミは成虫で生活する約2週間で交尾をし、硬い枯れ枝にタマゴを生みつける。
そのまま冬を越し、梅雨の期間に柔らかくなった枯れ木の中でタマゴがかえり、幼虫は地面へ落下、土の中に潜っていく。
そうして数年の間、4回の脱皮をし、木の根から汁を採りながら成長していく。
種類によって異なるが、長いもので6年間土中で過ごすものもいる。
アブラセミ
ツクツクボウシ
ツクツクボウシの幼虫の抜け殻
ツクツクボウシの幼虫の抜け殻
ツクツクボウシ

ニイニイゼミ
ニイニイゼミの抜け殻 ←ニイニイゼミの抜け殻は泥で汚れている。
小型で丸っこい。
ニイニイゼミ ニイニイゼミの成虫
羽根が透明ではない。アブラゼミと同じ。

ヒグラシ
ヒグラシの抜け殻 ←アブラゼミより一回り小さい。
やや長細い。
ヒグラシ 頭部に緑色の配色があり、羽根が透明。
ミンミンゼミとツクツクボウシの中間の大きさ。
垂直分布
セミの垂直分布
上図の標高は伊吹山あたりの断面図で、
それにセミの垂直分布(標高による棲み分け)を当てはめてみた図。
実際に伊吹山あたりで観察した結果ではなく、大津市近辺の市街地から山地へ上って観察したものを当てはめたものである。
もっとも高い位置に生息するのはコエゾゼミ、次にエゾゼミ、アカエゾゼミと続く。
ただし、わたしは滋賀県でエゾゼミの仲間をまだ一度も観察をしたことがない。
エゾ(蝦夷)ゼミというくらいだから、北海道にしかいないかというとそうではなく、本州でも標高の高い位置には生息しているそうである。当然滋賀県内にも生息しているはず。
大津市街でもっとも多く見られるのがアブラゼミで、オフィスが集中する駅前近辺の街路樹でも鳴いている。
クマゼミは南方系のセミで、大津市あたりまでが北限のようで、北部には生息していない。
午前中シャア、シャアという賑やかな声を聞くことができる。昼間は木の枝にじっと静止している。
滋賀県にはミンミンゼミはいないものと思っていたら、長等公園自然観察の森で鳴き声を聞いた。どちらかというと標高が高い位置が好きなようである。
成虫の活動時期と鳴く時間帯
セミの活動時期と鳴く時間帯は以下の表のとおり。

活動時期 鳴く時間 鳴き声
アブラゼミ 7月〜9月 主に昼から夕方 ジワジワジワ…
クマゼミ 7月〜8月 朝方 シャアシャアシャア…
ヒグラシ 6月〜8月 早朝と夕方 カナカナカナ…
ニイニイゼミ 6月〜8月 午前中と夕方(昼過ぎにも鳴くことがある) ニィーニィー…
ミンミンゼミ 7月〜9月 朝から夕方 ミーンミンミンミーン
ツクツクボウシ 7月〜10月 午前中と夕方 ツクツクオーシツクツクオーシ

セミについて知っておきたいこと。
セミの食べ物
長い針(口吻)を木の幹にあて、なかにあるさらに細い管を差しこんで汁を吸う。
飛び立つときに出す液体は木の汁の余分な水分。
鳴く仕組み
腹の中にある筋肉で膜をふるわせて音を出す。腹の中は空洞で、音を大きく響かせる。
鳴くのはオスだけ。胸のあたりに腹弁という硬い膜があり、音の調子を整える。
アブラゼミ(メス)の腹側 アブラゼミ
■編集後記■
セミ採りをする姿を見るのは少なくなったが、
わたしがまだ小学生だった頃は夏休みは虫採りが一番の遊びで、
セミ採りは定番の遊びのひとつだった。
当時は昆虫ネットではなく、竹ざおの先にトリモチを着けて捕獲した。
当然セミの羽根はトリモチで汚れて、標本にはできず、虫かごの中に放しておくだけだった。
エサもやらないので、捕獲したセミはたいてい2日から3日で死んでしまった。
いまから思うとずいぶん残酷なことをしていたなと思う。
2002年08月18日 追加編集
Yasushi_Kusada