熊さん:ご隠居っ、てえへんだ。この先にでっかいうなぎの寝床がある!
ご隠居:ばかを言っちゃあいけないよ熊さん。うなぎの寝床なんかじゃあるものか。この辺じゃあ”う”っていったら宇奈月に決まっているんだよ。
熊さん:へっ、宇奈月? なんだ宇奈月か。でっかいうなぎならでっかい蒲焼きになると思ったんですがねえ。
ご隠居:おまえさんはなんだってそう、食べ物のことばっかり考えているのかねえ。
熊さん:だってご隠居さん、長屋の連中はうなぎなんてそうそう食えるもんじゃねえんですから。みやげにでっかいのを持ってけえったら喜ぶと思うじゃあありませんか。
ご隠居:そりゃあそうだねえ。おまえさんもなかなかやさしいことを言うじゃあないか。
熊さん:おっご隠居さん、珍しくおいらの言うことに”うなづき”ましたね。
へへへっ。