土佐童歌
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お月さんももいろ

おつきさんももいろ
   (おつきさんももいろ)
   たれが言うたか 海女が言うた
   海女の口をひきしゃけ
   海女の口をねじあげえ
          ねじあげえ
 土佐独自のわらべうたのうち、最高の歌といっていいのが「お月さんもも色」である。 高知県下全域に広がっているのが珊瑚にまつわる歌なので幡多郡の月灘から発祥した考えるのが自然だ。 歌詞は、土地土地によって若干違い、例えば、海女の口を「つんじゃれ」と言うところもある。月灘では 「お月さん」でなく「お月灘」と発音するので曲名は「お月灘」でもよいが、多くの地は「お月さん」だし、 その方が一般的でわかりやすい。中央での発表も「お月さんもも色」とした。
 土佐藩は月灘で貴重なもも色珊瑚がとれるのを極秘にしていた。しかし、人の口に戸を たてられずこうしたわらべうたになった、という。また、家が貧乏なためこっそりとって売り、見つかって 処罰された...という意味だとの説もある。いずれにしろ豊かな伝統に彩られドラマチックである。
 ただ、元の歌はイントネーションだけの伝え言葉だったので比較的標準語に近い県 中央部のものを基本形に音楽性を持たせて編曲した。わらべうたは遊び歌以外はなにがしのリズムがついた だけなので音楽性が出しにくいし、なまりや詞の違いもある。どれが正解という問題ではないが枝分かれし たものを一つにしなければすっきりした曲にならないので元の歌のムードを絶対に失わないようにしつつ編曲を行った。

 武政英策の歌ありてこそ より 

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