よさこい節(民謡)

 土佐民謡 
 酔太    
  1.土佐の高知の はりまや橋で 
    坊さんかんざし買うを見た  よさこい よさこい
  2.御畳瀬(みませ)見せましょ 浦戸を開けて 
    月の名所は桂浜   よさこい よさこい
  3.言うたちいかんちゃ おらんくの池にゃ 
    潮吹く魚が泳ぎより  よさこい よさこい
  4.土佐は良い国 南をうけて 
    薩摩おろしがそよそよと よさこい よさこい
  5.わしの情人(といち)は 浦戸の沖で
    雨にしょんぼり 濡れて鰹釣る よさこい よさこい
  6.よさこい晩にこいと いわんすけれど 
    来てみりゃ真実こいじゃない  よさこい よさこい
  7.西に竜串 東に室戸
    中の名所が 桂浜 よさこい よさこい
  8.思うて叶わにゃ 願かけなされ
    はやる安田の 神の峰  よさこい よさこい 
  9.来るか来るかと 待つ夜にゃこずに
    月の種崎 まつばかり よさこい よさこぴ
 10.土佐の名物 珊瑚に鯨
    紙に生糸 鰹節 よさこい よさこい
 土佐の代表的民謡、江戸時代の始めに山内一豊が高知城を築いたとき、 その工事場で唄われた”木遣り節”が変化したのがよさこい節で、”よさこい” は、石材や木材を運ぶ掛け声の”ヨイショコイ”が起こり。或いは正徳年間 (1711〜16)、大奥女中江島と役者生島新五郎の情話が「江島節」として 全国にひろまり、それが土佐に伝わって盆踊り唄になった。これが、始まりなど といわれている。また、よさこいは、”夜こい”の意ともいう。

 ともあれ現在の歌詞は、安政2年(1855)五台山竹林寺の脇坊、南の坊の 僧純信が、高知城下の鋳掛け屋の娘お馬を好きになり、はりまや橋のたもとの 小間物屋でかんざしを買い与えたのがいつのまにか評判になり、「おかしなことよな はりまや橋で 坊さんかんざし 買いよった ヨサコイ ヨサコイ」とよさこい節で歌われ有名になってしまった。いたたまれなくなった 二人は駆け落ちしたが捕らえられ、破戒と番所破りの罪で城下の三カ所でさらし 者にされたのち、純信は国外へ(現愛媛県川之江)、お馬は仁淀川以西に追放された。
 このロマンスを唄い込んだものである。
 
 土佐の高知の はりまや橋で 坊さんかんざし
  買うを見た よさこい よさこい

 よさこい節の一節です。

 人文社発行 郷土資料事典 高知県・観光と旅 より  

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