リアブレーキパッド交換 by FUG

 これも初歩的な作業にはいるが、やや難所がある。

 それはピストンの押し戻し。
 押し戻しといっても文字通り押し戻すわけではなく、ピストンを回転させることで戻すわけだが、この作業に少々のコツを要する。
 ここでは17mmのコンビネーションレンチとエクステンションを組み合わせているが、ディスクグラインダーのディスク交換ツールを使う人もおり、工夫次第で色々な方法がありそう。

 ちなみにリアブレーキに関しては、ディスクがとことん減ってくるとダッシュボードのパーキングブレーキの警告灯がつきっぱなしになる。

難易度: □■□□□
所要時間: ■□□□□

 <概要> 

 作業の大まかな流れは以下の通り。
  @キャリパーを開く。
  Aパッドを外す。
  Bピストンを押し戻す。
  C以上逆順。


 <Howto> 
  1. サイドブレーキを下ろし、ジャッキアップしてホイールを外し、エンジンルームにあるブレーキフルードのリザーバータンクのキャップを開けておく。
  2. キャリパーをマウンティングサポートにとめている12mmのボルトを緩め、イン側に適度にスライドさせて、キャリパーを上に開く。
  3. キャリパーを更にイン側にスライドさせて、閉じてしまわないようにする。
  4. パッドをとめているクリップを外し、パッドを外すNOTE-1
  5. コンビのメガネの方に、エクステンションを差し込んで、これをT字型の簡易ツールとするNOTE-2
  6. 簡易ツールのスパナの2つの爪が、それぞれピストンの2つの溝にはまるように当て、時計方向に回してピストンをねじ込むNOTE-3
  7. 十分にねじ込んだ後、ピストンの溝とパッドの背面の突起の位置が合うようにピストンを回して位置出しをするNOTE-4
  8. パッドを組み付け、手順を4→1と逆にたどる。
  9. ブレーキペダルをしっかりと手応えが出るまで何度も踏み直す。

 <NOTE> 
  1. 記憶によれば、リアのパッドにもプレートが組み付けてあったはずだが、今回のサンプル車にはなかった。
    またクリップもなかった。
  2. リアのピストンはフロントと異なり、押し込んでやるタイプではなく、ねじ込んでやるタイプ。
    よってプライヤーではなく、本来はSSTを使うのだが、これが結構高価。
    そこで上記のような簡易ツールを考案してみた。
  3. 意外とねじ込むのに力を要すること、溝が浅いこと、そしてコンビのスパナにはアングルが付いていることもあって、ちょっとでも気を抜くと「ガリッ!」っと溝の縁を削ってしまうので十分慎重に。
    コツとしては、硬いネジを緩めるときの様に、スパナをきっちりとピストンに押し当てながらやること。
    また非常に硬いときは、人にキャリパーを支えてもらって、エクステンションをずらして簡易ツールをL字型にして、エクステンションの端の方を持って回す。
    くれぐれも「ガリッ!」っとならないよう慎重に・・・。
  4. この位置出しがちゃんと出来てないと、キャリパーが閉まらなかったり、閉まってもまともにリアブレーキが利かない。

 <Photo Guidance> 
@ リアキャリパーと各部の名称 【青矢印】キャリパー
【緑矢印】マウンティングサポート
【ピンク矢印】Howto-2で緩める12mmのボルト

12mmのボルトは写真では見えないが、コンビネーションレンチがかけてある。
A 簡易ピストンツール 簡易ピストンツール
B ピストンの溝 ピストンの溝
C 簡易ピストンツールの使用法 簡易ピストンツールの使用法
D ピストンの溝とパッドの出っ張り ピストンの溝とパッドの出っ張り