| ホーム |

「相関係数」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは複数の資産や証券などの価格変動の相互関係を定量的に示したもので、−1から+1までの範囲で示されます。たとえば、あるAという金融商品とBという金融商品の相関係数が−1である場合、A商品が値上がりすれば、B商品は値下がりします。一方、相関係数が+1である場合、A商品が値上がりすればB商品も値上がりします。また、相関係数が0であれば、2つの資産のリターンの間には相関関係がまったくないことを示しています。
金融商品はいろいろな種類の商品に分散投資することでリスクを低下させることができます。私はこのホームページのはじめに、資産家にとっての資産運用は保全のために行うべきものである、と書きましたが、まさに分散投資とは資産を価格変動リスクから守る基本的保全方法と言えます。
一般的に金融資産は不動産に較べ流動性の高い資産ですので、運用に失敗しても金銭に換価しやすいといえます。また、不動産に較べ投資対象1件あたりが安いという特徴があります。賃貸マンション建設による投資は、その事業リスク軽減のため、顧客層を絞ったマーケティングが成功のカギである、と書きました。しかし、金融資産は流動性が高いということと、単価が安いという特徴を生かし、不動産とは逆に、マーケットを特定した投資は行わなず、常に金融資産全体のなかで、バランスのとれた、分散した投資を行うことが成功のカギといえます。
みなさんは、銀行や証券会社から勧められた単品商品をそのまま、購入していませんか。それは金融資産全体のポートフォリオは相関係数を無視したものであるため、「投資」ではなく単なる「投機」である、といえます。たとえば、その人の投資可能な金融資産が100だとして、ある証券会社から国内株式TOPIXインデックスファンド(トピックスに連動する値動きをするファンド)を勧められ30購入し、一方、ある銀行から国内株式バリューファンド(割安銘柄に投資するファンド)を勧められ30購入、また別の証券会社から日経平均型のETF(上場投資信託)を40購入した場合、値上がりするときは3つとも値上がりしますが、値下がりするときは3つとも一緒に値下がりするでしょう。もっとわかりやすく言えば、ある証券会社から東京電力を勧められ、30購入し、一方、別の証券会社から九州電力を勧められ30購入、もともと相続で持っている東北電力が40あったとすると、100の資産すべてを電力株に投機していることとなります。
金融資産の運用の難しさは、バランスのとれたポートフォリオを維持し、かつ、値上がり可能性の高い商品に若干多めに、機動的に配分しつづけることです。複数の金融機関と取引し、勧められるままの購入・売却は、金融資産全体でのバランスのとれたポートフォリオはできないこととなります。したがって、信頼のおける金融機関にまさにプライベートバンクになってもらい、余裕ある金融資産を託すか、または個人でポートフォリオを作成・維持していくか、ということになりますが、個人ではかなりむづかしいといえます。
また、金融資産運用の常識とされている考え方についても、本当にそれは常識なのか、考えなおしてみたいと思います。例えば、長期投資はリスクを低減させるということから、株式投資は長期投資が勧められていますが、リスクを期待収益率のぶれとするなら、確かに標準偏差は小さくなるので、リスクは低減するといえますが、損失は拡大していきます。また、金融機関が勧めるアクティブ運用のファンドは、販売手数料を引いて、インデックス連動のパッシブ運用ファンドを上回る収益をあげているのでしょうか。
このホームページではポートフォリオ組成と投資理論(株式・債券)について基礎的知識をわかりやすく説明するとともに、資産運用の常識についての再考と留意すべき点について、不動産投資理論・私募投信(オンショア・オフショア)の活用についても説明したいと思います。

| ホーム |