PC-9821が、IBM PC/AT互換機アーキテクチャを積極的に導入された頃のマシンなので、ATAPIインタフェースにPCIバスも導入されています。
しかし残念ながら、PentiumPROプロセッサがPentiumIIプロセッサのSlot1に移行してしまい、Socket8の未来はありません。また、互換CPUが豊富なSocket7プロセッサのように互換CPUメーカーからも見捨てられてアップグレード手段はほぼありません。
Intel PentiumPRO 180MHzプロセッサ.
現状では最強のPC-9821アーキテクチャマシンの一族でありながら、産まれながらに将来的な展望は薄かった悲劇的なマシンとも言えるのではないでしょうか。(じゃ何故買った?)
と悲観的な話をしても始まりません。と言うかアップグレード手段がないと言うのが大きな理由だったのですが、やはりパワーアップと言う魔力に惹かれたある人物の記録を、ここで紹介しましょう。(お
ページリンクもなかなか盛んで、リンク専用のページもあります。そこにあった中に、Pentium MMXを300MHzオーバーで動作させると言う文字列を発見。取り合えず見ておこうと言うことで、ページを開きました。
そこには、外部周波数を決定する基本周波数を送るオシレーターの交換で外部クロックをアップさせて行く手法が公開されてました。
現在の外部クロックをジャンパで切り替えられると言う方法は、あるICによって分周する割合を決定すると、出力周波数が変わるという方法です。その入力周波数は一定で、多くのマザーボードで、14.318MHzと言う周波数が使用されているようです。
#PC/AT互換機でもほぼ同じ構造が多いので応用は利く。
それを分周する事で、66.6/60/50MHzと言ったPentium系の周波数、75/83MHzと言った周波数に分周するわけです。
実はこの情報を知って改造することを実行する決め手となった理由に、オシレーターの周波数が比較的低かったことが上げられます。低い周波数のものは、(他に応用されやすく)需要が多いので入手しやすく、安いのです。
秋葉原が遠い北海道の住人でも、いくつかの周波数のオシレーターを買いにいける、と言う要素は重要だと思います。
さて、基本となる入力周波数を上げると、分周されて出力される周波数も必然的に比例して上がります。それが今回のクロックアップ手法になります。
Ra18には、外部クロック切り替えジャンパのすぐ側に、「D14.3K6」と言うプリントがされた小さな2pin形のオシレーターがあります。おそらく14.3×106(106=10の6乗=M(メガ))、14.3MHzと言う意味になると思われます。
真ん中の銀色の楕円形のがオシレーター.
66.6MHzのジャンパ設定で14.3MHz=66.6MHzですから、分周率は66.6/14.3=4.6573。入力周波数を16MHzに変えると、16×4.6573=74.5MHzになります。
| 入力クロック | 出力(外部)クロック | 内部クロック |
|---|---|---|
| 14.3MHz | 66.6MHz | 199.8MHz |
| 15MHz | 69.8MHz | 209.4MHz |
| 16MHz | 74.5MHz | 223.5MHz |
| 17MHz | 79.2MHz | 237.6MHz |
| 18MHz | 83.8MHz | 251.4MHz |
| 19MHz | 88.5MHz | 265.5MHz |
今回は、15/16/18MHzの3個を用意。と言うか、これしか売ってなかったんですけどね。(;_+)
右から16、15、18MHz.脚は約半分に切ってある.
問題は交換する際にいちいちハンダ付けして外してと言う労力は面倒ですし、マザーボードを傷めます。そのために、マザーボードにはソケットを付けてます。これで交換が安易に行えるようになります。
ただ、交換が安易に行える反面、ソケットのとオシレーターの脚の接合面がちゃんと密接しないと、きちんと波形が送られませんし簡単に抜け落ちてしまいます。出来るだけ密着度の高そうで、抜き差しに支障のないものを選びます。
36pinのソケット.これを切り離して(溝がある)使います.
今回用意したのは、ジャンパピンのはめ込みでも使えそうなものです。これを1本ずつ切り放して2本用意しました。予め、オシレーターの脚の挿し具合を確かめておきます。
さて、オシレーターはここにあります。メモリのSIMMソケット、PCIバス、440FXチップセットに囲まれた位置にあります。
赤の囲みが入力オシレーター.
青の囲みがSIMMソケット.
黄色が外部クロック変更ジャンパの位置.
紫がPCIバス.
緑が440FXチップセット.
すぐ上にあるジャンパピンは、外部クロックの変更用です。改造する前では、66.6/60/50MHzに変更可能です。
まずは、このオシレーターを取り外して、ソケットを取り付けます。改造と言っても、実は作業はこれだけです。しかし、最も重要で最も危険な作業です。十分に注意する必要があります。
さて付け替えにはマザーボードを外しますが、Ra18のマザーボードは結構小さく、全部の機器を外す必要はありません。PCI及びC-Bus(拡張スロット)のボード全部、マザーボードに接続されている各種ケーブル、C-Bus(拡張スロット)の誘導レールです。
一応、作業をする前には、身体に残っている静電気を放出するためにケースに触っておきましょう。
誘導レールはネジで止められていないので、C-Bus(拡張スロット)からボードを抜いてしまうと、固定されている部分はマザーボードとライザーカードの接続コネクタだけです。上に引っ張ってしまえば簡単に抜けます。
一応、メモリにCPUも外してしまいます。あとは、ケースにマザーボードを固定している四隅のネジを外せば簡単に外れてしまいます。
マザーボードを外す前.
外したら表と裏を交互に見比べて、オシレーターの位置を確認します。後はハンダこてと、
を使って外すのがベターです。しかし、実際にはそれだけで簡単にいかないので、おそらくラジペンまたはピンセットを使って、がんばるしかないでしょう。(^^;
外れたら、ソケットを用意します。すでにブロックを切り放しているので、これをマザーボードのオシレーターがあった部分にハンダ付けするだけです。
オシレーターを外したところ.
で、お待たせしました(お
脚を削るかマザーボードの穴を大きくすしかありません。マザーボードの穴を大きくするのはほとんど無理です。配線パターンのパターンを削り取ってしまいます。
しょうがないので金ヤスリでソケットの脚をしこしこと削りました。削っては穴に合わせて見るというのを繰り返すこと15分。なんとか2本とも削れました。これでやっとこマザーボードに付けれます。
付けるのはすぐに終わり、付いている状態を点検して以上らしきものがなかったので、ケースに取り付けて、周辺機器も付けていきます。出来ればここでは起動できる最小限が好ましいので、CPUにメモリ、FDDに拡張スロット、標準のグラフィックアクセラを付けます。
で元の14.3MHzのオシレーターを付けて、スイッチポン。(^^;
元のオシレーターをソケットに付けた状態.
電源を数回入り切りすると、直ります。また、ソフトウエアディップスイッチの設定に、メモリスイッチ(SWITCHコマンドで設定できる項目)の設定も、DATE、TIMEも狂っていますので、全部直します。なので、動作確認するための起動ディスクには、SWITCHコマンドをお忘れなく。 #今回はメモリスイッチのメモリ値が変わっていて、メインメモリが512KBまでしかカウントとしなかったのでちょっとビビった。
試すのを忘れたのですが、「CTRL+GRPH(ALT)+CAPS+カナ」を同時に押しながら起動すると、ソフトウエアディップスイッチ、メモリスイッチが初期化されます。これはやっておくと良いと思います。 起動できるようになると、PFM686(Koji氏作のメモリアクセス速度測定ツール)で現在の周波数を確認します。200MHzなのを確認すると、電源を落として小さいクロックのものから順番に差し替えていきます。
高クロックオシレーターに交換するとこんな感じ.
15/16MHzでは無事に起動するのを確認しました。が、18MHzでは「0で除算しました」で停止します。メモリエラー系にも思えますが、CPUがクロックに付いていっていないとも感じます。
| 入力クロック | 出力(外部)クロック | 内部クロック | 可/否 |
|---|---|---|---|
| 15MHz | 69.8MHz | 209.4MHz | 可 |
| 16MHz | 74.5MHz | 223.5MHz | 可 |
| 18MHz | 83.8MHz | 251.4MHz | 否(0で除算する) |
完全に元に戻して、74.5MHzでのWindowsNT4.0の起動を試しました。しかし、エラーが出ます。NTではダメなのかと思いつつ、色々見てみるとメモリをけっちているので、実はパリティ付きの8MBytes 70nsのものを使っています。
これを外してみると、あっさり動いた。
う〜ん、やっぱメモリは買わないとダメだねえ。(爆死)
と言うことで現在のところ、外部クロック74.5MHz、内部クロックは3倍速モードの223.5MHzにしてあります。
今の所はこれ以上の拡張は情報不足で出来ないところです。唯一、PentiumPROのクーラーをNifty FEXTフォーラムご推薦(と言うか設計がそこの達人の一人)の大型ヒートシンクものに交換するということは可能です。
けども、\8,800と言う値段は安いのだろうかと悩むところ。取り合えず、Intelの資料をひっくり返してVRMの仕様を見て電圧の変更が可能かどうかを見るとか。
一応、ネタには困らんかもね。(^^;;;
-- pfm686 ver2.1A DysanKeihin & (koji) --
for PC-98*1 version 1.0A by vinwa
L1 cache size 8KB
L2 cache size 256KB
/* 14.3MHz */
------------------------------------------
|CPU: P6 [GenuineIntel Fam6 Mdl1 Stp 7]|
|----------------------------------------|
| 198.94[MHz] | [ns/dword] |[CPUclocks]|
|---------------+------------+-----------|
| E-cache read | 4.873 | 0.969 |
| E-cache write | 9.788 | 1.947 |
| main read | 25.226 | 5.018 |
| main write | 79.709 | 15.857 |
------------------------------------------
/* 15MHz */
------------------------------------------
|CPU: P6 [GenuineIntel Fam6 Mdl1 Stp 7]|
|----------------------------------------|
| 208.46[MHz] | [ns/dword] |[CPUclocks]|
|---------------+------------+-----------|
| E-cache read | 4.651 | 0.969 |
| E-cache write | 9.341 | 1.947 |
| main read | 24.074 | 5.018 |
| main write | 76.062 | 15.856 |
------------------------------------------
/* 16MHz */
------------------------------------------
|CPU: P6 [GenuineIntel Fam6 Mdl1 Stp 7]|
|----------------------------------------|
| 222.30[MHz] | [ns/dword] |[CPUclocks]|
|---------------+------------+-----------|
| E-cache read | 4.364 | 0.970 |
| E-cache write | 8.760 | 1.947 |
| main read | 22.574 | 5.018 |
| main write | 71.327 | 15.856 |
------------------------------------------
★ ★ ★ HDBENCH Ver 2.610 ★ ★ ★
使用機種
Processor PentiumPro xxx.xMHz [GenuineIntel family 6 model 1 step 7]
解像度 1024x768 65536色(16Bit)
Display NEC Trident Microsystems
Memory 32,188Kbyte
OS Windows NT 4.0 (Build: 1381) Service Pack 3
IDE CD-ROM (ATAPI)/IDE Controller
IBM-DAQA-32160 R4OR
Conner Peripherals 1 1.17
SONY CD-ROM CDU311-NE3.2i
ALL 浮 整 矩 円 Text Scroll DD Read Write Memory Drive
179.6MHz 9640 9664 13068 4495 2104 2519 12 4 44521 736 15053 A:10MB
223.8MHz 7341 11983 16183 5043 2543 2839 13 5 19691 434 18876 A:10MB
※クロックアップした方がALL低い。何故かWriteが半分くらいだけど、なんだろか?
このへんも今後の課題として、近いうちに検証していきたいところ。一応、DOS上では、MASLもM-MASLも大丈夫でした。(^^;;;
#1998.05.08
&2006.06.09一部修正