はじめに必ずお読み下さい

 このページの主旨は、今私が保有するPCで遊んだ結果や予定などを公開する場です。
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 ここに公開される改造、メーカー保証外の方法での使用を推奨するものではなく、あくまでも個人が楽しむことや、満足いく環境を構築するための1つの選択としてあるものです。
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NEC PC-9821Ra18を速くする

1.導入部

 Ra18は、Intel製PentiumPRO 180MHzプロセッサとIntel製440FX PCIチップセット(通称Notoma)を使用したPC-9821アーキテクチャマシンです。

 PC-9821が、IBM PC/AT互換機アーキテクチャを積極的に導入された頃のマシンなので、ATAPIインタフェースにPCIバスも導入されています。

 しかし残念ながら、PentiumPROプロセッサがPentiumIIプロセッサのSlot1に移行してしまい、Socket8の未来はありません。また、互換CPUが豊富なSocket7プロセッサのように互換CPUメーカーからも見捨てられてアップグレード手段はほぼありません。

Intel PentiumPRO 180MHzプロセッサ Intel PentiumPRO 180MHzプロセッサ.

 現状では最強のPC-9821アーキテクチャマシンの一族でありながら、産まれながらに将来的な展望は薄かった悲劇的なマシンとも言えるのではないでしょうか。(じゃ何故買った?)

 と悲観的な話をしても始まりません。と言うかアップグレード手段がないと言うのが大きな理由だったのですが、やはりパワーアップと言う魔力に惹かれたある人物の記録を、ここで紹介しましょう。(お


2.どうするか

 さてインターネットは色々なページがあって、色々な人が色々なことに関する情報や経験について公開しています。その中には、PC-98x1ユーザーによる強力なページもいくつか存在し、なかなか濃いところも存在します。

 ページリンクもなかなか盛んで、リンク専用のページもあります。そこにあった中に、Pentium MMXを300MHzオーバーで動作させると言う文字列を発見。取り合えず見ておこうと言うことで、ページを開きました。

 そこには、外部周波数を決定する基本周波数を送るオシレーターの交換で外部クロックをアップさせて行く手法が公開されてました。

 現在の外部クロックをジャンパで切り替えられると言う方法は、あるICによって分周する割合を決定すると、出力周波数が変わるという方法です。その入力周波数は一定で、多くのマザーボードで、14.318MHzと言う周波数が使用されているようです。

#PC/AT互換機でもほぼ同じ構造が多いので応用は利く。

 それを分周する事で、66.6/60/50MHzと言ったPentium系の周波数、75/83MHzと言った周波数に分周するわけです。


 実はこの情報を知って改造することを実行する決め手となった理由に、オシレーターの周波数が比較的低かったことが上げられます。低い周波数のものは、(他に応用されやすく)需要が多いので入手しやすく、安いのです。

 秋葉原が遠い北海道の住人でも、いくつかの周波数のオシレーターを買いにいける、と言う要素は重要だと思います。


 さて、基本となる入力周波数を上げると、分周されて出力される周波数も必然的に比例して上がります。それが今回のクロックアップ手法になります。

 Ra18には、外部クロック切り替えジャンパのすぐ側に、「D14.3K6」と言うプリントがされた小さな2pin形のオシレーターがあります。おそらく14.3×106(106=10の6乗=M(メガ))、14.3MHzと言う意味になると思われます。

標準のオシレーター 真ん中の銀色の楕円形のがオシレーター.

 66.6MHzのジャンパ設定で14.3MHz=66.6MHzですから、分周率は66.6/14.3=4.6573。入力周波数を16MHzに変えると、16×4.6573=74.5MHzになります。

入力クロック出力(外部)クロック内部クロック
14.3MHz66.6MHz199.8MHz
15MHz69.8MHz209.4MHz
16MHz74.5MHz223.5MHz
17MHz79.2MHz237.6MHz
18MHz83.8MHz251.4MHz
19MHz88.5MHz265.5MHz

 74.5MHzの外部クロックを入力すると、内部動作クロックは3倍速なので223.5MHzになり、200MHzオーバーになります。CPUが元々PentiumPRO 180MHzと言うこともあって、おそらく225MHzが空冷の電圧3.3Vの限界だと思っていますので、目標は外部クロック75MHzになるでしょう。

 今回は、15/16/18MHzの3個を用意。と言うか、これしか売ってなかったんですけどね。(;_+)

各クロックのオシレーター 右から16、15、18MHz.脚は約半分に切ってある.

3.実際にどーするか

 改造を行うには、オシレーターを交換する必要があります。オシレーターはマザーボードに直にハンダ付けされており、ハンダを溶かして抜きさるのが一般的でしょうか。

 問題は交換する際にいちいちハンダ付けして外してと言う労力は面倒ですし、マザーボードを傷めます。そのために、マザーボードにはソケットを付けてます。これで交換が安易に行えるようになります。

 ただ、交換が安易に行える反面、ソケットのとオシレーターの脚の接合面がちゃんと密接しないと、きちんと波形が送られませんし簡単に抜け落ちてしまいます。出来るだけ密着度の高そうで、抜き差しに支障のないものを選びます。

ソケット部品 36pinのソケット.これを切り離して(溝がある)使います.

 今回用意したのは、ジャンパピンのはめ込みでも使えそうなものです。これを1本ずつ切り放して2本用意しました。予め、オシレーターの脚の挿し具合を確かめておきます。

 さて、オシレーターはここにあります。メモリのSIMMソケット、PCIバス、440FXチップセットに囲まれた位置にあります。

分周器入力オシレーターの位置 赤の囲みが入力オシレーター.
青の囲みがSIMMソケット.
黄色が外部クロック変更ジャンパの位置.
紫がPCIバス.
緑が440FXチップセット.

 すぐ上にあるジャンパピンは、外部クロックの変更用です。改造する前では、66.6/60/50MHzに変更可能です。

 まずは、このオシレーターを取り外して、ソケットを取り付けます。改造と言っても、実は作業はこれだけです。しかし、最も重要で最も危険な作業です。十分に注意する必要があります。

 さて付け替えにはマザーボードを外しますが、Ra18のマザーボードは結構小さく、全部の機器を外す必要はありません。PCI及びC-Bus(拡張スロット)のボード全部、マザーボードに接続されている各種ケーブル、C-Bus(拡張スロット)の誘導レールです。

 一応、作業をする前には、身体に残っている静電気を放出するためにケースに触っておきましょう。

 誘導レールはネジで止められていないので、C-Bus(拡張スロット)からボードを抜いてしまうと、固定されている部分はマザーボードとライザーカードの接続コネクタだけです。上に引っ張ってしまえば簡単に抜けます。

 一応、メモリにCPUも外してしまいます。あとは、ケースにマザーボードを固定している四隅のネジを外せば簡単に外れてしまいます。

マザーボードを外す前 マザーボードを外す前.

 外したら表と裏を交互に見比べて、オシレーターの位置を確認します。後はハンダこてと、 を使って外すのがベターです。しかし、実際にはそれだけで簡単にいかないので、おそらくラジペンまたはピンセットを使って、がんばるしかないでしょう。(^^;

 外れたら、ソケットを用意します。すでにブロックを切り放しているので、これをマザーボードのオシレーターがあった部分にハンダ付けするだけです。

オシレーターを外したところ オシレーターを外したところ.

 で、お待たせしました(お

重大問題発生!!(木亥火暴)


 今回用意したソケットの脚が基盤の穴よりも太く入りません
。いや、全くの予想外でした。As2やRX21ではこんなことは無かったもので……。

 脚を削るかマザーボードの穴を大きくすしかありません。マザーボードの穴を大きくするのはほとんど無理です。配線パターンのパターンを削り取ってしまいます。

 しょうがないので金ヤスリでソケットの脚をしこしこと削りました。削っては穴に合わせて見るというのを繰り返すこと15分。なんとか2本とも削れました。これでやっとこマザーボードに付けれます。

 付けるのはすぐに終わり、付いている状態を点検して以上らしきものがなかったので、ケースに取り付けて、周辺機器も付けていきます。出来ればここでは起動できる最小限が好ましいので、CPUにメモリ、FDDに拡張スロット、標準のグラフィックアクセラを付けます。

 で元の14.3MHzのオシレーターを付けて、スイッチポン。(^^;

元のオシレーターを付ける 側面 元のオシレーターを付ける 斜め上 元のオシレーターをソケットに付けた状態.

4.動作チェック

 まず起動しますが、標準のグラフィックアクセラを1度でも外すと、画面がバグってエラーが出るようです。ここでビビってはいけません。(笑)

 電源を数回入り切りすると、直ります。また、ソフトウエアディップスイッチの設定に、メモリスイッチ(SWITCHコマンドで設定できる項目)の設定も、DATE、TIMEも狂っていますので、全部直します。なので、動作確認するための起動ディスクには、SWITCHコマンドをお忘れなく。 #今回はメモリスイッチのメモリ値が変わっていて、メインメモリが512KBまでしかカウントとしなかったのでちょっとビビった。

 試すのを忘れたのですが、「CTRL+GRPH(ALT)+CAPS+カナ」を同時に押しながら起動すると、ソフトウエアディップスイッチ、メモリスイッチが初期化されます。これはやっておくと良いと思います。  起動できるようになると、PFM686(Koji氏作のメモリアクセス速度測定ツール)で現在の周波数を確認します。200MHzなのを確認すると、電源を落として小さいクロックのものから順番に差し替えていきます。

オシレーターを交換 側面 オシレーターを交換 斜め上 高クロックオシレーターに交換するとこんな感じ.

 15/16MHzでは無事に起動するのを確認しました。が、18MHzでは「0で除算しました」で停止します。メモリエラー系にも思えますが、CPUがクロックに付いていっていないとも感じます。

入力クロック出力(外部)クロック内部クロック可/否
15MHz69.8MHz209.4MHz
16MHz74.5MHz223.5MHz
18MHz83.8MHz251.4MHz否(0で除算する)

 限界か熱暴走かクロック波形の崩れのせいか分かりませんが、現時点ではこのまま83.8MHzを使うことは無理のようです。

 完全に元に戻して、74.5MHzでのWindowsNT4.0の起動を試しました。しかし、エラーが出ます。NTではダメなのかと思いつつ、色々見てみるとメモリをけっちているので、実はパリティ付きの8MBytes 70nsのものを使っています。

 これを外してみると、あっさり動いた
 う〜ん、やっぱメモリは買わないとダメだねえ。(爆死)

 と言うことで現在のところ、外部クロック74.5MHz、内部クロックは3倍速モードの223.5MHzにしてあります。

 今の所はこれ以上の拡張は情報不足で出来ないところです。唯一、PentiumPROのクーラーをNifty FEXTフォーラムご推薦(と言うか設計がそこの達人の一人)の大型ヒートシンクものに交換するということは可能です。

 けども、\8,800と言う値段は安いのだろうかと悩むところ。取り合えず、Intelの資料をひっくり返してVRMの仕様を見て電圧の変更が可能かどうかを見るとか。

 一応、ネタには困らんかもね。(^^;;;


5.各種ベンチマーク


-- pfm686  ver2.1A  DysanKeihin & (koji) --
for PC-98*1 version 1.0A by vinwa
L1 cache size 8KB 
L2 cache size 256KB 
/* 14.3MHz */
------------------------------------------
|CPU:  P6  [GenuineIntel Fam6 Mdl1 Stp 7]|
|----------------------------------------|
|  198.94[MHz]  | [ns/dword] |[CPUclocks]|
|---------------+------------+-----------|
| E-cache read  |    4.873   |   0.969   |
| E-cache write |    9.788   |   1.947   |
| main    read  |   25.226   |   5.018   |
| main    write |   79.709   |  15.857   |
------------------------------------------
/* 15MHz */
------------------------------------------
|CPU:  P6  [GenuineIntel Fam6 Mdl1 Stp 7]|
|----------------------------------------|
|  208.46[MHz]  | [ns/dword] |[CPUclocks]|
|---------------+------------+-----------|
| E-cache read  |    4.651   |   0.969   |
| E-cache write |    9.341   |   1.947   |
| main    read  |   24.074   |   5.018   |
| main    write |   76.062   |  15.856   |
------------------------------------------
/* 16MHz */
------------------------------------------
|CPU:  P6  [GenuineIntel Fam6 Mdl1 Stp 7]|
|----------------------------------------|
|  222.30[MHz]  | [ns/dword] |[CPUclocks]|
|---------------+------------+-----------|
| E-cache read  |    4.364   |   0.970   |
| E-cache write |    8.760   |   1.947   |
| main    read  |   22.574   |   5.018   |
| main    write |   71.327   |  15.856   |
------------------------------------------


 ★ ★ ★  HDBENCH Ver 2.610  ★ ★ ★ 
使用機種   
Processor  PentiumPro xxx.xMHz [GenuineIntel family 6 model 1 step 7] 
解像度     1024x768 65536色(16Bit)  
Display    NEC Trident Microsystems 
Memory     32,188Kbyte
OS         Windows NT 4.0 (Build: 1381) Service Pack 3 

IDE CD-ROM (ATAPI)/IDE Controller
  IBM-DAQA-32160          R4OR
  Conner Peripherals 1    1.17
  SONY    CD-ROM CDU311-NE3.2i

          ALL   浮    整    矩    円   Text Scroll DD  Read Write Memory Drive
179.6MHz 9640  9664 13068  4495  2104  2519    12   4 44521   736 15053  A:10MB
223.8MHz 7341 11983 16183  5043  2543  2839    13   5 19691   434 18876  A:10MB

※クロックアップした方がALL低い。何故かWriteが半分くらいだけど、なんだろか?


6.補足

 これを書いている途中で、HDBENCHのグラフィック測定項目であるTEXTでたまにハングアップする現象を確認。どうも、標準のTridentでは、75MHz動作に問題がある可能性があります。今のところ、他のグラフィックアクセラで検証できないために、原因の特定まで至ってませんが、今後検証する必要はあるでしょう。

 このへんも今後の課題として、近いうちに検証していきたいところ。一応、DOS上では、MASLもM-MASLも大丈夫でした。(^^;;;


#1998.05.08
&2006.06.09一部修正





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