ニューヨークタイムズの拉致日本人救出広告




 4月2日付けのニューヨークタイムスに、北朝鮮に拉致されためぐみさんの救出支援協力を訴える広告が1ページにわたって掲載された。広告を出したのは、「横田めぐみさんら被拉致日本人を救出する会」と、めぐみさんのお父さんたち拉致被害家族の会である。 もう、日本政府はあてにならない、頼りにならないということで、アメリカ政府やアメリカの世論に訴えたわけだが、私は同じ日本人として我が国の政府の弱腰が誠になさけなく思う。
 北朝鮮がめぐみさんたちを拉致したこと、これは今までに判明した各種の証拠から確かな事実なのに、なんら手を打たず、人道的立場から食糧支援をするなどたわけたことを言う日本政府は恥を知るべきであろう。国民に信頼されない政府などは必要ない。北朝鮮人民の人道云々をいうのならば、拉致された人々の人道的立場はどうなのか。
 自民党の「北朝鮮拉致疑惑日本人救援議員連盟」ができて、やっと頼りになる組織が誕生したくれたかと大いに喜んでいたところ、先頃の自民党北朝鮮訪問団がなんと帰国した後、連盟の名前の「拉致」を「行方不明者」に変えようと、北朝鮮の顔色をうかがったり、拉致問題の解明と食糧支援は別問題として扱うべきなどと北朝鮮の術策にまんまとはまる等、馬脚をあらわす情けなさ。しっかりしてくれよと、今すぐにでも永田町へ氷を持って行って、頭を冷やしてやりたい。どこまで日本人はお人好しなのか。自国の国民が大事なのか、よその国の人間が大事なのか。まして北朝鮮の食糧問題は、金正日体制の農業政策の失敗からきているものだし、北朝鮮国内にある食糧が片寄らない配分がされていれば、多くの人民は餓死しなくてすんだわけだ。
 いわば、食糧不足問題は自らの政府の失政によってまねいた事態であり、拉致問題のみならず、我が国に対して、核疑惑や日本人妻(日本人扶養者)問題、強制収容所問題とまさに非人道的な行為をおこなっている不埓な国に人道的立場から支援をする義務はない。今の北朝鮮に食糧支援をおこなうことは、「盗人に追い銭」であろう。
 北朝鮮が日本からの食糧支援を望むのなら、拉致者の日本への帰還と補償、日本人妻の無制限の里帰り、強制収容所から在日朝鮮人ならびに日本人帰還者の釈放、これらを早期に解決すべきである。それらが解決されなければ、我が国は食糧支援をおこなう必要はない。




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