1997年8月31日(日)・・・、  思えば、この8月、ホントにツいてない月だった・・・。  ・・・それもやっと終わる。  いや〜、ホントにつらい1ケ月だった。  一時は、ホントに8月中に死ぬんじゃないかってくらい、  ツキに見放されてました・・・。  でも!  何とかのりきった!  えらい! 8月のオレ!  そんなわけで、今日、8月31日は、がんばった僕へのごほうび!  岩男潤子さんのライヴ「SPLASH!」にいってみよう!
AD物語 第33話 あいや〜
 いやー、ラジオのお仕事をするようになって、結構うれしかったこと。  それは・・・、  コンサートをタダで見られることです。  「ずり〜!」「きったねー。」「なにそれー。」  ・・・って思う方いるでしょ?  いいじゃないですか。たまにはそれくらいの「みかえり」があったってぇ。  あ、でも、ラジオスタッフになって一番最初に行った、  我が師匠率いる「聖飢魔II」のミサ(コンサート)は、  ちゃんとお金払って見ましたよ。  武道館のアリーナのど真ん中、前から12列目でね。  ・・・え? 何でそんないい席なのかって?  マネージャーさんにお願いして、  チケットを取ってもらったから。  あ、またもや、  「ずり〜!」「きったねー。」「なにそれー。」  ・・・って思った方いるでしょ?  いいじゃないですか。たまにはそれくらいの「みかえり」があったってぇ。  ・・・てなことで、今回の岩ちゃんのコンサートも、  所属事務所の「81プロデュース」さんからの「御招待」というかたちで、  見に行かせていただくことになったんですわ。  午後4時20分、お台場のニッポン放送を出発。  「ゆりかもめ」に乗っていこうと思ったんですが、  日曜日の夕方。殺人的に込んでるに違いありません。  誰だよ、こんな観光地に会社たてちゃったのは・・・。  そんなわけで、ちょっと贅沢にタクシーに乗り込むと、  「赤坂のTBSまで。」  と運転手さんに告げ、大イビキで寝ちゃいました。  なんせ、朝5時起きで働いてたもんで、ちょっとバテバテだったんですね。
 「お客さん、着きましたよ。」  「・・・ふえ?」  「着きましたよ!」  運転手さんに起こされ、目をこすりつつ辺りを見渡すと・・・、  そこはまったく知らない世界。  「??? ここ、どこっすか?」  「TBSでしょ?」  アレ? TBSってこんなとこだっけか?  学生ん時から何回か来てるけど、こんなとこじゃなかったよ。  あ!  ビッグハットってヤツか!  初めて見た!  いくら「TBSまで」って言ったからって、  ホントに「TBS」の玄関前につけることないのに・・・。  運ちゃんのバカ。  タクシーを降り、とぼとぼと「赤坂ブリッツ」へと向かう。  時刻は5時ちょい前。  岩ちゃんへの差し入れでも買うか・・・。  何、買っていこうかな。  やっぱ食いモンだろうな。  ってなことで、近くにあったコージーコーナーの、  ジャンボシュークリームやエクレアを30コほど買い、  アニメガスタッフの到着を待つ。  5時過ぎ、ミキサーの古谷さんと合流。  開場までまだ1時間近くある。  楽屋でものぞきに行こうかと思ったのだが、  赤坂ブリッツの中からは、サウンドチェックの音が聞こえている。  岩ちゃんはリハの真っ最中なんだろう。  こりゃ、今、行ってもダメだな・・・。  「小林ぃ・・。」  「はい?」  「・・・飲むか。」  「・・・飲みますか。」  2人の足は赤坂ブリッツの脇の「ビアガーデン」へと向かうのであった。  「生2つとザーサイ!」  ・・・そんなこんなで、夏の夕方のさわやかな風の中、  2人は気持ちよーくビールを飲み始めた・・・。  どのくらいの時間がたったろうか。  僕らの脇には、すでに「生ジョッキ 6」と  書き込まれた伝票が置かれている。  「小林ぃ、俺ぇ、酔っぱらってるぅ?」  「いやぁ、そんらことらいんじゃらいれすかぁ?」  ・・・2人とも充分「酔っぱらい」であった。  「あ、太田さんらぁ」  「こんちはぁ〜。」  小学館の太田さんや、文化放送のAD・三河屋さん等々、  文化放送「少コミナイト」のチームがやってきた。  「少コミナイト」チームのみなさんは全員お揃いの「赤いウィンドブレーカー」で登場だ。  意気込みが違いますなぁ。  すでに酩酊状態の我々とは雲泥の差だ。  それからさらに数十分が経過。  少コミチームは続々と集合。  コンサートに備え、ビールも控えめ。  「あそびにいこうよ」という曲の振り付けの練習も怠らない。  一方、アニメガチームは・・・、  ミキサー古谷、若手ディレクター早崎、ライター小林、そしてADの僕の4人しかいない。  他のスタッフは、LF主催の「トリップフォークジャンボリー」という、  「オールナイトニッポン30周年記念コンサート」にかり出されていて、  来ることができない。  まことにお粗末だ。  ついでに言っておくと、この段階で、我々のテーブルの伝票は、  「生ジョッキ12」というとんでもないことになっていた。  予定より40分〜50分ほど遅れてお客さんの入場が完了。  それを見計らって僕らも会場に入った。  受付でチケットを受け取ると2階の「イス席」へ。  自分の席につき、1階を見ると・・・、  「ゲゲーェ!」  お客さんはぎっちりと詰め込まれちゃってる。  ラッシュアワーの山手線状態ですぜ。  こりゃちょっとかわいそうだよなぁ。  そんなこんなで、開演。  コンサートの最中も「少コミチーム」と「アニメガチーム」の行動ははっきりと分かれる。  開演と同時に立ち上がり、拍手や声援を送る「少コミチーム」。  一方「アニメガチーム」は、ケツから根っこが生えちゃったんじゃないかっていうくらい、  イスにどっかと腰を据え、腕組みしちゃってる。  早崎クンなんか、寝ちゃいそうな勢いだ。ヤバイヤバイ。  ふと横に座ってるミキサーの古谷さんを見ると、  お、コンサートを身をのりだして見てる。  タダの酔っぱらいかと思っていたが、いい感じじゃないの。  ところが、なんかぶつぶつ言いながら見ていることに気づき、  聞き耳を立てると・・・、  「ヴォーカルを・・・もっとたたせなきゃダメだよ。」  「センス無え、エコーだな・・・。」  「ディレイかけすぎなんじゃないか?」  「PAダメだなこりゃ・・・。」  ・・・なんて言いながら見ている。  ミキサーの職業病だよ。  ・・・なんで普通にコンサートを見られないかな・・・。  そして、いよいよ問題の(?)「あそびにいこうよ」だ。  「少コミチーム」は、満を持して立ち上がる。  岩ちゃんといっしょに、踊る踊る!  言うまでもないが「アニメガチーム」は・・・、  あいかわらず座ったままだ・・・。  どうなってんの?  てなことで、コンサートも無事に終わると、  お約束で、楽屋へと挨拶に行く。  これがまた、赤坂ブリッツの楽屋がやけに小さくて、  でも、関係者が予想外に多くて、  なかなか、岩ちゃんに挨拶できない。  かれこれ40分ぐらいうだうだしつつ、  ようやく彼女の顔を拝めた。  ・・・だがしかし、  「いやー、コンサート、よかったっす。」  「ありがとう。」  ・・・以上。  40分待って、会うの4分。  総合病院で、こんなコトがあったような無かったような。  会場から表に出てみると、  ウルトラマンティガのでっかい像の前に、赤い軍団がたむろしている。  もしや・・・と思いつつ、伺ってみると・・・、  やっぱり「少コミチーム」でした!  なーんか、すっかり気おされつつ(?)、  「アニメガチーム」は、赤坂の「カプリチョーザ(イタ飯屋さんだよ)」に向かうのでした。  さあそこで、「少コミチーム」や、今日の「コンサート」の批判が始まるかと思ったが・・・、  さにあらず。  ワインをあけつつ、みんながみんな、 「岩男潤子はオレに惚れている!」  ・・・と主張しあうのでした。  なーんだ、みんな同じ穴のムジナなのね・・・。
続く  1997/10/18

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