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98年3月某日。前々から噂には聞いていた長野まゆみ氏に関するお舗、"耳猫風信社"へと行ってきました。
その頃僕はまだ、長野作品も読み始めたばかりで、噂でしか聞いた事が無かったため、
「雰囲気的にはかなりメルヘンチックであろう。」と言う予想から、僕1人では入りずらいだろう判断(笑)。
という事で長年来の友人A(♂)を道連れ(?)に、いざ耳猫風信社へ!! 場所は東京都高円寺。駅前の大通りから一歩奥まったところにある、ちょっと懐かしいにおいのする路地を 進んでゆくと・・・・・・ありました!!モダンな造りのビルの横にある案内版には、確かに"耳猫風信社"の文字が!! 外から直接吹き抜けになっている螺旋階段を降りていき、地下1階へ。 そこには"耳猫風信社"とかかれた扉がひっそりとたたずんでいました。そこはなにか不思議な魅力と、新たな予感を感じさせられるような 香りが漂い、その時僕は、自分にとって今までにない落ち着きと緊張感を感じていた事を覚えています。 思い切って扉をあけて見ると・・・ 一つの小さな部屋が広がっていました。 舗員(?)の女性の方が笑顔でお出迎えしてくださり、心が和む・・。靴を脱ぎスリッパに履き替え部屋の中へ・・・・・・。 そこには、長野先生の著作物を始め、様々な種類の鉱石、プリズムやアルコールランプ、三角フラスコや試験管等の理科実験用具。奇麗な鉱石の写真やポストカード。 小物類、メモ用紙、レターセット、インク瓶、硝子ペン等々、長野作品の中に実際に登場しそな物がたくさん置かれていました。 中でもひときは目に付いたのが、"標本少年"と題されたひとりの少年の人形でした。さすがに等身大では ありませんでしたが、物語に出てくる"三日月少年"や"自動人形の少年"はきっとこんな感じなんでしょうか・・・?(しかし今は、療養中という事でお店には置かれてないようです。) とにかく中はもう長野ワールド一色で、その"耳猫風信社"自体がまるで長野氏の物語の一部であるかの ようでした。 個人的には、少々(というかだいぶ)値段が高いのが気がになりましたが・・・。 まぁ、全国でここ一個所しかないということなので、それは仕方ないのでしょうね。 (しかし、本当に高かったな・・・。^ ^;;) ちなみに僕はそこで、"天藍石"という鉱石を買ってしまいました。凄く値の張るものだったのですが、 その場の雰囲気と、友人Aの「買っちゃえ!」コールに押されて自分もその気になって入たんでしょうね・・・(笑)。 (ちなみにその友人Aは、長野氏の作品を一度も読んだ事がなく、とうぜん鉱石の描写が頻繁に登場する事すら知らない。^ ^;;) 実は、残念ながら耳猫風信社は、長野さん方の都合により現在閉舗しております。 執筆活動に集中する為、管理が難しくなったと、おっしゃっていたようですが、 やはり、とてもすてきなところだっただけに、とても寂しいです。 またの再開を、心より望みます。
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