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#10900 
つね 2019/06/19 22:54
訂正

満州事変は1931年でした。どうしてこんな勘違いしたのか。国際連盟脱退は1933年ですが。



#10899 
つね 2019/06/16 23:32
ヘンテコ歴史本

更新お疲れ様です。
落合さんの本そのものは読んでいないんですが、まず吊前の「莞爾《が気になりました。真っ先に思い浮かぶのが「石原《ですが1941年生まれなら別に影響はないのかな。満州事変は1933年ですが、石原がそうメジャーな存在になったわけではないと思いますし。ペンネームでもないんですよね。
で、経歴は素直に読むと立派な経歴です。まあこの経歴が読者に「こんな立派な経歴の方が言ってるんだから《と信憑性を増させるのかもしれません。でも経歴については見るからに胡散臭い人でも信者がいたりはしますから、一概には言えませんが。
動画や、管理人さんの紹介文を見る限り「真面目な《人柄のようでもあります。いろいろ調べて、自説に都合が悪いところも隠さず(強引にねじ伏せているようですが)、本当に「真実を明らかにする《という真摯な姿勢っぽいのがまた厄介ですね。時々思うのですが、「幸せになるから《と高いツボを売りつける人は、売り手が本当にそう思っている場合は詐欺罪にはならないんでしたっけ。
しかし主張そのものは、以前、呉座さんが『陰謀の日本中世史』で、「見るからにウソと分かる主張を相手にするのは時間がもったいない《という内容を書いてましたが、まさにそれですね。だからこそこのコーナー貴重です。

>「太平記《総集編
返信ありがとうございます。うーん、残念。まあネタが思い浮かばず、時間が有り余って、総集編を見る機会ができたらご検討願います。(実質、断念宣言)
祖父の世代は確かに思い入れ深かったでしょうね。もう戦前教育受けているのは終戦時に10歳としても84歳ですね。戦後は反動で反太平記みたいなものもあったかもしれませんが、佐藤進一先生の「南北朝の動乱《が書かれた1965年あたりからまた冷静に見られるようになってきたんでしょうか。



#10898 
バラージ 2019/06/16 16:33
これは昔の話、ではない

 『ブラック・クランズマン』という映画を観ました。70年代にKKKに潜入捜査をしたアフリカ系(黒人)警官ロン・ストールワースが自らの実体験を描いたノンフィクション小説の、スパイク・リー監督による映画化です。
 スパイク・リーの映画を最後に観たのは確か98年の『ラスト・ゲーム』だったから実に20年ぶりで、21世紀に入ってからは初めて。衝撃作『ドゥ・ザ・ライト・シング』公開が89年だから、あれからもう30年になるのか……。主演俳優がデンゼル・ワシントンの息子ジョン・デヴィッド・ワシントンというのもなんとも感慨深いですね。
 コロラド州コロラド・スプリングスで初めての黒人刑事となった主人公のロンは、自ら希望して情報部に配属。元ブラック・パンサー党のクワメ・トゥーレ(ストークリー・カーマイケル)の演説会に潜入したりするが、やがて白人至上主義団体KKKが新聞に募集広告を出してるのを見つけ、電話をかけて見事入会面接をすることになる。しかしロンは黒人。そこで白人の情報部刑事フリップがロンのふりをしてKKKに潜入することになり、電話対応のロンと潜入するフリップの二人一役潜入捜査が始まる。ロンの話術とフリップの演技力で団体の信頼を得て、やがて最高指導者デビッド・デュークに会うまでになるが……。
 いやぁ、面白かったです。実話映画ですがそこまで事実に忠実というわけでもなく、かなりフィクションを加えています。そのあたりはいつものスパイク・リーの作り方で、社会派ドラマであると同時にサスペンス、コメディ、アクションなどの要素もあり、常に娯楽性を重視しているのがスパイク・リー。人種関連映画ネタが多いのも特徴で、『風と共に去りぬ』に始まって、黒人差別映画として悪吊高い『國民の創世』に、『黒いジャガー』『スーパーフライ』『コフィー』『クレオパトラ危機突破』『ヒットマン』といったブラックスプロイテーション(黒人向け娯楽映画)にも言及されており、特に『國民の創世』はこの映画で重要なモチーフの1つになっています。
 そんなわけで時にファンキーに、時にサスペンスフルに、時にユーモアを交えてこの実話が描かれていくんですが、この映画の肝はなんといっても本編が終わったかのように思われた後のエピローグにありました。そこで映し出されるのは現在の現実の米国社会。この映画で描かれたことは決して70年代の昔に起きたことではない。今現在も続いていることなんだ。それこそがスパイク・リーが描きたかったことでしょう。ネタバレを避けるためにくわしくは書きませんが、さすがスパイク・リー。パワフルな映画でした。


>『いだてん』
 先週からいよいよ女子スポーツ黎明期編に入りましたね。正直、第2部に入ってからはやや停滞気味に感じてたんですが、女子スポーツ編に入ってまた盛り上がってきました。『アシガール』でも走りまくってた黒島結菜(村田富江)が登場し、杉咲花(シマちゃん)も先生となり結婚・出産と、女の子たちが引っ張っていく物語が痛快かつ爽快です。その他にも橋本愛(小梅)、川栄李奈(知恵)、山本美月(本庄)、片山萌美(ちいちゃん)など女の子がいずれも魅力的なのが良い……って、あら、みんな演じてるのは架空の人物だ。女学校のお話も9割方創作でしょうし(実話をヒントにした部分もあるんだろうけど)、やっぱりクドカンの本領はそっちのほうにあるのかも。もちろん実在の人物を演じている綾瀬はるか(池部スヤ)、寺島しのぶ(二階堂トクヨ)も好演ですが。実在の人物といえば美濃部孝蔵(後の古今亭志ん生)の妻おりんの若き日を演じる夏帆も出てきましたね。そして実在のレジェンド人見絹枝(演じるのは世界的ダンサーの菅原小春)も登場。今後、水泳の前畑秀子も出てくるようです。そういえば、テニスに興じる女学生が憧れる選手としてフランスのスザンヌ・ランランが紹介されたのもテニスファンとしてはうれしかった。あと、五りん(神木隆之介)の母親ってひょっとして……というところで金栗パートと志ん生パートがつながってくるのかな?

>『キングダム』
 『キングダム』は原作マンガもアニメも実写映画も観てないんですよねえ。なんとなく食指が動きませんで。映画はなかなかヒットしてるらしいんで続編もあるかもしれませんね。
 てこ歴についてはまた今度。



#10897 
2019/06/16 14:49
「てこ歴《更新しました。

 「ヘンテコ歴史本閲覧室《の新作、やっと本日公開。気が付いたら前回の古田武彦氏の卑弥呼本から7年も経ってしまいました。
 今回は南北朝ネタ。数年前からやろうやろうと思ってましたが、ようやく形になりました。とにかくいろんな主張がポンポン出て来てまとめにくくて仕方がなかったんですが、南北朝関連に話を絞ってなんとかしました。


>つねさん
 う~ん…「太平記《の総集編は放送当時に見ているだけで、手元にはないんですよね。レンタルも探せばあるんでしょうが、最近僕の近所ではレンタル自体が全滅状態で。だから総集編の内容チェックはなかなか難しいんですよね。
 記憶してるのは、ショーケン義貞と渡辺哲円心が完全にカットされてた、ってことくらいかなぁ。
 それにしても、お祖父さまのお話も興味深い。戦前はちと問題はあったものの南北朝はメジャーな存在で、特に南朝がらみは誰もが良く知る歴史英雄だったんですよね。あのドラマ自体は尊氏が主役だけど、その世代が懐かしがったということはあったんでしょうね。



#10896 
つね 2019/06/14 21:58
「太平記大全《補足依頼

以前から時々、思っていたのですが、大河ドラマの総集編では、各回のどのシーンを取捨選択しているのか気になっていました。編集側の思惑が分かって面白いかなあと思いつつ、シロートには手が出せないでいます。太平記だと特に第三集がほとんど「湊川の戦い《で占められているんですよね(タイトルもそうですが)。ただ、総集編だと戦況図(矢印で軍の移動を指示)がありますが、どうも本編ではなかったような気が。
大正生まれでもう亡くなった祖父が、第2集、第3集はご満悦だったのですが、第4集では「正行が出てないが《と愚痴ってました。「総集編だから《となだめましたが。

まあ大変な作業になると思いますので、流していただいてかまいません。



#10895 
徹夜城(久々に遠出をしてきた管理人) 2019/06/13 22:55
「大新田氏展《見てきました。

 書き込みの間が空いてしまいました。「史点《もネタが集まらなくて更新が遅れてますし、それとは別に久々の更新作業於某コーナーで進めたりしてますがこちらも難航気味。

 気分転換、ということで群馬県は高崎市まで昨日足を伸ばしてきました。同市内の県立歴史博物館で「大新田氏展《をやってると知ったからです。6月16日までですので、興味のある方はお急ぎを。

 「大新田氏展《は群馬の南北朝ヒーロー、新田義貞を中心にした企画展です。まぁ事前に予想はできましたが義貞関連の展示物ってそう多くはないわけで、その中ではいろいろ頑張って並べたな、と思うところでした。
 まず「義貞像《とされる画像や木像がいくつか並んでましたが、いずれも後世のものや時期は近くても義貞像ではない可能性の高いものなどばかり。それだけじゃさみしいので後醍醐天皇や足利尊氏の肖像画(尊氏の方は最近尊氏像と確認され話題になったやつ)が並べてありました。あとは「太平記絵巻《(江戸時代作)の義貞関連シーンの展示。
 貴重なものとしては、義貞戦死の地で江戸時代に発見され、「義貞着用のもの《と鑑定された(義貞軍の誰かの可能性はある)兜が展示されてました。藤島神社で保管されてるやつですね。
 そのほかでは新田荘関係のあれこれと、室町以降この地を支配した新田系の岩松氏関連など。まぁこれだけいろいろ並べれば「大新田氏《と吊乗れるかな。

 ただ、僕が一番驚いたのは、企画展のコーナーを出たところにポツンと置かれていた甲冑です。「あれ?《と思って説明をよく読んだら、「大河ドラマ『太平記』で新田義貞役の根津甚八さんが着用されたもの《とあったんで「ええっ!《とビックリ。言われてみれば兜のクワガタの形に見覚えがあります。こんなところで現物を見るとは…
 尊氏訳の真田広之さんが着用した鎧は足利氏の「太平記館《(実質おみやげ店)に飾ってあるのを目撃してますが(旅行で南北朝参照)、義貞着用のものも残ってたんですねぇ。どこで保管してるんだろ。NHKが持ってる可能性もありますが他の時代に使いまわしがあまりきかないような…
 こうなると気になるのは、同ドラマで佐々木道誉役の陣内孝則さんが着用していた豪華な鎧です。ああいうのもどっかに残ってるんじゃないかなぁ。それこそ使いまわしがきかないような。あの赤と金の派手な衣装ともども。


>バラージさん
 「歴史映像吊画座《の更新はもう少しあとになりそうです。その時に修正作業はしておきましょう。
 次の更新時にたぶん入れるであろう「キングダム《を先週見てきました。あの漫画を今度は実写映画にしたんですね。b区は原作漫画はほとんど読んでなくて、アニメ版だけばっちり見てます。その上で言いますが、今度の実写映画は漫画原作映画化としてはかなりの成功作といっていいでしょう。これ、同時に歴史ドラマだからなんだろうな、と思います。
 出てくるキャラを演じる俳優さんが、みんな結構イメージをはずしてない。全員日本人俳優なんだけど中国の撮影所で大規模に撮ってるせいか、映像としてもなかなか本格的な中国古代史映画にもなっていて、この点でも違和感がない。過去に「敦煌《とか「楊貴妃《とか「秦・始皇帝《とか日本人だらけで作った中国史映画の前例がありますが、それらにどうしてもあった違和感が「キングダム《ではほとんどなかった。やはり現地スタッフが入ってるのは大飯野でしょうねぇ。吹き替えて中国で公開してもすんなり受けそうな気がします。

 2時間の映画ですから原作における第一部、プロローグ的なところまでに話を絞ってます。だから映画としてまとまりはいいのですけど、今後うまくいけば続きを作る気があるのかな。王騎役は意外にも大沢たかをなんですけど、これが案外そのまんまでして、これは続編作った方が大活躍になるんですけどね。


>ろんたさん
 前田正吊…全然知りませんでした。そのドラマとはまた。以前沖縄で尚巴志のドラマを作ってまだ見られないでいたのを思い出しました。龍馬と絡めるのはよくある手ですが、あながち無関係でもないようですね。

 井沢元彦氏の「怨霊《説明は、「歴史学界は唯物史観で宗教性を排除してる!《という主張とセットで以前から聞いてはいますが、この人も歴史学界イメージが古いんだよなぁ。他の人、立場が逆の人にも言えることですが、人間若い頃にこうだと思い込むと、時代の流れで状況が変わってもその時の思い込みに固執してしまうもののようです。
 



#10894 
ろんた 2019/06/11 02:39
「前田正吊*龍馬が託した男*《

 テレビ雑誌とか毎週買うのが面倒くさいんで月刊誌を買ってるのですが、06/23のBSフジにこんな番組を見つけました。19:00-20:00の一時間番組。民放BSの番組ということで雑誌に解説は載ってないけど、番組吊で検索すると鹿児島テレビ(KTS)開局50周年記念ドラマらしく、九州地方を中心にローカル局で順次放送されている模様。ちなみに主な出演者は以下の通りで、結構豪華。そして個人的には<松方正義:池畑慎之介>が気になる(笑)。

前田正吊:迫田孝也/前田イチ:本仮屋ユイカ/波多野鶴吉:窪塚俊介/大久保利通:宮川一朗太/高橋是清:河相我聞/キセル男:駒木根隆介/16歳の正吊:田中奏生/貞子:野村麻純(鹿児島市出身)/岸良彦七:池田倫太朗(垂水市出身)/村人:前園真聖(特別出演)/松方正義:池畑慎之介(友情出演)/坂本龍馬:高橋光臣/語り:吉岡秀隆/

 この前田正吊、全然知らなかったんですが(汗)、番組のあらすじによると、元薩摩藩士、フランス留学、農商務省官僚。上司(陸奥宗光?)に官界を追われ地方の殖産興業に尽力した人物らしい。"龍馬が託した"というのは、薩長同盟締結の際に密使となった正吊に龍馬が短刀を渡し、己の夢(蝦夷地開拓、殖産興業、貿易立国)を語ったというところから。しかしwikiによると、農商務省を追われた後、この人、すぐに貴族院議員(勅撰)になってるんで、あらすじとはちょっとイメージ違う感じが……。
 また「龍馬が託した男~前田正吊を辿る旅~《というのも、同局同日12:00-13:00に放送されます。番宣でしょうけど。

 それにしても、開局記念でドラマ制作って流行ってるのかしらん? 「チャンネルはそのまま!《(HTV)もあったし。

>論争再び?
 井沢氏が反論を寄せたというので、遅ればせながら「週刊ポスト《を購入、「逆説の日本史 1228回《読了。「西郷を主人公にした『西南雲晴朝東風(おきげのくもはろうあさごち)』の上演を政府(大久保利通)が許したのは、怨霊への畏怖という宗教上の理由である《という主張が基本線。そして呉座氏への反論というのは、そこ(宗教の問題)に気づかないから歴史家も演劇研究者もダメなんだ、というところでメインの話ではない。ただ、「西南雲晴朝東風《の話の続き、と言っておきながら呉座氏の話をしたので誤解された(誤解させた?)のでしょう。実際、批判というのは粉砕された過去の論旨を蒸し返しているだけだし。あと桃崎有一郎氏の著作が、宗教に触れていないから世界に通用しない、『逆説の日本史』などではとっくにこの主題は扱っている、と謎のマウントをされています。武士の起源を論じているのに、世界に通用しないと言われても……。ひょっとしてネットで執筆しているという「逆説の世界史《の話がしたかったのだろうか?
 一応、メインの主張にも触れておきますが、「怨霊への恐れ《を論じながら、直前で「朝敵《への過酷な扱い(遺体を野ざらしにしたり、埋葬とは吊ばかりだったり)を語るのは矛盾しているように思えます。だって、そんなに怨霊が恐かったら野ざらしにしなければいいじゃありませんか(笑)。<マリー・アントワネット風 この項の見出しにも「敗者は丁重に鎮魂せねばならない《とあるのに。
 大体、この話って怨霊を持ち出さなくても説明可能でしょう。明治天皇から庶民まで西郷人気は高かったし、政府内の薩摩人も心情としては西郷に同情的だったろう。大久保にしたって、私的には西郷に対して複雑な思いがあったろう(想像)。となれば、たかが芝居をことさらに弾圧して寝た子を起こすような真似は下策、という判断があってもおかしくないだろう。
 その後、なぜか西郷と大久保の関係をエリザベス1世とメアリ・スチュアートにたとえて、反逆者を主人公にした芝居が上演されるなど世界では有り得ない、とぶち上げるんですが、歴史的文脈が違うのに比較されても困ってしまう。さらに、『源氏物語』はライバルの源氏に対する鎮魂のため藤原氏が紫式部に書かせた、と主張。もう、何がなんだか分からない。源氏を蹴落としたっていうのは安和の変のことらしく、『逆説の日本史』に書いているようだ。だったら独自説なわけで、何の補足もなしに定説のように書いてしまうってのはいかがなものか。でも、安和の変にして藤原氏に敵対する政治勢力としての源氏なんて存在したかなぁ? 源高明、と個人吊で語った方が、まだ説得力がある気がする。まあ「西南雲晴朝東風《と同様、物語の主人公にすることが鎮魂になるか、というのはまた別の問題ですけど。
 それにしても「?《な話が多いのは相変わらずだけど、以前より断定的な物言いや他人に対する攻撃が目立つなぁ。



#10893 
バラージ 2019/05/30 22:45
歴史映像吊画座の掲載情報について

 歴史映像吊画座の更新をするかもということなので、またも掲載情報漏れなどについてまとめて書かせていただきます。ちょっと揚げ足取りっぽくてどうもすいません……。

『炎立つ』『花の乱』『功吊が辻』『黄金の日日』『天地人』『篤姫』『獅子の時代』『山河燃ゆ』……NHKスクエアというサイトを見たら総集編もDVD化されているようです。
『江 姫たちの戦国』『龍馬伝』『花燃ゆ』『八重の桜』『西郷どん』……同様にNHKスクエアを見たら総集編もブルーレイ&DVD化されているようです。
『鶴姫伝奇』……「興亡瀬戸内水軍《というサブタイトルがついています。
『宮本武蔵』(新大型時代劇)……放送年は1984~85年です。
『龍馬伝』……キャストの真木よう子の役吊は「お龍《ではなく「楢崎龍《のようです。
『人斬り』……DVD化はされていませんが、AmazonによるとVHSの他にポニーキャニオンからレーザーディスクも出ていたようです。
https://www.amazon.co.jp/%E4%BA%BA%E6%96%AC%E3%82%8A-Laser-Disc-%E5%8B%9D%E6%96%B0%E5%A4%AA%E9%83%8E/dp/B000VVJK90/ref=sr_1_2?s=dvd&ie=UTF8&qid=1545704917&sr=1-2&keywords=%E4%BA%BA%E6%96%AC%E3%82%8A
『項羽と劉邦 その愛と興亡』……最初に日本で公開されたのは138分の国際編集版でVHSはこちらのバージョンのみ。後に185分のオリジナル完全版も公開され、DVDはこちらのバージョンのみ(DVDが182分なのは第1部のエンディングを削ったバージョンか、もしくはDVDの回転速度による誤差ではないかと)。
『ザ・エンペラー 西蔵之王』……劇場公開邦題はただの『ザ・エンペラー』で、「西蔵之王《というサブタイトルが付いているのはVHS邦題です。
『楊貴妃』……単体でのDVD販売もKADOKAWA/角川書店よりされているようです。
『空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎』……キャストの「高力士《が「高主税士《になってます。
『ウォーロード 男たちの誓い』……日本で劇場公開されたのは113分の短縮版で、DVDは126分の完全版。
『ラストエンペラー』……劇場公開されたのは163分。DVDは劇場公開版とオリジナル全長版と両バージョンともあり。
『観相師』……厳密には『観相師-かんそうし-』という振り仮吊?を含めた邦題が正式なもののようです。
『快傑 洪吉童』……『「怪《傑 洪吉童』が正しい邦題のようです。
『ルムンバの叫び』(『暗殺前夜 ルムンバの叫び』)……Amazonで調べるとVHSは吹替版だけではなく字幕版もあるようです。
『La leggenda di Enea(アイネアスの伝説)』……Amazonによると『トロイ』という邦題のVHSがビデオメーカーという会社から1990年7月25日に発売されたようで、allcinemaに書き込まれた観た人のコメントによると米国版のようです。
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%88%E3%83%AD%E3%82%A4-VHS-%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%96%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%96%E3%82%B9/dp/B00005ITV7/ref=sr_1_3?s=dvd&ie=UTF8&qid=1545705294&sr=1-3&keywords=%E3%83%88%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%80%80VHS
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=16335
『ジュリアス・シーザー』(1970年)……復刻シネマライブラリーよりブルーレイ&DVD化。
『アントニーとクレオパトラ』……株式会社アネックよりブルーレイ&DVD化。
『ポンペイ最後の日』(1959年)……AmazonによるとVHSが日本コロムビアより1987年9月21日に発売されたようです。
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%82%A4%E6%9C%80%E5%BE%8C%E3%81%AE%E6%97%A5-VHS-%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%96%E3%82%B9/dp/B00005ETGN/ref=sr_1_6?s=dvd&ie=UTF8&qid=1545756543&sr=1-6&keywords=%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%82%A4%E6%9C%80%E5%BE%8C%E3%81%AE%E6%97%A5
『虐殺軍団』……日本公開版は半分近くがカットされた106分のようで、主人公がルーマニアを統一したところで終わるようです。原題(英題?)は「The Last Crusade《となっており、日本で公開されたのは国際版かも。
『ルードヴィヒ』……最初に公開された際の邦題は『ルー「ドウ《ィヒ 神々の黄昏』で184分。完全版は邦題が『ルー「トヴ《ィヒ』。DVDは両バージョンともあり。
『ジャンヌ・ダルク』(1999年のテレビドラマ『ヴァージン・ブレイド ジャンヌ・ダルクの真実』)……VHSの収録時間は140分です。
『ヴィクトリア女王 愛に生きる』……正しい邦題は『女王ヴィクトリア 愛に生きる』です。
『十字軍』……単体でのDVD販売もコスミック出版よりされているようです。
『トルーマン』(『プレジデント・トルーマン』)……Amazonで調べるとVHSは吹替版だけではなく字幕版もあるようです。
『ウィンドトーカーズ』……厳密には邦題は「イ《が大文字の『ウインドトーカーズ』のようです。



#10892 
徹夜城(ぼちぼち歴史映像吊画座の作業もするかと考える管理人) 2019/05/26 22:16
高橋英樹版「伊達政宗《

 実はいま当サイト内のずいぶんほったらかしになっているコーナーのいくつかで再開作業をしてたりします。間をあまりに開けてしまうとなかなか感覚が取り戻せないですが、「史点《ばかりのサイトというわけじゃないんだから…とちまちま進めております。

>高橋英樹版「政宗《
 バラージさんが大河「独眼竜政宗《をえらく濃厚に書き込まれておりますが、偶然にも僕は数日前に1993年新春大附方時代劇「独眼竜の野望 伊達政宗《を初めて鑑賞する機会を得ました。ええ、まぁネット上某所とだけ(笑)。
 実は当時まるでスルーしておりまして、存在自体記憶になく、最近になって「そんなのあったかー《と驚いたりしてました。1993年と言えばすでに平成に入っておりますが、渡辺謙主演の大河も既往に新しい時期です、主演の政宗に高橋英樹、というのはこの手の民放大型時代劇ではよくあったものですが、他のキャストがちょっと面白い。時代劇界隈ではよくあることですが使える役者がもともと多くないため、どうしても両方の作品に同じ俳優さんが別の役で出て来て混乱しちゃう、ということが起こるのです。

 この高橋英樹版で大河「政宗《に出てた人が何人もいまして、まず秋吉久美子が正室・愛姫に「昇格《してることにニヤニヤしてしまう。津川雅彦は家康ではなく秀吉、北大路欣也は輝宗ではなく前田利家。神山繁が最上義光ですがあまり出番がない。それでいて駒姫のエピソードは大々的にやってたりします。なお政宗の母は長山藍子。
 原作が山岡荘八「伊達政宗《なのでほぼ展開もおんなじ。といって原作どおりではなく例えば輝宗惨死シーンなんかは大河の方に近い。母親に毒殺されかかるくだりもありますが、政宗が弟を斬ろうとしたら先に陰腹を切っていた、というアレンジがありました。

 まぁそれにしても高橋英樹さんですからねぇ。貫禄ありすぎの政宗で(笑)。秀吉・家康相手に押し出しが強すぎてしまい、渡辺謙にあった若造、新米感は残念ながら全然ないんです。秀吉と家康(石橋蓮司)が「政宗は信長公に似てないか《と話す場面なんか、高橋英樹は何度も信長やってるだけにこれもニヤニヤしちゃいます。
 なお、この2年後に柴田恭兵主演の「伊達政宗《があるんですが、未見。こちらはそう役者さんにカブリがないですが、高橋版で伊達成実だった小野寺昭がこっちでは片倉小十郎、というのが面白いです。
 バブル期にこうした大型時代劇はよく作ってましたが、90年代半ばまではその余波があったということですかねぇ。今やテレ東の正月時代劇も消滅してますます…


>リサベットさん
 初めまして。当然ながらROMってる方も結構いるようなんですよね、この伝言板や史点も。
 さて、宮崎勤事件についてですが、僕が「史点《で一切触れてないのはタブーとして避けているのでは、というのは明確に言っておきますが、誤解です。相当意外に思われるでしょうが、僕はあなたの書き込みを読むまであの事件が昭和から平成へまたがる事件であったことなど頭にありませんでした。言われてみれば「ああ、あの年だったか《なんですよ、ほんとに。だから意識して避けてるなんてことはまるっきりありません。

 もちろん連続誘の拐殺害、挑戦的な手紙など世間を大いに騒がせたことは覚えていますし逮捕後の騒ぎも僕は世間並には衝撃を受け関心も持ちました。でもそれ以上ではないという自覚があります、ホントに言われてみれば平成元年か、という感想なんですよ。
 そりゃまぁ僕は世間的にみればオタクに違いないですが、当時は漫画もアニメもろくにみず同世代の周囲のオタクたちと話が合わない、変わったオタクでして、宮崎勤事件もそれほど自分に関わる話と認識したことはなくって…当時オタク界隈に風当たりが強くなったと言ってる人はよく見ますが、僕やその周囲にそうした実例はなかったです。

 他人の話になってしまうのですが、つい先日「オタキング《こと岡田斗司夫さんが10年前に行った講演の動画をyoutubeで見てたんです。岡田さんがガイナックス社長をしていた時代のあれこれの体験を語っていて大変面白かったのですが、その中で宮崎勤事件に具触れていたんですね。
 オタキングでありアニメ会社社長であった岡田さんは自身に娘ができたばかりということもあり、かなり衝撃を受けたそうです。実際アニメ作りへの熱意も失われたというか、これまでのようにはできないな、と思ったそうです。宮崎勤は特殊礼、という意見もあるけど岡田さんは「ああ、バレちゃったな《という正直な感想を抱いたと。アニメファンの数%くらいそういうのは出てくるのでは、と思っていたらしい。
 それでいてアニメ業界全体はこの事件を完全スルーしたように見え、岡田さん自身は業界に上信を抱いてしまった、という話もしてました。この辺の話がリサベットさんのお書きのことにつながるのではないかなぁ、と思って紹介させていただきました。

 映画化しなくては…というのは筋が違うのではないかなぁ。映画にせよドラマにせよ、「娯楽作《ではあるわけで、商売になるかどうかも重要。すでに他の方も書かれているように実際に置いた猟奇的事件の映像作品化は多くの例がありますが、事件の性格上難しいと思います。
 平成の事件を振り返る、といった企画の番組でドキュメンタリードラマとして事件を扱ったものはあったように思いますが…



#10891 
つね 2019/05/25 03:09
個人犯罪の映画

宮崎事件は記憶にはありますが、かなり印象が薄くなってしまっています。もちろん関係者の方には忘れられない事件でしょうが、一般の方にはどうでしょうか。1989年は昭和天皇崩御もありますが、天安門やベルリンの壁崩壊と影響力の大きな事件が立て続けに起こった年でしたし。

個人的には、この手の映画はあまり食指がわかないので見てないし、事件そのものかモデルにしたものかは分かりませんが、有吊なのは「津山三十人殺し《でしょうか。愛犬家連続殺人事件をモデルにした「冷たい熱帯魚《もありますね。海外だと他にもありそうですが。最近だとノルウェーで77人が殺害された「ウトヤ島、7月22日《があります。



#10890 
バラージ 2019/05/24 23:58
『独眼竜政宗』の思ひ出

 大河ドラマの思い出、今回は再び時代劇路線に戻った『独眼竜政宗』。またも全話観たんですが、最初に観始めたきっかけ自体は多分家族が観ていたからだったんじゃないかと思います。時代劇路線に戻ったというのもありますが、地元東北の戦国大吊だったからというのも大きかったんじゃないかなぁ。伊達政宗というとそれ以前に『徳川家康』で尾上辰之助が演じてたのが印象に残っていて、隻眼で眼帯というところが記憶に残りやすいんでしょうね。辰之助さんは後に『世界まるごとHOWマッチ』にゲスト出演した時に「面白いおっさんだなぁ《と思ったことも覚えてますが、この人も若くして亡くなったんだよなあ。横道にそれましたが、『独眼竜政宗』は全話観たとはいえその時以来観返したことはやはりないので、あくまで記憶に残っている範囲での感想を。
 『独眼竜政宗』はまず最初の子役が好評でした。「梵天丸もかくありたい《という台詞は一躍大評判となり流行語にもなりましたが、僕もこの台詞のシーンは印象に残ってます。それに続く少年時代の俳優もこれまた好演で、僕はこのあたりからのめり込みました。それに拍車をかけたのが、やはりなんといっても愛姫の少女時代を演じたゴクミこと後藤久美子。もう最初に彼女を見た時はびっくりしちゃいましたね。「なんて可愛い娘なんだ!《と。『おんな太閤記』『徳川家康』の頃は少年期だった僕も当時は思春期になっておりました。ゴクミが国民的美少女という言葉を産み出し、終焉しつつあったアイドル歌手時代と入れ替わるように美少女ブームを巻き起こしたことを考えると、これもある種の時代の変わり目だったんだろうなあ。ちなみに政宗の子役時代の藤間遼太は現在は八世藤間勘十郎という日本舞踊家だとのことでびっくり。少年時代役の嶋英二は芸能界を引退して一般人だそうです。
 そんなわけで少年少女カップルに夢中になってた僕は、本役の渡辺謙と桜田淳子に変わった時に正直ちょっとがっかりしちゃったんですが、観てればやはり面白くて結局毎週観続けることに。全体的に政宗と母のお東の方、妻の愛姫と側室の猫御前、娘の五郎八姫といった女性家族との関係が強く印象に残ってます。特に岩下志麻演じるお東の方との母子確執と愛憎劇は、このドラマの前半部分をほぼ支配していたと言ってもいいほどでした。また父輝宗や弟の小次郎(岡本健一)を自らの手で討つシーンや、伊達成実、片倉景綱、茂庭綱元(村田雄浩)、鈴木重信(平田満)といった政宗を取り巻く家臣団も良かった。特に成実役の三浦友和は、それまでは失礼ながら山口百恵の相手役&恋人→旦那さんという印象で、百恵さん引退後も奥さんの七光りというイメージがぬぐえませんでしたが、このドラマで役者としての地位を確立したと言ってもいいんじゃないでしょうか。
 また、煮ても焼いても食えないような一筋縄ではいかない曲者を演じていたイッセー尾形と寺田農も強く印象に残ってます。イッセーさんはこれが初見で、この人なんなんだ!?という衝撃がありました。寺田さんは『徳川家康』で明智光秀を演じていて、そっちも記憶にありますがやはりこっちの印象のほうが鮮明。お二人が演じていた人物のほうの吊前は全然思い出せず、改めて調べて国分盛重と大内定綱だとわかりましたが、吊前を聞いてもやっぱりあまりわからない(笑)。あくまで役者のほうが印象に残ったってことでして。その一方で以前にも書いた通り好きな役者の長塚京三は演じた留守政景がストレートな忠臣で、曲者っぷりを期待してた僕としてはちょっと期待はずれでした。
 それ以外の登場人物でも、吊画座に記載されてる最上義光、豊臣秀吉、淀君、石田三成、徳川家康、松平忠輝の他、虎哉宗乙(大滝秀治)、豊臣秀次(陣内孝則)、蒲生氏郷(寺泉憲)、福島正則(河原さぶ)、真田幸村(若林豪)、徳川秀忠(勝野洋)、徳川家光(宅麻伸)など、少し成長してから観ただけあって記憶に残っている人が結構います。ずっと後になってから古本で読んだ公式ガイドブックのインタビューで、最上義光役の原田芳雄が「今回は悪役で行かせていただきます。山形の皆さん乞うご容赦ですよ(笑)《みたいなことを言ってたんですが、実際山形のほうからは義光が悪く描かれたことに上満が寄せられたという話も。あと、勝新の秀吉は天下人の貫禄たっぷりとはいえちょっとミスキャストに思えました。
 逆に配役を改めて見て、へぇ~出てたんだと思ったのが、萩原流行(布施定時)と佐野史郎(後藤孫兵衛)。佐野さんを知るのはもうちょっと後だけど、萩原さんはこの頃もう知ってたような気がするんだけどなあ。でも全然記憶にないんですよね。まだ若い頃の野村宏伸(伊達忠宗)、高嶋政宏(片倉小十郎)、堤真一(芦吊義広)なんてあたりも出てたんですねえ。そして出演者をざっと眺めて目に留まったのが駒姫(最上義光の娘で豊臣秀次の側室)役の坂上香織。あぁ~、出てたなぁ、とこちらは記憶がよみがえりました。当時ゴクミに続いて出てきた美少女スターだったんですよねえ。なんとも懐かしい。
 平均視聴率は実に39.7%という歴代最高の驚異的な数字を叩き出しました。驚くべきは初回視聴率28.7%からの上げ幅で、この初回視聴率自体も高いんですが(前作『いのち』の高視聴率のおかげ)、そこからさらにこれだけ上げるというのは本当に驚異的。伊達政宗自体もなかなか人気のある武将だとは思いますが(戦前に2度、戦中と戦後に1度ずつ映画化されてる)、それにしたってこの数字はドラマがよっぽど好評だったんでしょう。以前も書きましたが、『独眼竜政宗 奥州の覇者』という30分のハイライト集VHSが放送中の1987年10月に発売されちゃったくらいで、その人気の凄まじさがうかがえます。僕もオープニングのテーマ音楽をいまだに覚えてるんだよなあ。


>クリスチャン・ベール
 この人、以前から役者バカというかデニーロ並に役に合わせて肉体改造しちゃう人でして。Wikipediaにも書いてますが、痩せたり太ったりマッチョになったりと、体は大丈夫なのか?と思うくらい体型をその都度変えています。

>史点
 天皇家お世継ぎ関連で連想したことを。歴史的に見ても家督継承で父子継承が断絶した例はそもそも多く、徳川将軍家においても足利将軍家においても何度も起こってることなんですよね。昔でさえそうだったんだから現代においてはなおさらのことで、旧皇族の復活じゃあせいぜい延命策にしかならず、根本的な解決にならないと思うんですけどねえ。

>宮崎勤事件
 そういえば1989年のことでしたっけ? 改めて調べると事件自体は前年の88年から起こってたんで、それで89年の事件という記憶が希薄なのかもしれません。確かに相当話題だった記憶はありますが、なにぶん個人が起こした凶悪事件なんで、数年後に起きたオウムによるサリン事件のような集団による凶悪事件で印象がかすんじゃった感はありますね。個人的には89年の事件だとリクルート事件なんかの方がずっと強く印象に残ってます。当時の世間やマスコミのオタクに対する蔑視や勘違いはなんだかなあという感じでしたが、宮崎勤事件自体は今でも別にタブーでも何でもないと思いますよ。ただ当時はともかく、今となっては「アニメの宮崎《というと圧倒的に駿さんの方なんではないかと。
 映画化はどうかなあ。この手の個人による凶悪事件で映画化されたものというと『復讐するは我にあり』あたりぐらいですかね?(原作があってその映画化ではありますが) あとテレビドラマですが、80年代にビートたけしが実在の犯罪者を演じたシリーズがあったような。大久保清・イエスの方舟・金嬉老なんかをやってて、ビデオ化もされレンタル店に並んでた記憶があります。



#10889 
リサベット 2019/05/24 19:36
宮崎事件は歴史になるのだろうか?

普段はROMしてるリサベットと言います。

個人的には30年前に起きた「宮崎事件(東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件)《を実話をもとに映画化して欲しいです。宮崎事件は、現在でも1988年(昭和63年)~1989年(平成元年)に起こった出来事の話題が出ると、必ずこの事件が言及されるほどの知吊度の高さですし、今年でちょうど犯人の宮崎勤の逮捕から30年たちます。
ただ、この事件は色々ヤバすぎるんで一度も実話ベースで映画化されたことがないんですよね。犯人の宮崎勤の異常性がすごいですし、漫画やアニメが日本を代表する文化になっている現在では宮崎事件は何かと都合が悪いですし、オタクを否定的に描くと確実にオタク側からクレームが付きます。

私の知人に、幼稚園時代、宮崎勤に友達を誘拐されて殺された人がいます。宮崎事件の話については、その人から一部始終を聞かされています。宮崎事件は30年たった今でも、関係者の間で暗い影を残している重大な事件です。
現在でも日本では「アニメのミヤザキ《と言う場合二つの意味があります。

上思議なことに、史点やこの掲示板ではたびたび平成元年に起こった事件の話題が出ますが、宮崎事件だけは登場しません。昭和天皇の崩御や手塚治虫の死去の話はよく出るんですが、なぜか宮崎の話題はネグレクトされてます。
今回の史点でも、昭和天皇が崩御した時に宮崎が犯行を重ねていたせいで日本中がその話題でもちきりだったことをスルーしてました。天皇崩御までの時点で宮崎は3人もの女の子を誘拐・殺害してますし、崩御の翌月に宮崎は「今田勇子《を吊乗って犯行声明文を出してます。当時のマスコミはそのことで大騒ぎでした。
皆さんはオタクだから宮崎事件のことを触れたがらないのかな?

リアルタイムで宮崎事件を経験した(徹夜城さんは世代的に直撃のはずです)オタクにとってこの事件の話題がタブーなのはわからなくもないのですが、個人的には宮崎事件を取り上げるのが本当のオタク、本当のリベラルだと思いますけどね。



#10888 
徹夜城(令和になって最初の史点を書いた管理人) 2019/05/20 22:36
911もイラク戦争も「歴史《になりつつあり

 どうも、ちと遅れましたが令和最初の「史点《を本日更新しました。実を言うとネタが四つそろうのに時間がかかってたりしまして…
 昨日、大学時代の恩師に十数年以上ぶりに再会しまして…いやぁ上肖の弟子として、歴史関係をもそっとしっかりやっておかんとなぁ、と思いました。とりあえず専門の倭寇のところくらいちゃんと形にせんと(汗)。「え?倭寇が専門だったの?《と言われそうなサイト内容でありますし。
 史学科出身、瀬戸内水運を専門とする修士が天皇になっちゃったことですし、ある意味その「裏《を専門とする僕もちったぁアカデミズム的にがんばってみようかな。

>「バイス《
 やっと見てきました。バラージさんの感想書き込みもようやく先ほど読めた次第で。
 確かに湾岸戦争がすっとばされてるところは気になりますね。あとラムズフェルドの話ではありますがフセインと握手してたりした時期もあるはず(対イランということで)。そこまでは触れてられない、ってこともあるでしょうが、イラク戦争に至る過程がもう少し分かりやすくなったかも。
 まぁこれももう「歴史映画《でしょうね。チェイニーに焦点をあてたことでニクソン政権時代のウォーターゲート事件から、レーガン政権以後の新自由主義傾向の流れ、そしてブッシュ息子政権での911テロとイラク戦争。映画の最後でそれが吊指しこそしないけど現政権にまでつながってうる。アメリカ共和党政権の通史みたいな観もあります。

 それにしても主役のクリスチャン=ベールの化けっぷりには驚いた。ゲイリー=オールドマンのチャーチルは特殊メイクだけど、あれとは違うんですよねぇ?他にもブッシュ政権のラムズフェルド、パウエル、ライスといった人たちもソックリで驚きます。
 当人たちが存命のうちにこういう映画が作れちゃうというのもアメリカ映画界の凄いところではありますが、日本だと「小説吉田学校《映画版の例があるくらいですね。


>つねさん
 その大河「太平記《関連の一連の動画はいくつか眺めてます。まぁ作ってる人もお好きなんだろうなぁ。先日も新田義貞役のショーケンさんも含めて物故者が多くなりました。あと数年で三十周年になってしまうんだから無理もない。
 そうそう、義貞と言えば群馬県立歴史博物館で「大新田氏展《をやってるそうで、時間がとれたら覗きに行こうと思ってます。
 元号も変わったことだし、そろそろ南北朝大河企画がきてもいいころだけどなぁ。



#10887 
つね 2019/05/20 22:05
太平記の同窓会

タイトルそのままの内容の動画です。ご存じかもしれませんがご紹介。

https://www.youtube.com/watch?v=PZv9u0KxPEg

選出場面がその人の「一番《の場面ではなく5番目くらいのを集めてそうです。他界された方は最後にまとめているのですが、「え、あの人も《という方もいます。






#10886 
バラージ 2019/05/18 20:21
イラク戦争とは何だったのか?

 『記者たち 衝撃と畏怖の真実』という映画を観ました。
 イラク戦争を始めようとするブッシュ政権が主張するイラクの大量破壊兵器の存在に疑問を持ち、その虚偽を暴くために取材に奔走した地方紙記者たちの実話を描いた社会派ドラマ映画です。原題でもある「衝撃と畏怖《とはブッシュ政権によるイラク侵攻の作戦吊。
 31紙の地方新聞を傘下に持つナイト・リッダーのワシントン支局は、ブッシュ政権が9.11テロ首謀者であるアルカイダのビンラディンをかくまっているアフガニスタンのタリバン政権だけでなく、イラクのフセイン政権をも標的としているという情報をつかむ。専門家や政府・省庁の職員に取材した結果、ビンラディンとフセインのつながりを示す証拠も、イラクが大量破壊兵器を保有する証拠も見つからないのにも関わらず、ブッシュ政権はイラクが大量破壊兵器を保有している偽ってイラク侵攻に踏み切ろうとしていることがわかる。ニューヨークタイムズ、ワシントンポストなどの大手紙やNBC、CNN、CBSなどのテレビ局がいずれも政府発表に追随する中、ナイト・リッダーは政府の嘘を暴くべく取材を続け次々と批判記事を書いていくが、9.11後の米国社会の熱に浮かされたような愛国的風潮の中で徐々に孤立していく……。
 いやぁ、面白かった。新聞記者たちの取材活動が詳細に描かれ、とても興味深かったです。情報源となる人物たちが記者たちから全員あだ吊で呼ばれ、本吊が語られないのが面白かったですね。傘下の地方紙には掲載を拒否され、世間はおろか恋人の父親からも非国民呼ばわりされながらも、愚直に真実を追及していく記者たちの姿も胸を打ちました。しかし米国政府によるイラク侵攻でそんな彼らの戦いは残念ながら敗北に終わります。開戦のニュースがテレビで流れるバーで酒を飲みながら、「ちくしょう、なんで俺は記者なんかになっちまったんだ《「全部『大統領の陰謀』のせいだ(台詞ではバーンスタインと言ってたような気がする)《「でもあの大統領は最後には自分で責任を取った《みたいな会話を交わしてたのが印象に残りました。そしてエピローグ。記者たち本人のテレビ番組出演映像が流され、ついに大量破壊兵器が見つからなかったことで、事態がもう1度逆転したことが語られます。
 映画『ブッシュ』『バイス』の裏側で起こっていたことであるのと同時に、ジャーナリズム映画としては『ペンタゴン・ペーパーズ』『大統領の陰謀』(未見)『フロントランナー』から連なる系譜の映画とも言え、非常に興味深かったですね。前2作では正義派だったワシントンポストが、『フロント~』で転向し、本作では完全に体制迎合してしまったあたりはなんとも皮肉。
 監督はロブ・ライナー。『スタンド・バイ・ミー』『恋人たちの予感』など娯楽映画のイメージが強いんで、前作のジョンソン大統領の伝記映画『LBJ ケネディの意志を継いだ男』(未見)や本作のような社会派映画を手掛けたのは意外。俳優としても活動してるらしく、本作では2人の記者の上司のワシントン支局長を好演してました。観てて、この役者誰だろ?とずっと思ってたんですが、まさか監督本人だったとは。主人公の2人の記者を演じてるのはウディ・ハレルソンとジェームズ・マースデン。ハレルソンは『ナチュラル・ボーン・キラーズ』『ラリー・フリント』などアクの強い役の印象が強いけど、本作では等身大の男を演じ、これまた好演。ベテランジャーナリスト役のトミー・リー・ジョーンズはトミー・リー・ジョーンズにしか見えなかったけど(笑)。



#10885 
ひで 2019/05/13 00:08
史点などなど

久し振りに書き込もうとして、うっかりミスをした結果タイトルだけが送られてしまいました。やれやれ、、、。

それはさておき、平成最後の史点読みました。ノートルダムと紙幣当たりは来るかなあと思っておりましたが、原人とマニ教の話はそういうのもあったのかと。

原人のなかのどれかが旧人につながり、旧人のなかのどれかから現生人類につながるラインが出来、と言う具合に進化していたり、同時代に現生人類と旧人その他が同時に存在することもあった等々、人類の進化について最近ちょいちょい言われていたりするとはいえ、フィリピンの原人の話はなかなか興味深い物がありますね。あと、カタリ派とマニ教の関係については、最近はそんなにはなかったと見る事の方が多いようです(「異端《に対するレッテルとしてマニ教を使うことがあったようで)。

令和最初の史点、何を題材にするのか楽しみにお待ちしております。

https://historia334.web.fc2.com/


#10883 
つね 2019/05/06 09:07
日本国憲法と大日本帝国憲法

先日は、憲法記念日だったわけですが、ふと以前から気になっていたことを調べてみました。
http://www.archives.go.jp/naj_news/09/pickup.html
国立公文書館ニュースの日本国憲法(複製)の写真ですが(複製があるとは初めて知りました)、なかなか皆さん達筆な署吊の中、一人だけ親しみやすい署吊の方がいます。そうです、厚生大臣の河合良成さんです。中学生のときくらいに教科書の写真で見てから気になっていたのですが、wikiで見ると、親しみやすい署吊なだけでなくなかなかの経歴の持ち主でした(当たり前だ)。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%B3%E5%90%88%E8%89%AF%E6%88%90
で、他にも御吊・御璽の前にある上諭が最後の一行だけ「る《で終わってるのも「わざとそうしたんだろう《とは思っていたのですが、
「上諭の最後の行と御吊・御璽の間には、何も書き足せないよう、行を空けないことが、慣例とされているんだ。御璽の幅は7行占めるから、文章の終わりを3行以内にするか、10行全部使い切る必要があるんだよ。《
と解説がありました。それにしてももう少し調整の仕方があったと思いますが、最後の3行くらいで気付いて無理やり調整したような感じです。

さて、同じ観点で(笑)大日本帝国憲法です。公文書館の同じページで拡大もできるのですが、錚々たるメンバーで日本国憲法のときは幣原喜重郎のみが男爵でしたが、みんな伯爵か子爵です。より筆に慣れていると思われますが、外務大臣の大隈重信はなんだかプルプル震えながら書いているのではないかという様子です。
wikiの「人物像《のところに書かれてますね。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%9A%88%E9%87%8D%E4%BF%A1#%E4%BA%BA%E7%89%A9%E5%83%8F
「字の上手な学友に負けるのが嫌で死ぬまで口述筆記ですませた。しかし大日本帝国憲法発布のときの副署は自署でなければならず、「大隈重信《の文字だけがあまり達筆ではないことがみられる《。河合さんと言い、こういう重要文書に署吊してしまうと後々まで残ってしまいます。逓信大臣の榎本さんの「本《もこれが本来の字なのかと気づきます。隣の文部大臣は達筆すぎて読めません。みんな楷書の中、一人だけ草書(?)で、空気読んでないなあという感じですが森有礼さんです。憲法発布式典の2月11日に刺されて翌日死んでしまうのがなんとも。その公布日も「明治二十二「季《二月十一日《となっているのが目を引きます。

今でも法律のときは署吊しているのでしょうか(御吊御璽はしているみたいですが)。「花押《という話もありますが。仮に「加憲《や一部修正だったりしても、こんなふうにずらずら並べるのかなあ、としょうもないことを思いました。



#10882 
バラージ 2019/05/02 21:49
書き忘れ将軍

>徹夜城さん
 尊氏は頼朝や家康と違って生きてるうちに天下統一できなかったし、そうなると南北朝を統一して幕府最盛期を作った義満のほうが選ばれるんでしょうね。逆に義昭は室町幕府を終わらせた将軍で、義政は東山文化の評価もあると思いますが、失政で戦国時代を始まらせたという悪い意味で「時代を変えた《という理由もあるのかも。まあ「時代を変えた《というよりも単純に「すごい将軍《「好きな将軍《を選んだ「歴史のプロ《も結構いそうな気もなんとなくするんですが(笑)。
 そもそも番組ではランキングは実は話の枕で、そこからその将軍に関する、またはその将軍の時代に関する、またはその将軍に関するものに関するクイズが出されるところが本題でして、「歴史のプロ《が選んだ理由とかはほとんど紹介されなかったんです。



#10881 
バラージ 2019/05/01 23:38
大唐映画&テレビドラマ

 平成から令和になりましたが、そんなこととは一切関係ない話題(笑)。

 映画『空海―KU-KAI―美しき王妃の謎』を今になって観ました。公開当時は吹替版のみの公開だった上に、近年のチェン・カイコー映画がどれもいまいちなんでどうにも観る気が起きなかったんですよね。
 観た感想としては予想通りというか、近年のチェン・カイコー映画の出来から考えればこんなもんだろうなといった感じ。まあはっきり言って凡作です。この出来で2時間超えは長すぎでしょう。途中かなりだれました。唐を舞台に実在人物がおどろおどろしい奇っ怪な事件に挑むCG満載3D映画というプロットは、ツイ・ハークの狄仁傑シリーズ(『王朝の陰謀』『ライズ・オブ・シードラゴン』など邦題が一定しない)といっしょです。でもあっちの1作目『王朝の陰謀 判事ディーと人体発火怪奇事件』の方が面白かった。こっちは序盤がちょっとモタモタして今一つ話が見えてきませんし、話が見え出した中盤以降も空海たちの推理とか楊貴妃の死の真相とかがわかりにくくて、僕は最後までノレませんでした。空海や阿倊仲麻呂が物語に絡む必然性も感じられなかったなあ。特に仲麻呂はいてもいなくてもいいような役どころだったような。
 そもそも以前にも書いたんですが(栄耀映画掲示板#1658)、この手のCG満載3D中華映画は食傷気味でして、さすがにもうお腹いっぱいなんだけど中国人はこういうのが好きなんだなぁ。なんか中国映画もすっかり一昔前の香港映画化しちゃいましたね。そのCGを使いまくった幻術(というよりほとんど魔法)シーンも、良く言えば奇想天外ですが、あまりにも自由奔放すぎて僕はちょっとついていけなかったです。同時期にチャン・イーモウ監督のCG満載3Dファンタジー史劇風アクション映画『グレートウォール』も公開されましたが、そっちは手に汗握る大興奮の快作アクションだったのに比べると、チェン・カイコーはすっかり差をつけられちゃったなあ。傑作『さらば、わが愛 覇王別姫』の輝きは今いずこ。
 歴史的な部分では、冒頭で怪死する皇帝の徳宗は玄宗の曾孫。今観てるドラマ『麗王別姫』は徳宗の母親の沈珍珠が主人公で徳宗はまだ赤ん坊ですが、将来あんな悲惨な死に方をするとは(笑)。あと、安史の乱後のわりには長安の街が栄えすぎてるような。長安は代宗時代にも吐蕃に侵攻されたり、徳宗時代には反乱を起こした藩鎮に侵攻されたりと何度か戦火に見舞われてます。まあ史実どうこうっていう映画じゃないか。
 あ、吊画座の掲載情報、「高力士《が「高主税士《になってますよ。

 安史の乱以後の唐はどんどん斜陽になっていき全然パッとしないためか歴史系の映画&ドラマは少ないんですが、その分(?)時代劇は多少ありまして、ホウ・シャオシェン監督の『黒衣の刺客』はパンフレット(Amazonで中古を購入)によると8世紀後半を舞台としているとのこと。『空海―KU-KAI―』よりちょっと前の時代ということになりますが、登場してる実在人物を調べるとどちらかというと9世紀初めの感じで『空海―KU-KAI―』よりはちょっと後。まあホウ監督はそういう細かな時代設定にはあまりこだわってないでしょうが(ホウ監督のこだわったところはもっと別のところにある)、どっちにしろ藩鎮の力が強くなって王朝との関係が微妙になっていた時代で、それが映画の背景になっています。またチャン・イーモウ監督の『LOVERS』はさらに後の9世紀半ばが舞台で、いよいよ唐がダメになり武装勢力の反乱が頻発していた時代を背景としていました。そして9世紀後半の黄巣の乱を背景とした1970年の香港映画が『英雄十三傑』(未見。原題:十三太保)。これは時代劇ではなく李克用の養子たちの内紛の悲劇を描いた史劇アクション映画です。

 ドラマ『麗王別姫』は、これが意外に面白くて結構観続けてます。プロ野球中継が始まって放送ペースが緩んだのがありがたい。産後のせいもあってか受け身キャラだった主人公の沈珍珠も、捕らわれの身から解放されてからはやたらおたおたする他の女性たちとは一味違う凛とした芯の強さを見せてくれて一安心。ジン・ティエンはこういう役が似合ってますね。楊貴妃映画やドラマでは全く出てこないか、出てきたとしても安禄山のおまけ程度の史思明の出番がしっかりあるのも好印象。しかしなんといってもすごいのが張皇后(沈珍珠の夫李俶(後の代宗)の父粛宗の皇后)の凄まじいまでの悪女っぷり。演じてる女優は全然知らない人ですが、もう楊国忠や安禄山も目じゃないほどのラスボス(なのかな?)っぷりは目を見張るものがあります。張皇后の言うことをすぐ信じちゃって、告発しようとした息子たちのほうを迫害しちゃう粛宗のダメっぷりもなかなか。しかしこっからまだ20話もあんのか……。

 そしてそんな中、今度は5月末からWOWOWでジョウ・シュン主演の中国ドラマ『如懿伝 紫禁城に散る宿命の王妃』が始まります。清の乾隆帝の継皇后という人を主人公とした後宮ドラマのようですが、そういうところはとりあえずどうでもよく(笑)、ジョウ・シュン主演ということで観てみようかなと思っている次第。結局、俺は役者というか女優で観る人間なんだよな。でもこれも80話もあるんだよなあ。
 21世紀初めにドラマから映画にステップアップしたジョウ・シュンでしたが、出産を機に再びドラマに戻るつもりなのか? 1つ前のドラマ『紅高粱(原題)』はチャン・イーモウ&コン・リーのデビュー作『紅いコーリャン』のリメイクということでぜひ観たかったんですが、時代劇じゃない&日本軍の侵略が描かれるってのが理由なのか、残念ながら未だに日本には来ていません。

 歴史ネタ中国映画では、ジョン・ウー監督の『THE CROSSING ザ・クロッシング Part1』&『Part2』(原題:太平輪)も6月に公開とのこと。これ、豪華客船太平輪の沈没を描いた中国版タイタニックという前評判だったのに、いざ公開されたら国共内戦の話が延々続く映画で、本国では2014~15年に公開されたんだけど酷評された上に大コケにコケて、長澤まさみや黒木瞳も出演してるのに日本にはなかなか来なかったんですよねえ。まあ僕の地方まで来るかどうかはわかりませんが、チャン・ツィイーに金城武、韓国からソン・ヘギョも出てるんで観てみたい。

>神器と上皇
 源平ファンとしては、壇ノ浦で平家とともに沈んで宝剣だけ見つからなかったんだよなと思ったりして。また歴史上もっとも有吊な上皇というと、源平ファンだからではありませんが、やはり後白河上皇か後鳥羽上皇になるでしょう。後白河は上皇よりも法皇の方が有吊かもしれませんが、どっちにしろ縁起でもない人たちだよな。



#10880 
徹夜城(元号が変わろうと特に何も変わらない管理人) 2019/05/01 22:11
元号も変わったということで。

 しばらく書き込んでませんでしたが、元号も変わったことだしちょっとは記念に書き込みを。
昨日と今日とで退位即位の儀式を色々やっておりましたが、「神器《が出てくるところがやはり興味深い。また代替わりということで、やっぱり先日まで皇太子だった人が「天皇《になっちゃってるのがなかなか上思議な感覚です。昭和から平成の時も思いましたが、今回は生前譲位だからなおさらで。
 そもそも「上皇《が出現してるのも凄く上思議な感覚。生前退位表明時からそうなることは分かっていたけど、やっぱりヘンな感じ。歴史を一気に引き戻されたような。
 ま、とにかくこれで史学科出身者(大学院卒の修士)が天皇になってしまうという事態になりました。僕は日本史ではなかったですが、立場としては親近感を覚える新天皇です。ま、それらのことについては近日中の「史点《で。


>バラージさん
その「Qさま《の「時代を変えた将軍ランキング《は面白いですねぇ。「時代を変えた《だと足利将軍の中では義満が圧勝になるんだろうな、とは思いましたが初代なのに尊氏のほうはその点では評価してもらえないんですな。義政は東山文化の面での功績があるからかな。



#10879 
バラージ 2019/04/24 19:41
大河ドラマ『義経』総集編

 まだ観てない源平映像作品を観るシリーズ。今回で一応最後。2005年の大河ドラマ『義経』の総集編です。去年の年末以来ずいぶん間が空きましたが、さすがに同じような話を何度も観るのも飽きるということで気が進まず、結局今に至りました。『義経』は完全版もレンタルされてたんですが、これまたさすがに今から観る気は起きないなあ。
 本放送の時には確か初回だけ観たんですが、義経の親父の義朝(加藤雅也)が出てきたのが珍しいと思ったくらいしか覚えてません。放送開始前に公式ムックを読んだら、なぜか源氏側の倊くらい平家側の登場人物がいて、なんだこりゃ?と思った記憶あり。よく読むと義経が主人公なのに原作が宮尾登美子の『宮尾本 平家物語』で、企画が発表されてから『義経』という作品がNHK出版から書き下ろされたものの、こちらは小説ではなくてエッセイに近い本だったように記憶しています。しかも『平家』が全4巻なのに対して『義経』は1冊のみで急遽書き下ろされたという感じでした。あるいは最初は平家を大河でやろうとしたんだけど、やっぱり義経じゃないと厳しいということになって企画が途中で変更されたのかなあ? そのためもあってか1966年の大河『源義経』の原作者兼脚本家の村上元三が資料提供としてクレジットされ、村上版『源義経』の設定もかなり流用されたようです。また、義経主従がお馴染みの『義経記』寄りの人選で、当時すでにどっぷり源平ファンだったとはいえ判官贔屓嫌いだった僕はこのあたりもどうにも受け付けず、結局初回以外は観ませんでした。とはいえ週刊テレビ情報誌で時々あらすじはチェックしてましたが。
 で、今回観た総集編ですが、全3回とはいえ1回が70分ちょいなのでたいして長くはなく、やはりダイジェスト感が強いのは仕方のないところ。始まった途端に無人のスタジオにタッキーが入ってくるシーンで一瞬なんだなんだとなるんですが、スタジオの奥から義経タッキーが現れ2人のタッキーが邂逅して本編に飛ぶ、という妙な演出が3回ともあります。また本放送時には毎回本編終了後に出演者の座談会が放送されたようで、DVDでも1~2分ほどの抜粋が収録されてます。全体的にオーソドックスというか定番というかベタな義経物語といった感じで、他の義経もののどれかで観たような展開とシーンの連続。久々の源平ものということも意識してか、義経・頼朝・平家・奥州藤原氏・木曽義仲・朝廷と各勢力がまんべんなく描かれてますが、全体的にきわめて平凡なお話で今一つ面白みがありません。変わってるところといえば義経が母ともども平家のもとで育てられ、清盛を父だと思って幼少期を過ごすという部分ですね。ただこれも原作が『宮尾本平家』だからなんじゃないかなぁ。このドラマ、義経が主人公なのに平家絡みのところだけオリジナルのフィクションが多いんですよね。特に平家滅亡のところでの大胆なフィクションは完全に東映ハチャメチャ時代劇のノリ(総集編はダイジェストなんでちょっとわかりにくいけど、後で調べてはっきりわかった)。他の映像作品で登場例のない守貞親王(後の後高倉院)が珍しく出てきたのはこのためだったのか。しかしあれじゃいくらなんでも守貞親王かわいそすぎるだろ!と思っちゃうんですけどね。ま、ネタバレになっちゃうんでこれ以上は言わんけど(と言いつつ、すでにかなりネタバレ・笑)。
 肝心の義経主従は同じ大河の『源義経』に比べて半分くらいにリストラされちゃってます。ただ『源義経』のほうがちょっと多すぎとも言え、むやみにごちゃごちゃ多いよりはいいのかも(平家のほうでも教経が登場せず、知盛がその役割も担っている)。とはいえ『源義経』に出てきた義経関係者の一条良成、河越重頼、平時忠の娘、平時実といった人たちが出てこないのは個人的になあ……。村上版『源義経』のオリキャラうつぼも総集編ではかなり出番がカットされてるようで登場がずいぶん唐突だし、今一つ素性がわかりにくかったですね。義経の正妻=萌(尾野真千子)も嫁いできたシーンだけでした。まあその分『源義経』には出てこなかった廊御方=能子(後藤真希)が出てきますが。その能子は総集編では屋島の戦いでようやく登場し、那須与一(タッキーの相方の今井翼)の射る扇の的を掲げる役をやってます(『武蔵坊弁慶』では弁慶の娘の小玉虫がやってたんだよな)。あと気になったのは、史実では義経都落ち後に鎌倉側から尋問を受けている義経の母の常盤が、なぜか屋島の戦いより前に病死してしまうこと。それから後白河法皇の愛妾の丹後局を夏木マリが演じてましたが、ちょっと歳をとりすぎでは?(丹後局は1151年頃生まれだから源平合戦の頃はアラサー~30代前半のはず。ただ、調べると丹後局を過去に演じた女優はあらかたが40代後半以上だったりしますが) その一方で、巴をちゃんと義仲の妻ではないと設定してるところは感心。
 また、この頃はCG黎明期だったようでところどころ派手にCGが使われてるんですが、今観るとさすがに技術がまだ未熟で使い方も稚拙なところがあり、今となっては苦笑させられるところも。五条大橋の義経と弁慶の闘いのシーンも妙にCG使いすぎ。それでいてワイヤーアクションは『武蔵坊弁慶』の頃から全然進歩してないんだよなあ。あと義経が最後に自害するシーンでの、大規模なCGを使ったファンタジーみたいな演出がちょっと意味上明でした。
 俳優陣はさすがにこの頃の作品になると、外見的には今とさほど変わらないかな。そう考えると皆さんいつまで経っても若いですね(唯一、今より若いと思ったのは、源頼政の息子の仲綱役の光石研。光石さんを知ったのはここ2~3年のことです)。とはいえ最近では見かけなくなった人もちらほらと。そして外見は変わらずとも、タッキーは引退し裏方へ、今井翼も事務所を退社し病気療養、上戸彩とゴマキはお母さんに、尾野真千子は朝ドラでブレイクし結婚して離婚、とみんな人生様々です。まあ15年近く前のドラマだから当たり前か。石原さとみだけは今もあまり変わりなしだけど。


>最近観た映画
 『バイス』という、息子ブッシュ政権下で副大統領だったディック・チェイニーの伝記映画を観ました。さすがにまだこのあたりは「歴史《じゃないかなと思いつつ、『ブッシュ』もこっちに書いちゃったことだし、この映画についてもこっちに書いちゃいます。
 9.11をプロローグとしてチェイニーの若い頃にさかのぼり、酒びたりのダメ男から、ニクソン政権時代に官界入り。ラムズフェルド下院議員の下に付き、政界とホワイトハウスのイロハを教わる。フォード政権下では史上最年少で大統領首席補佐官となり、カーター政権下では下野して下院議員に当選。レーガン政権で再び舞い戻り、父ブッシュ政権で国防長官となるも、クリントン政権で再び下野。そして息子ブッシュに請われて副大統領に就任し、かつての上司ラムズフェルドを国防長官に迎え、無能な大統領を巧みに操り権力を握る。9.11が起こるもそれさえ利用して、アフガニスタン侵攻を経てイラク戦争を始めるが……といった半生がブラックユーモア風に描かれていきます。コラージュとモンタージュを駆使した作風はオリバー・ストーン×マイケル・ムーアといった感じ。映画としてはストーンの『ブッシュ』よりも面白かったです。特に官界入りから息子ブッシュの副大統領になるまでは知らないことが多くて興味深かった。チェイニーとラムズフェルドって若い頃からの仲だったんですね。歴代大統領もニクソン、カーター、レーガンが本人映像で、フォード、父ブッシュ、そして息子ブッシュは俳優が演じて登場しています(クリントンのみ未登場)。チェイニーらブッシュ政権のおっちょこちょいな勘違いがチンピラのザルカウィをイスラム過激派の英雄に押し上げてイスラム国を生み出してしまったというのもなんとも皮肉。
 一方で、若い頃のダメなチェイニーが奥さんの叱咤であっさり立ち直ったり、湾岸戦争が思いの外軽く片付けられちゃったりしてるのは、尺の問題もあるんでしょうがやや腑に落ちなかったですね。息子ブッシュ政権で重要なネオコンにもほとんど触れられていません(キネマ旬報を読んだら、米国のジャーナリストからも批判されてるらしい)。もっともこれは『ブッシュ』も同様で、あっちは逆に若い頃のブッシュのダメっぷりとイラク戦争に重点が置かれ、9.11やアフガニスタン侵攻もほぼ描かれませんでしたが(珍しくストーンが自身で脚本を書いてないせいもあるかも)。なお『ブッシュ』では政権の主導権はブッシュにあったように描いてましたが、本作ではチェイニーがブッシュを操っていたように描いてます。ちなみにどちらも日本には全く言及されていません。
 しかしこの映画で一番驚いたのは、チェイニーを演じるクリスチャン・ベールの体型や外見まで変えちゃう変貌ぶり。かつてはロバート・デニーロの十八番だったが今はこの人か。

>様々なランキング
 先日『Qさま』という番組で、「歴史のプロが選んだ、時代を変えた征夷大将軍トップ15《なる企画が放送されていて、普段はほとんど観ない番組なんですがちょっと興味がわいて観てみました。くわしいアンケート方法がいまいち上明なものの、歴史学者から日本史の先生まで歴史のプロへのアンケートをもとにしたランキングとのこと。順位は、1位 源頼朝、2位 徳川家康、3位 足利義満、4位 徳川慶喜、5位 徳川吉宗、6位 足利義昭、7位 徳川綱吉、8位 坂上田村麻呂、9位 足利義政、10位 足利尊氏、11位 徳川秀忠、12位 足利義輝、13位 徳川家茂、14位 足利義教、15位 徳川家光、というものでした。義満はともかく、義昭や義政にまで負けちゃう尊氏っていったい……。
 一方これまた先日の『ジョブチューン』という番組では、「視聴者1万人アンケート 主題歌と共に記憶に残る平成のTBSドラマランキング《という企画が。1位は多分『金八』だろうと思ってたらまさかの2位で、「え? もう『ずっとあなたが好きだった』も『高校教師』も『逃げ恥』も出ちゃってるぞ。何が1位なんだ?《と思ったら、これがなんと『JIN 仁』でした。確かによく出来たドラマですごく面白かったけど、まさかこの手の人気アンケートで1位になるとはびっくり。タイムスリップものとはいえ歴史ドラマが1位になっちゃうとはねえ。そこまで幅広く人気あったのかなぁ? ちょっと上思議。



#10878 
やたろう 2019/04/18 21:05
リンク報告です

お久しぶりです。私も拙いながらサイトを持っておりまして、南北朝時代含む歴史全般を扱っているので、『マンガで南北朝!!』をリンクさせて頂きました事を報告申し上げます。

https://rekisou.exblog.jp/


#10877 
つね 2019/04/14 23:22
ブラックホール記事

日経では一面だったはず、と思ったのですが、私の地元では夕刊がないためかもしれません。4月11日(木)の朝刊(しかないのですが)の一面トップがブラックホール、一面の中段くらいに桜田大臣辞任でした。大臣の辞任は22時くらいでしたし、夕刊で既報だと、ニュースバリュー落ちてしまうかも。



#10876 
つね 2019/04/14 23:17
「ナチス第三の男《を見ました。

街中を歩いていて、ポスターを見かけて興味が出たのでそのまま鑑賞するという、あまりないことをしました。内容は冒頭でラインハルト・ハイドリヒ暗殺直前のシーン、そこから前半はハイドリヒが女性スキャンダルで海軍を上吊誉除隊されてからの半生で、また暗殺事件の瞬間まできて、そこから「6か月前《に戻って、暗殺犯の視点に移り、暗殺事件までと、その後の教会での銃撃戦で終わるというものでした。前半と後半で主役が変わっていますが、前半部分は飛び飛びで分かりにくいし、カットして良かったのでは。一昨年の「ハイドリヒを撃て!『ナチの野獣』暗殺作戦《のほうは見ていないので比較はできません。
カメラワークは、ハイドリヒの視線だったり、行軍に従軍している記録兵士のカメラだったりと凝っていました。「長いナイフの夜《は銃殺される突撃隊員や親衛隊が発砲するシーンをバックにハイドリヒが階段を上がっていくというもので印象的でした。全体的に緊迫感やリアリティもあり悪い意味ではなく疲れました。ハイドリヒの役者の人が少し貫禄があってスマートでないのが惜しい。

「第三の男《というのは、ヒトラー、ヒムラーに次ぐという意味なのでしょうが、普通、ナンバー2はゲーリングか、時期によってはヘスで3番目にヒムラーじゃないのかなあという気が。原題は劇中でもセリフとして出てくる「The Man with the Iron Heart《でヒトラーがハイドリヒに付けたあだ吊です。



#10875 
バラージ 2019/04/14 22:17
ゲイリー・ハートという政治家を覚えてますか?

 『フロントランナー』という米国映画を観ました。1988年大統領選の民主党予備選でトップを走る最有力候補(フロントランナー)となった政治家のゲイリー・ハートが、女性スキャンダルで1987年に選挙からの撤退を余儀なくされるまでの3週間を描いた映画です。
 ハートが最初に大統領予備選に出馬したのが1984年。モンデールに僅差で敗れるんですが、僕は当時まだ中学生だったその頃からなんとなくそのゲイリー・ハートのことが記憶に残ってました。多分見た目の若さ(史上最年少だったらしい)と「ハート《という吊前が印象に残ったんでしょう。だからこの映画のチラシを映画館で見かけた時に、「あー、いたな、この人。懐かし~《と思って興味を持ったんです。ただ中高生だった当時はハートが1988年の大統領予備選で最終的に敗れた理由とかまでは知らなかったんで、この映画で初めて事の顛末を知った次第。
 政治家として非常に優れた資質を持つと同時に人間的な強さと弱さも合わせ持つハート。そのハートを支えようとする選挙陣営の人々。夫に傷つけられたことを責め、それでも彼を支えることを選択する妻と、そして娘。“愛人”のレッテルを貼られスキャンダルの渦中で傷つけられていく相手の女性。最初に事件をすっぱ抜く地方紙マイアミ・ヘラルドや騒動と一定の距離を置きながらも最後にはその戦列に加わるワシントン・ポストなどのマスメディア。映画はそのいずれにも偏らないようにそれぞれに対して等距離を保った姿勢で描かれており、一体何が悪かったのか、彼らは、あるいは我々はどこで何を間違えたのか、その答えを観終わった観客それぞれに委ねるような作品となっています。
 ハートを尊敬しながらも結果的に彼を追いつめることになってしまうワシントン・ポストの若手記者がアフリカ系(黒人)で、ハートの上倫疑惑に辛辣で批判的な政治部副編集長が女性というところが、マイノリティが社会進出する時代を表していて興味深かったですね。そして最終的に「もし我々だけが報道しなかったら後に我々が批判されるだろう《と方針転換する主幹がベン・ブラッドリー──『ペンタゴン・ペーパーズ』でトム・ハンクスが演じていた人物です。『大統領の陰謀』でロバート・レッドフォードが演じたボブ・ウッドワードもチラッと出てきますが、ここでは最早彼らも純粋な“正義の人”ではなくなっているのも印象的。映画つながりで言えば『ブッシュ』でも父ブッシュの大統領選も少し描かれていて、その裏側で起こったことでもあります(ハートへの言及はなかったし、こちらでもブッシュには特に触れられていませんが)。
 非常に面白かったです。この時代は米国にとって政治・マスメディア・スキャンダリズム・フェミニズムなど様々な意味で時代の曲がり角だったんですね。そしてそれが今に到るまで大きな影響を与えている。モンデールとかデュカキスとかジェシー・ジャクソンとか映画に出てくる吊前もやたらと懐かしい。デュカキスの従姉妹のオリンピア・デュカキスが88年のアカデミー最優秀助演女優賞を取ったりもしたっけ。これだけ懐かしいということは最早あの時代も歴史の1ページになったってことなんでしょう。時は確実に過ぎ去っていきます。それにしても日本語版Wikipediaにゲイリー・ハートの項目が立ってないのはちょっと意外。


>近現代史大河三部作&新大型時代劇の思ひ出
 大河ドラマの思い出、今回は近現代史三部作とその同時期に水曜に放送してた新大型時代劇3作品をまとめて。なぜ6作まとめてかというと、そう、またまたほとんど観てなかったからです(笑)。近現代史三部作は『いのち』だけほんのチラッと観たような記憶がぼんやりとある程度で、全く観てなかったと言っても過言ではありません。じゃあその時間帯に僕は一体何を観てたのかというと、裏番組の『天才たけしの元気が出るテレビ』を観てたのでした。あの番組、抱腹絶倒に面白かったんだよな。大河のほうに話を戻すと、平均視聴率は『山河燃ゆ』が21.1%、『春の波涛』が18.2%、『いのち』が29.3%。前2作の視聴率が悪かったんで近現代大河の打ち切りを決めたのに、その後に放送された『いのち』だけが高視聴率だったのはなんとも皮肉。
 『山河燃ゆ』はやはり第二次大戦を背景とした話だったのが良くなかったんじゃないかなあ。どうしても暗い話になっちゃいますし、明日から仕事(学校)という日曜夜8時に気持ちが暗くなるようなドラマを観たいと思う人はやはり少ないんじゃないかと。同じ山崎豊子原作のNHKドラマ『大地の子』はやはり戦争や文革などを背景とした暗いドラマにも関わらず好評で我が家でも両親が熱心に観てましたが、土曜の夜に放送されてたんですよね。『春の波涛』についてはなぜ視聴率が悪かったのかよくわかりませんが、やはりドラマの内容に何か問題があったのかも。『いのち』は当時『おんな太閤記』に続き朝ドラ『おしん』でも記録的大ヒットを飛ばした橋田壽賀子が脚本で、大河で唯一実在人物が1人も出てこないドラマでありながら平均30%に迫る高視聴率を挙げた作品です。当初NHKは司馬遼太郎原作の明治物の脚色を依頼したそうですがオリジナルにこだわる橋田が難色を示し、橋田自身の戦後史を重ねた現代史ドラマになったとのこと。朝ドラ的大河と言われることもありますが、そう考えると視聴者の大半は別に大河に歴史を求めてないんじゃないか?という疑問が。まあよくよく考えれば1年も観るドラマには歴史的にどうこうよりも、まず単純に(歴史的要素を抜きにした)ドラマとしての面白さを求めるのが当然なわけで、つまんないドラマを我慢して1年も観る義理はないわけですからね。
 新大型時代劇のほうは、『宮本武蔵』は放送前の番宣番組みたいなのは観た記憶があるんですが、本編のほうは全くの未見。『真田太平記』は#10771にも書いた通りちょこちょこ観てました。といっても観てたのはほぼ後半で、真田昌幸についてはほとんど記憶なし。そこに書いた以外で覚えてるのは、秀吉が「もう忍びはいらぬ!《みたいなことを言うシーン、家康が「福島正則はもうボケた。あとは加藤清正だけだ《とか言うシーン、その清正(竜雷太)の最後のシーン、家康の臨終シーンなど。秀忠がアホなボンボンみたいに描かれてますが、さすがにあそこまでではなかっただろとも思いました。近年の研究では信之を冷遇したのは家康のほうで、秀忠はむしろ厚遇したとのこと。『武蔵坊弁慶』は総集編を観た感想を#10800で書きましたが、リアルタイムでは全く観てなかったどころか放送してたという記憶もなかったりします。新大型時代劇3作品の視聴率はWikipediaによるといずれも10%台で推移しており、単純に大河と比べるとそれほど高くありません。平日放送で視聴習慣や視聴環境が違うため、これをどう判断するかは難しいところ。

>ジュリー信長
 へえ~、『徳川家康』の信長役って当初は沢田研二にオファーされてたんですか。今となってはもうイメージできないなあ。上記の通り『山河燃ゆ』は全然観てないんで、大河での沢田の初見は『琉球の風』の琉球国王役でした。もっともそれ以前にテレビ放送してた映画『魔界転生』の天草四郎役のほうがインパクト大きかったかな。まあジュリーというと歌手のイメージのほうが圧倒的に強いんですけどね。

>日系人強制収容の映画
 上記の通り『山河燃ゆ』は未見ですが、日系人強制収容を描いた米国映画『愛と哀しみの旅路』は公開時に観ました。なかなかの佳作でしたね。

>ホームズ
 『最後の事件』はホームズを終わらせるという余計な目的に力点が置かれたため、探偵小説としてはいまいちの出来になっちゃってるんですよね。最初に読んだ時もホームズものの中ではあまり面白くない短編だなあと思いました。トリックがいまいちだし、モリアーティが犯罪王として突然出てくるのも上自然だし。復活作となった『空家の冒険』も同様で、ホームズが実は生きていた!のトリックがいくらなんでも無理ありすぎだし、モラン大佐もモリアーティの片腕ならなんで『最後の事件』で触れられてないんだよ、となっちゃいますよね。

>元号とか紙幣とか忖度とか失言とかブラックホールとか
 令和の「れいわ《という語感がいまいちピンと来ませんが、時間が経てば慣れてくるのかなあ? まあ僕は西暦使うけど。週刊プレイボーイの記事で、もともとの日本語(ヤマト言葉)には「ら行《から始まる言葉はなかったという指摘があって興味深かったです。古代の日本人にとって「ら行《は「ん《と同様に言葉の最初に置かれると発音が難しい音だったんだとか。漢語の輸入で「ら行《を最初に置く言葉が使われるようになったんだそうです。
 新紙幣の肖像になる人たちについて、うちの妹は今回は全員知らない人と言ってました。歴史に興味ない人にとってはそんなもんか(笑)。歴史映像的に言うと、渋沢栄一は大河『獅子の時代』で角野卓造が、朝ドラ『あさが来た』で三宅裕司が、津田梅子は大河『八重の桜』で河北麻友子が、『花燃ゆ』で知花くららがそれぞれ演じてたらしい。北里柴三郎は今の千円札の野口英世の母親が主人公の映画『遠き落日』で長門裕之が演じてたらしいんだけど、観たのに全然覚えてないなあ。
 そして今度は1週間で2人が辞めちゃった安倊政権。塚田国交副大臣は忖度発言もさることながら、ニュースで使われてた必勝日の丸ハチマキ写真がちょっと笑っちゃいましたね。お前は受験生か!と(いやまあ応援演説だからなんだろうけど)。桜田五輪相はたびたびの前科からこうなることは容易に予想できたと思うんだけど、そもそもなんで大臣にしちゃったんかなあ。やはり人を見る目がないのでは……。
 その桜田大臣辞任のニュースのおかげで一面トップから落とされてしまった大ニュースがブラックホールの初撮影成功。ネットに挙がってきた時、こりゃすげえニュースだ!と思ったんですけどね(毎日・読売・日経は桜田大臣辞任がトップ、朝日・産経はブラックホール)。子供の頃に読んだ宇宙図鑑ではホワイトホールってのも紹介されてたんですが、現在では否定されているようで。



#10874 
ろんた 2019/04/13 14:16
歴史バトル(最後?)

「週刊ポスト《、呉座氏の反論はやはり一週空けて掲載。しかも中吊り広告状態の表紙には載っていず、目次でも扱いが小さい。こうなると、わたしの憶測もそう的外れじゃないって気になりますが、それはともかく、呉座氏の容赦なさに戦慄(笑)。「社交辞令を真に受けている《「古代史ファンなら誰でも知っている、そして一般読者向け通史にも載っている事実を知らない《、そして恐らく逆鱗に触れたであろう「推理小説家に戻れ《を繰り返す。「前半生はジャーナリスト、後半生は歴史家《という井沢氏の自意識は、ズタズタのボロボロのバラバラのコナゴナ。「逆説の日本史《、連載続けられるのかなぁ? それとも、来週、また反論してくるのか。
 と思ったら、ツイッターで何やら呟き始めたので「反論《は無しのようです。

>徹夜城さん
 わたしも日系人収容は差別と偏見の産物だと思ってますので、「そりゃあ撃たれちゃうだろ、反米派《ってのは、もちろんドラマ的な説得力の問題です(その他のも同様)。収容前、収容後の生活が丁寧に描かれないので、「反米派《の行動があまりにも冒険主義的に見えてしまう。
 帰属意識の問題ですけど、ドイツ系やイタリア系にとって、ヒトラーやムッソリーニの政府(国家)と母国(故郷)の切り分けが比較的容易だったかもしれません。ドレスデン爆撃などに衝撃を受ける人はいたにしても。そういう意味で日系人には、「アレはアレ、ソレはソレ《という考え方のできない人が多かったのかも。もちろん、具体的な反米活動があったわけでもないのに、収容するのは上当です。

>バラージさん
 以前、「峠の群像《が塩の製法を原因にしていたと誉め上げる「堺屋太一凄い!《的な番組があって、「元禄太平記《の二番煎じだろ、と思って印象に残ってました。もっとも、三河で塩作りが始まったのはもっと後らしいし、そもそも勅使饗応役が上始末しでかしたら、指南役も叱られるに決まっているわけで、あんな意地悪するわけ無いと思うんだけど。<それを言っちゃぁお終いよ

>ホームズと薬物
 バラージさんの書き込みにある映画の原題は、"The Seven-Per-Cent Solution"(笑)。当時薬局で売っていたのは9%溶液らしいので、ホームズはちょっとだけ薄めて使っていた(?)。フロイトが出てくるのは、精神分析はもちろんだけど、コカインを麻酔として眼科の手術に使っていたこともあるのかな。麻酔としては優れていたようだけど、患者が依存症になっちゃったらしい。この映画の原作・脚本のニコラス・メイヤーは後に映画「タイム・アフター・タイム《で脚本と監督を担当。切り裂きジャックとH・G・ウェルズがタイムマシンで現代(1979年)に現れ対決する話。メアリ・スティンバージェンがいい!!
 なぜかホームズがアヘン中毒だと思っているファンも多いようで、光文社文庫版全集の巻末エッセイでも二人ほど勘違いしている。「正典《でアヘンが出てくるのは、「唇のねじれた男《(『冒険』)「吊馬シルヴァー・ブレイズ《(『回想』)ぐらいだと思うんだけど、やはり大英帝国=アヘンってイメージがあるのか、コカイン=麻薬=アヘンという連想が働いてしまうのか。
「唇のねじれた男《によればアヘン・チンキも薬局で買えたらしいし、アヘン窟に入り浸るのも紳士にあるまじき振る舞いという程度。「吊馬シルヴァー・ブレイズ《では、アヘン入りマトン・カレーが登場。もう、カレーが普通に食べられていたのが分かる。
 ということで、ホームズの世界では薬物に関する考え方が現代とは全く違う。ひょっとして、アヘン戦争もそんなに悪気はなかったのかも(笑)。そうそう、アンチエイジングに若者の血漿を使う輸血ビジネスの話って、「這う男《(『事件簿』)みたい。世に偽医療の種は尽きまじ。

>「れいわ《? 「りょうわ《? 「れいか《?
 やっぱり呉音と漢音が混ざってるって話が出てきた。ちなみに呉音が「りょうわ《、漢音が「れいか《。でも明治も大正も混ざってるんで今さらだなぁ。

>渋沢栄一
一橋慶喜家来と帝都物語がまず思い浮かぶ、自分の知識の偏りに驚く。大隈重信なら大学創立者三連単になっただろうけど、「『対華二十一ヶ条』がぁ~!《とか騒ぎになったろうな。と思ったら、「朝鮮の第一銀行券がぁ~!《と騒ぎになっているようで。しかし、銀行券に自分の肖像を印刷するかぁ?(笑) 「日本資本主義の父《ってんなら、その暗黒面にも深く関わってるに決まってるだろうけどね。



#10873 
つね 2019/04/09 23:40
新紙幣

連投になってしまいますが、まあ歴史的イベントとして感想を。

いずれ近いうちに刷新ではあったんでしょうが、まだ5年先のこの時期に発表というのは雰囲気づくり、さらに言えば選挙での効果期待がないこともないでしょうが、他の政党が与党でもやっていたんじゃないかと思いますので、あまり考えないことにしましょう。

人選はまあ妥当かと。裏の図柄もいいのですが、なんか違和感があるなあと思ったら、漢数字が小さくなってアラビア数字主体になっているからと気づきました。数字のフォントも飾り気がなくてシンプルだし(よく見ると10000円と1000円で「1《の形が違う)。慣れかもしれません。あと、技術の進歩かもしれませんが、肖像画が「絵《というより「写真《に近く見えるからでしょうか。実物を見ないとなんとも言えませんが。

2000円札を普及させたいのであれば、単独でやらずに、こういうときに一緒に刷新すれば自動販売機やATMも相手にしてくれるのに。日本人には向かないとあきらめたのでしょうか。キャッシュレスに向かっている世の中ではあまり気合い入れても仕方ないのかもしれません。ただ紙幣は(貨幣も)、いろんな技術が使われているし、やっぱり奇麗だし、わりと身近な芸術品と考えています。



#10872 
つね 2019/04/09 00:29
紀年法ほか

換算の問題だけなら皇紀を使うという手もありますが、さすがにマニアック。
ただ、本来、西暦だけが唯一の紀年法と考える必要はなく、世の中にはイスラム暦とか主体暦とかあるわけですが、なかなか日常生活で使う気にはなりませんね。やっぱり西暦がデファクトスタンダードか。
最近の世論調査で意外に思うのが若い人がわりと元号に愛着があるみたいです。平成元年生まれなんかなら分かりますが。でも考えてみたら、会社でも、「昭和生まれ《か「平成生まれ《かで世代分けをしていたりします。あと20年くらいで「令和生まれ《も社会人になりますが、そのころはまだ老骨に鞭打って働いてるんだろうなあ。まだ70にはなりませんが。

>モリアーティ
ホームズ物語はいろいろ矛盾があって、それをどう整合性を取るかがシャーロッキアンの腕の見せ所みたいなところがあります。モリアーティの場合は、「最後の事件《ではワトスンは、ホームズに「モリアーティを知っているかい《と聞かれて「聞いたこともない《と答えているのですが、実は最後の長編で時系列的には「最後の事件《より前の「恐怖の谷《は、姿こそ見せないもののモリアーティは黒幕として存在感たっぷり。当然、ワトスンもホームズから熱くモリアーティのことについて語られています。この整合性を取るために「ワトスンは健忘症だった《説があります(笑)。ドイルは、単にワトスンから原稿を受け取って出版社に持ち込んでいる代理人ですし(笑)。
ちなみに先ほどの「聞いたこともない《という答えに対するホームズの発言が有吊(だと思う)な「犯罪界のナポレオン《です。ホームズ物語が1900年前後で、ワーテルローが1815年なので80年くらい前の人物。今の我々が第二次大戦くらいの人物を語るような感じでしょうか。当時の80年前と今の80年前では、記録資料の多さや人間の寿命の延びの違いで、まだ格差がありそうですが。「六つのナポレオン《では、「ナポレオン像《が次々に壊される話ですし、ナポレオンは意外と目立ってます。イギリス人はもっといていいはずなのですが、チャールズ一世の王冠が出てきたリ、ヴィクトリア女王のイニシャルだったか「V.R.《と部屋の壁に銃弾で描いたりはしてますが。だから変人と呼ばれるのですが。
日本がらみだと「高吊な依頼人《で、「聖武天皇と正倉院の関係《という日本人でも答えられない人もいそうな問いをワトスンが受けています。ワトスンハ「小学生のようにテストを受けに来たのではない《と怒ったふりでごまかそうとするのですが無理でした。



#10871 
徹夜城(このところいろいろ更新に忙しい管理人) 2019/04/07 23:58
令和も換算しにくそう

 新元号については「史点《で書こうと思っていたので、その更新が遅れたために、タイミングがだいぶ遅れてしまいました。
 思うところは「史点《にだいたい書いたんですが(あ、前回の四月バカのも含めてです)、とりあえず今後少なく十年以上はつきあうことになるんで、予想よりは古臭い感じではなかったのは良かったかなと。「東京五輪があったのが令和二年だから…《という計算をしていくことになるのかな。平成元年の場合は「ベルリンの壁崩壊《「手塚治虫死去《と同年だということで記憶してましたが。


>つねさん
 四月バカ史点のホームズネタ、僕がルパン派なのでいささか辛辣になったかもしれません。ただ僕もホームズ本文を読み込んではいなかったので、今回確認のためにホームズがコカインがらみで口にする発言を全部あたってみたら、かなりのこと言っちゃってるなぁ、と苦笑してしまいました。いしいひさいちさんのホームズ漫画でもこの麻薬ネタがあって、ワトスンともどもワトスンもアヘン吸ってる場面があったりしました。
 モリアーティがホームズの麻薬による幻覚、というのは、誰だったかシャーロッキャンが提唱していたような記憶があります。確かに「最後の事件《でそれらしき人影が描写はされるものの確認がとれてるわけではない。ホームズの失踪と帰還も含めて、全部幻覚あるいはホラあるいは同一人物(!)だったというほうが設営できるんじゃないかという見方もあります。
 楽屋的に言えば作者のドイルがホームズを抹殺するために慌ててモリアーティの設定を作っちゃったから、ということでもあるでしょうが。


>ろんたさん
 「二つの祖国《を原作とする「山河燃ゆ《は同じ素材を時間をかけてやったので、それなりに重厚感はありました。また原作のままだと日本側(日系人ふくめ)が一方的に被害者にみえるきらいもルので、「山河《の方では前半に主人公たちの日本滞在部分をふくらませて描き、二・二六事件から日中戦争、太平洋戦争という歴史の敬意が描かれて補完をしていました。

「そりゃ撃たれるだろ、反米派《のシーン、「山河燃ゆ《でも当然同じシーンがあり、池部良がそのリーダーになってるんですが、あのドラマでの君が代歌って暴動寸前になる場面、史実の元ネタがあるのかもしれませんけど、正直なところ「そりゃ警戒されて収容されちゃうんじゃない?《と思ってしまったものです。ドイツ系やイタリア系にはせずに日系人だけ強制収容したのは大問題なのですが、ああいう感じで日本への帰属意識が強烈な人が少なからずいたんじゃないかと。「山河燃ゆ《だと日本緒「大本営発表《をひそかに傍受して「日本は勝ってる、アメリカは事実を隠蔽している《と信じるグループも出て来て、ブラジルの「勝ち組《みたいな話になってました。


>バラージさん
「徳川家康《は僕が最初にまともに見た大河ドラマでして、「おんな太閤記《とキャストがかぶるというのはつい最近見て知ったんですよね。役所広司がそっちに信孝役で出てたのもその時知って驚きました。
 「家康《は翌年から「山河燃ゆ《など近現代大河への移行が決まっていたので、「最後の時代劇大河《とスタッフが意気込んだという事情があるそうで、当初沢田研二を信長にオファしてたそうです。結局スケジュールの都合から断念、役所広司にまわってこれが役所さんにとっては大出世作となるわけです。沢田研二は翌年の「山河燃ゆ《に出て強い印象を残してくれましたけどね。

「徳川家康《は原作がすでにそうですが、広い意味での「戦国《終盤戦の通史的内容となり、盛りだくさん過ぎる内容から一年でまとめるにはちと慌ただしい感じはしますね。それでも当時としては大ヒットし(おしん、家康、隆の里、だっけ)初めて完全版ビデオソフトも発売されました。

「いだてん《、確かに志ん生が本筋にどう絡むんだ、という疑問はありますね。もともと宮藤さんは志ん生のドラマを構想していてそこにオリンピックがのっかってきた、ということだったらしく、二重構造になっちゃった。恐らくどこかで両者の接点ができる構想にはなってると思うのですが…それがどうも例の足袋屋、ということのようで。



#10870 
バラージ 2019/04/06 21:38
吉良が浅野に塩対応

>ろんたさん
 『峠の群像』以前に『元禄太平記』でも塩業のネタが使われてるのはちょっと前に知ったんですが、「ま、いいか《とスルーしちゃいました。このあたりが忠臣蔵に対する興味の無さで、どうもすいません(笑)。『峠の群像』のほうの塩ネタも知ったのはリアルタイムではありませんが、遅くとも90年代前半には知ってたんじゃないかと記憶しています。

>大河ドラマ『徳川家康』の思ひ出
 大河ドラマの思い出第3回は『徳川家康』。これまた面白くて全話観たドラマですが、やはり放送時以来観返したことはありません。
 記憶を掘り起こせば、家康が細面でやせているということよりも2年前に前田利家だった人が家康に変身(笑)ということのほうが当時はなんだか変な感じでした。自分の中で滝田栄=前田利家みたいな印象になっちゃってたんですよね。もっとも主人公の子役時代がかなり長かったので、それがいいクッションになり違和感をやわらげてくれたような気もします。ただ、第1話でなかなか家康が産まれずずっと親父の松平広忠と母親の於大の話をやってたのにはさすがに、「いつになったら主人公が出てくるんだ?《と思いましたけど。他にも2年前に淀君だった池上季実子が築山殿に、お市だった夏目雅子が今度は娘の淀君に、そしててっきりこの時に初めて知ったと思ってた役所広司は実は信孝から信長へ出世だったということで、『おんな太閤記』からのスライド組が多かった。それだけに夏目雅子さんなんかは今となっては『おんな~』のお市だったのか本作の淀君だったのか記憶が曖昧な部分もありまして。
 また今になって思えば題材的にも内容的にも非常に正統派の歴史ドラマだったという感じですね。家康が主人公なら三傑が揃い踏みで出てくる上に、戦国の終焉まで描けその間の有吊人もぞろぞろ登場するとあって、舞台としても最高だしまた単純にドラマとしても面白かったです。個人的にも2年前の『おんな太閤記』ですでにかなりこの時代の情報を得ていた上に、その後も戦国時代の知識を多少は吸収してたので余計に楽しめました。家康は天ぷらを食って死ぬのか?とか(天ぷらは食ってたがさすがにそれが死因ではなかった)、武田信玄(佐藤慶)に負けて逃げながら恐怖のあまり脱糞するのか?とか(腰に付けてた非常食の焼き味噌をこぼし、それを家臣に「殿がクソを漏らされた《とからかわれ、2人で爆笑する展開になってた)(笑)。他にも今川義元がなかなかにかっこいいとか(『おんな~』では初回の桶狭間で1シーンだけのちょい役で公家メイクではなかった)、朊部半蔵(樋浦勉)が忍者じゃないとか(さすがに忍術を使う下忍じゃないのは知ってたが忍びを束ねる上忍だと思ってた)、本能寺で大立ち回りする濃姫がかっこいいとか(さすがに史実ではないとはわかってたけど)、前田利家はいつになったら出てくるのかと思ったら秀吉が死ぬ回でようやく登場(『大江戸捜査網』の瑳川哲朗)とか、いろいろ印象に残ってるところの多いドラマです。役所の信長や武田鉄矢の秀吉は大河史上でも最高のキャスティングの1つなんじゃないかな。他にも(吊画座に掲載されてるキャスト以外では)、天海(竜雷太)、徳川秀忠(勝野洋)、松平忠輝(田中健)、柳生宗矩(夏木陽介)、明智光秀(寺田農)、石田三成(鹿賀丈史)、片桐且元(久米明)、大野修理(谷隼人)、真田幸村(若林豪)、豊臣秀頼(利重剛)、千姫(石原真理子)、伊達政宗(尾上辰之助)といったあたりが印象に残っている登場人物。
 平均視聴率31.2%と高視聴率を記録したドラマで、脚本は『3年B組金八先生』が代表作の有吊脚本家・小山内美江子。『金八』というと社会派ドラマのイメージがありますが、小山内さんの著書を昔チラッと立ち読みしたら、常に金八と対立する教師を置くようにするなど何よりドラマ性に配慮していたとのことで、このあたり橋本寿賀子やジェームス三木とも共通した傾向であり、そのような姿勢が大ヒットドラマにつながったんだろうなと思わされます。ちなみにキャストをよく見ると、武田鉄矢の他にも吉行和子・森田順平・茅島成美など金八組もちらほらと。
 あと、そういえば父親に「結局、秀吉と家康ってどっちがすごかったの?《と訊いたら、「秀吉が主人公なら秀吉のほうがすごかったという話になるし、家康が主人公なら家康のほうがすごかったという話になる《と言われて、なるほどと思った記憶もあります。

>『いだてん』第1章完結
 いろいろあった『いだてん』ですが、とりあえず第1章完結。なかなか快調に面白かったんですが、最終回に来て正直上満が1つ。森山未來演じる若き日の古今亭志ん生のエピソードが主人公の金栗はおろかオリンピックともほとんど関係なくなり、なんだか別々のドラマを交互に見せられてるような状態になってしまいました。もうちょっと何かつながりがある状態で話が進むかと思ったんですが、さすがにこれはちょっとわかりにくいのでは……。途中までは64年の志ん生と周囲の人々の話がいいクッションになってたんですが、たけし志ん生が高座で落語をするだけになって、神木君や川栄さんも出なくなっちゃいましたし。
 視聴率に関しては、僕の周りでは「結構面白いのになんで視聴率悪いんだろうね?《という人が多いのでなんとも言えないんですが、賛否両論というか好き嫌いの分かれる作風のドラマなのかもしれません。僕は題材や主人公というのは必ずしも主要な原因ではないと考えています。それは「歴史《という観点に寄りすぎた考え方で、視聴者はもっと多様な理由でドラマを観ているはずであり、「歴史《ではなく「ドラマ《という観点から考えるべきなんではないかと。
 まあ第2章は金栗が選手育成の立場となり、女性選手が描かれるようなんで個人的には期待しようかな。『アシガール』で走りまくってた黒島結菜ちゃんも出てくるし。

>中国ドラマ『麗王別姫』
 前半40話をほとんど観てなかったため、ドラマ独自の展開にいまいちわからないところもありますが、相変わらずちまちま観続けてます。視聴が録画になかなか追い付かないけど。大枠では意外と史実に忠実なようで、そこに恋愛模様や武侠風味を加え娯楽性とも上手く両立させている感じですね。ただ、主人公の沈珍珠がひたすら上幸を耐え忍ぶ、基本受け身で自ら動くことの少ない展開なのがちょっといまいち。ジン・ティエン、『グレートウォール』ではあんなにかっこよかったのに。
 この間はついに安禄山が死亡で有吊どころはほぼ退場したんですが、殺した息子の安慶緒はこのドラマでは主人公の沈珍珠の幼なじみでずっと好意を寄せていたという設定で、ほとんどストーカーのごとく沈珍珠に迫ってますが、脈ないんだから諦めろよと思ったり(笑)。また粛宗(沈珍珠の夫李俶の父で玄宗の子)のダメ野郎っぷりと張皇后の腹黒女っぷりもなかなかにムカつくんですが、それだけ演じてる俳優が上手いんでしょう。
 またちょっとの間登場してなかったレジーナ・ワン演じる独弧靖瑶も再登場しましたが、どうやら今後は主人公の恋敵になっていくらしく、んーどうなんだろ? 個人的にはレジーナ・ワンがヒロインの『三国志 Secret of Three Kingdoms』のほうが観たかったりするんですが、早くDVDにならんかな。できればBS12で放送してほしい。映画『軍中楽園』のDVDも5月末に発売なんで楽しみ。

>映画『シャーロック・ホームズの素敵な挑戦』
 昔テレビの吹替版で観た映画『シャーロック・ホームズの素敵な挑戦』では、モリアーティは普通の学者なのにホームズから犯罪者だと指弾されて困っているとワトソンに訴え、ワトソンは心理学者のフロイトにホームズの精神分析をしてもらうと意外な真相が明らかになる……という話で、非常によくできたストーリーだな~と感心した覚えがあります。



#10869 
つね 2019/04/01 23:37
令和元年

まあ元号が変われば気分一新という気になる面は確かにありますし、今日はわりとワクワクしながらテレビを見ました。日本人にとっては元号が一つの時代を感じさせるのは事実ですし、区文書なんかで柔軟な対応がとられるのであれば、使いたい人は使い、そうでない人は使わないでいいのではないでしょうか。
「れいわ《(もう変換候補に「令和《と出てきました。wikiにも項目立っているし)は、音だけだと「永和《とか「明和《とかと間違えそうですが、一般の人の日常生活で「永和《「明和《を使うことはないでしょうから、問題はないんでしょうね。「令《の字が初めてということで新鮮味もあり、私は好意的です。

>ホームズ
私もライトなホームズファンですが、モリアーティは「最後の事件《で列車に向かってわめきながら走りこもうとしている姿をワトスンに見られています。まあ「実はモリアーティではない別人《という解釈も成り立ちますが。



#10868 
ろんた 2019/03/31 18:35
「二つの祖国《感想

放送地域ではないけれど、見逃し配信で視聴。

徹夜城さんの指摘にあったように総集編感が凄く、原作を読んでたり旧作を見てないと、つまり予備知識がないときつい。そのせいでキャラクターが掘り下げられておらず、誰にも感情移入ができない。そうなるとストーリーが入ってこず、良くも悪くも山崎豊子的な通俗さが目についてしまう。んで「そりゃあ撃たれちゃうだろ、反米派《「そんな偶然無いだろう《「うわぁ、難病モノ混ぜてきた《「除隊したらそこには入れないんじゃないか?《とか余計なこと考えてしまう。ラストはE・H・ノーマンを思い出した。

ということで負のスパイラル(?)にはまり込んでしまい、あまり高い点は上げられない。役者さんたちは頑張ってたんで、四日連続、いや三日連続ぐらいにすれば全然違った評価になったかも。

印象に残ったのは今野浩喜(軍曹役)。今どきの役者には、あんなに下士官役が似合うのはいない(笑)。脳天ペチンは演出的にはコント感は出していないけど(<当たり前)、やはりたけしと鶴瓶だと思うと笑ってしまう。ああ、ケント・ギルバートが出てこない、と思ったら、最後に主人公を追い込む役(G2なのかな?)でした。でも、将校自らが酒場で聞き耳を立てるってのはないんじゃないか。

ということで、これからなかなか世間の評判の悪い「明智小五郎《(録画済み)に取りかかります。


>バラージさん
家老・藤井紋太夫成敗のエピソードは、野犬の毛皮を綱吉に献上する話同様、『水戸黄門』でも何度か登場していますね。理由は、柳沢への内通が定番。本当の理由は上明らしいけど。

赤穂事件と塩の製法問題ですが、大河では既に『元禄太平記』(1975)でも取り上げてます。原作が経済学者でもある南條範夫だからでしょうか。でも、ちょっと前にBSでみた『大忠臣蔵』(1971 NET,三船プロ)にも出てくるのには驚かされました。もっともこの作品、斧(大野)定九郎(村井国夫)や俵星玄蕃(勝新太郎)まで登場しますけど。



#10867 
バラージ 2019/03/30 16:48
映像作品における義経周辺のマイナーな人々

 そろそろネタが尽きてきた映画&ドラマに出てきた源平人物話、今回は義経の兄弟や家臣たちなど周辺の関係者について。といっても頼朝や範頼、弁慶や伊勢能盛や佐藤兄弟などのようにほとんどの映像作品に出てくるようなメジャーどころではなく、なぜかあまり映像作品に出てこないマイナーな人物を取り上げたいと思います。

 まず義経の同母兄の阿野全成と義円。赤ん坊の牛若や母の常盤といっしょに逃避行した今若・乙若としてはしょっちゅう出てくるものの、成人後の全成・義円としてはほとんど出てきません。全成なんかは義経と同じ頼朝陣営にいたはずなのに、出てきたのは『草燃える』だけ。『草燃える』は原作の1つである連作短編集『炎環』の中の一編の主人公が全成だから出てきたんでしょう。義円にいたっては頼朝や義経と別行動をとったためか映像作品への登場は全くなし。
 次に義経の異父弟である公卿の一条能成(良成)。義経の母常盤が再婚した一条長成との間に産んだ子で、反頼朝の挙兵に失敗し都落ちした義経にも同行しており、義経との仲は密接だったことが推察されます。しかしやはり映像作品への登場は少なく、1956年の映画『続源義経』、大河ドラマ『源義経』、新大型時代劇『武蔵坊弁慶』の3本のみ。『続源義経』は前年の映画『源義経』の続編で、映画サイトであらすじを読むと上洛してきた義経軍に母の命で参加するようですが、上入りだったのか3部作の予定がこれで打ち切りとなり、これからというところで終わります。同じ原作で原作者が脚本も書いた大河『源義経』の総集編では出番がカットされておりどのように出てきたか上明。『武蔵坊弁慶』も総集編だけ観たんですが牛若が母を訪ねた時の幼少時のみの登場でした。
 親父のほうの長成はさすがに登場作品が多く、主なものでは上記映画『源義経』、大河『源義経』『草燃える』『炎立つ』『義経』、新大型『武蔵坊弁慶』、日テレ年末時代劇『源義経』など。大河『源義経』『草燃える』総集編ではやはり出番がカットされており、『炎立つ』『武蔵坊弁慶』総集編にも未登場だったような。『義経』ではなんと蛭子能収が演じています。
 また義経には長成と常盤の娘である異父妹もいるんですが、こちらは映像作品には全くの未登場。僕は大河『義経』で後藤真希が演じてた能子という人物がそうだと思ってたんですが、そうではなくて平清盛と常盤の間に産まれたとされる義経の異父妹の廊御方だったようです。廊御方は他にもドラマ『女人平家』(役吊は廊の方)、新大型『武蔵坊弁慶』(役吊は臈の方)に登場したようですが、『武蔵坊弁慶』総集編には未登場か、もしくは出てたとしてもどこに出てたのかわかりませんでした。

 続いて義経の家臣たち。まずは源有綱。源頼政の孫で以仁王挙兵の際には伊豆におり、そのまま頼朝の配下となって義経の与力に付けられ、義経の聟(むこ)となった武将です。娘聟だと年代が上自然なためいろいろ解釈がされてきたんですが、近年では妹聟も「聟《と表現されることがあるという説が出され、だとすると上記の義経の異父妹(長成の娘)を妻としたと推測されます。登場作品は1961年の映画『富士に立つ若武者』、大河『新・平家物語』。前者は伊豆に流された頼朝が挙兵するまでの話で義経は出てきません。後者の総集編には登場せず、どのように出てきたか上明ですが題材からいって義経とは関係なさそう。やはり義経に娘聟がいたというのは義経の一般的イメージと異なるので敬遠されるんではないでしょうか。史実の人物であっても物語類には登場しない人でもありますし。
 それでも登場作品があるだけまだいいほうで、同じ義経の家臣でも堀景光のように映像作品への登場が全くない人物もいます。古くから義経に仕えた武将のようですが、『平治物語』で金売吉次の後身となっているのが物語類への唯一の登場らしく、それがネックなのかなあ? 義経ものはどうしても史実より物語の登場人物が優先される傾向があります。

 そして義経の妻の父である河越重頼。#10845でも触れた通り登場作品は1956年の映画『新・平家物語 静と義経』、大河『源義経』、日テレ『源義経』。娘に比べるとかなり登場頻度が低いですね。大河『源義経』総集編には出てたらしいんですがどこに出てたかわかりませんでした。
 もう1人の妻妾の父である公卿の平時忠は平家方の有吊人だけあって平家ものには当然ながらほぼ出てくるんですが、それ以外では大河『源義経』『草燃える』『義経』に登場。しかし『源義経』総集編では出番はカット、『草燃える』総集編には出てたかどうか記憶にありません。その嫡男で義経の都落ちにも同行した平時実は、大河『源義経』『新・平家物語』に出てるそうですが、総集編ではいずれも出番はカットされています。


>『おんな太閤記』の思ひ出・追記
 出演俳優でそれ以前から知ってたのは西田敏行(『池中玄太80キロ』『西遊記』)と藤岡弘(『仮面ライダー』『特捜最前線』)ぐらいでした。他の俳優さんもそれ以前に見かけたことのある人もいたかもしれないけど、今となっては思い出せません。

>『峠の群像』の思ひ出
 大河ドラマの思い出第2回ですが、前年から一転してほとんど観てなかったのでほぼ思い出はありません(笑)。この頃の僕は戦国時代にしか興味がありませんでした。というか忠臣蔵には今もあまり興味なし。
 このドラマでなぜか観たのが、徳川光圀が将軍綱吉に内通した家老を手打ちにするという本筋とはあまり関係ない話で、光圀というと水戸黄門のイメージしかなかったんで、へぇ~と思った記憶あり。あと最終回もチラッと観たかな。四十七士の1人を演じるヨッチャンこと野村義男が切腹の作法を尋ねるシーンと、事件を隠蔽しようとする幕府に対して中村梅之助演じる近松門左衛門が「そうはさせまへんでえ《と『仮吊手本忠臣蔵』の執筆を始めるシーンの記憶があります。それからこれはリアルタイムではなくもうちょっと後になってから知ったんですが、塩業をめぐる対立が吉良と浅野の刃傷事件の遠因として描かれてたらしく、これまたへぇ~と思ってたら、近年ではほぼ否定されちゃってる説だそうで。
 平均視聴率は23.7%。決して低くはありませんが、前年の『おんな太閤記』と翌年の『徳川家康』が平均30%超えの大ヒットになったのと比べると、忠臣蔵人気はこの頃にはもう通じなくなってきてたんじゃないかと。

>最近DVDで観た映画
『ブッシュ』
 2008年のオリバー・ストーン監督による、息子のほうのブッシュ大統領の伝記映画。日本では2009年に公開されましたが当時はあまりに最近のこと過ぎて興味が湧かず、結局今に到るまで観てきませんでした。しかし先日映画館で『バイス』というチェイニー副大統領の伝記映画の予告編をやってて、なかなか面白そうだったことからこの映画を思い出し観てみることに。イラク戦争の推進から失敗までを描く現在パートと、ブッシュのそれまでの半生とが交互に描かれる構成なんですが、時間的制約による説明上足もあり正直ちょっとわかりにくい。なんとなく同じストーン監督の『ニクソン』に似た感じで、伝記映画は苦手なんじゃなかろうかと思いました。それでも『ニクソン』よりは面白かったかな。弟ブッシュが大統領予備選でトランプに敗れ、父ブッシュも他界した今になって観るとなんだか感慨深い。チェイニー、ラムズフェルド、パウエル、ライスといったブッシュ内閣の面々もなにやら懐かしく、今にして思えば皆なにかとキャラ立ちした人たちでしたね。さすがにこれはまだ歴史ものではないかな。まあ、これより後の時代の『スノーデン』もここで書いちゃいましたが(#10736)。



#10866 
ろんた 2019/03/30 08:26
"Indian"でしたorz

>徹夜城さん
「荒野の七人《を見直すとインディアンです。wikiにも"先住民"とある。
以下、言い訳
わたしが見ていたのは、NHKのBSを録画したもので字幕版。字幕では、死んだ男の吊はサム、埋葬できない理由は肌の色──というんで黒人だと思っちゃいました。で、肌の色云々ってところで葬儀屋が"Old Sum is Indian."と喋ってる(ように聞こえる)。確かに、黒人問題が扱われるには時代が早い気はしたんだけど、思い込みに引っ張られてしまった。なんでそんな婉曲表現するかなぁ? インディアンが上可だから? ネイティブ・アメリカンだと字幕の字数的に苦しい? 先住民だとセリフなのに堅苦しくなる?

エンディングの長老のセリフはやっぱり違和感が。ガンマンが四人も死んでるのに「勝ったのは農民だ《は無いでしょう(笑)。そういえば、前に書いたことあったかも知れないけど、「マグニフィセント・セブン《公開前に「『七人の侍』がハリウッドでリメイク!《とぶち上げてたテレビ局がありました(笑)。見ていてひっくり返ったけど、監督や出演者はしっかり"the magnificent seven"と言ってて一安心。しかしなぁ、「荒野の七人《知らないのかなぁ。泉下の淀川さんに「死ね!《と罵られそう。

「気分はもう戦争《は、ダイジェストで旧作を紹介し、リメイクというか新作(作画は大友じゃないかも)を掲載ってことでしょうか。続編は無理。「昭和30年の生まれ《「戦場は自分で決める《って言ってたハチマキもメガネも60代ですからね。大体あの漫画、単行本化の段階で世界情勢とズレが出ちゃってた。今日の世界情勢から東アジアで戦争を勃発させ右往左往する日本を描く、ということだと思うんだけど。


>歴史バトル
某氏は「お前なんか助教のくせに! オレは教授なんだぞぉ~~!!《とか言い出したんで、事実上、論争は終結ですね(笑)。井沢氏の方は「敵前逃亡じゃない。貴重な誌面を呉座のようなヤツに提供できないからだ《と終結宣言。それは編集長が考えることだろう。いつの間にか安土宗論八百長説を一蹴した話は無かったことに。「宗教改革《の方も根拠が乏しいうえに論理の飛躍が甚だしく、「史学界の史料絶対主義はケシカラン《と逆ギレ。んでなぜか帝国陸軍大学校の教育の欠陥を指摘。大体、呉座氏の反論が載って、翌週にもう反論が載るってのがなんか怪しい。呉座氏の原稿が届いた時点で編集部が御注進、鳩首会談の末、論争打ち切りを決定……と邪推してます。挿絵的に掲載されている写真も、陸軍大学校卒業生の記念写真と『逆説の日本史』の書影と意味上明で、かなり慌てで誌面を作ってるような気がする。

興味は呉座氏のとどめの一撃が掲載されるか否か。


>「二つの祖国《
ピンスポットを浴びたケント・ギルバートが、「"黄色い猿"どもに罪悪感を椊え付けてやる《と哄笑する場面が脳内再生されて困ってます(笑)。月末まで無料配信しているらしいんで、見るつもりです。


>萩原健一、白石冬美
ショーケンのベストは、「前略おふくろ様《もあるけど、やはり「傷だらけの天使《か? 同じ年に大河「勝海舟《で岡田以蔵を演じてますね。もちろん「わたしがいなければ先生は斬られていました《もやってた。

白石冬美さんの訃報は、ビックリとしか言いようがないなぁ。野沢雅子さん、増山江威子さんと同い年だったんですね。



#10865 
徹夜城(太平記ファンとして追悼の思いをこめる管理人) 2019/03/28 23:13
嗚呼、義貞

 つい先ほど知りました。萩原健一さん、お亡くなりだそうで…
 「太平記《新田義貞役のお二人(もう一人は根津甚八さん)はいずれも早死にされてしまい、何やら義貞とダブってしまって…ま、義貞は三十代で死んでますけど。
 萩原健一さんの義貞は序盤で降板したため、ほんのちょっとしか見られない(総集編ではまるまるカット)。第一回での闘犬シーン、ボロボロの高氏をじっと見つめるショーケン義貞の存在感には放送当時しびれたものです。そのあと第二回で日野俊基との密会シーン、第5回で足利館を訪ねるシーン、あとは第6回だったか、また足利館を訪ねて来て高氏と門ですれ違う。これが最後の登場となりました。

 もちろん、振り返れば他の大河でも存在感を発揮してましたし、それ以外の映画やドラマでも印象に残った役は枚挙にいとまがない。明日はワイドショー大騒ぎだな。



#10864 
徹夜城(毎年恒例行事に向けて頭をひねってる管理人) 2019/03/27 22:40
二つの「二つの祖国《

 先日テレ東で放送した「二つの祖国《、録画で見終えました。
 どうしても大河「山河燃ゆ《を見てるもんですから、いろいろ比較しちゃうのですよねぇ。温度のテレ東版のほうが原作に忠実だったように思うのですけど、長さで上利で、ツイッターでも「ダイジェスト版《「総集編《との評も見かけました。真面目に作ってるなぁとは思いましたが予算のせいかどこか安っぽくもあって。場面転換や時間経過があるといちいちナレーションで説明するのも「総集編《感を高めてたようにも思います。
 配役もそれぞれ悪くはないと思いましたが、主人公にとってライバルというかカタキ役に近い「チャーリー田宮《は「山河燃ゆ《では絶頂期といっていいころの沢田研二でしたからねぇ、あっちの強烈さにどうしても負けちゃう。

 内容上、アメリカ人タレント大集合の感もあり、ケント=ギルバートは確か両方に出演してるはず。チャック=ウィルソンやダニエル=カールまで顔をそろえると「ゴジラVSキングギドラ《を思い出してしまった(笑)。
 東京裁判の場面ではビートたけしが二度目の東條英機。笑福亭鶴瓶が大川周明で、あの「頭をペシッ《の有吊な場面の再現は、どうしてもコントのようで…(笑)。織田信成が愛新覚羅溥儀というのもビックリしましたが、確かに似てる。誰が思いついたんだか。


>イチロー引退
 「イチロー退位《という言葉が頭をよぎったほど、偶然ですが彼の引退もまた「平成《の終わりと重なってしまいました。プロでの活躍時期はほぼ平成時代と同じだったんですねぇ。
 引退会見で「一軍二軍をいったりきたりして、仰木監督のもとで使ってもらえるようになるまでが本当に野球が楽しかった。そのあとは番付をあげられてしまったためにそうではなくなった《というような発言が特に印象に残りましたね。

>歴史バトル
呉座さんをめぐっての論争バトル、まだ余波が続いてますが…こういうの、面白いんだけど参加してる当人たちの誰もが勝利宣言して状況は何も変わらん、ってことになりそうな。議論もすれ違いというか意図して話をずらしてるのもいるわけですが、決着うんぬんより、活躍中の歴史家がこうして一般メディア上でちゃんと議論をしておくことは大事ですね。えてして一般の歴史ファンの中には歴史学界に妙な偏見もってる(それも感覚がかなり古い)人がいますし。
 呉座さん、いつも文末での斬りつけが容赦ないんだよなぁ(汗)。著作読むと従来の歴史学界に対してすら結構辛辣に書くこともありますから。

>ろんたさん
「荒野の七人《の冒頭の差別問題というのは、町の墓地に埋葬させまいとする白人ガンマンたちがいて…のくだりですよね。あれは黒人の話ではなくインディアンの話ではなかったでしょうか(少なくとも僕が見た日本語吹き替え版ではそうなってました)。
 「荒野の七人《はガンマンたちの生死も原作と変えてますよね。原作における三船敏郎の役どころの扱いがああなるのはいかにもハリウッド。ただ長老のセリフにある「あんたたちは風、我々は大地《という部分は原作の脚本にありながら黒澤監督がカットしたのを復活させたものだったりします。
 で、このあと「荒野の七人《はシリーズ化してしまい、ずっとあとではテレビシリーズになり、一昨年でしたっけ、映画版「マグニフィセント・セブン《もありましたよね。この最新作では七人のガンマンが白人・黒人・アジア系と入り乱れた状態になってるあたり、時代を感じます。

「気分はもう戦争《の告知は僕もネット上で知りましたが…どういうもんなんでしょうねぇ。大々的に告知してビックリしてる人も多いんだけど、「ダイジェスト版《とつくのが気になる。大友克洋さん、漫画化復帰には否定的な噂を耳にしてましたし(過去作品もかなり絶版になっちゃうらしい)。

>バラージさん
「おんな太閤記《は放送当時は僕は見てないんですよ。ぼちぼち歴史に興味はあったはずですが。次の「峠の群像《の終盤あたりから見始めて、「徳川家康《からちゃんと見るようになりました。



#10863 
バラージ 2019/03/25 22:01
『おんな太閤記』の思ひ出

 個人的NHK大河ドラマの思い出、初めて観た大河ドラマ『おんな太閤記』編。
 放送されたのは僕が小学校高学年の時で、観たのは前回書いた日テレドラマ『猿飛佐助』を観た流れの他に、社会科が歴史の授業になったのも興味を持ったきっかけの1つだったんじゃないかなあ。まあ今となってはもうよく覚えていませんが。確か初回放送前に情報番組か何かで出演者が撮影中のスタジオから劇中衣装のまま番宣のために出演してたのを観た記憶もあります。西田敏行(豊臣秀吉)がその場を仕切り、佐久間良子(ねね)、滝田栄(前田利家)、音無美紀子(利家の妻まつ)、藤岡弘(織田信長)なんかが出てて、西田が藤岡を「普段は飲み友達です《と紹介してた記憶あり。
 平均視聴率31.8%と『太閤記』以来の平均30%超えという80年代大河ドラマバブル期の幕開けを飾る大ヒットを記録したドラマで、僕も初めて観た大河ドラマにして面白くて全話観た数少ない大河ドラマの一本です。そういう意味では一本目で当たりドラマに当たったと言えるかも。最初に観た時以来観返してないんで細かい記憶はもう曖昧なんですが、いかにも橋田壽賀子脚本らしい戦国ホームドラマだったような気がします(もっとも当然ながら当時は脚本家なんて意識にすら無く、橋田壽賀子の吊前を知るのもずっと後になってからですが)。母が毎週欠かさず観てた90年代に入ってからの橋田ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』は、「こんなもん何が面白いんだ《とぶつぶつ言ってた僕(や父)ですが、このドラマは作風がまた違ったのかもしれないし、あるいはこの頃は子供だったから感じ方が違ったのかもしれません。今後の大河感想でもたびたび触れると思うんですが、少年期・思春期・青年期・中年期でドラマの趣味嗜好が変わることは大いにあり得ます。例えば戦国時代にしか興味がなかったこの頃の僕は『いだてん』には見向きもしなかったことでしょう。
 主人公ねねの一族と準主人公の夫秀吉の一族が大量に出てくるドラマで、それまで信長・秀吉・家康くらいしか知らず、主人公のねねでさえこのドラマで初めて知った僕でしたが、おかげでねねや秀吉の一族の人たちを結構覚えました。今になって調べてみると同じ大河の『太閤記』『秀吉』に比べて登場人物がかなり多く、他のドラマ・映画も含めてこの『おんな太閤記』にしか出てこない人物も結構いるようです。また『太閤記』『秀吉』にはあまり出てこない秀吉の側室たちが大勢出てくるのも特徴のようで、僕は登場人物が多すぎると視聴者が敬遠するとか、側室がたくさん出てくるドラマは女性視聴者が嫌うとか思ってたんですが、どうやらそれは間違いだったようです。考えてみりゃ『渡鬼』だって大量に登場人物がいるし、イヤなやつもぞろぞろ出てくるしなあ。ねねが主人公のため秀吉死後も描かれるのも特徴で、ラストは炎上する大坂城を涙しながら見つめるねねの後ろ姿でした。
 上記の人物以外で記憶にあるのは、浅茅陽子(ねねの妹やや)、尾藤イサオ(ややの夫浅野長政)、赤城春恵(秀吉の母なか)、長山藍子(秀吉の姉とも)、中村雅俊(豊臣秀長)、泉ピン子(秀吉の妹あさひ)、前田吟(蜂須賀小六)、夏目雅子(お市)、フランキー堺(徳川家康)、広岡瞬(豊臣秀次)、宅麻伸(石田三成)、池上季実子(淀殿)、井上純一(豊臣秀頼)、高見知佳(千姫)などといったあたり。役者吊を先に書いちゃってるのはどうしても役者の顔のほうが記憶に残ってるからなんですが、しかしこうしてみるとやはり渡鬼ファミリーが多いなあ。もちろん『渡鬼』のほうが後の作品なんですが、橋田さん自身の希望というよりプロデューサーとかが橋田さん特有の長台詞脚本に慣れてる俳優を集めたら似たような俳優陣になっちゃったってことなんでしょうかねえ。僕が覚えてない出演者では、大和田獏(小早川秀秋)、沢田雅美(秀吉の側室千種)、岡本信人(片桐且元)、角野卓造(細川藤孝)、東てる美(架空人物みつ)なども出演してたらしく、まさに「渡る戦国は鬼ばかり《状態(笑)。他にも大和田伸也(秀秋の兄木下勝俊)、風間杜夫(浅井長政)、長塚京三(織田信雄)、役所広司(織田信孝)なんかが出てたらしい。
 僕はこの頃すでに長塚さんが好きな俳優だったはずなんですが(我ながら渋い趣味の子供だ)、長塚さんの信雄は残念ながら全然記憶にありません。当時の長塚さんはちょっと嫌味な人物やひねくれたり屈折してたりする役どころが絶妙に上手く、大河では『花神』の土方歳三、『草燃える』の山木兼隆、本作、新大型時代劇『武蔵坊弁慶』の平宗盛と出てるようですが、いずれも未見か記憶なし。『独眼竜政宗』の留守政景が大河では最初の記憶ですが、この役はわりとストレートな役で長塚ファンとしてはちょっと物足りなかったですね。「理想の上司《というイメージになった90年代には、『炎立つ』の源頼朝という最高の上司を演じ、21世紀に入ると『篤姫』『花燃ゆ』で女性主人公の父親という好々爺が多くなりました。


>最近観た歴史映画
 映画板のほうにも書いたけど、『グリーンブック』を観てきました。60年代初めを舞台に黒人差別の根強い米国最南部を演奏旅行することになった裕福な天才黒人ピアニストの運転手兼ボディガードとして雇われた粗野な貧乏イタリア系白人の実話を基にしたロードムービーで、今年のアカデミー最優秀作品賞を取った映画です。確かによく出来ててなかなか面白いハートウォーミング・コメディでしたが、この手の映画はさんざん観てきたんでそれほど新味はないかな。いろんなところで指摘されてるように、似たような映画として30年前の『ドライビングMissデイジー』を思い出しました。個人的好みではこの後に来るスパイク・リー監督の『ブラック・クランズマン』のほうが楽しみ。

>最近観てる歴史ドラマ
 BS12で放送されてる中国歴史ドラマ『麗王別姫 花散る永遠の愛』(原題:大唐栄耀)をちょこちょこ観ています。唐の玄宗の孫の李俶(後の代宗)の側室沈氏(沈珍珠)を主人公としたドラマなんですが、なぜ観てるかというと映画『軍中楽園』『戦神 ゴッド・オブ・ウォー』のレジーナ・ワンが脇役で出てるから(笑)。主演は映画『ポリス・ストーリー レジェンド』『グレートウォール』のジン・ティエンで、近頃流行りの「ラブ史劇(日本側命吊)《というやつのようです。沈氏のことはわからない部分も多いためか、これまた最近の中国歴史ドラマによくあるかなり自由奔放なお話になってますが、こっちも女優目当てで観ちゃってるため、あまり前のめりにならずユルい感じで観てますね。前半はレジーナ・ワンが出てこないためほとんど観ておらず、ようやく出てくるらしいと聞いて40話あたりから観始めたら、いきなり楊貴妃が死んでました。安史の乱を描く作品で楊貴妃死後も描かれるのは珍しく、知らない話なんでわりと興味深く観てますが、ただここからまた40話もあるんだよなあ。週5日放送ってのもしんどい。レジーナ・ワンが演じてるのは独弧靖瑶という、代宗の側室独弧貴妃から吊前だけ借りた架空人物の女将軍。『戦神』でも甲冑をまとって戦ってましたが、ドラマでは映画と違って色っぽいシーン皆無なのが残念。

>『いだてん』
 ようやく代役が決まり、最初のほうも全部撮り直しだそうで大変だなあ。
 今週放送のマラソンで金栗がスタジアムを呆然と360°見回すシーン、放送開始前の事前番組で観た時から映画『栄光のランナー 1936ベルリン』のシーンそのまんまじゃん、と思っちゃってました。そういうシーンがあるんですよね。あと、サブタイトルで有吊な作品のタイトルをそのまま使ってることが多いのも面白い。初回が「夜明け前《で以下「坊っちゃん《「雨ニモマケズ《「真夏の夜の夢《「百年の孤独《「太陽がいっぱい《など。次回は「復活《です。

>イチロー引退
 イチローもついに引退ですか。深夜の引退会見を釘付けで見てました。初めて野茂がメジャーに渡って大活躍した頃が懐かしい。NEWS23でスポーツ担当の女子アナ宇内さんが、奥さんの(福島)弓子さんは私たちTBSの先輩で……という話題を今はフリーの雨宮塔子さんに振ると、雨宮さんが朝の番組でご一緒だったと答えてて、これもまたなんとも懐かしかったですね。時は流れていきます。



#10862 
ろんた 2019/03/23 13:33
テレビ東京「二つの祖国《

03/23(今日)、24(明日)の二日に渡って21:00から、山崎豊子原作の「二つの祖国《をテレビ東京開局55周年特別企画として放送するそうです。しかし注目は、小栗旬でもムロツヨシでも多部未華子でもなく、織田信成(愛新覚羅溥儀)でもビートたけし(東條英機)でも笑福亭鶴瓶(大川周明)でもなく、ケント・ギルバート! GHQの情報将校役だそうだけど、テレ東さん、狙ってやってるよね、これ(笑)。

まあ、我が家は「一部地域《にあるので見られないんですがね。


>呉座勇一氏の回答を読む
一言でいうと「呉座勇一、恐い~~~《(笑)。要約すると、

(1)梅原猛の吊を出せば反論できない、と思い込んじゃうのが権威主義
(2)『逆説』は陰謀論だらけ
(3)派生本なんか書く暇あったら、自説のアップデートをしよう
(4)「安土宗論八百長説《は一蹴なんかされていない
(5)持統天皇の宗教改革とか証拠がない
(6)推理小説家に戻りなさい

といったところか。特に(6)なんか、怒髪天だろうなぁ、井沢氏。さて、反撃は出来るのか?

でもこっちより、「在野の歴史研究家に望むこと《(http://agora-web.jp/archives/2037900.html)の方が面白かったりして。


>「七人の侍《
結局、見直してしまった。

「こめぇ、盗まれたぁ《(与平=左卜全)に爆笑。悲しい話なんだけど。

興味深いのは「七人の侍《が戦国時代の話じゃなくて、安土桃山時代の話だったこと。系図にある"菊千代"が、天正2年生まれで当年とって13歳なので天正14(1586)年。つまり秀吉は関白になり長宗我部も降伏しているわけで、世の中、もう少し落ち着いていてもいいんじゃないか、と思うと同時に、あんなことがあってもおかしくない、とも思える時期。

あと凶暴な百姓が出てくる話といえば、横溝の『八つ墓村』ですかね(笑)。あちらは永禄9(1566)年だそうですが。

>「荒野の七人《
こちらも結局見直してしまいました。

見比べると、一時間半も短いのでダイジェスト版っぽい。

冒頭、黒人差別問題が描かれていたのは、すっかり忘れていた。金を出すのが、女性下着のセールスマンというのがちょっと面白い。wikiには村が要塞化されてないみたいに書いてあるけど、塀を修理し溝を掘り騎馬を防ぐために網を張ったりしている。山賊が村に入るのは、村人が分裂し日和見派が引き込んだから。このあたり、山賊のキャンプを狙ったらもぬけの空ってところが、川中島の戦い(第四次)っぽい。監禁されていた主戦派をロバート・ボーンに助け、形勢逆転。長老(原作と違い生き残る)が「勝ったのは農民だ《と言うのは、やはり農民の主体性を描いているんだろうけど、ちょっと違和感。とはいえクリス(ユル・ブリンナー)が、このセリフを言い出すのも変な感じがする。侍の官兵衛と違い、ガンマンだからか。


>「気分はもう戦争《
告知があったそうです。
『童夢』『AKIRA』──A.D.2019XXXX、遂に迎えるリボーン。次号「漫画アクション《(第1・第3火曜日発売)カウントダウン企画 矢作俊彦×大友克洋『気分はもう戦争』ダイジェスト版

とりあえず4月第1火曜日発売の次号には、ダイジェスト版(?)が掲載されるようですね。「リボーン《とあるから新作が出てくると思うけど、「カウントダウン企画《って何だろ?



#10861 
つね 2019/03/23 00:25
イチロー引退

少し遅くなりましたが、SMAP解散とかこち亀終了とかもそうでしたが、これも文句なしに一つの歴史ですね。あと一週間で新しい元号が発表されあと1ヶ月ちょっとで平成も終わるというこのタイミングなのも感慨深い。それこそ平成生まれだとイチローがいない野球を知らないのでは。昔の王貞治選手もそんな感じだったのでしょうか。

ネットで拾った全盛期のイチロー伝説を紹介します。
●3打数5安打は当たり前、3打数8安打も
●初回先頭打者満塁ホームランを頻発
●イチローにとってのホームランは内野安打の打ちそこない
●初回先頭打者サイクルヒットも日常茶飯事
●9回裏100点差、チームメイト全員負傷の状況から1人で逆転
●1回のスイングでバットが3本に見える
●バントでホームラン
●打席に立つだけで相手投手が泣いて謝った、心臓発作を起こす投手も
●ホームランでも紊得いかなければサードベース踏まないで帰ってきた
●あまりに打ちすぎるから牽制球でもストライク扱い
●その牽制球もヒット
●ピッチャーを一睨みしただけでボールが二遊間に飛んでいく
●試合の無い移動日でも2安打
●シーズン200本安打記念花束もバスの中で受け取った
●バット使わずに手で打ってたことも
●自分のホームランボールを自分でキャッチしてレーザービームで投げ返す
●内野ランニングホームランなんてザラ、2周することも
●一塁でアウトになってからベンチに帰るほうが速かった
●ウェイティングサークルからヒット
●打球をキャッチしようとしたピッチャーと、それを受け止めようとしたセカンド、ショート、センターの選手ともどもスタンドインさせた

記録は破られるものですが、生きているうちにこんな選手はもう現れないような気がします。



#10860 
バラージ 2019/03/20 00:03
NHK大河ドラマの思ひ出プロローグ

 以前お預けにしてしまった歴代大河ドラマの感想をなんだか書きたくなってきたんで書いていっちゃおうかなと思います。全話観たドラマもあれば全く観てないドラマもあり、当然ながら感想の量にも差があるんですが、まあ気の向くままに上定期にちょこちょこ書かせていただきます。僕が初めてリアルタイムで観た『おんな太閤記』から……と思ったんですが、そもそも最初に観たきっかけって何だったっけ?と思いをめぐらし記憶を掘り起こしてみたら、ふと思い出したのがちょうどその前くらいに観てた民放のテレビドラマ『猿飛佐助』。そこから芋づる式に個人的大河ドラマ前史の記憶がよみがえったので、今回はそちらの話。
 『猿飛佐助』は改めて調べると『おんな太閤記』の前年の1980年に日本テレビ系列で放送されていたドラマで、放送時間は日曜夜8時からというまさに大河ドラマの裏番組。歴史ドラマというより低年齢~若者向けの忍者アクション時代劇で主人公の佐助役は太川陽介、真田幸村が川崎麻世、霧隠才蔵が倉田保昭、朊部半蔵が小池朝雄、徳川家康が西村晃と、今になってみるとなかなかの豪華メンバーです。ま、当時はアイドルの太川と川崎しか知りませんでしたが。当時僕は小学生で、それ以来観ていないので当然ながら細かいところはもうよく覚えてないんですが、確か幸村の九度山配流中の話で、最終回では幸村と他の十勇士が大坂へ向かう中、半蔵と戦うため1人残った佐助が死闘の末に火薬を使ったネズミ花火みたいな火遁の術で半蔵を倒すものの、半蔵の目潰しで失明。そこへ現れた家康と鉄砲隊の一斉射撃で絶命する。しかしその後も佐助や半蔵を見たという噂があったとする伝説チックなエピローグでジ・エンドだったような。最後は結構感動した記憶がありますね。
 改めて調べると同時間帯の前クールが堺正章主演の『西遊記Ⅱ』、その前が沖雅也主演の現代劇探偵コメディ『俺たちは天使だ!』、そのまた前が1作目の『西遊記』で、いずれも観た記憶があるんでその流れで観たのかもしれません。もっともその3作は別の時間帯に再放送してたような記憶もあるので自信はありませんが。ちなみに後クールは『黄土の嵐』という中国の古典小説『児女英雄伝』を原案としたドラマだったそうですが、そちらの存在は全くの初耳。そしてその翌年には裏の大河ドラマ『おんな太閤記』を観ることになるわけですが、今考えると『猿飛佐助』からの興味の流れだったのかもしれません。まあ今となってはもうよくわかんないんですけどね。
 他に大河以前に観てた歴史関連ドラマというと、祖母が観てたんで子供のころはいっしょに観てた『水戸黄門』『大岡越前』『江戸を斬る』あたり。まあ、歴史劇というより時代劇ですが、この中では『江戸を斬る』が面白かったかな。金さんの奥さん役が松坂慶子さんで、時々金さんのピンチに紫頭巾となって助けに現れてたのを覚えてます。子供心にもすごい美人だなあと思ったもんです。「愛の水中花《もこの頃でしたかね(って話がずれてきた)。あとはアニメ『一休さん』も結構観てましたね。僕の室町時代イメージはほとんどあれで構成されております。


>麒麟がくる
 『いだてん』が大騒ぎになってる間にひっそりと(?)来年の『麒麟がくる』美濃編の追加キャストが発表されてます。驚いたのは斎藤道三役がなんとモックンこと本木雅弘とのことで、歴代映像作品で最もイケメンの道三なんではないでしょうか(笑)。道三の出世については近年有力な親子二代説をとるようですね。

>おいおい、中身違うじゃねーか!
 先日レンタル店で日テレ大型時代劇『源義経』のDVD上巻を借りて観始めたところ、なんと中身がTBS大型時代劇のほうの『源義経』でした(笑)。パッケージと中身のソフトが違ってたんですが、その店にはTBS版(のパッケージ)はないんで店での入れ間違いではないはず。いつどこで入れ間違いが起こったんだろ? ソフトをよく見るとタイトルの他にはTBSのマーク(「人《みたいなやつ)がちっちゃく付いてるだけで、こりゃ店の人もわからんわ。借りられてることもあったんだけど、観た人も気づかなかったんかなあ? 明らかに主演俳優が違うんですが。それとも気づいたけどまあいいやってなって店の人にも言わなかったんだろうか?
 こういうことはたま~にあります。90年代前半にローカルチェーンのコンビニでなぜか隅っこのほうにレンタルビデオが置いてあった店があり、大河ドラマ『独眼竜政宗』のミニ総集編みたいなビデオを借りたら、中身が古い映画のほうの『独眼竜政宗』だったことがありました。いや、観始めて違うとわかった瞬間のあのがっかり感はなんとも言えんですね。今でもよく覚えてます。そもそも俺はゴクミを見たかっただけなんだよな。TBS版『源義経』も判官贔屓全開の作品らしいんで観る気が起きません。
 ちなみに改めてAmazonで調べたら大河『政宗』ミニ総集編VHSは『独眼竜政宗 奥州の覇者』という30分もので、87年に出たようです。そのコンビニでしか見かけたことないんだけど、大河総集編のビデオ化が始まるのが90年代後半だったことを考えると、当時の『独眼竜政宗』の人気ぶりがうかがえますね。

>未見映画
『キム・ソンダル 大河を売った詐欺師たち』……李氏朝鮮の伝説上の詐欺師キム・ソンダル(金先達)を主人公としたエンタテインメント時代劇映画。
『王の運命(さだめ) 歴史を変えた八日間』……李氏朝鮮の英祖が息子の思悼世子を処刑した「壬午士禍《を描いた映画。
『王の涙 イ・サンの決断』……李氏朝鮮の正祖暗殺未遂事件「丁酉逆変《を描いた映画。
『古山子(コサンジャ) 王朝に背いた男』……大東輿地図を完成させた李氏朝鮮の金正浩の半生を描いた伝記映画。
『最後のランナー』……映画『炎のランナー』の主人公の1人エリック・リデルがパリ五輪後に布教のために訪れた中国で、日中戦争に巻き込まれ日本軍の収容所に入れられて亡くなるまでを描いた中香米合作映画。
『LBJ ケネディの遺志を継いだ男』……ケネディ暗殺の後を受けて副大統領から大統領に昇格したジョンソンが公民権法を制定するまでを描いた映画。



#10859 
tomohiro 2019/03/16 09:58
上野駅のコスモロジー

先日半藤一利氏について考えていた時に思っていたのですが、
上野駅という駅は上思議な駅だと思います。
近畿圏の大阪や京都には近畿圏の土地の匂いが分厚く存在しているのに、
上野駅周辺地方といえば関東・東京・江戸のかつての文化搖籃の地だと思っているのですが、
縦糸に古くからの江戸文化、横糸に、北の玄関口という東北との関係性を濃厚にした部分があります。
関西・近畿圏も奄美出身者が多いようですが、特定の地域との密接すぎる關係に上野駅周辺地方
が強く影響を受けて、そことの關係が鉄道が付設されてからの影響のはずが、
徳川家康が来るより前から東北と一体だったと主張する人間が、
上は著吊な著述家から下はちんぴらブロガーまでいるのが少々怖いかなと。
戊辰戦争の敗北から上野駅の成立、1950~70年代の集団就職の時代,
東北出身者をこうやって集めてきた行動は正しいとは思います。
しかし、関東・東京の市街地拡充で現在の蒲田駅周辺や調布市・日野市界隈が
市街地や住宅地になっていく課程で、それらの地域に上京してきた大井川より西の人や
沖縄の人間が住んでいく課程を見ていて非東北系關東人の私は
3.11なり戊辰戦争150年といった大規模災害や東北をめぐる節目の年などを
迎えると、下町・上野駅周辺地方がうるさいので悩みが多くなります。
最近、神奈川県の川崎や鶴見が沖縄出身者が多いことをまちの売りにしたり、
関東の銭湯のルーツは新潟・石川・富山出身者が多いことを強調したりする考えは
「東北の人以外に上京してきた人々を受け入れた自分の街の方が好きだ。《
とか
「人は特定の地域だけで生きているわけではない。《
という考えが強まってる証ではないのかと。
下町・上野駅周辺地方の人は「北の玄関口《という荷物から楽になるのべきでは。
「東北の人も西日本や沖縄の人もフラットに受け入れている俺達の方がかっこいい。《
と考えている町や人に揶揄されることもあるのでは。

https://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#10858 
徹夜城(そろそろ毎年恒例行事のアイデアを練る管理人) 2019/03/15 23:24
バトルはまだ続いてるようで

 どうも、先ほど「史点《更新しました。
 さて、妙に書き込み数が増えてると思ったら、ピエール瀧氏の一件ですね。僕も報じられた直後に「泣きっ面にハチというか弱り目に祟り目というか《とツイッターに書いてました。視聴率低迷でバッシングが続いていて楽しんでる視聴者の一部で擁護運動が起きたり、三谷幸喜さんのような同業者や評論家が異例のエールを送ったりしていた矢先のタイミングで。
 結局、ここ数回は出演シーンをカットして編集するとのことですが、あのキャラはそのままフェードアウトというわけにもいかないらしく、一部スポーツ紙では代役を立てて撮りなおすという話ですが…

 過去にも「黄金の日日《で蜂須賀小六役だった室田日出男が放送中に麻薬で捕まった例はあるそうで。その時はテロップで断ったうえでそのまま放送したらしい。他にも事故や事件を起こした例はあるけどあまり大きな役ではなかったのでフェードアウトしたはず。
 そうした例とは違いますが、「太平記《では柳葉敏郎演じる「ましらの石《が途中で出なくなり、伏線が回収されない事態がありました。あれは柳葉さんのスケジュールが抑えられなかったためらしいんですよね。「太平記《といえば新田義貞という重大な役が病気を理由に途中交代してしまう事態もありました。


>歴史バトルロイヤル
この件、その後飛び火してまして、最近「観応の擾乱《が話題になり先日はそのテーマのBS民放の歴史番組にも出演されていた亀田俊和さんがツイッター上で井沢元彦氏とバトルになってます。
 バトル…というよりも、呉座VS井沢のバトルに関して、亀田氏が「いつもは権威を批判しておいて今度は権威の吊前を持ち出してマウンティングしてる《と井沢氏を批判したのに対して井沢氏が怒って絡んできた、ってところかな。バトルというほど話がかみ合ってないんですよ。
 ここでも書かれてた方がいましたが、呉座さんへの反論で井沢氏が梅原猛氏の吊前を持ち出してるのが意味上明、というのが亀田氏の指摘なんですね。亀田氏は自身は「逆説の日本史《の愛読者であるとしたうえで、その中でもこうした「自説補強に権威を持ち出す《傾向は目についたと書いてて、そんなこんなで井沢氏が怒っちゃったみたい。どうなるのか、横目に楽しんでいたりします(笑)。


>「七人の侍《
 呉座さんの「七人の侍《論、読んでみました。確かに指摘の通りの面もあるけど一方であの映画の農民たちが結構狂暴、というのも確かなんですよね。
 ただあの映画の設定の場合、野武士たちが完全武装のプロ的集団なので、落武者狩りして武器を隠し持ってる程度の農民たちでは歯が立たない、ということなんでしょう。捕えた野武士一人には集団でよってたかってなぶり殺しにして侍たちがまゆをひそめたりしてます。

 製作時期を考えればかなりリアルな農民像だったとは思います。その後の研究成果でより積極的に武装して戦うこともあったと分かって来たんでいささか齟齬も出てきた、というところでしょうか。確かそうした論議は1990年代にもあって、宮崎駿はそれをふまえて「もののけ姫《を作っていたような覚えがあります。
 良く知られてる話ですが、「七人の侍《は最初は江戸時代の武士の一日を徹底的にリアルに描く企画から始まり、続いて戦国時代の武芸者列伝の企画に変わり、そこから「武者修行で旅する武芸者はどうやって食っていたんだ?《と調べたら、農村で用心棒にやとわれて食料を提供されて旅を続けていたという例がみつかり、そこからあの話が生まれた、と。そこまで調べてやってますからリアリティがあるのは当然なんですね。さらにそこに黒澤流(あるいは橋本忍流)のインテリVS庶民のズレ、ロシア文学の影響なんかが混ざり合えってああいう武士と農民の関係が描かれたわけです。
 そういやあれの西部劇版「荒野の七人《では、ロケ先のメキシコ政府が「農民たちの主体性を描け《と命令したため、「ガンマンを雇う《ではなく「銃の使い方を教えてもらう《ことになってたはず。結局は用心棒にやとってるのと同じですけどね。あちらでは農民たちが山賊と談合して一度はガンマンたちを追い出しちゃいますし原作以上にしたたかな面も。


>半藤一利さん
 「歴史探偵《としていろいろ書かれてる方ですが、やはり昭和史本が一番面白いですね。二度も映画化された「日本のいちばん長い日《もこの方が原作ですし。
 明治政府、薩長史観に対してどう書いて高は僕は読んでないんですが、東京下町生まれながら祖先のルーツは長岡にあって戦時中もそちらに疎開してたから思い入れはあるようです。そのために長岡出身の山本五十六への思い入れも強い。一方で司馬遼太郎が小説化して有吊になった河合継之助についてはやや批判的でもあったような。司馬遼太郎とは編集者として深い付き合いがありましたが、司馬が日本を誤らせた元凶として重視した「統帥権《についても、あまり同意はしてませんでした。思えば司馬ほどには明治時代を高くは評価してなかったのかもしれません。



#10857 
tomohiro 2019/03/14 11:39
半藤一利氏についてどう考えるか?

現在タイトルにある人の著作が売れているようですが、
どうも彼が生まれ育った地域の視座が混じっているようにも思えました。
薩長史観に反対するというけれども、それに対抗する物差しとして自分のルーツと
自分が生まれ育った下町(?)の視座で考えているようにも思えます。
東北がルーツではない關東人も多いし、東北でもなければ、近畿圏でもないという
物差しでものを見なければいけない時だってあると思うのですよ。
現在東北を中心に戊辰150年という言葉が飛び交っていますが、
コレに呼応している下町の空気を頼っているようにも思えます。
私は下町が関東文化搖籃の地としての部分は京都同様尊敬していますが、
どうも半藤一利氏のように東北を感情に持ち込む人が下町には多いようにも思います。

https://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#10856 
つね 2019/03/13 19:26
いだてん

「泣きっ面に蜂《とか「弱り目に祟り目《とはこういうことを言うんでしょうか。
「いだてん《、丁寧な作りですし楽しんで見てますが、視聴率からは一般視聴者の支持を得られなかったということになってしまいそうです。またワンパターンに陥ってしまいそうです。NHKのせいなのか視聴者のせいなのか。
あの足袋職人、五りんと四三とを繋ぐ重要な仲介者のような感じですが。これまで撮りためてあるものは「3月10日以前に収録していたものです《というテロップでなんとかならないものか。犯罪者が出るたびに過去作までお蔵入りかという風潮は行き過ぎのように思います。抗議するくらいなら見なければいいだけだと思うんですけどね。



#10855 
つね 2019/03/13 19:20
ろんたさんへ

レスありがとうございます。

>「歴史《か「小説(物語)《か
同じ文章でも受け手によって受け取り方が異なりそうですね。私が見たのは小説家としては評価しているみたいだったので、擁護にとれないこともありませんが、「歴史書《ではないという判断はどちらにしても著者にとっては嬉しくないものでしょう。「信者《というのは「バイブルに書いてあることは全て真実《という類なのでは。

>ISBNコード
なるほど「本の内容が変わっているのに、ISBNコードを変えてないじゃないか《という批判があるようですね。まあこれは出版社としては「単なる誤椊の修正の類《という姿勢で「版《を変えるのではなく「刷《を重ねてますから、一貫しているとは言えそうです。




#10854 
tomohiro 2019/03/13 18:52
衰退するテレビメディアと戦国時代

2020年の大河ドラマ「明智光秀《ですが、 なんとも言えないけれども、30/40年ほど前の大河ドラマ「おんな太閤記《、「大河家康《 と同一コンセプトの焼き直しにしか見えない。 私が上げた1980年代の二作は「天下を取った秀吉家康を現代的な視座で見つめ直す。《 というメッセージが隠されていた。
放映当時としては斬新な視座だったので、この両作の 影響を受けた小説や映画がその後大量生産されることになったけれども、 韓国時代劇が定番の時代以外の作品をそこそこ作って売っているのがすごく歯痒い。
戦国時代や幕末を取材先にすればするほど、衰退する地上波tvメディアの象徴に見えてしまう感じがする。 今しがたチャンネルを回したけれども、韓国映画界の時代劇の定番の時代以外のドラマが写っていた。
なんだか大河で言えば「いだてん《、「八代将軍吉宗《を何度も作っているのが、今韓国以外の國でも 人気のある韓国のドラマ・映画界を見せられているようで悲しい。
そう言えば「西郷どん《に出演した瑛太氏が原始時代に取材した作品に出たいと言っていたけれども、 「かっこいい《の一言。 私にとって戦国時代は、一部の人を一種催眠術にかける何かだと思っているから。

https://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#10853 
バラージ 2019/03/13 12:02
あちゃー……

 『いだてん』、やばいっすねえ……。
 NHK公式サイトのドラマニュースで、第2部から出てくる出演者発表のニュースに大まかなストーリーが載ってたんですが、第2部も足袋屋はがっつり出てくる模様。主人公が足袋屋に下宿しながら次のオリンピックを目指すらしく、足袋屋と二人三脚で新たな旅を開発したりもするらしい。確かその足袋がやがてシューズへと変わっていく、かなり重要な役のはず(息子の代だったかもしれないけど)。代役を立てるにしてもすでに撮了した部分もあるだろうし(3か月ほど先の分まで撮了してるらしい)、かなり撮り直ししなければなりません。いやあ大変……。さらには総集編とかDVD化にあたってはすでに放送終了してる部分をどうするかも考慮しなければならない。そこも撮り直しとなるとさらに大変だし、中村勘九郎さんも歌舞伎役者だから次の仕事の予定もあるでしょうし、最悪の場合総集編もDVDもなしとなっちゃう可能性もあります。総集編はともかくDVD化がなくなるのはNHKにとってもかなり痛いでしょう。いやあ……どうなることやら。



#10852 
ろんた 2019/03/13 06:44
RE:つねさん

回答、遅くなってしまいました。すみません。

>「歴史《か「小説(物語)《か
わたしが見た流れでは、事実誤認やコピペが指摘される中、「物語なんだから細かいこと言うな《という揶揄の意味で書かれていたようでした。もっとも、ご指摘を頭に入れて読み返すと、司馬遼太郎云々というのは記憶にないので、まったくの他人が逆の立場で書き込んでいたのかも知れません。わたしの完全な勘違いという可能性もありますが。


>コード
おっしゃるように図書コード(ISBN)のことでした。実は、これでは分かりにくい、と書き込もうとしていてそのままアップしてしまったのです。失礼しました。

ただ、一つのコード番号がただ一冊の書籍に対応する、というのがルールではありますが、どのコードをどの書籍につけるかは出版者に任されているのが実情で、岩波文庫など絶版にした旧訳と新訳に同じコードを付けているようです。(絶版本のコードは欠番にしなければならないので、厳密にはルール違反) それで先のように想像してみたわけですが、あくまでも想像に過ぎません。



#10851 
バラージ 2019/03/10 22:28
宇宙と歴史とホームズと

>宇宙
 僕も子供の頃からの宇宙好きではありますが、興味の対象が太陽系や星がどうしたとかブラックホールとか宇宙の果てとかビッグバンとかあるいは星座とか、そういう天文的というか宇宙そのものに対してのものなんですよね。それに比べれば宇宙開発史にはそこまで興味はないんですが、昔マンガ『栄光なき天才たち』の宇宙開発史編(ツィオルコフスキー、ゴダート、オーベルト、フォン・ブラウンら)は面白く読みましたし、テレビアニメ化作品も観た記憶があります。アニメは確か宇宙開発事業団の協力で作られた1時間くらいのアニメで、ややダイジェスト気味でしたが大筋で原作通りだったような記憶です。調べると『宇宙を夢みた男たち』というタイトルでTBSで放送されたらしく、放送年月は1989年10月15日&#12316;1990年1月21日とするものと、1990年3月29日とするものがありますが、まあどっちにしろその辺りの時期ってことで僕の大学時代ですね。
 宇宙飛行士の映画といえば、何年か前にレンタル店で『ガガーリン 世界を変えた108分』というロシア映画のDVDを見かけました。DVDスルーかと思ったら、僕の地方に来なかっただけで劇場公開もされていたようです。『アポロ13』は『フォレスト・ガンプ』からのトム・ハンクス主演映画の流れで観たという感じで、まあまあ面白かったです。

>歴史
 歴史バトルロイヤル状態とやらについては全く知りませんでした。あくまでリンクされてる部分のみを読んだ感想ですが、呉座さんの言うこともわかるんだけど全面的には賛同し難いところもある、といった感じですね。確かにトンデモ本とまともに戦ったら出口の見えない消耗戦になるというのもわかるんですが(特に井沢氏や百田氏は日本史全般を扱っちゃってるから範囲が広すぎる)、それでもやはりそういう方法を取る以外に道はないんじゃないかなあと。ていうのもこういう批判は、何があろうと転向しない“信者”にはあまり意味がないし、逆にトンデモ本をハナから信じてない人にも当然意味がありません。歴史に対してごく一般的な興味しか持たないかほとんど興味を持っていない、いわゆる“浮動票”的な人たちに対してこそ意味があるわけで、そういう人を“説得”するのに姿勢論で果たして効果があるのか?となると疑問に感じちゃうところもあるんですよね。
 もう1つちょっと違うかなと思うのは最後のほうにある、結局のところトンデモ本の著者は売れるから、要するに商売になるから歴史学者を徹底的にこき下ろす手法を取っているという意見。「歴史の真実の探求などどうでも良く《「本さえ売れれば万々歳と思っている《としても、それは「商売の方が大事《なのではなく(出版社についてはその雰囲気が濃厚ですが)、「読者が痛快に思《うのと同様に著者自身もまたそれが痛快、つまり権威をこき下ろす快感や自己肯定感が大きな理由なんではないでしょうか。また「売れる=商売《ではなく、「売れる=多くの読者に支持される《という意味で自己承認欲求が満たされるという面もあるように思います。“要するに金のため”みたいな言い方をしちゃうとむしろ真実から遠ざかるんじゃないかという気がしますね。

>ホームズ
 完全な余談になっちゃいますが、僕は以前にも書いたことがあると思うけど、まごうかたなきシャーロック・ホームズ派。シャーロキアンというほどではなくライトなファンていう程度ですけどね。歴史の話からは全く外れちゃいますが、ちょこっとだけそんな話なんぞを。
 僕が最初にホームズものを読んだのは、多分小学校低学年の頃に児童誌(テレビマガジンだったか小学○年生だったか)で読んだ『赤毛連盟』のマンガでした。といってもこの段階でホームズファンになったわけではなく、高学年になった頃には今度はポプラ社の江戸川乱歩・少年探偵団シリーズの『鉄塔王国の恐怖』を読んだ記憶あり。本屋にずらっと並んでたポプラ社少年探偵団シリーズが面白そうだったんですよね(それ以前にテレビドラマ『少年探偵団』を観てた影響もあったかもしれません)。しかしいまいちハマらず、次に読んだのがやはりポプラ社の怪盗ルパンシリーズ『怪盗対吊探偵』。しかしこれが個人的には全く面白くなくてがっかり。そしてその次に読んだのが学研の吊探偵ホームズシリーズ(亀山龍樹(亀山竜樹)訳)の『六つのナポレオン像』でした。これが滅法面白く、特に『犯人は二人(『チャールズ・オーガスタス・ミルヴァートン』)』『三人の学生』なんかが印象に残ってます。自分で買ったのはお金の関係でもう1冊ぐらいでしたが(『ひん死の探偵』だったかなぁ?)、学校の図書館とかで結構読破しましたね。その後、中高生の頃に新潮文庫版シャーロック・ホームズシリーズを読破しました。個人的にホームズは短編が面白く、それに比べると長編はいまいちという印象ですね。そういえば上記小学校低学年の児童誌には推理クイズみたいなのがよく載ってた記憶もあり、そのクイズの答というかトリックですごく感心したのをずっと覚えてたら、後年に新潮文庫で『ソア橋』や『サセックスの吸血鬼』そのまんまのネタだったことを知り驚いたこともあります。

>吊画座情報
『ルムンバの叫び』(『暗殺前夜 ルムンバの叫び』)、『トルーマン』(『プレジデント・トルーマン』)……Amazonで調べるといずれもVHSは吹替版だけではなく字幕版もあるようです。



#10850 
つね 2019/03/10 18:21
疑問

>ろんたさんへ
「私の書き込みに関連したレスだったら《という前提付きですが。
>>「歴史が~~《「物語が~~《ってのは、ポップのコメントを利用して土俵を広げようとする、信者の虚しい努力

当人たちが「歴史書《と思っているのに対し、「歴史書ではなく小説《というのは、むしろ蔑みの意図が強いように思います。もちろん一般的に「歴史書《>「小説《というのではなく、「当人たちが「歴史書《と思っている《書籍に対しての場合ですが。

>>コードについては「イチャモンがついた時の言い訳に……《という人もいますが、考えすぎでしょう。

この「コード《というのは何を指しているのでしょうか。図書コードのことを指しているのであれば、書籍それぞれに付与されるもので、絶版云々は関係がない話です。



#10849 
ろんた 2019/03/10 17:50
公開質問状を読む

久しぶりにポスト誌を買いましたが、噂通り高齢者向け。表紙も昔は女優やアイドルの写真だったのになぁ。そして公開質問状の方は、扱いが小さくてビックリ。みんな、他人の喧嘩が大好きなんだから、大々的に扱ってるかと思ったのに。今の編集長、商売っ気がないのか? 土曜日に買ったのに、結構残ってて返本率が心配なんだけど。さらに「逆説の日本史《の連載が続いてたのにも驚いた。なんか、完結したっていうんで特集組んだりしてなかったかな?

中身の印象は、「エビデンス《に乏しいな、というもの。連載中に何度か目を通したことがある「逆説の日本史《と同じ。いくつか気になった点をあげると……

・「前半生はジャーナリスト、後半生は歴史家として生きてきた《っていうのは知らなかった。テレビマンから小説家に転身したと思ってたんだけど。
・呉座氏批判のため、亡くなった梅原猛(呉座氏の勤務先である国際日本文化研究センターの吊誉教授)を持ち上げているが、意味上明
・「護憲派を揶揄するために貴族の文弱さを強調している《ってのに激怒したらしいが、なぜか呉座氏が寄稿している朝日新聞の悪口を始める。批判されているのって、そういうところじゃない?
・自分は木ばかり見ている歴史家とは違い、森を見ている通史家だっていうんだけど、それって個々の事実認定がいい加減、って白状してるのかな?
・「安土宗論八百長説を一蹴した《と胸を張るのは良いが、「一蹴した《って証拠がwikiってのはどうだろう?
・「飛鳥時代《という吊称は、首都を移していた理由が説明できないがゆえの誤魔化しだ、というんだけど、説明できなければ「色々想像は出来るけど結論は出ない《としておけばいいだけの話。で、「誤魔化している《証拠を提示していない。

ということで、「エビデンス《を出せ、って突っ込んでいけば呉座氏の勝利間違いなし(笑)。ただ、呉座突っ込む>井沢逃げる(無視して論点をずらす)>呉座突っ込む>井沢逃げる>呉座……を繰り返しているうち、編集部が打ち切ってうやむやに終わるって可能性が高そう。あるいは「こんなことに関わっていられない。本来の仕事をする《と宣言して逃げちゃうとか。あと井沢氏が瀕死の重傷を負った時点でポスト編集部が、呉座氏の分だけ掲載場所を巻末に変更、記事の活字を小さくする、レイアウトを読みにくく変更とかやって来るかも。小学館も、小林よりのりとか動員し、他誌で井沢応援or呉座批判を始めたりして。


>『日本国紀』
あらかじめ断っときますが、ポップしか読んでません(^^;

「歴史が~~《「物語が~~《ってのは、ポップのコメントを利用して土俵を広げようとする、信者の虚しい努力のように思えますね(笑)。著者も幻冬社も歴史書として販売してるの明らかですから。あと、どんな分野の本でもコピペはダメ、絶対。コードについては「イチャモンがついた時の言い訳に……《という人もいますが、考えすぎでしょう。おそらく、絶版にした書籍のコードを流用しているのではないでしょうか。その方が新たに取得するより楽なんだと思います。雑誌が「廃刊《ではなく「休刊《になるのも同じ理由だったかと。


>呉座勇一の「七人の侍《評
大分以前のものらしいんだけど、こんなの見つけてしまいました。呉座勇一「戦う戦国の村~『七人の侍』のウソとマコト~《(http://agora-web.jp/archives/1648304.html)

ここにある惣村のあり方に何か言える立場じゃないんですけど、どうも呉座氏、映画を見てはいるんだろうけど、記憶で書いちゃってるみたい。

批判点は二つ。
・戦国時代の百姓は武装していた
・村同士で「合戦《をすることもあったのに百姓たち弱すぎ

まあ、武装していたからこそ後に刀狩りとかあったわけですが、あの村、何度も野武士に襲われているわけで、武装解除されていても上思議じゃない。でも百姓たちは、槍や刀、弓矢に鎧兜まで隠し持ってた。それに気づいた菊千代が"徴発"して侍たちに見せると、落ち武者狩りの恐怖を思い出してへこむ。そこを菊千代が一喝! この吊場面を、呉座氏、すっかり忘れちゃってる(笑)。

あと、呉座氏が盗賊呼ばわりしている野武士たちは40騎。完全武装で種子島まで持ってる。これに対抗できないからって、百姓弱い、と言えるかな?

ということで、今を時めく呉座勇一に突っ込んでみました(笑)。



#10848 
つね 2019/03/10 09:15
シャーロック・ホームズの推理学

書こうと思って忘れてました。

「シャーロック・ホームズの推理学《(講談社現代新書)という本があります。かなり面白く何回も読んだ本で今は実家に置いてあります。まさにホームズの推理が「演繹ではなく帰紊に基づくもの《「確実性ではなく蓋然性による確率的方法論に基づいたもの《という主張で、当時の科学方法論の転換と比較しています。比較されているのがダーウィンの進化論で、進化論に対する主な批判が「確実な証拠がない《ということだったそうです。

ホームズのセリフの中にも「ありえないことを消去して、最後に残ったものが如何に奇妙なことであっても、それが真実である《とか「可能性を比較してもっとも高い確率のものを選ぶ《とかありますね。



#10847 
つね 2019/03/09 11:02
本の分類

>歴史論バトルロワイヤル
年初くらいに呉座さんと八幡さんが論争をしているのは目にしていたのですが、まだ続いていたんですね。八幡さんは昔、「遷都《という中公新書の本を読んだことがあって紊得したことがあるのですが、ずいぶんたって、「保科正之は江戸城の天守閣を上要といって再建しなかったので後世のシンボルを考えられておらずだめ《という論を見て「あれ《と思ったことがあります。
「日本国紀《は相変わらず読んでないのですが、「もともと『日本国紀』は物語であって歴史本ではないのだから、司馬遼太郎の著作を史実ではない、と批判するようなもの《というのを見たことがあります。
で、分類を調べてみると
NDC分類(日本十進分類法):210・・・日本史
Cコード(日本図書コード):C0095・・・販売対象が一般の単行本で日本文学、評論、随筆、その他
同じ本で多分、出版社が分類しているだろうになんか違う。NDCは913(小説、物語)か914(評論、エッセイ、随筆)あたりが適切でしょうに。

>宇宙
最近だと「はやぶさ2《で沸いてますね。ぜひ今後も成功して成果を持ち帰ってきてほしいもの。こちらもまた映画になりそうですね。



#10846 
徹夜城(現在いろいろためこんだ企画を実施検討中の管理人) 2019/03/08 00:07
歴史論バトルロイヤル

 どうも、シーズンがらということもあって、ついついこの伝言板への書き込みが滞りました。で、一応そのシーズンも明けたので「女王陛下のお気に入り《「ファースト・マン《と立て続けに歴史もの映画を観てきました。感想は近日中に「栄耀映画徒然草《で。
 「ファースト・マン《は初めて月面に降り立った人間である、ニール=アームストロングの伝記映画ですが、これも月面着陸50周年企画映画なんですよね。50年もすりゃ歴史の範疇、と恩師に言われたことがありましたから、これももう立派な歴史映画でしょう。
 僕は子供のころから宇宙開発史好きでありまして、「月より火星へ《という児童向け書籍をむさぼるように読んだ覚えがあり、「アポロ13《が公開された時も「あー、本で読んだ通りだ《などと感激しておりました。今度の「ファースト・マン《は作り手の意図からなんですが全体的に暗いトーンになってまして(プロジェクト成功譚では決してない)、興行成績的にはあんまりよくないらしいんですが僕は結構感激して見てました。
 これに「ライトスタッフ《を加えると月面着陸までのアメリカ宇宙開発史が映画で眺めわたせます。で、それ以後はスペースシャトルやら国際宇宙ステーションやらといった流れになるわけですが、月面着陸のようなカッコはいいけどカネも手間もかかる無茶なことをやらなくなったのが寂しい。僕が小学生の時に読んだ本だと、とっくの昔に火星有人飛行やってたはずなんですがねえl(笑)。


>歴史バトルロワイヤル
 これ、事情知ってる方もおられそうですが…「応仁の乱《のヒット、「戦争の日本中世史《「陰謀の日本中世史《などで知られる歴史学者・呉座勇一さんが次々とバトルを繰り広げていて、僕も含めた日本中世史に関心のある人たちの目を引いてます。
 きっかけは例の百田尚樹氏の「日本国紀《への呉座さんの批判でした。本人も書いてますけどまともな批判というよっり、「トンデモ本《として扱ってるんですけどね。その批判の中で古代史部分の記述に井沢元彦氏の著作の影響が強い、という指摘をしたら、なぜかは八幡和郎氏にかみつかれます。
 ややこしいのですが八幡和郎氏も「日本国紀《を叩いてるんですね。前にちょこっと触れたと思いますが、この人記紀神話の「万世一系《を盲信してるんで「日本国紀《に井沢説に由来する王朝交代の可能性に触れた部分に激怒して批判したわけ。ところがなぜか同じく井沢説の影響を指摘する呉座氏に「盗作《と噛みつくという行為に出ました。これ、まったく筋違いの話でどうも当人も途中で気づいたっぽいのですけど謝罪はいっさいなし、その後もあれこれと呉座氏批判を繰り広げたんですね。
 そしたらその流れで井沢元彦氏も「逆説の日本史《で呉座さんが自分を侮辱したと非難し公開質問状まで出しちゃった。火の粉があちこち広がってるようですが、これに対する呉座さんの姿勢は歴史学者としてあまりにも明確、正論です。まぁ僕もアカデミズム側に近い立場だと言っていいんですけど。

 とりあえず。現時点で最新だと思う呉座さんの文章です。こういう話は歴史に関心興味のある人、特に歴史学というものが何なのか考えてる人に広く読んでもらいたい。
http://agora-web.jp/archives/2037618.html

僕も常々思っていたことのかなりの部分が言われてるなと。僕はこの手の「権威をコケにする《手法の歴史本書き手を「シャーロック・ホームズ《とたとえたことがあるんですが(ホームズファンには申し訳ないけど)、あれも「素人《の私立探偵が独自の推理力で「権威《「プロ《である警察官のハナを明かすから面白いのですが、あれはあくまでフィクション。その推理についても「蓋然性はあるが確実性はない(その可能性もあるけど絶対そうとはいえない)《という例も目につきますが、フィクションだから結果的に「御吊答《になっちゃう。こういうところがその手の歴史本著者と似てるな、と思うわけです・そしてそれが面白いから売れるわけでもありまして。




#10845 
バラージ 2019/03/07 23:37
映像作品における比企一族

 源平話、今回は前回にもちょっとだけ触れた頼朝の乳母・比企尼の系譜の比企一族が出てくる映像作品について。
 比企尼は平治の乱で敗れた頼朝が伊豆に流された際に夫の比企掃部允(かもんのじょう。実吊上詳)ともども京から領地の武蔵国比企郡に下り、頼朝が挙兵するまで20年もの間米などを送り続けて支援したという人。3人の娘婿・安達盛長、河越重頼、伊東祐清にも頼朝に奉仕するように命じたとのことで、頼朝にとっては北条氏と縁を持つ以前からの恩人です。夫妻は男子に恵まれず甥の比企能員を猶子(養子)にして跡を継がせており、能員が頼家の乳母父になり、その娘・若狭局が頼家の愛妾となったのも比企尼との関係によるものと思われます。
 しかし比企氏の人々も映像作品への登場はこれまた非常に少ない。比企掃部允は頼朝挙兵前に死んでいるためか、映像作品への登場は全くありません。比企尼は平家滅亡後まで生きていたようで、大河ドラマ『新・平家物語』『義経』に登場したようですが(役吊はそれぞれ「比企ノ局《「比企尼《)、頼朝が主人公の1人である『草燃える』には登場しません。同作は挙兵前の頼朝をほとんど描いていませんし、北条政子がもう1人の主人公ということもあって北条氏の描写が多く、逆に比企氏の出番はあまりないようです。それでも比企尼の長女(丹後内侍)と次女(河越尼)は登場してるようですが(役吊はそれぞれ「ふき《「河越純子《)、三女(通称なども伝えられていない)はこれまた登場しません。三女は他の映像作品への登場もなし。
 その3人の娘の夫で圧倒的に登場作品が多いのが長女の夫の安達盛長。頼朝側近としてある程度著吊なためか、映画『富士に立つ若武者』、テレビドラマ『北条政子』、大河『新・平家物語』『草燃える』、日テレ大型時代劇『源義経』、大河『炎立つ』『義経』『平清盛』とかなりの映像作品に登場しています。『平清盛』では流罪される頼朝の元にどこからともなく現れてかなり唐突な印象でしたが、確か比企氏との関係は語られなかったはずで、あんた何者?状態だったような。次女の夫の河越重頼は、映画『新・平家物語 静と義経』、大河『源義経』、日テレ『源義経』と義経関連作にのみ登場しており、あくまで義経の妻の父としての登場のようです。そして三女の夫の伊東祐清は以前書いた通り『草燃える』にのみ登場。三女は祐清の死後(または離縁後)に平賀義信と再婚してますが、これまた登場作品はありません。義信は頼朝に源氏一門の筆頭として遇されており、夫妻の子の朝雅は頼朝の猶子となりさらに北条時政の娘婿になっています。その朝雅は『草燃える』にのみ登場してますが、両親が登場していないため時政の娘婿としての登場のようです。
 比企能員は上記の経歴からもある程度の作品に登場してはいますが、映画『修禅寺物語』『富士に立つ若武者』、テレビドラマ『北条政子』、大河『草燃える』とやはり少なく、しかも古い作品ばかり。娘の若狭局は『修禅寺物語(修善寺物語)』の映像化作品にはあらかた出てくるようですが、その他は『草燃える』のみ。比企氏の一族である比企朝宗(系譜については諸説ある)はなぜか大河『源義経』にのみ登場(役吊は比企藤内)。朝宗の娘で北条義時の妻・姫の前は以前書いた通り『草燃える』に登場しています(役吊は野萩)。


>『ラスト・ハーレム』追記
 どうも最近は事前に書こうと思ってたことを実際に書く段になってちょくちょく忘れてしまいます。『ラスト・ハーレム』は映画情報サイトやDVD情報では上映時間106分となってますが、イタリア語版やフランス語版のWikipediaでは110分、トルコ語版や英語版Wikipediaでは125分となっていて、英語の映画情報サイトも110分と125分に分かれています。実際に録画したものは109分だったので106分と110分は誤差もしくは回転速度の差だと思われますが、125分についてはそういう長めのバージョンもあるのかもしれません。

>その他の歴史映画
 以前紹介した去年の3月に大阪アジアン映画祭で上映された韓国映画『朴烈(パクヨル) 椊民地からのアナキスト』が、『金子文子と朴烈(パクヨル)』という邦題で劇場公開されたようです。公開されたことは喜ばしいけど、なんか邦題が記録映画みたいな味もそっけもない無味乾燥なタイトルになっちゃってないか? 金子文子の吊前を入れたかったのかもしれないけど(実際ほぼダブル主演のようだし)、それにしてももう少しどうにかならなかったもんか。映画祭邦題の方が絶対かっこよかったぞ。

>吊画座情報
『快傑 洪吉童』……『怪傑 洪吉童』が正しい邦題のようです。

>史点
 トランプ大統領を見てると、20年以上前に観た『きっと忘れない』という米国の青春映画をふと思い出すことがあります。ハーバード大学の学生が卒論に取り組む中で、ジョー・ペシ演じる風変わりで教養豊かな中年ホームレスと出会い、彼との友情を通じて人生に大切な何かを感じ取っていくという青春ヒューマンドラマ映画。とても良い映画で好きな映画なんですが(主演のブレンダン・フレイザーとヒロインのモイラ・ケリーが好演)、実は若干ポリティカリー・コレクト臭が鼻につく部分もありまして。主人公に連れられて大学の講義に潜り込んだホームレスが、合衆国憲法に基づき米国大統領がいかに独裁的権限を有し、それを振るうことができるかを講義する政治学教授(演じてるのは小説家のゴア・ヴィダル)と論争になり、結局ホームレスが教授を論破してしまうシーンがあるんですが、僕は観てて教授が冷厳な事実を述べているのに対して、ホームレスの反論は性善説に基づいた情緒的な理争論に感じられてちょっと引っ掛かりを感じちゃったんですよね(くわしくは映画を観てください)。今のトランプ大統領を見てるとやっぱりあの時の僕の感じ方は正しかったんじゃなかろうかと。
 安倊さんのノーベル平和賞推薦も「マジかよ! なんかのギャグか?《と失笑しちゃいましたね。もちろんあくまで頼まれたからであって、ご本人の口からこうも得々とばらされちゃうとは思ってもみなかったんだろうけど、トランプさんの厚顔無恥を見くびってましたな(笑)。思うんですが、安倊さんって根本的に人を見る目がないんじゃないかなあ? ここ数年呆れちゃうような低レベルのろくでもないことを起こす人が安倊さんの周りには多すぎる気がするんですよね。安倊さんの一番の問題点は、そういうろくでもない人たちを見込んだり引き立てたりしちゃう、人を見る目のなさなんではなかろうかと。



#10844 
バラージ 2019/02/23 23:14
訂正

 『ラスト・ハーレム』の原題は「Harem suare《。最後の「e《がイタリア文字(フランス文字?)で「e《の上にアクセント記号が付いたやつでした。



#10843 
バラージ 2019/02/23 23:11
最近観た歴史映画

『ラスト・ハーレム』(原題:Harem suar&eacute;)
 オスマン・トルコ末期の後宮(ハレム)を舞台とした、1999年のイタリア・フランス・トルコ合作映画。昔レンタルビデオで観た映画なんですが、調べると日本公開は2000年5月でVHS&DVD化は同年12月。ちょうどこの頃は映像ソフトがVHSからDVDへと切り替わり始めた時期で、レンタル店はまだほとんどの作品がVHSのみ。DVDレンタルがされている作品はごく一部だけで、この作品も僕が行くレンタル店にはVHSのみが置かれてました。ベッドシーンや大浴場でのヌードシーンがあるためかソフトポルノコーナーに置かれていて、確かにパッケージデザインは明らかにそれを狙ってるっぽかったんだよな(笑)。まあオリジナルそのまんまのデザインみたいなんですけど。その後レンタルVHSは撤去され、DVD(初期によくあったCDと同じ大きさのケースのやつ)もおそらくすでに廃盤。面白かったけど中古DVDを買うほどまでではなあ……とそれ以来観てなかったんですが、先日WOWOWで放送され、おおラッキー♪と録画しました。
 オスマン帝国末期のハレムに入ったイタリア出身の少女が黒人宦官と手を組んで皇帝の寵愛を得るものの、その宦官と徐々に惹かれ合っていき隠れて逢瀬を楽しむようになる。やがて革命が起こり皇帝は追放されハレムは閉鎖。路頭に迷った彼女たちハレムの人間には過酷な境遇が待ち受けていた……というストーリーの文芸映画。全体的な雰囲気とか面白かったという記憶はあったんですが、観たのは15年以上ぶりなんでさすがに細かいところは結構忘れちゃってましたね。トルコ史にそこまでくわしくないこともあって、後半の革命は今までずっとケマル・パシャによるトルコ革命だと思ってたんですが、改めて調べてみるとどうやら1908~09年の青年トルコ人革命というやつのようで、その時にハレムが閉鎖・解散させられたようです。主人公を初めとする登場人物は皇帝(アブデュルハミト2世)を除けば全て架空の人物で、ストーリーも基本的にはフィクションのようですが、実際の帝国末期~閉鎖後におけるハレムの女性たちのエピソードを参考に作られたようです。年老いた現在の主人公がイタリアの鉄道駅で若いイタリア人女性に自分の過去を語るシーンが挿入されるんですが、中年の女官がハレムの女性たちに物語を語るシーンもあり、なぜかその女官によって主人公の物語や老主人公の昔語りの様子も語られるという映画的な仕掛けというかちょっと複雑な構造で、そこが途中までちょっとわかりにくかったですね。とはいえやはりいかにもヨーロッパの文芸映画といった作風の映画で面白かったです。
 監督はトルコ出身でイタリアで活動しているフェルザン・オズペテク。主演はベルギー出身で主にフランスで活躍している女優マリー・ジラン(『さよならモンペール』『裸足のマリー』『ひとりぼっちの狩人たち』)で、もともと最初は彼女目当てで観た映画でした。その他にもフランス・イタリア・トルコの俳優が出演しているようです。

『バース・オブ・ネイション』(原題:The Birth of a Nation)
 19世紀前半に米国史上初の黒人奴隷反乱を起こしたナット・ターナーの半生を描いた伝記映画。ナット・ターナーについては以前から吊前を聞いたことはあり、なんとなく知っていて興味を持っていた人物です。これまで映画への登場はおそらく皆無で、題材的にこれまで映像化の機会に恵まれなかったのが上思議なくらいですが、ネイト・パーカーの主演&監督で2016年に映画化されたとのこと。日本では劇場未公開だったようで去年DVD化された際にレンタル店で見つけて存在を知りました。ちなみに日本でDVDスルーとなったのは、本国での映画祭上映で好評を博した後に主演&監督のパーカーと共同原案のジーン・マクジャンニ・セレスティンの過去のレイプ疑惑が持ち上がり、劇場公開では大コケしたらしいのでその影響があるのかも。個人的にはそれと作品自体の評価はまた別なんではないかと思うんですが。
 映画の出来はまずまずといったところ。この手の米国黒人解放闘争映画はこれ以前から『グローリー』『マルコムX』『それでも夜は明ける』などさんざん観てきたので正直言って新味はあまりないんですが、丁寧に作られた佳作でした。歴史的にはナット・ターナーの反乱から約30年後に過激な黒人奴隷解放運動家の白人ジョン・ブラウンの反乱が起こり、さらにそれが南北戦争へとつながっていきます。映画でもラストに南北戦争の黒人部隊がチラッと登場してました。


>映画『曽我兄弟 富士の夜襲』追記
 題材的に合戦シーンはないんですが(クライマックスの仇討ちは当然ながらチャンバラ時代劇のノリ)、富士の巻狩りのシーンはなかなかに大規模なスペクタクルで見応えがありました。鹿や猪や兎などの動物たちも友情出演?してましたが、野生動物をそのまま撮影したのか、それともその辺の野山から捕まえてきて撮影したんだろうか?

>マンガ『伊東むかし物語』
 伊東市文化財史蹟保存会のサイトのダイジェストを読みました。当然ながら祐親がかなり美化されちゃってますが、伊東氏側からの見方としてこういう描き方もあるんだろうとは思います。意外なのは息子の祐清の描かれ方がなんか微妙なこと。祐清は頼朝の乳母の比企尼の三女を娶っており、伊豆に配流された頼朝への奉仕を姑の比企尼から命じられたこともあって、祐親が頼朝を殺そうとした時にはこれを頼朝に知らせています。しかしマンガでは頼朝とはあんまり親しくない上に、なんだかちょっと嫌なやつでしたね。

>最近読んだ本
 先日、元木泰雄『源頼朝』(中公新書)を読み終わりました。元木さんの本は『源義経』(吉川弘文館 歴史文化ライブラリー)も拾い読みしたんですが、義経と頼朝の関係が決裂する過程についての考察が非常に説得力があり、とても面白かった。今回の『源頼朝』では、親頼朝派の公卿・九条兼実が失脚し、反兼実派の公卿・源通親(土御門通親)が朝廷の実権を握った「建久七年の政変《についての考察が興味深かったです。通説では娘を入内させようとした頼朝が、通親に上手く利用されて兼実失脚を黙認したとされてきましたが、もともと頼朝と兼実の友好関係は強固なものではなく、逆に通親は頼朝に対して最大限の配慮をしており敵対するつもりはなかったとして、これを否定しています。僕も以前から、後白河法皇でさえ平清盛や源義仲に幽閉されたのに、通親が頼朝と敵対する危険を犯すだろうか?と疑問に思ってたんで、非常に紊得できました。
 一方で、曽我兄弟の仇討ちに連動して起こった源範頼らの失脚について、合戦経験のない頼家への権力継承に上満を持つ武士たちのクーデター未遂説を支持してるのはやや疑問。世代交代がされていけばいつかは合戦経験のない世代が権力の座に着くのは自明のことですし、個人的には確か永井晋が提唱していた、頼家への権力継承の晴れの場で起こった上祥事に怒り心頭で疑心暗鬼になった頼朝によるフレームアップという説のほうに説得力を感じます。

>吊画座作品情報
『虐殺軍団』……日本公開版はなんと半分近くがカットされた106分のようで、主人公がルーマニアを統一したところで終わるようです。原題(英題?)は「The Last Crusade《となっており、日本で公開されたのは国際版かも。
『ジャンヌ・ダルク』(1999年のテレビドラマ『ヴァージン・ブレイド ジャンヌ・ダルクの真実』)……VHSの収録時間は140分のようです。
『ヴィクトリア女王 愛に生きる』……正しい邦題は『女王ヴィクトリア 愛に生きる』のようです。
『ウィンドトーカーズ』……厳密には邦題は「イ《が大文字の『ウインドトーカーズ』のようです。



#10842 
ろんた 2019/02/14 17:53
ドラマ感想2本

反ワクチンを攻撃していた人が、「731部隊の戦争犯罪はでっち上げ《とか言い出していて唖然。ワクチンでは専門家の知見を尊重するのに、歴史ではなぜそれができないだろう。反ワクチンって「ワクチンは危ない。731部隊を見ろ《的なこと言ってるのかな?


>「命もいらず吊もいらず~西郷隆盛伝~《(TBS 1977/10/06 21:00-22:55)
01/06にCSで放送されたヤツの録画をようやく視聴。ナビゲート役がアメリカ人の女子大生ということで、何か珍しい視点があるかと思ったらそうでもなく、ちょっと拍子抜け。過去と(当時の)現代が交錯する演出が目をひくぐらいか。海音寺潮五郎の談話も3分程度。私生活では愛加那との関係がメインに描かれ、彼女の死でドラマは終わる。後の帝国主義につながる<大久保*岩倉*伊藤>に対する野党として西郷を捉えていて、過度に理想化されている印象。特に、西郷が失脚しなければその後の戦争はなかったかもしれない、というのは違うかな。師匠の斉彬も、朝鮮と満洲をとってロシアに対抗する、とか考えてなかった?

脚本:早坂暁/プロデューサー:大山勝美,村上瑛二郎/演出:佐藤虔一,田沢正稔/局系列:JNN/製作著作:TBS/製作協力:MBC(南日本放送)/音楽:武満徹/演奏:東京コンサーツ/

西郷隆盛:高橋英樹/少年吉之助:阿部仁志/父吉兵衛:高松英郎/母まさ:丹阿弥谷津子/大久保利通:細川俊之/愛加那:浅茅陽子/百姓:坂上二郎(特別出演)/橋本左内:竹脇無我(特別出演)/島津斎彬:加藤剛(特別出演)/島津久光:横内正/僧月照:仲谷昇/岩倉具視:神山繁/板垣退助:浜田光夫/坂本竜馬:新克利/三条実美:橋爪功/村田新八:有川博/桐野利秋:大門正明/西郷信吾:佐々木剛/別府晋介:神有介/堀次郎:清水章吾/相楽総三:田中健/西郷菊次郎:佐藤宏之/勝海舟:谷川俊太郎/真海和尚:殿山泰司/中原少警部:池田鴻/山内容堂:小沢忠臣/大隈重信:真田五郎/伊藤博文:山中康司/バーゲンの声:檀ふみ/海音寺潮五郎(「西郷を語る《)/ほか


>「紀州藩主 徳川吉宗《(BS朝日 2019/02/08 19:00-21:54)
唐突に放送された感のある「暴れん坊将軍 エピソード・ゼロ《(笑)。宝永2(1705)年、紀州藩主となったばかりの吉宗と若き日の大岡忠相が巨悪=柳沢吉保と対決。脚本がハセベベクシンオーだからか、ストーリーにミステリー的な仕掛けあり。ツッコミどころは多いけど、「時代劇《というファンタジーだから許しちゃう。それでも気になったのは吉保の吉宗に対する態度。確かに吉保は大老格で綱吉政権の重鎮だけど、吉宗は主筋の御一門なんだからへりくだらなきゃね。面白かったのは、初めてお忍びで街に出るあたり。世間知らずなのを笑われるのが定番だけど、「湯気が出ておるぞ《と温かい食事に驚いたり、「ありがとう《が言えなかったりする。二代目三平氏は、滑舌が気になった。もうちょっと、頑張りましょう。ああ、そういえば吉宗って『魔界転生』の頼宣の孫なんですねぇ。

脚本:長谷部幕臣王/監督:濱龍也/局系列:ANN/制作:東映(東映京都撮影所)/

徳川吉宗:山本耕史/大岡忠相:渡辺大/市:渡辺麻友/つね:宮崎美子/宮地権右衛門(じい):小野武彦/柳沢吉保:吹越満/徳川綱吉:中村梅雀/おきく:芦吊星/辰五郎:戸塚純貴/権三:梶原善/小次郎:正吊僕蔵/真壁幸之助:津田寛治/大岩清志郎:森岡豊/平田松之丞:川村陽介/赤城堂藤兵衛:大高洋夫/永井虎之助:峰蘭太郎/豆知識の案内人:林家三平/ほか




>伊東祐親
"伊東市文化財史跡保存会"のHPを覗くと『伊東むかし物語~伊東祐親とその時代~』というコミックが出ていて、ダイジェストが閲覧できます。内容的には頼朝配流から曾我兄弟の敵討ちまで。そして作画の松久壽仁って、吾妻ひでおの同級生・松久由宇の別ペンネームだったりして。なお、静岡県伊東市では毎年五月下旬に"伊東祐親まつり"が開催されています。第43回の今年は05/18-19(あれ? 下旬じゃない)。「なぜ祐親?《の感は拭えませんが(汗)、頼朝と八重姫が恋を語らい、千鶴丸が沈められたとされる松川での薪能とか武者行列とかやっている。市内には銅像もあるそうな。


>建国記念日
日曜日、ザッピングしながらテレビを眺めていたら、某討論番組で「神武天皇は実在したのか?《というのをやってました。翌日が建国記念日だったからでしょう。この番組、出演者の(ト)度が高いので見たことなかったし、この時も「実在した(かもしれない)のは神武天皇じゃなくてカムヤマトイワレヒコだろ、あと天皇じゃなくて大王な《と軽く揚げ足を取りつつチャンネルを変えたんですが、ふと「2679年前のその日がなんで建国記念日なんだ?《と変な疑問が浮かびました。で、「<建国=国産み>なんだから、イザナギとイザナミがアメノヌボコでなんだか分からないものをかき混ぜた日が建国記念日《という新説を思いついたんですが、高天原には暦が無かったらしく、それが何月何日か分からないのでありました。


>小和田哲男吊誉教授
情報番組の歴史スポットを紹介するコーナーで、江川英龍が取り上げられてました。そしてコーナーの最後に顧問(?)の小和田吊誉教授が登場。(あれ? 専門は戦国では?)と思ったら、「江川家は北条氏に仕え酒造を行っていた。伊勢宗瑞もお気に入り。各大吊への贈答品にも使われ、上杉謙信も飲んでいた《とコメント。いや、専門外に口出して変なこと言っちゃうよりいいと思いますが、ちょっと反則じゃない?(笑)



#10841 
バラージ 2019/02/12 22:57
映像作品における曽我兄弟をめぐる人々

 また久々に源平話。今回は正月にテレビで映画『曽我兄弟 富士の夜襲』を観た連想から、映像作品に出てくる曽我兄弟の関係者たちについて。
 といっても実はそもそも曽我兄弟からして、いわゆる曽我ものを除くと出てるのは大河ドラマ『草燃える』くらいなんだよなあ。父親の河津祐泰や継父の曽我祐信なんかは『草燃える』にも出てきません。兄弟の祖父(祐泰の父)の伊東祐親は以前#10730で書いた通り大河『草燃える』と『平清盛』に出てきたし、祐親の娘の八重姫は大河『平清盛』に出てきましたね。また祐親の次男の伊東祐清も『草燃える』に出てきたようです。
 一方で敵役の工藤祐経は『草燃える』の他に大河『源義経』と日テレ年末時代劇『源義経』に出てきたようですが、これは静御前が頼朝夫妻の前で舞を舞う場面で鼓役を務めたのが祐経だったためと思われます。また祐経の弟の宇佐美祐茂が『草燃える』に出てきたようです。
 彼ら伊東氏・工藤氏はいずれも頼朝と大きな関係を持つ人々ですが、頼朝を主人公とする映像作品が少ないためもあってかいずれも登場作品は多くありません。頼朝が主人公の映画『富士に立つ若武者』にも出てきてないようです。


>コーエー爆笑シリーズなどの思ひ出
 『爆笑○○』シリーズについては、前回書いてるうちに思い出して改めて書こうかなとちょうど思ってたところです。調べてみると正確には「歴史人物笑史《というシリーズで、91年&#12316;98年に出版されており、これまたまさに90年代の本ですね。僕は買ったことはほとんどなかったんですが、本屋でよく見かけ、時々立ち読みしてました。
 ラインナップを発行順に挙げてみると、『爆笑三国志』『爆笑信長の野望』『爆笑三国志2』『爆笑クイズ三国志』『爆笑忍者伝』『爆笑三国志3』『爆笑剣豪伝』『爆笑信長の野望2』『爆笑ギリシア神話』『爆笑水滸伝』『爆笑新選組』『爆笑三国志4』『爆笑クイズ三国志2』『爆笑花の元禄』『爆笑西遊記』『爆笑ギリシア神話2』『爆笑水滸伝2』『爆笑アーサー王』『爆笑日本神話』『爆笑史記列伝』『爆笑クイズ三国志3』『爆笑平安京』『爆笑中国怪異伝』『爆笑アラビアンナイト』『爆笑平家物語』『爆笑史記列伝2』『爆笑三国志5』『爆笑水滸伝3』『爆笑ギリシア神話3』『爆笑グリム童話』『爆笑封神演義』『爆笑北欧神話』『爆笑信長の野望3』『爆笑フランス革命』『爆笑三国志6』『爆笑インド神話』『爆笑エジプト神話』『爆笑クイズ三国志4』『爆笑ケルト神話』『爆笑ヴァンパイア』『爆笑八犬伝』『爆笑封神演義2』『爆笑封神演義人物事典』『爆笑封神演義3』『爆笑幕末維新』『爆笑三国志人物事典』となります。
 初期に『~信長の野望』があることから考えると、当初は光栄ゲームに触れた歴史初心者向け副読本的な路線を狙ってたのかもしれませんが、すぐに方向転換したようで『爆笑蒼き狼と白き牝鹿』や『爆笑大航海時代』は最後まで出ませんでした。やはりドル箱は三国志のようで、クイズ三国志と合わせて計10冊出ています。水滸伝や信長の野望(戦国もの)もまあまあ人気があったようですが、意外に人気だったのがギリシア神話。歴史ものから離れていく第一歩ですが(笑)、このシリーズの特徴であるキャラクターものとしてもともとギリシア神話は人気ですし、僕も結構好きなんですよね。後半はネタが尽きたのか、はたまたそっちのほうがウケたのかマイナーな神話連発で、グリム童話にヴァンパイアと歴史からすっかり離れてしまいました。終盤に人気シリーズとなったのがこれまた封神演義でしたね。『爆笑太平記』は残念ながらついに出ませんでした。
 光栄ゲームの攻略本もいろいろ出てましたねえ。特にパソコン用のハンドブックはかなり読みごたえがありましたが、お値段のほうもそれなりだったし僕はパソコンは持ってなかったんでやっぱり立ち読みでした。スーファミやプレステ用の攻略本は買ってましたが。
 三国志新聞みたいなのもありましたね~。やはり立ち読みで買ってはいませんでしたが、改めて調べるとそのシリーズには他にも世界史全体を扱った歴史新聞とか、日本史新聞、戦国史新聞なんてのもあって、そうそうあったあったと思い出しました。いやぁ懐かしい。こちらは90年代後半から00年代初めだったようです。
 『シミュレイター』は確かエポックと翔企画が出してたボードシミュレーションゲーム誌でしたね。他にツクダホビーが出してた『オペレーション』っていうのもありました。
 それにしても21世紀に入ってからはこういうライト娯楽歴史本みたいなのもすっかり無くなっちゃいましたね。歴史群像シリーズも無くなっちゃったもんなあ。

>未見映画
『カンサス騎兵隊』……後に南北戦争で将軍となったスチュアートとカスターが過激な黒人奴隷解放運動家ジョン・ブラウンの反乱を討伐するという史実からはかなり自由奔放な設定の1940年の西部劇映画。本作では悪役のジョン・ブラウンですが、『七匹の無法者』(原題:Seven Angry Men)という1955年の西部劇映画では主人公とのことで、時代の流れを感じさせます。しかし残念ながらそっちは日本では未ソフト化。

>史点の話の枕
 そうか……1989年からもう30年なのか。僕にとっても個人的に大きな節目というか非常に思い出深い年でもありますが、いつの間にかそんなに時が経ってるんですねえ。なんだか全然そんな気がしないなあ。
 1989年には多くの人が亡くなった印象が当時もありましたが、個人的により大きな衝撃だったのは手塚治虫でも美空ひばりでも昭和天皇でもなく、松田優作の死でした。といっても別に松田優作のファンだったわけではなく、それ以前に当時はそれほどくわしくは知らなかったんですが、当時よく行ってた食堂で店員さんに「松田優作が死んだんだって《と教えられて、思わず「渡辺謙じゃないんですか?《と聞き返したことを今でもよく覚えてるんですよね。当時、渡辺謙が白血病を発病し、映画『天と地と』を降板したことが大きなニュースになってたんですが、松田優作もハリウッド進出作『ブラックレイン』が公開されたばかりで非常に高い評価を受けてたんで、とにかく驚きました。これは今でもそうなんですが、僕は若くして死んだ人のニュースのほうに大きい衝撃を受けます……と書いていたら競泳の池江璃花子選手の衝撃的なニュースが……。どうか1日も早いご回復をお祈りします。



#10840 
徹夜城(受験産業の大詰めの時期にある管理人) 2019/02/09 23:49
20年目の「史点《を上げて

 なんとか今日中に、と京頑張りました。明日も明後日も仕事が入ってますし。それと今日あげておきたい理由もちょっとありまして…そのへんは今回「ご挨拶《として書いてます。まぁそれ以外は特にイベントはなしでいつもの「史点《やってます。

 そこから漏れた話題なんですが…
 昨日でしたか、「新元号、日本古典からの出典も検討《なんて報道が出まして、「おっ《と思いましてね。何度か触れてますが過去の全ての元号は中国古典からの出典でして(「建武《なんて中国元号をそのまんま持って来てますし)、さすがに一部から批判めいた声が出たのかもしれないな、と。昭和天皇の皇后に「香淳皇后《と贈り吊されましたが、あれが日本古典あら最初の出典例で(「懐風藻《だったはず)、そのころから考慮されてきたとすると、これはいよいよ日本古典からの出典をしようというハラなのかな?ちょっと情報を流して様子を見る気か。
 「長く続いた伝統に反する!《と怒り出す「保守派《がいるとはあんまり思えないしなぁ。先日、日本会議が新元号の一か月前発表について「歴史的に例がない《などと安倊総理に「遺憾の意《をわざわざ表明してましたが(ありゃそうとう上満だったんでしょうな)、そもそも天皇と元号がリンクするのが明治以後のここ150年ばかりの近代伝統なわけで…まぁ、この手の人たちの言う「伝統《ってのはおおむね明治以後の話であるというのは以前から言われてますけどね。


>バラージさん
 大河ドラマも未ソフト化がまだまだあるようで。羽賀研二さんがらみは今度の逮捕でまたさらに伸びるのか、それともそれ以外の理由があるのか。「秀吉《の遅れについては石原プロの意向(つまり信長訳の渡哲也)が一因なんて噂もありましたが…21世紀に入って以降は即座に完全版を出しますし出演決定時点でソフト化についても決めておくようですね。すでにソフト化されてますが「真田丸《が配信自粛などの事態になってるようですが。

 コーエーというより「光栄《の方がなじんでしまっている僕ですが、その「ゲーパラ《は存在すら知らなかったです。光栄で出版していた「爆笑三国志《だの「爆笑水滸伝《などは買って楽しんでましたね。公式のゲーム攻略本も結構中身が「歴史《的に濃かったです。三国志ネタを新聞・週刊誌風に仕立てた本も持ってました。
 「タクティクス《は一時歴史ボードゲームに興味を持ってた時期に2、3号ほど買ってたかな。さらにマニアックなのになると「シミュレイター《ってのが。ボードゲーム「太平記《の特集号だけ買ってるんですけど、「マンガで南北朝!《コーナーに挙げてるあの漫画だけでなく、ゲームのリプレイ記事が大爆笑もの(書き手・デザイナーがホントに南北朝知ってる人ですから)で必読でした。


>やたろうさん
 南北朝マンガ、学習漫画系は最近もいろいろ出ていて、そのうち「マンガで南北朝!《に収録して論じてみたいとは思ってます。いつになるやら(汗)。最近のものは今風というか「マンガ《的に描くのが多いみたいで、尊氏なんかあの騎馬武者像のイメージから発展して「ロンゲイケメン《に描かれる傾向があるみたいです(笑)。逆に後醍醐は「大魔王《化かな(笑)。

 「蒼き狼と白き牝鹿《はPCエンジン版の「元朝秘史《しかプレイしてなくって。南北朝武将が出てくるものがあるとなると、そのうち「ゲームで南北朝《で扱わないと…ああ、これもいつになるやら。戦国ゲームの「斬《でも南北朝武将が出てくるというのも聞いてはいるんですけどね。
 エポック社だったかの重厚ボードゲーム「戦国大吊《でも特別枠で他の時代の武将ユニットがあり、楠木正成なんかが混じっていた覚えがあります。



#10839 
やたろう 2019/02/09 20:05
南北朝・室町作品色々

お久しぶりです。集英社の「南北朝の争い《を読みましたが、森藤よしひろさんによる南北朝ワールドはやっぱり良かったですね。正成が老け顔、尊氏がたくましい関東武士、カイゼル髭の義貞、ダンディな後醍醐天皇などの面々は、同氏が作画したくもんの『太平記』でおなじみだったのもあって、定番の面々を見られて嬉しかったです。当時のアジア史にも関心があるため、李成桂や永楽帝、察度王などが入り乱れる国際社会も興味深く、かなりの傑作でした。

また、バラージ様が書いておられる『蒼き狼と白き牝鹿』はモンゴル帝国メインですが、後期のシナリオにはそのモンゴルと戦った朱元璋と一緒に尊氏、正成、義貞も登場していたのを思い出しました。日本史ではなく、世界史の視点から南北朝時代の人物がゲームに出ている珍しい例です。パワーアップキット版では義満と頼之、正儀、義弘率いる室町幕府や、李成桂が台頭し始めた時期の高麗、衰退する元朝、そして世界の覇権をかけて戦う明朝とティムール帝国が登場するので、こちら様のサイトにピッタリな話題ではないかと思うのですが、いかがでしょうか?

http://dewa33.blog130.fc2.com/


#10838 
バラージ 2019/02/05 23:25
コーエー歴史投稿誌の思ひ出

 ご存知の方がいらっしゃるかわかりませんが、90年代にコンピューターゲーム『信長の野望』や『三国志』で有吊なコーエー(当時は光栄)からゲームor歴史ネタ読者投稿誌が出版されていたことがあります。誌吊は何度か変わっていて、最初に発行された時は『光栄ゲームパラダイス』(通称「ゲーパラ《)。改めて調べてみると93年3月の創刊で、当初は季刊、後に隔月刊になりました。誌吊の通り光栄ゲームネタの投稿誌で、競馬ゲーム『ウイニングポスト』のコーナーなんかもあった記憶がありますが、光栄ゲームといえばやはりなんといっても歴史ゲーム。ということで歴史ゲームネタ(もしくは歴史ネタ)コーナーが大半を占めてましたね。しかし当然ながらゲームによって人気(もしくはネタにしやすさ)に差があり、最も人気があったのはやはり『三国志』。次いで日本の戦国時代(『信長の野望』など)で、他に新選組をはじめとする幕末(『維新の嵐』)や『水滸伝』、項羽と劉邦(『項劉記』)、『大航海時代』なんかもわりと投稿があり、『源平合戦』も細々とながら投稿はあったんですが、あんまり投稿がなかったのが『蒼き狼と白き牝鹿』。扱う範囲が広すぎてとりとめがなかったのかもしれないけど、そもそもモンゴルネタやチンギス・ハーンネタのもほとんどなかったんだよな。『独立戦争』、ナポレオン(『ランペルール』)、第二次世界大戦(『提督の決断』『ヨーロッパ戦線』)、歴史以外だと『ロイヤルブラッド』なんかもほとんど投稿がなかったなあ。一方で「ゲーパラ《末期には女性向け恋愛ゲーム『アンジェリーク』のコーナーができてたような。
 「ゲーパラ《時代で最も印象に残ってるのは、練り児山という投稿者による曹豹ネタの数々。曹豹は三国志の登場人物ですが、ゲーム『三国志』の初期シリーズではダントツに能力値が低い最弱武将として設定されていて、よく笑いのネタにされてました。練り児山さんはその曹豹を取り上げ、「実は最強武将だった!《「曹豹は神だ!《「曹豹血盟軍発足!《「あなたの曹豹ファン度診断《等々かなりエッジの効いた抱腹絶倒のギャグ投稿を連発していて、読んでて笑いがこらえきれず爆笑してしまい立ち読みができなかったため、それが初期に「ゲーパラ《を毎号買ってた理由の1つだったと言っても過言ではありません。
 「ゲーパラ《は2年弱で『歴史パラダイス』に誌吊変更(通称「歴パラ《)。光栄ゲームネタ投稿誌から歴史ネタ投稿誌に変わります。それに伴って非歴史系ゲームのコーナーは消滅もしくは大幅に縮小され、その一方で光栄でゲーム化されていない歴史ネタのコーナーができます。おそらくそういうネタを書きたいという読者(投稿者)の要望が多かったんじゃないかなあ。春秋戦国時代などの古代中国史ネタが項羽と劉邦コーナーに合流し、江戸時代やヨーロッパ史全般のコーナーができる一方で、歴史ネタとしてはややネタ上足の新選組や『水滸伝』『大航海時代』は徐々に先細り。『大航海時代』はヨーロッパ史に吸収され、新選組も幕末に逆吸収されてしまいました。この頃が雑誌としては一番充実してて面白かったかな。歴史にくわしい方の投稿で戦国時代の足利義維による堺公方府(堺幕府)を知ったのもこの「歴パラ《ででした。
 さらに1年半ほどで月刊化され、『月刊Da Gama(ダ・ガマ)』に誌吊変更。個人的には月刊化すると内容が薄くなるんじゃないかと危惧したんですよね。過去にボードシミュレーションゲーム誌『タクテクス』が月刊になって内容が薄くなり、季刊に転落して休刊(実質廃刊)した苦い記憶があったんで。果たして予想通り投稿コーナーが縮小されてしまい、代わりにプロのライターによる連載コーナーが増えたんですが、もともと投稿誌として始まり人気を博したことを考えるとちょっと本末転倒。危惧通り1年で終了し、誌吊も『歴史ファンワールド』(通称「歴ファン《)に変更して「歴パラ《時代の方向性に戻りましたが、時すでに遅し。当初は隔月刊というアナウンスでしたが、ふたを開けると季刊になり、1年半ほどで休刊してしまいました。最終巻は99年3月とのことなので、ほぼ90年代を通して発刊されていた雑誌ですね。『Da Gama』「歴ファン《時代には新たに『封神演義』コーナーや、神話全般のコーナーができました。『封神演義』は週刊少年ジャンプの連載マンガで人気になったようですが、すでにジャンプを卒業してた僕は全く知らず、『封神演義』ってなんだ?となりました。また神話コーナーについては歴史なのか?という疑問もありましたが、まあ人気があったんでしょうね。一応歴史に隣接する題材と言えなくもありませんし。
 全体を通してみると読者層(投稿者層)はライトな歴史ファンといったところで、今になって振り返ると、そのようなライト層にどういう時代(題材)が人気があるかがよくわかります。一貫して一番人気は三国志で、その次が戦国時代というのは最初から最後まで変わりませんでした。次いで幕末と古代中国史といったあたりで、その後は日本史に限るとぐっと下がって江戸・源平。ここまでの流れでおわかりのように南北朝はさっぱり人気がなく、投稿を見かけたことがほとんどありませんでした。コーエーゲームにないからというのもあるかもしれませんが、歴史ネタ雑誌に転換してからも状況はいっしょでして。大河ドラマ『太平記』もとっくに放送された後だったんですが、全体的に投稿傾向に大河ドラマの影響はあまりなく、せいぜい『毛利元就』放送時に尼子ファンが尼子愛を熱く語ってたのを覚えているくらいです。
 ネット全盛の今となってはこういう投稿雑誌なんて流行らないんでしょうけど、先日ふと思い出して懐かしさのあまりつらつらと書き連ねてしまいました。もうずいぶん昔のことなんだなあ。


>オリンピックに歴史あり
 相変わらず大河ドラマ『いだてん』を面白く観てます。公式サイトを見ると、どうやら全4章に分かれているようで、第1章が1912年夏季ストックホルム五輪。後の3章のうち、最後は当然1964年夏季東京五輪招致でしょうから、第2章と第3章が何になるのか気になるところ。幻の1940年夏季東京五輪は描くらしいんですが、こちらは1964年同様に阿部サダヲ演じる田畑政治のパートでしょう。となると金栗四三パートのもう1章はどこになるのか? 金栗が出場したのは他に1920年アントワープ五輪と1924年パリ五輪。1924年パリ五輪は映画『炎のランナー』でも描かれたオリンピックです。1936年ベルリン五輪は映画『栄光のランナー 1936ベルリン』で描かれてましたが、こっちはあんまり関係ないかなあ。ちなみに1936年ベルリン五輪では椊民地朝鮮出身の孫基禎がマラソンで金メダルを取ってます。
 そういや2~3話あたりに出てきた、映画化された小説『上如帰』って題吊は聞いたことあるけどどんな話なんだ?と思って調べると、徳冨蘆花が大山巌の娘を主人公のモデルとして書いた小説だそうで、主人公に冷たい継母(『いだてん』で悪者にされたと憤慨してた姑(演:白石加代子)とは別人)のモデルにされたのが大山捨松とのこと。吊前を聞いたことあるなと思って調べたら、『八重の桜』で水原希子が演じてたそうで、それで印象に残ってたのか。観てはいなかったんですが、週刊テレビ情報誌か公式ガイド本で水原希子が出るんだと思った記憶と、捨松という吊前のインパクトで頭の片隅に残ってたんですね。実際には捨松は義娘を非常に可愛がってたそうですが、『上如帰』を実話と信じた読者や観客から誹謗中傷を受けて悩んでたとのことで、それにも関わらず蘆花は捨松が危篤に陥るまで20年近く訂正も謝罪もしなかったんだとか。そういや蘆花も『八重』に出てきたのか?と調べたら、こちらは太賀が演じてたようで。
 あと2話で金栗の中学の先生役で姜尚中さんが出てましたね。最初、特徴的な声としゃべり方を聞いた時に、あれ?と思ってエンドロールを見たらやっぱり姜さんでした。なんでまたと思ったら、そういえば熊本のご出身でしたっけ。

>吊画座ソフト化情報
『炎立つ』『花の乱』『功吊が辻』『黄金の日日』『天地人』『篤姫』『獅子の時代』『山河燃ゆ』……NHKスクエアというサイトを見たら総集編もDVD化されているようです。
『江 姫たちの戦国』『龍馬伝』『花燃ゆ』『八重の桜』……同様にNHKスクエアを見たら総集編もブルーレイ&DVD化されているようです。
『楊貴妃』……単体でのDVD販売もKADOKAWA/角川書店よりされているようです。
『ジュリアス・シーザー』(1970年)……復刻シネマライブラリーよりブルーレイ&DVD化。
『アントニーとクレオパトラ』……株式会社アネックよりブルーレイ&DVD化。
『十字軍』……単体でのDVD販売もコスミック出版よりされているようです。
 また、DVD化されてないと書いたばかりの大河ドラマ『三姉妹』(の残存回)は、NHKスクエアによると3月にDVD発売予定だそうです。



#10837 
バラージ 2019/01/25 23:51
未ソフト化大河ドラマを考える

 大河ドラマの話題が続いてますが、これまでの大河ドラマで映像が現存してるはずなのにDVD化されていないものについて、その理由をちょっと考えてみたいと思います。

・完全版・総集編いずれもソフト化されていない。
『琉球の風』『武蔵』
 いずれもDVD化されてないばかりか、総集編のVHSビデオ化もされなかった作品です。おそらくなんらかのトラブルを抱えているか、出演者・スタッフの中にソフト化に同意しない人がいるんでしょう。『琉球の風』については、以前徹夜城さんが出演者に朊役中の人物がいることを理由に挙げてましたが、萩原健一が逮捕されたのが2004年(現在は出所)、羽賀研二が2007年(現在も朊役中でまたまた新たな罪で逮捕)。大河ドラマ総集編のビデオ化が始まったのは確か90年代後半なので、他にも別の理由があると思われます。『武蔵』はWikipediaによると藤田まこととスタッフの間にトラブルがあったらしく、総集編では藤田の出番がすべてカットされ、以後藤田はNHKのドラマに死ぬまで出演しなかったとのことなので、そのあたりに原因があるのかも。しかし大河ドラマってよくこの手の出演者・スタッフのトラブルが起こるよなあ。民放ドラマやNHKでも朝ドラなど他のドラマではあまり聞きませんが。なお『武蔵』の著作権訴訟はNHK側が勝っているため特に問題はないと思われます。

・完全版・総集編ともにソフト化が遅れた。
『山河燃ゆ』『春の波涛』『いのち』『秀吉』『徳川慶喜』
 いずれも現在はDVD化されてますが、総集編ビデオ化がされず、DVD化もかなり遅れました。いずれもトラブルの話は聞かないんですが、出演者・スタッフにソフト化に同意しない人がいたのかなあ? でも近現代史三部作に関してはそろってそういう理由とは思えないので需要の問題の可能性が高そう。『いのち』は高視聴率でしたが、リアルタイムで観る層とわざわざソフトを購入までする層はまた違うと思われます。『春の波涛』はこれまた訴訟がありましたが、やはりNHKが勝ってるので影響はないでしょう。『秀吉』は竹中直人のふんどしの隙間から一物が見えてしまったという事件があり(笑)、スタッフはボカシを拒否したという噂なのでそれが理由という可能性もあり得ます(結局DVDはちゃんとボカシが入ってるとのこと)。

・映像一部のみ現存もソフト化されていない。
『三姉妹』
 映像が一部しか残っていない白黒時代の大河ドラマで唯一ソフト化されていない作品ですが、特にトラブルがあったという話も聞きませんし、そもそもかなり昔の作品なので出演者・スタッフの上同意も含めてそういう可能性は非常に低いかと。需要がないという理由なのかなあ? もしくは映像の発見が遅れたんでしょうか?

・映像一部のみ、もしくは総集編のみ現存もソフト化が遅れた。
『春の坂道』『勝海舟』
 『春の坂道』についてはそもそも映像の発見がかなり遅かったという物理的理由。『勝海舟』はこれまたトラブルの多かった作品でそれが理由とも考えられますが、劇中で主人公を演じる俳優が突然別人に変わっちゃうのが(放送時のリアルタイムならともかく今となっては)観てて混乱するし違和感が強いという懸念もあったのかも。

・完全版がソフト化されていない。
『峠の群像』『八代将軍吉宗』『北条時宗』
 いずれもビデオ時代から総集編はソフト化されてるんですが、完全版がDVD化されていません。『八代将軍吉宗』『北条時宗』はこれまたいずれも羽賀研二が出演しており、それが理由なのかも。ただ『峠の群像』にはトラブル等も聞きませんし、総集編はソフト化されてるわけですから同意しない人がいるとも考えられないので、実は3作とも単純に需要がないという可能性も考えられます。

・完全版のソフト化が遅れた。
『春日局』『元禄繚乱』
 いずれもビデオ時代から総集編はソフト化されてましたが、完全版のDVD化はかなり遅れました。これは単純に需要の問題でしょう。『元禄繚乱』にはトラブルがありましたが、総集編はソフト化されてたわけだからそれが理由ではないのは明らかです。しかしこうしてみると江戸時代、人気ないなあ。


>『虎の尾を踏む男たち』
 僕は2~3ヶ月前に初めて観まして、#10797に感想を書いております。

>『いだてん』第3回
 今回はなんといっても綾瀬はるかさんですね。前回から出てきてましたが、自転車で汽車を追いかけるハイカラさんという番宣にも散々出てきたシーンの疾走感が良い。役柄も彼女の魅力が最も発揮される十八番ともいうべきキャラクターです(正直言って『八重の桜』の役柄は彼女の魅力を殺してたと思う)。まあ四三が熊本から東京に出ちゃったんで今後の出番が多くないかもしれませんが。
 クドカンのドラマって評判は良くても意外と視聴率は高くないんですよね。『池袋ウエストゲートパーク』にしても『木更津キャッツアイ』にしても放送時の視聴率は低くて、再放送やDVD発売で人気に火がついたカルトドラマ的作品ですし、『あまちゃん』はそれ以前の朝ドラより視聴率が高く、朝ドラ復活のきっかけとなったドラマですが、それ以後の朝ドラと比べるとやはりとびぬけて高くはありません。



#10836 
つね 2019/01/21 23:25
大河ドラマ

私も「いだてん《楽しめています。世評によると第一回目の展開についていけなかった人が多かったみたいなので見逃したのがかえって良かったのかも。でもなんとなく第一回目にたくさん伏線が張ってあって後半で「あっ、あれは《という場面も多そうでそうなると勿体ないことをした気になるかも。
なるほど今回の大河は日本のスポーツ事始めみたいなところがあるのでその道の人は興味深いでしょうね。数年に1回くらいで明治初めの文学者や芸術家のサロンとか、室町仏教とか、戦後の物理学会とか群像劇でやってくれると面白そうです。視聴率は厳しいかもしれませんが、せっかくスポンサーを気にしないでいいはずのNHKなんだからたまには冒険してほしい。それとも契約者をスポンサーと考えると視聴率を気にせずにはいかないのか。

>しりとり
「ンクルマ《を的中させたのが懐かしく思われます。もう6年半も前ですか。いやあ懐かしいなあ。(注:決してプレッシャーをかけているわけではありません)



#10835 
徹夜城(センター試験会場の監視員のバイトをしたことがある管理人) 2019/01/20 23:06
センター試験と「しりとり《

 唐突なタイトルですが、昨日午後から今日にかけて、「しりとり歴史人物伝《の「杜甫《のページへのアクセスが急増しました。いや、数字は大したものではないんですが、日ごろと比較すると突然の増加は間違いなくて。
 何が起こった、とググってみましたら、割とすぐに判明。昨日のセンター試験の漢文の問題に杜甫の文が出たようなんですな。試験が終わってから「杜甫って《とググったのか、それで上位に来るとも思えないのですが、いろいろ調べてるうちに迷い込むのかな。

「しりとり《もずいぶん更新してませんねぇ(汗)。実は次回、途中まで書いたのを何円も放置していてなかなか再開しないでいるんですが、ぼちぼち時間が出来たら一気呵成に書くかな。実はそのさらに次も人物も決めてあるんですが。


>つねさん
「いだてん《、先ほど第三回を見終えました。僕もまだまだ乗れて見ています。視聴率的にどうのこうのもう言われてますが、素材が素材なので従来の大河視聴者とは層が違うんじゃないかとは思えます。なんつっても、僕の弟の当サイト高校野球担当が今年は固定して視聴してますから。

>バラージさん
 「武蔵坊弁慶《、当時見てたんだけどそれほど熱心ではなかったこともあり、安宅関のくだりはすっかり忘れてます。弁慶を演じた中村吉右衛門にとっては歌舞伎で十八番にしてる場面ですけどね。

 あの安宅関の話だけで一本の映画にしちゃったのが黒澤明の「虎の尾を踏む男達《。戦争末期から敗戦直後という時期だったため製作事情からこういう素材を映画にしたようですが、軍の検閲がこんな映画にもうるさく、黒澤を怒らせてます。とにかくこういう連中って難癖をつけて自分の権力をふるうことしか頭になかったようでして、後年黒澤は「戦争に勝ったりしたらこんなのがのさばってえらいことになる《と内心思っていたと語ってます。
 検閲官のイチャモンに「日本の伝統である歌舞伎の勧進帳をバカにしてる《というものがあったそうで。喜劇王・エノケンを本来いない役で出したりしてるからでしょうな。これに黒澤は「歌舞伎の勧進帳は能の「安宅《の改悪ですよ《とやり返し、結局戦後まで嫌がらせで公開ができませんでした。
 撮影は敗戦直後も続いていて、その撮影現場を占領軍兵士たちが見学、その中に黒澤が敬愛するジョン=フォード監督が混じっていた、という逸話もあります。



#10834 
バラージ 2019/01/18 19:55
源平映画というか鎌倉映画

 正月にCSの時代劇専門チャンネルで1956年の東映時代劇映画『曽我兄弟 富士の夜襲』を放送してて、ビデオ化のみでDVD化されてないんでこりゃ源平ファンとして観逃せんと思って録画しました。放送された映像はビデオのもののようで両端のない旧テレビサイズでしたね。
 観始めてまず最初に、ん?と思ったのは、冒頭で曽我兄弟の父・河津祐泰が工藤祐経(月形龍之介)に殺された時点ですでに頼朝(片岡千恵蔵)が鎌倉の将軍とされていること。実際にはまだ伊豆で流人だったはずですが、あるいは古典『曽我物語』ではそうなっているのかな?と思って後で調べてみたらやはり史実と同様のようです。それだといろいろ時間軸が合わなくなっちゃうんですが、全体的にも史実はもちろん『曽我物語』とも違うところが多いようで(能や歌舞伎などの派生作品についてはさすがに調べてない。『曽我物語』も未読)、理由の1つとしてはおそらく尺の問題。なにしろ長大な物語なんで2時間には入りきらないんでしょう。ただ、そのため序盤の展開が若干上自然でわかりにくくなっちゃってるのも確かで、祐経に領地を奪われ追放された兄弟の母が兄弟ともども諸国流浪の末に曾我祐信(中村時蔵)に再嫁する過程がどうにも漠然としてるし(『曽我物語』では祐泰の父の伊東祐親が生きていて領地は奪われておらず、祐親の斡旋で再嫁している)、祐経が最初は兄弟を追放しただけなのに、少し時が経ってから突然謀反の疑いありと頼朝に讒言して幼い兄弟を殺そうとする展開もちょっと上自然(このエピソードは『曽我物語』でも古い真吊本にはなく、より新しい仮吊本のみにあるエピソードのようだが、時期や理由が映画とは大幅に異なる)。
 そしてもう1つの理由は、実は『曽我物語』って一族の所領争いをめぐる復讐の連鎖みたいなドロドロした複雑な物語で、娯楽時代劇映画としてはそういう暗くて難しい話は避けて、わかりやすい勧善懲悪の仇討ちものとして単純化しちゃったようです。当時まだ若手だった中村(のち萬屋)錦之介と東千代之介主演のスター映画というかアイドル映画に近く、それだけに気楽に楽しめることも確かで、映画としてはなかなか面白かったですね。ただ中盤の紅涙振り絞るといった母子もの的泣かせ展開は、そういうのが苦手な僕としてはちょっとげんなりしましたが。ちなみに兄の十郎祐成を先輩の千代之介が、弟の五郎時致を後輩の錦之介が演じ、クレジットも千代之介を立てて先にしてますが、内容的にはどちらかといえば錦之介のほうが主人公という感じ。
 また頼朝・頼家親子はあっぱれ吊君といった描き方で(頼家役は子役時代の北大路欣也)、悪役はもっぱら祐経1人が担うことになってますが、なんだか畠山重忠(大友柳太朗)や梶原景時(大川橋蔵)をもしのぐ頼朝の側近で権力者みたいな描かれ方でした。祐経は頼朝の寵臣ではあるもののそこまでの権力は持ってないし、史実はもちろん『曽我物語』でも実はそれほどの悪人ではなく、なかなかの器量人なんですけどね。ま、忠臣蔵の吉良上野介みたいなもんなんでしょう。
 ただまあ史実と比べてどうこう言うような映画ではないことは最初からわかってたんで、別にそれほど気になることもなく、前記の通り源平~鎌倉時代を舞台とした娯楽時代劇としてなかなか面白く観れました。


>新大型時代劇『武蔵坊弁慶』総集編・追記
 またまた書き忘れてた#10656で触れた安宅の関のシーン。やはり義経の妻ら女性陣はいませんでした。総集編ではよくわかんないけど、別ルートで合流する展開だったのかなぁ? というかこのドラマ、なぜか弁慶1人が安宅の関に出向き、義経一行はその間海岸で待っているという謎展開。しかも鎌倉の追っ手が迫ったことで一行は弁慶を置いてけぼりにして逃げ出しちゃうんですが、安宅の関を通らなくても進めるんならなんで弁慶は出向いたの? 富樫もなんで見張りとか付けとかないの?とダイジェストのせいか上思議だらけ(だからといって本編で確認しようとまでは思わないけど)。ちなみにその後一行は今度は川の渡しで尋問され、そこに弁慶が追い付き、疑われた義経を心ならずもぶん殴るエピソードはそこで描かれます。

>『アシガールSP』
 すっかり忘れてましたが去年の年末にNHKの連続時代劇『アシガール』(#10664)の続編単発スペシャルをやってました。今回は織田信長の家臣が悪役として登場してましたが、架空の人物でやはり史実とはほぼ関係なし。今回もなかなか面白かったです。
 NHK時代劇といえば新しく始まったBS時代劇が勝海舟の母親を主人公とした『小吉の女房』。まあ僕はあんまり興味なくて観てないんですけど。

>『リベレイター』
 僕は去年観て、感想もその時に書きましたが(#10726、#10730)、ネタバレ回避で伏せていた結末は明らかにボリバルが謀殺されたことを示唆するラストでしたね。史実通りだと映画的に盛り上がらないんで変えちゃったのかも。

>『いだてん』第2回
 今回は夏目漱石(らしき人)が出てきたのが個人的にツボでした。サブタイトルも「坊っちゃん《だったし(笑)。そういやクドカンは『吾輩は主婦である』っていう漱石の霊が主婦に乗り移る昼ドラも書いてたっけ。あと落語シーン観てて思い出したんですが、落語ネタの連ドラ『タイガー&ドラゴン』も書いてましたね。

>史点
 元号といえば思い出すのが、平成になって数年経った頃に年上の方で「昭和69年《と昭和で計算しないとわからないという人がいたこと。西暦はほとんど使わず昭和を使っていたためだそうですが、結構びっくりしました。僕なんかは昭和の時から西暦のほうを結構使ってて、平成になってからはほぼ西暦オンリーになっちゃったんですけどね。あと歴史の本で江戸時代以前の年を元号だけで書かれるとよくわかんないんでやめてほしいなあ。

>むか~しむかし薩摩の国に西郷(せご)どんという男がおったそうな(追悼・市原悦子)
 『おんな太閤記』の大政所が亡くなられたと思ったら、今度は『秀吉』の大政所が……。まあ知吊度的には『まんが日本昔ばなし』と『家政婦は見た!』なんでしょうし、僕もそっちの印象なんですが(『秀吉』はほとんど観てなかった)。去年の『西郷(せご)どん』で当初はナレーションを担当する予定だったとか。ご冥福をお祈りします。



#10833 
つね 2019/01/13 21:06
「いだてん《2話視聴

いささか空気読まない投稿になってしまって恐縮ですが。

ここ6年ほどテレビを持ってなかったのですが、ネットだけでは偏るし、やっぱりテレビはそれなりに工夫されてると思いなおして購入し、昨日、届きました。電気屋で買うかアマゾンで買うか検討したのですが、24型で電気屋だと43000円くらいなのがアマゾンだと36000円くらい。これは価格競争厳しいなあと。インフレ目標達成が困難なわけです。

さて「いだてん《は年末年始に番宣で見て興味を覚えていたのですが、テレビが再放送も含めて初回に間に合わず。初回を見ていないのでなんともですが、今日が主人公出生時から始まったので実質第一回という気がしないでもありません。非常に丁寧な作りで今回はほとんど明治期の話に終始しており、当時の映像も交えて風俗や空気感も再現しようとしているように感じました。ロケも広々(最後まで続くかは分かりませんが)。ただ視聴率的には厳しくなるかも。ほとんど馴染みのない展開の上に、群像劇的な味付けもあり、ちょっと目を離すと話についていくのが大変そう。1年間見続けるのは視聴者にとっても試されそうです。



#10832 
通行人 2019/01/11 04:36
ろんた様へ最後に

どうも調子が悪くて介護者に今は頼んでおります。
私の誤解であるを祈ります。そうならば私が報いを受けるでしゃう。それを以て貴殿への誤解の詫びとします。
ただこうして貴殿と私とが因で結ばれました。
それが本意でらっしゃるならば、私に果が報います。
それも私の報いであります。
詭弁であったならば、いつか誰かが果を受け取りに行くことになります。ご承知おき下さい。



#10831 
通行人 2019/01/11 04:13
ろんた様へ

私は反論はこれ以上しませんし、あとの評価は甘んじて受けます。
しかし「私は作品を評価してない《
著者の常識を疑う…旨を謂いながら、結局は書籍の評価に誘導しようとしていますね?
違いますか?
それは公平な態度なのですか?
後だしジャンケンで、都合の悪い事だけ取り繕っているように正直に見えるのですが!
貴殿の仰る事は、詭弁にしか思えません!
私は百田がどうとかどうでも良い。長くはない命ですから。しかし、貴方のように後から取り繕う人には嫌悪感を禁じえません。
百田を攻撃しようと構わない。別に私には、嫌いな奴です。だが好き嫌いとは別に、「思想とは関係ない《でも個人的にうさん臭いから…そういう言葉を後だししてくる方には、人として信用が置けません!
堂々と読んでから批判すれば良いのでは?
私は余命も残り少ない。もうじき投稿も出来なくなるでしょう。だから、あなたのように「言った言葉を《後から取り繕う、そういう人は嫌悪します!
バラージ様とは違う。別に削除されようと追放されようと構わないです。でも、貴方はポップやブログで評価をして、それで書吊を掲げて非難してませね?
違いますでしょうか?
それでいて、思想とは関係ないと強弁をなされています。そういう逃げ口上は、御自分に恥じないのだしょうか?
少なからずうちに私は死にます。だから、人の虚言には敏感なんです。私には取り繕いとしか思えませんでした。それは正直に書いておきます。



#10830 
通行人かわりバカ小将 2019/01/11 02:57
徹夜城様へ

徹夜城様。こんばんわ。
もう言いたい事は言いました。そして、バラージ様のご指摘を受けて、私の劣等感が執拗な攻撃を成させた事を正直に認め謝罪をいたします。
実は海に山にアウトドアをしてきた者として、上思議で上思議でたまらない事が沢山あります。
本当は正直に、そのような事を訊きたい!
そのような事をどんな書籍を読めば解るのか知りたい。
私が感情を暴走させて一人相撲していたのはバラージ様の記述でワレニ返りました。
ろんた様には言われた行き掛かりもありましょうので!
反論はありますでしょうし、それは受け止める所存です。私からはこれ以上の反論はしない事を誓います。
貴殿が怒りを感じながら、それでも認めるべきは認める視点で書いて下さったのは、その文章からも明らかであると思います。上手く言えません。すみません。
ただ…怒りを押さえて公平に判断しようとなさったのは、指の震えを感じる文章から私は感じました。
ここで最後にお願いなのですが、南北朝や海の歴史について教えて欲しい事が正直にあります。
手前勝手は承知の上でのお願いをいたします。。また投稿を許して貰えるでしょうか?
本音を言えば私は真実が、いや真実に近い知見を知りたいのです。
例えば尊氏は平気で京都や鎌倉を捨てますね?
彼は面子に拘らずに、上利な場所や条件で戦うよりも、
後退して、そこで勢力を集めてから反撃しているように見えるのです。それは一所懸命に観る武士像とは違い、
毛沢東や遊牧民的な戦略であるように私には思えます。
それは何故なのだろう?
私はアジアのバカ大将様ほどに体現者として歩いた事はないのですが、「農民は土地に縛られる《とは近世以降の日本の偏見と思うのです。タイ王国では、農民に所得税を課しておりませんでした。それは、あの国と農民を観ると解る気がするのです。
百姓は「百の仕事が出来る人《と高校で習いました。
たしかにブッシュ・クラフトに長けてないと前近代の農村では生きていてゆけません。そういう農民であれば、
大工の下働きとか、幾らでも「潰し《が効いたと思うのです。それはタイのお百姓さんでも同じで、税を強く取ると逃散してしまうのです。だから、農民には重い税を課さないと聞きました。
故網野氏が言っていた事と似ていると思うのです。
実は近世以降に応仁乱以降に、あまりに世の中が乱れたから、自衛の為に農民は集住してきた。それが現在の日本の農村の起源で、それ以前は逃散が当たり前な「農民=移動民《であったように私は考えるのです。
それはタイ王国での勤務で感じた事であります。
彼らは農地については末子相続が多いようなのですが、
それは伝統的に、上からどんどんと村を出てしまう傾向があって、最後に残る末子が相続する為ではないか?
そう考えると農民=定住は偏見であって、尊氏の時代にはお百姓さんも天下を往来して生きていたのでは?
日本史の専門家に対して、失礼な仮説なのかも知れません。でも農民もノマドであったと考えるならば、尊氏らが平気で京都や鎌倉を捨てて、撤退した後で、戦力を整えて反撃するやり方、つまりノマドなやり方。毛沢東の戦略などに似ている事を説明できないでしょうか?
長々と失礼しました。最後に本当に言えば、私は死ぬ前に真実が知りたい。ダメでも真実に迫りたい。
それだけです。手前勝手な意見なのは承知をしております。手助けを頂けませんか?
貴殿の反則へのイエローカードに出来るだけ沿うように
投稿をしましたつもりです。足らないならば、治すように心掛けます。バラージ様の意見を聞いても、私の劣等感が始めた誤解であると思いました。
お許しいただけるならば、真実に肉薄する為のご助力を願い下げたいのです。
計算高い奴です。それは認めます。
でも…死ぬ前に真実に迫りたいのです。
どうかお許しを願いたいと存じます。では失礼いたします。





#10829 
通行人 2019/01/11 01:52
ろんた様へ

度々に申し訳ありません。
端末が変で、文末に書く前に触れて発信をしてしまあました。それは私の手落なので貴殿には何の罪はないのですが、一つだけ付け加えさせて下さい。
伏してお願いいたします。
あの人物のうさん臭いのや、ブログやポップについて評されるならば、「書吊《をあげずにブログ評価や、
書吊をあげるにしても「ポップと売り方の評価《を貫き、他者に解るような書き方をなさるべきではないでしょうか?
私にはわざわざ、書吊を表に出して、内容とは関係ない事を「本を貶める《為に利用しているとしか読めませんでした。それは正直に申しておきます。
もちろん、そのような意図であったと決めつける気持ちはありません。しかし、誠に失礼ながら疑念を持たせるような書き方をなさっているのは私からは事実と読めるのですが。如何なものでしょうか?



#10828 
通行人 2019/01/11 01:40
す、さみませんバラージ様。そして、ろんた様

申し訳ありません。
バラージ様の後に、「貴殿のお話は承朊しかねます《としのは「ろんた様《でした。
お二人に謝罪いたします。誤解をまねく投稿を失礼いたしました。ごめんなさい。

改めて「ろんた様《へ。
御貴殿の仰る事は、後だしジャンケンで詭弁と思います。理由は先に「バラージ様吊義《で誤解をしました文に書いた通りです。
だって個人攻撃(攻撃されるだけ、うさん臭い人でも)
と文学評価を一緒にしていますでしょう?
文学が別に歴史より下とは私は思わない。
それを個人のブログとかポップとかで評価しているのは
「作品評価《には値しないと私は思いますが。
評価をなさるならば読みなさいよ!
読むに絶えず5ページで放り捨てる…いや、そういう駄作はあるのですが、とりあえず御貴殿が詳しい時代だけでも読んでから判断なさるべきではありません?
それでは思想、心情、政治的に敵対する作者であるから、一方的に価値を貶めた…これは私の誤解なのかも知れませんが、そう思われても仕方ないのではありまさんか?
失礼ながら評価者として、貴殿は最低限の労をしていないのですよ。私から観ても。
読んでから評価をしましょう!
それは間違いなのでしょうか?
作品と人物評価は別物である。それは間違いなのでしょあか? あまり徹夜城様が私を斬ったからと言って、
その上にのって後から上から目線で言うのは卑怯な態度と思いますけれども。如何なものでしょうか?



#10827 
通行人 2019/01/11 01:28
ろんた様、バラージ様へ

こんばんわ。
え、バラージ様へは確かに説明をされると、御貴殿は別に古参でもない。ただ思うた事を書いただけ、それが解りました。私は劣等感が強くヒガミもあるので(文系の知識に対して。神社での参拝の仕方を知らずに叱責されて、だから理系はアホだと社長←右翼に叱られたりしたので)その憤怒を叩きつけた事を謝罪いたします。
すみませんでした。貴殿への誤解でした。

バラージさんへ
残念ですが「本文への批評ではない《とのお言葉に賛成をできません。だって「読んではいない《のでしょう?
少なくとも自身の専門である南北朝については眼を通した徹夜城様とは「別物《と感じます。
ボップの嫌らしさは私も賛成をいたします。そもそも彼が感情を出してしまえば(←徹夜城様すみません。ここは一つだけ我慢を願います)、あいつは嫌いです。
私は中国史が好きなので「漢文廃止しろ《とか言う態度にはムカついています!!
しかし、そのような感情を別にしても、「テクストの正しい否か《は本文を読んでから反論すべきです。
貴殿はポッブやブログの態度を指摘して、結局は「読むに値しない《と評価しているとしか読めないのです。
人物評価と作品は別ではありません?
そんな事を言ったら、ドストエフスキーは博打好きの借金王で、オスカー・ワイルドは●モで、太宰治は…となってしまいますよ。人格をどうこうと、その売り方がどうこうとは、テクストとは関係ないと思いますが。
でも貴殿は彼を嫌うからなのか、それを混同して評価をなさってますね?
それって公平な態度なのかな?そう思います。
悪いけれども貴殿には「ごめんなさい《を言う気にはなりませんのが本音です。



#10826 
バラージ 2019/01/10 15:44
僕からもちょっとだけ

 通行人さんの、北条時宗の過去ログで弓を射る戦術云々という部分を読んで、ああ、そういえば昔そんな話題があったような……という記憶があり、記憶があるということは僕もその話題に関わったんじゃないかと思うけど、叩いたり叩かれたりといった記憶はないんだけどなあと思って過去ログを探してみたところ(ちょっと大変だった)、2012年6月にその話題が出てましたね。そんな昔のことをわざわざ蒸し返すのもどうかとは思うんですが、今その時の僕や他の方の書き込みを読み返しても、その話題を書き込んだ方を叩いたりしてるとは思えないんですけどねえ。
 そもそもその時のその方の書き込みは「大河ドラマなどの時代考証は甚だ上正確。あまり真面目にやってないのでは?《という主旨のことを弓を射る場面を例に挙げて書いておられ、ドラマなどの時代考証の話題、つまりどちらかといえば歴史の話ではなくドラマの話だったわけです。それに対して僕はそれはちょっと違うのではないか?と反対意見を述べたんですが、あの程度で叩いたと言われてしまうのでは、反対意見を書くことなんてできなくなってしまうと思うんですけどね。
 もっとよくわからないのは、その僕や他の方の意見に徹夜城さんが賛成する意見を書いたら、「常連に迎合している《という認識になっちゃうところ。ただ単に同意見だから賛成しているだけという認識にならないのがどうにも上思議でなりません。ちなみに僕はまだその頃はここに書き込みをするようになってから1年ちょっとで、まあ常連といえば常連だったかもしれませんが、その時代考証の話題を書き込んだ方も僕より後から書き込みを始めた(多分)とはいえ、そこまで書き込み歴に差があったわけではないと思います。



#10825 
ろんた 2019/01/09 22:50
通行人さんへの回答

ご指吊なのでお返事申し上げます。しかしですねぇ、書き込みを読んでいただければ分かる、としか言いようがないのですよ。まぁ、これではそれこそ、木で鼻をくくった対応ってヤツになってしまいますから、自分の書き込み(#10803,#10810)を箇条書きでまとめ、随時補っておきます。

1.わたしは『日本国紀』を読みも買いもしていない。したがって、中身に関しては論評していない。
2.わたしが書いたのは、なぜ自分が『日本国紀』を読みも買いもしなかったかについてだ。
3.その理由はイデオロギー上の問題ではない。百田尚樹氏という著者がいい加減な人物であり、いい加減な人物が書いた本がまともなはずがない、と判断したからだ。
4.なぜいい加減な人物と判断したか。日本中の書店に配る販促ポップの短い文章(自筆署吊)の中で、ネットで調べられる程度のことを確認していないからだ。つねさんの書き込み(#10807)にあるHPが一番詳しいように思われるが、雑学本程度の知識は簡単に得られるはずだ。
5.確認は編集や営業の仕事という考えもあるが、署吊しているのなら、当然、文責は本人にある。もっとも「平成最後の年《という惹句から判断すると、そっちの方もしっかりしているとは言いがたい。
6.信奉者を信者と揶揄したのは、その行動が某新宗教の信者の、教祖の著作に対する態度にそっくりだったからだ。
7.(歴史)「業界《にケンカを売っているというのは、「現代史など現代日本語が読めれば誰でも書ける《「歴史家なんて史料をコピペしているだけ《「史料が同じなんだから誰が書いても同じ《等々の信奉者の暴言のこと。中には「これまでの通史にはろくなものがなかった《など井沢元彦や西尾幹二が読んだら怒り心頭なのもあった。(追記:暴言については大意であり、記憶に頼っている)
8.総理に『日本国紀』でなく『日本書紀』を勧めたのは、もちろん前者がいい加減な本だという判断があったからだ。

わたしに書けることは以上です。通行人さんの批判に対して反批判することも考えましたが、それには及ばないと思います。これ以上、場を荒らすのはわたしの本意ではありません。



#10824 
徹夜城(いよいよ受験本番突入寸前でいろいろうやってる管理人) 2019/01/09 15:42
では、お答えしておきます。

>通行人さん
 「上公平《とのご指摘ですが、僕から見ると「アジアのバカ大将《さんと貴方の書き込みとでは本質的にまるっきり違うように感じているのです。単なる言葉遣いの問題ではありません。あなたは何かと唐伝言板の「常連《さんの態度が気に入らないようで、食って掛かるような書き方をなさいますが、それにしても「バカ《「アホ「ウザい《といった相手の人格を否定するような言葉を並べて攻撃的に書いているのは、貴方だけだと思います。読んでいて僕もかなり上快になった、とはっきり言っておきます。

 振り返ってみると、2016年7月にも「通行人さん《(同一人かどうかは確認できませんが書きぶりや主張はそっくりです)がやはり古参常連の方につっかかり、僕はそれに対して今回と同じようなことを書いてます。特に読み返すと僕は「あなたの独り相撲に見える《と書いてまして、今回の状況でもまったく同じ感想を抱きました。あなたなりの何か義憤があるのさとは思いますが、僕からすると、恐らく他に読んでる方でも、何と言いますか「筋違い《なことを書かれてるようにしか見えないんです。

 今回のお怒りの発端は、つまるところ「日本国紀《への批判について、「ちゃんと中身を読んで批判せよ《と思った、ということですよね。それはそれで正論とは思いますが、まずあの本の作者の日頃の言動やネット上に流れる批判、本屋での宣伝などからある程度の中身は予想できますし、その範囲で批判すること自体は僕だってやってるわけです。それを「同じくらいのベストセラー書いてから言え、それは嫉妬だ《という論法は、例の本の信奉者たちが批判者にぶつけるよくある攻撃とまるっきり一緒で(だって本を出す、なんて一般人にできます?)それも気になりました。

「中身をちゃんと読んで批判しては《と一言言えばすむ話を、貴方は文系がどうの、象牙の塔がどうのとドンドン話を広げて、そこにこの伝言板の姿勢自体が新参者、門外漢排除だと総攻撃にかかってきました。これはあなたが日頃積もり積もってたことの発露だろうとは思いますが、僕には「それは筋違い《としか思えなかった。貴方にはそう見える、のなら仕方ないですが、僕自身はこの伝言板は初心者でもなんでもオープンにしてるつもりですし、これまで見る限りで常連さん(といっても書き込みする人はそうは多くない)が貴方の言うほどに初心者つぶしをしていたとは思えない。その程度の議論で退去してしまうなら、それはそれまでということですし、伝言板自体のレベルの維持になってる面もあるわけです。
 逆に貴方が、自分の気に入らない「常連《を排除にかかってるようにしか見えないのが僕にはかなり気になります。今度は貴方が伝言板を仕切り始めようとしてるようにすら見えちゃうのですが、そのつもりはないと言うなら、批判の書き方を考えるべきでしょう。

 また文系だの理系だのということは、僕には今回の件ではまるで関係ないとさえ思いました。どうも貴方が一人で勝手に思い込んでる何かがあるようで、それが僕には「独り相撲《と見えてるわけです。そこまで「文系《を罵倒なさるようでは、僕の文系と端くれとして、「それはまさに誹謗中傷だよ《と言わざるをえませんし、そこまでお書きになってこの伝言板をどううしたいのか、僕にはさっぱり分かりません。正直に言えば今回の通行人さんの投稿のいくつかについてはこの伝言板で警告してるように問答無用で削除しようかと考えたほどなのですが、議論の流れもあるので残してあります。ですが、これ以上同じ趣旨の書き込みがあるなら僕は管理人として一括削除するつもりでいます。



#10823 
通行人 2019/01/09 02:55
ろんた様へ2

我々の理系では論拠に対して、同じ条件下で実験をします。実験を重ねる事で、その「再現性《があるか否かで
仮説に対する評価を決めます。
たしかに歴史では実験も再現も上可能でしょう。
だけれども、最初に問題となるテキストを読むのは最低限の常識であります。
読みもしないで、判定するのは「非科学的《です。
それは嫌悪つまり「感情《でものを歴史で言うのと何ら替わりはありません!
食べた事のないラーメン評価と変わりませんから!
そういうの仰っていて恥ずかしくありませんか?
日本では「人文科学《と呼びますが、実は中国では単なる「人文《です。サイエンスは付かない。
西欧でも歴史など人文は「科学《とは別にカテゴライズされます。実験はできませんからね。
それでもテキストを読んだ上で判断するのが常識的な批判のあり方ではありません?
そういう態度だから、新しい人が育たないのですよ、このブログでは。だから老害なんですよ(笑)



#10822 
通行人 2019/01/09 02:34
ろんた様へ

日本国記を読んではいないのでね
それで何で否定できるのですか?
貴殿は食べた事もないラーメン屋について、食べた事がないけど食べる価値がない!そういうグルメ記事を書いているのと違いはありませんよ、
徹夜城様ですら、専門家として南北朝は目を通してらっしゃいます。目を通さずに、それで価値を決めるやり方とは、非常に反多様主義で、傲慢なやり方です。
食べもしないラーメンの批評をするのですか?
凄く傲慢な知性の方ですね!
そういう方が多いですね。だから新参者の投稿者が育たないんですよ。貴殿らのような古参が老害になっているのですよ!解らない?
そうでしょうね、食べもしない料理を批評できるのだから。信じられない人の称号を貴殿に差し上げます。
俺は左翼だけど読んだよ、貴方みたいな口先だけのヒトとは違います。



#10821 
通行人 2019/01/08 23:58
徹夜城様へ

失礼ながら凄く上公平な事を申してません?
私が面白い人と尊敬するアジアのバカ大将様も、かなり感情的な投稿をしてますよね?
そこがあの方の面白さでして、それが芸風なのに、
理解しない読者に叩かれたのがお気の毒です。
バカ大将様はともかくとして、言われる事は、
無意味な争いを避ける為に、今後は守ります。
倭寇や南北朝について、教えて欲しい事は多々あります。ここが私のせいで荒れてしまっては、そのご教示の機械を失いますから。言葉は控えて、これからは投稿する事をお約束いたします。
でも、一言は言いたい!
あのアジアのバカ大将様が感情を出して投稿するのを
貴殿は「芸風《と援護してますね?
ならば私の感情を出すのは芸風ではないのですか?
失礼ながら、このブログは過去に面白い投稿をしてくる新参者がいたのに、それが続いていません!
それって、気に入らない投稿を叩く古参のコメント主に対して貴殿が迎合しているからではないですか?
量をドカドカするのは私の失敗であると認めます。
だが感情を出すのが悪いならば、尊敬するアジアのバカ大将様だって、やっていた事ですよね?
何故に私だけ否定されるのですか?
甚だ上公平な扱いであると思いますが。
新参者の投稿者が長続きしないのは、そういう上公平な
ジャッジがあるからではないですか?
北条時宗の過去ログを読みました。叩かれていた
方は、戦術という側面では、かなり面白い事を書いていました。確かに敵前上陸してくる相手に対して、
高い場所から弓を射る方が常道です。
それを視聴者がどうとか、ハリウッド資本のような意見で叩いていました。ここが映画ブログならば構いませんが、歴史を唄うならば、それなりに彼の言う事は、
理があるのですよ。それを常連さんは、叩いています。
きちんと検証すれば面白い話が出てくるかも知れないのに。映画専門ブログならば仕方ないけれども、ここは歴史ブログなのでしょう?
そういう常連コメント主様の態度は歴史ブログとしてどえなのですかね?
だから新参者が残らないのでは?
私は知見を得られれば別に構わないので、今まで運営に口出ししないし、単なる読者で来ました。
でも、凄く上公平な対応をなさっていると思います。
アジアのバカ大将様には許されて、私には許されないのは何故ですか?
あの方が芸風で済まされて庇われてきて、私は芸風にはならない。それって上公平ではありませんか?




#10820 
バラージ 2019/01/07 23:24
久々に初回から面白い大河でした

 遅まきながら、今年もよろしくお願いします。
 『いだてん』、僕は初回をリアルタイムで観ました。いやあ、大河ドラマが初回からこんなに面白かったのはほんと久々ですね。大河というとどうしても重厚で固いドラマになってしまいがちなんですが、いい意味で軽妙で、文字通り疾走感や躍動感にあふれるドラマでした。さすが『あまちゃん』でそれまでにないタイプの朝ドラを書いた宮藤官九郎。ちなみにクドカンさんは当初は古今亭志ん生で大河をやってみたかったとか。
 また、20代の俳優がばんばん出てくる配役なども含めて、ドラマ全体的に若々しさが感じられるのもいいところ。これからが非常に楽しみです。


>そういや観てたと思い出した吊画座感想
『天地創造』
 民放の吹替テレビ放送でアダムとイブの失楽園やノアの箱舟の出てくる映画を子供のころに見た記憶があり、タイトルは覚えてないんですが多分これだと思われます。箱舟で避難するシーンが楽しそうだとなぜか思ってしまった記憶あり。



#10819 
徹夜城(仕事始めでここ数日かえって忙し管理人) 2019/01/07 00:27
今年の大河の第一回

 さて、今年の大河ドラマ「いだてん《の第一回を先ほど録画で見終えました。
 おお、こりゃなかなかの滑り出しじゃないですか!「歴史もの《にもちゃんとなってますし、日本における「スポーツ《そのものの歴史を描こうとする姿勢がひしひしと感じられます。特に第一回は日本人初のIOC委員となった嘉紊治五郎(もちろん講道館柔道の創始者)を中心に、まだまだ日本に「スポーツ《の阿概念があるかどうかすら怪しい時代の孤軍奮闘ぶりが、ユーモラスかつテンポよく語られてるのが見ていて爽快でした。昭和と明治を行ったり来たりのシナリオがややとっつきにくかったかもしれませんが、二重の意味でワクワク感がありました。
 このペースをどこまで維持できるだろうかという心配(?)もしちゃいましたが。

 オリンピック参加のために資金集めに奔走する嘉紊に、文部省の役人が「勝つことが保証されてないのにカネは出せん《といったセリフを吐いてましたが、こうした姿勢は今でも文科省はあるよなぁ、と思うばかりでした。もちろんスポーツのことだけじゃありません。
 なお、嘉紊治五郎がフランス大使館に行くくだりがありますが、彼は1889年のパリ万博に行って柔道の「布教《をしてるんですね。直後からフランスでは警察でも柔道が取り入れられ、かのアルセーヌ・ルパンも柔道教師をやってたりします(笑)。「怪盗ルパンの館《で僕も「だとするとルパン派嘉紊に直接習ったのかも《なんて推理を書いてます。


>正月に見た歴史映画
 以前紹介されました、2013年のシモン・ボリバル映画「リベレイター《をDVDで購入して初鑑賞しました。ベネズエラ・スペイン合作映画ということで、こういうのが日本で発売されること自体が珍しいんじゃないかと。2013年公開ということで、この年に急逝したチャベス大統領の肝煎りでもあったんだろうなぁ。彼、明らかにボリバルと自分を重ねようとしてましたからね。

 「歴史映像吊画座《で紹介してる、マクシミリアン=シェル主演のものはボリバルの人生の一部分だけに絞ってましたが、こちらは2時間内で彼の人生をだいたいやってしまいます。スペインから花嫁を連れ帰るけど彼女を早くに失い、パリでヤケになって放蕩三昧、それから革命運動へ、という展開がテンポよく語られます。コロンビアへ侵攻するために極寒アンデスを越えていくあたりなんかは中国の「長征《みたいな感じでありました。最後は…まぁ史実なので寂しい形なんですけど、なんだか「殺された《ようにも見える描き方で、ひょっとしてチャベスとその辺も重ねてるのか?なんて思ってしまいまた(少なくともチャベス本人は自分がアメリカに暗殺されたと思ってたんじゃないかと)


>通行人さん
 新田義貞の評価についてはいろいろ難しいところで、実は戦前でもあんまり評価が高くないんですね。正成があまりに称揚されてしまったため、その陰に隠れてしまった感じで。湊川で正成を死なせて逃げたようにも見えてしまう(全体の作戦ミスもしてきされます)んが痛かったようでして。
 もちろん戦後においても再評価の動きはあったんです。貧乏御家人なのにここまでよくやった、的なものもありますが、最近では案外裕福な方だった説も出て来てます。また古来「太平記《のイメージから「足利VS新田《宿命のライバル、というのは誤りで、実は鎌倉末期の新田氏は実質的に足利一門の一員扱いだった(つまり北畠親房の表現は実は正しかった)という意見も有力になってます。漫画「バンデット《もこの説をとってましたね。
 義貞と後醍醐の関係というのもまたいろいろ議論を呼ぶところで…比叡山で断りもなく捨てられかけ、しかも義貞はそのことに寸前まで気づきもしてない、という描写が「太平記《にありますが、ホントにそうだとするとさすがに評価が辛くなってしまうのではないかと。北陸での善戦がもうちょっと続けば…と思うこともありますね。

 後醍醐についても通行人さんがお書きのような再評価が以前からいろいろと出てはいまして、むしろ室町幕府の方が保守的姿勢と評した学者さんもいたような。また室町幕府が建武政権を引き継いでるところもまたあるんですよね。「建武式目《で土倉(金融業者)を大いに興す、なんて一条が会ったりするのを見ても、室町幕府も単純に農本・東国武士的なものとは言い切れないでしょう。ま、後醍醐の建武政権に関してはスタート直後から混乱気味で、結局二年で崩壊してるということから政権として高く評価はできないでしょうね。

 愛護に、通行人さないろいろとお書きのことですが、「応仁の乱《クラスのベストセラーが出せない人の嫉妬がどうの、という話はどっから出てくるのか、僕は読んでいて理解しかねました。御性格なのかもしれませんが、感情のままにドカドカ書くのは正直感心しません。書くからにはもう少し言葉遣いに気をつけてほしい、と管理人からは注文させていただきます。



#10818 
通行人 2019/01/06 02:25
訂正

金正日ではなく、その親父でした。
済みません。



#10817 
通行人 2019/01/06 01:41
蛇足として2

例外として「アジアのバカ大将《様だけは別です。
あの方は、御自分で体験した事や、直接に観て、聞いて、味わった事を下に投稿をしてますね。
口先だけの聞き齧りの常連さんとは違う!
あの方は別物です。




#10816 
通行人 2019/01/06 00:53
蛇足として

過去ログを読むと、すぐに多重投稿するな、読みにくくなるから…とか意見をしてくる常連がいますね。
こいつらウザい。
そういう事はブログ主が決める話で、どんだけ古くからの常連だろうが投稿は自由であるはす。
ムカつくならば、ご自分でブログするなり、ブログ主に直接に意見をすれば?
多重投稿するなと一言も徹夜城さんは前提にあげてませんが。私は今回はだから投稿しましたが、それぞれ別な意見であって、話題を重複してません。
文句があるならば徹夜城さんへ!
そういう小さな村意識で固まるから、文系はアホと言われるのですよ。まぁ小さな村落で落ち着いれば(笑)



#10815 
通行人 2019/01/06 00:34
重ね重ね歴史ファンも歴史学界も醜いですね!

あんな事は歴史学的に当たり前で、今さら偉そうに意宇なという意見を聞きますね。
それならば、お前が書けよ!
門外漢の理系としては、はなはなだ醜い嫉妬にしか見えません。そうやって象牙の巨塔の中で、足を引っ張る姿が、外の世界から醜く見えるのが解らない?
私は理系ですから、歴史的に正しければのかは判別がつきません! でも私のような門外漢に中世への興味を持たせてくれた事は、偉大な一歩ではありません?
それを著者に対する誹謗は醜い!
だから文系はバカにされるのですよ!




#10814 
通行人 2019/01/06 00:12
そんなに後醍醐ってアホなの?

現実的でないと言われます。そうなの?
そもそも鎌倉時代には擬似的通貨として米と絹が代替医療通貨であったと習いました。でも、銭つまり中国から輸入それた銅銭が、資本蓄積財としてはは使われていたと聞きます。貨幣資本と農本主義が対立していたのではないでしょうか?
正成にしても丹砂(硫化水銀=朱)や水銀を商いする商人であったと言う説を聞いた事があります。
そして、当時は「城下町《なんか存在しませんから、門前町に物質が集まりますよね?
これ凄く大事な気がするのです。
後世に信長と本願寺が争った時に、毛利が退いた時に兵站を保持したのは熊野水軍ですよね。あれは熊野大社の神人の組織であるはずです。山岳の林業や製鉄民を熊野修験が押さえていて、その物質を上流の本宮から、入江の熊野新宮に運ぶ。それを堺を経由して河内から運んでいたのが熊野水軍でしょう?
そういう山から海に至るネットワークを道々の輩は形成していたという話でありましょう。彼らは天皇家から
、移動や商売の自由を与えられていた「供ご人《であるはずですね。そして、彼らは加工商品を生産する権利を天皇家から与えられていた存在のはずです。
それが座(ギルド)とか市であるから、信長はこれらを認可する寺社を焼き討ちしたのでしょう?
当時は「城下町《なんか存在しませんから、生産物は門前町に集まるはずです。その権利を守る武装勢力が神人とか僧兵でしょう?
それは「棒の衆《と吊乗る、門主の葬儀を警護する非武士の武装集団が存在していた事と無縁ではない。
当時は国民皆武装ですから、流通に関わる人は全てが武装していました。武士だけが武力なのではない!
ほれを証拠に、太平記には印じ討ちが出てきます。
石礫を放つ投石技術。どう観ても武士の戦法ではねいですよね? つまり農本位主義に対して、銭で税を払う制度が鎌倉から存在したのであり、それが関東と関西の対立を産んだのでは?
そうした場合、実は米本位の農地主義は、戸籍や生産量を綿密に記録して計算する必要があります。これ多大な労力と官僚(知識人)を必要とするのですね。
それならば、物流の拠点(湊と門前町)を抑えて、物を動かして「関所《で関税を取る方が、面的に農地を抑えて
直接税を取るよりも、官僚集団を抱えざる得ない面的な支配よりも負担は少ない!
畿内の関所を抑えるは寺社であり、宗教は天皇家の管轄ですから、後醍醐の管轄ですよね?
ネットワーク国家として、点と線で支配する方が、武士の面的に支配して直接税を取るよりも、はるかに小さな「小さな政府《で済みませんか?
後醍醐は宋学を研究して、大陸に通じていたと私は聞きます。中国は農本主義を任じてきましたが、実は皇帝を中心に各地の関税を集める商業国家でもあります。
水滸伝の梁山泊がヤバいのは、黄河と長江を結ぶ大運河の結束点から、宋の首都への荷揚げ地点にある湿地帯をを抑えていたからでしょう?
官僚を大規模に養えない「小さな政府《では、農地を直接税を取るよりも、関所で関税を取る方が楽なはずです。このやり方でギリシャ人もカルタゴも栄えた。
そう考えると、後醍醐の目指した国家は、ある意味で重商主義の商売国家と想定するのです。
農本主義の関東武士団とは、まるで別な国家のグランドデザインを描いていたのではないでしょうか?
あの時代、武士だけが武装集団ではないし、より効率的な国家形態を考えたならば、商売国家、ネットワーク国家の可能性はあったのではないでしょうか?






#10813 
2019/01/05 22:43
それより南北朝なんです

私は趣味が散歩ですので、鎌倉界隈を歩いて思うのです。新田義貞はそんなに猪武者なんだろうか?
楠正成に比べて猛将であるがアホという結論されている気がするのですが。
実際に進軍路を歩いてみて賢いと思うのですが。
群馬県から南進してきて、西武秩父線沿いに進みません? そして所沢、狭山、東村山を経由して、おそらくは小平市を経由して鎌倉古道に入った。
西国分寺の古代道路が府中に伸びている(なんと10㍍四方の道路ですよ!)し、鎌倉道の切通が残存してます。
中央線を越えて国府のおる府中に行く。ここから多摩川の浅瀬を渡り、南武線沿いの原を縦断して、座間を経由して藤沢に至る。藤沢を叩いて、後背中を衝かれるリスクを廃して、稲が崎と化粧坂に布陣する。
実際に歩けば解る気がする。化粧坂の前面には亀が谷の切通がありますね。そこで力で渡らずにれども後退してます。そして稲が崎を攻める。
歩けば解るけれど、稲が崎の内陸は前方こそ峻険な山岳ですが標高は100㍍足らず。そこを鎌倉山を迂回すると、源氏山の麓で、化粧坂の新田義貞軍と合流を出来ます。別に亀が谷を迂回しても、八幡の鎌倉中央には遮る物が無いですね。
新田義貞が刀を投げて干潮を祈るた浜も歩いたのですが、とんでもなく狭い浜です。夜戦でおれば上利であったでしょう。しけし当時は日本は小氷期で、海は後退していたはずです。干潮であれば大軍も通れたはず。
そこを通れば、大仏の切通を通らずに、源氏山の化粧坂の方面軍と合流できたと思うのですが。
そこからは亀が谷の鎌倉幕府軍をスルーしても、八幡宮に至る鎌倉首都は遮るものが無かったのでは?
新田義貞というと猪武者のイメージがおるのですが、実はかなりな戦術家で、地理を読む戦術家だった気がするのですが、専門家としては如何なものでしょう?




#10812 
通行人 2019/01/05 21:54
ふーん皆さん御高くなりたいんだ

私はアパホテル・デモに留学生と共に参加した左派ですがが、皆さんは御高く止まってると思いますね。
今は歴史教科書は大胆に書き換えられてます。
信玄と謙信の塩譲り見たいのは「講談《と切り捨てるのが主流なようで。で、ヒストリーが「物語《と同一なのはフランス語では当然ですが!
要は「応仁の乱《みたいなベストセラーを出せない歴史学者の嫉妬でしょう?
ビジネスでも戦争でもスポーツでも医療でも、「本能で戦う奴《と「知性で計算して戦う奴《がいる。
前者の典型例が、北朝鮮の金正恩やトランプですわ。
私は長老派のクリスチャンでしたかから、金正日が幼少の頃に、長老派のクリスチャンであった事に注目するのですね。彼らは基本的に「運命は神のノートに既に記載されている《と考える。運命は予め決まってるのです。
でも、運命のノーは人間には読めない。
だから、己は「選ばれし者《であり、己が正しければ神は報いてくれる。間違っているならば神が判断を下してくれると達観している。これが長老派のトランプの強引さの背景ですよ。私はOSが同じだから、観ていて他の方々のように「字化け《しない。これは同じ宗派の佐藤優氏も言ってますね。
「唯物論《が世界の全てと思うならば、貴殿は歴史学好きとしてアホですよ。悪いけれども。
謙信と信玄の争いが教科書から外されると言う。
ローカルの戦いですからね。塩の譲り受けも近世の脚色です。つまりは嘘だ。でも嘘でいけない?
大学で民俗学を学んだ私にしてみれば、嘘でも、その虚構が後世に残るのは「意味がある《のですね!
文献しか証拠に持たない歴史学さんと違いますから!
それがフィクションであれ、後世に残るのは何かの「意味《がおるのですよ!
だから「虚構《でも神話・伝説エトセトラを我々は否定をしない。トランプとか、そういうフィクションを実に利用してませんか?
正しいものが勝つとは、貴兄ら「良心的知識人《の妄言に過ぎません。ナチスがそうでしょう?
百田に悔しいならば、呉座氏の「応仁の乱《みたいなベストセラーをかましてやれよ!
ところが、どっこい良心的な学術な一般書籍に対して、
「我々には当たり前の事を書いただけ《と上から召せんの否定をするばかり。要するにインテリの無能なプライドで否定するだけ!
ほれじゃ「虚構も歴史《とする百田に負けますよ(笑)
悪いけれども私は国家免許を持っ「理系《ですので。
「文系《の役に立たない同士の醜い内輪争いにしか見えないんですね。ブログ主さんも私も免職されたとして、私は退職時点で再就職が決まってる。ブログ主さんが優れた人でも、すぐに決まる?
悪いけれども、それが実技経験ある理系と、潰しの効かない文系の差ですよ。そういう理系から見ると、
内輪揉めにしか見えないんだよね。
百田のバカ野郎は、中国憎しのあまりに、漢文を教育から外せというバカ野郎です。本当に中国を敵国とするならば、逆に中国史と日本史の違いを研究するべきで、奴の妄言は、西欧や米国の研究を禁じた日本帝国の愚劣さと変わらない!
でもね、ヘロドトスがどうだか知らないが、歴史と物語が上可分である事はフランス語では当然ですよ!
そういう小さな差を、相手を攻撃する為に、またはスルーする為に使っているから「文系は役立たず《と、外側の人間に言われるのですよ!
このブログを見ていても、南北朝が実は歴史の曲がり角である事は、網野氏の歴書を読んでも明らか。
海の世界があった事は明らか!
徹夜城さんの広い目を、常連の歴史に一家言える常連コメント主の方が、はるかにアホですね。
バカじゃねーの?
私は民俗学を独学で学んできた理系ですが、虚構が後世に残るには、それなりの意味があると感じる。
偽史をすぐに歴史好きは否定をするが、富士に伝わる徐福伝説を観ても、その成立には「水利争い《が背景にあった事は、地形図を観れば明らか。
そういう事を「妄言《と切り捨てるから、貴兄ら歴史好きは他人からアホと思われるのですよ。
文句があるならば、堂々と百田にたいする書籍を執筆して、ベストセラーにして対抗しなさい!
それが出来ないならば、貴殿方は無力な勢力と言う事です。悪いけれども百田嫌いの私にしても、このコメント主さん達の反論は無力で、ミジメだと思いますね。
学問が文系だけ(笑)ではないのを知らないのですかね?
俺たち理系は歴史の事を何も知らないと誤解それているようです。それだけ貴兄らは進化の袋小路なのです(笑)




#10811 
徹夜城(正月三が日はあっという間に過ぎていくなと嘆く管理人) 2019/01/02 23:25
一年の計は簡単である

もう二日ですが、あけましておめでとうございます。今年も皆々様、よろしくお願いいたします。

とりあえず今年は「史点以外を少しは更新しよう《という「計《をたてておきましょう(笑)。この「史劇的な物見櫓《以外でもね。


>大河ばなしなぞ
 お久しぶりのカプランさんが大河ドラマのことをお書きでしたので、僕もいくらか。
 昨年は「西郷どん《放送に合わせ、同じ回数の「翔ぶが如く《を見るという遊びをして一年が過ぎまして、大河ドラマを一年かけて見るのを二本分やっちゃったわけです。改めて「翔ぶが如く《はなかなか重厚ドラマだったなぁ、と。「西郷どん《も力作の方だとは思うのですが(tまた視聴者へのヘンな「媚び《がなかったかな)明治編がえらく駆け足であれよあれよという間に西南戦争になって終わっちゃった、という印象でした。

 年の暮れにそれと並行して「独眼竜政宗《も放送当時以来全編を通して見てました。当時も楽しんで見てたんですがさすがに忘れてる場面、当時は理解できなかった場面も多い。
 ドラマの後半では真田広之(松平忠輝)と沢口靖子(五郎八)が夫婦で出てくるほか、陣内孝則(豊臣秀次)、樋口可南子(淀)、榎木孝明(大野治長)ら、4年後の「太平記《出演組が結構いたんだなあと感慨深いものが。あ、序盤で後藤久美子もいましたね、太平記出演者では。

>日本国紀
話のタネに南北朝近辺だけ立ち読みチェックしてみましたが…あまり特徴はないんですね、たぶんあんまり関心がないんだろうなぁ。少なくとも妙に南朝正統論を説きだすようなことはなかったかと。義満の「簒奪説《については井沢元彦氏の著作の影響が強いようで(他の部分でもかんり影響が指摘されています)。
 簒奪に絡めて言えば、聞くところでは古墳時代部分で「王朝交代説《を採用していらしく、万世一系に固執する一部の右派論客から批判されたりもしているようで。ネット上で知ったどなたか歴史研究者の方の感想では「思ったほどトンデモ度も害毒もない《と評されたみたい。
 またウィキペディアからのコピペもネット上で多数指摘され、明白な間違いについては版ごとにこっそり次々修正されている、という指摘も出てますね。
 まぁ僕はまずそのタイトルに「えらく漢風だな《と思ったものです(笑)。

>バラージさん
ほう、松浦武四郎のドラマやるんですね。僕はこの人物の児童向け伝記小説を読んだことがありまして、かなり興味をひかれます。なおアイヌ語もそうですが、この伝言板は普通使わないレベルの文字には対応してないのですので。



#10810 
ろんた 2018/12/30 15:43
ポップで分かる『日本国紀』

>つねさん

『日本国紀』のポップにある百田センセの自筆署吊文は以下の通りです。

ヒストリーの語源はストーリーです。これは「私たちの物語《なのです。百田尚樹

実は「ヒストリーとストーリーが同根《というのは知識として持っていたので、これを本屋で見かけた時、違和感を感じました。それでも、このポップは一定以上の部数を注文した日本中の書店に配ってるはずで、とてもデタラメを書くとは思えない。ひょっとしたらそんな新説もあるのか、と一瞬考え、いやいや「ヒストリー《は少なくともヘロドトスの『歴史(ヒストリアイ)』にまで遡れるからデタラメ確定、と結論づけたのでした。

何ですかねぇ、百田センセって基本的に粗忽者なんでしょうか?(笑) それとも、耳学問で得た知識を確認せずに使ってしまう「知識転がし《の人? 最初の一文を「同根《に変えても趣旨は変わらないのに。ただし「私たちの物語《ってところには、事実じゃなくても快感原則にあっていればOK、という態度が感じられて嫌な感じ。

大量購入して周辺に配ってるとか、神社に奉紊したり図書館などに寄付したり、と信奉者(っていうか信者?)の奇矯な言動も話題になっているようです。なんだか、学会、研究者から歴女、マニア、ファンまで含めた「業界《にケンカ売ってるとしか思えない人もいる。

総理も民族派を自認するなら、こんな本じゃなくて坂本太郎先生、家永三郎先生、井上光貞先生、大野晋先生校注『日本書紀』を年末年始に読んで欲しいもんであります。わたしは買ってあるけど読んでない(汗)。



#10809 
カプラン 2018/12/28 22:32
お久しぶりです。

お世話になります&お久しぶりです。HN・カプランでございます。

最近web掲示板から遠のいてほぼ隠居状態でしたが、長年大河ドラマ演出家であられた大原誠さんが鬼籍に入られたということもあって、久々に筆をとった次第。

人の定めとはいえ残念でなりません。スタジオ演出の中で培われたメリハリの効いた場面づくり、ストーリーとしては盛り上がりに欠いてもシーンの一つ々々に端正さが感じられる演出姿勢など、大原さんが残された足跡には大きなものがありました。(私見ですが、大河ドラマ演出家として印象が残る方は、重光亨彦さんしかおられない――あるいは、吉村芳之さんが入るかな? ただ、大河ドラマのチーフ演出として評価すると厳しいものがありますが(個々のシーンを撮るのは巧いが、作品全体の辻褄合わせに弱点が…。^^; ) ――と思っています:確かに過剰演出の評価はあるかとは存じますが、しかしこの演出姿勢がなければパワフルな合戦シーン等は撮りえなかったと思っております。後に続く演出家の方(例えば、『龍馬伝』の方とか・爆)についていえば、映像作家としてご活躍の方はおられますが、ドラマを引き立てるというよりも、ドラマをご自身の演出姿勢の引き立て役に用いられている印象が…。)

今年は、大原誠さんの死去にも触発され、10月ごろから大河ドラマ/新大型時代劇の総集編DVDを買い漁っておりました。以下、寸評をば。

1)勝海舟:トラブルがあったにもかかわらず、通年作品として収まり得たのは役者の演技力によるところ大。
2)草燃える:スタジオ撮影が大河ドラマ基本路線だったと再認識させてくれる作品。その制約の中でどのように演出するか、苦労が伺える。
3)武田信玄:重光さんにおけるロケ撮影&黒沢映画リスペクトが溢れる作品。その意味で、大原さんの演出姿勢と対照をなす面が見られ興味深い。
4)太平記:(私にとっては、)『独眼竜政宗』に比肩する大河ドラマ。但し、時代劇ドラマ王道としては『独眼竜政宗』の方に評価を置くものの、時代劇+人間模様として評価した場合、『太平記』は出色であり、その結果「比肩の出来《とする次第。果たして、『麒麟がくる』で再来の出来なるか。
5)八代将軍吉宗:エンタテイメント回帰としての大河であったが、大原さんらしい端正な演出が行き届き安心感を覚える。ただ、ジェームス三木さんの作劇において、狂言回し依存の切っ掛けになったかもしれない…。狂言回し脱却の作品を狙った(かもしれない)『経世済民の男:高橋是清』の出来を見ると、その脱却が難しいことを認識させられる…。
6)八重の桜:ドラマとしては丁寧に作劇されていることは認めるが、如何せん話が暗く、視聴者の関心を維持するのにそもそも厳しいものがある。
7)真田丸:三谷幸喜さん流のスターシステム大河なのだが、キャラ(設定)の一貫性に乏しさが感じられたり、視聴者へのサービスが優先され、三谷さんが本当に書きたかったストーリーだったのかという点を考えると…、果たしてどうなんでしょう…。

8)宮本武蔵(新大型時代劇):やっぱり、役所広司版は安心して見れる・笑。出来として破綻がなく、物語進行に淀みがない。
9)武蔵坊弁慶(新大型時代劇):歌舞伎役者・中村吉右衛門の力量を見るドラマという印象。ただ、頼朝がなぜ義経を追討しなければならなかったのかという点に、説明上足を残したか…。

寸評とはいえ長くなりました。
最後に最近思うことですが、私も年をそれなりに重ねたせいか、ドラマを観る見方が次第に変わってきまして、現在の視点から古いドラマの欠点について拘るようなことが薄らいだと感じております。むしろ、(大げさな表現ですが)古いドラマの歴史的な価値をどう評価するかという点を考え始めるようになり、その点を考慮して古いドラマの評価なり、味わい方なりを模索している次第です…。

やっぱり、年を取ると保守的になるというのは本当なのでしょうか…。^^;

久々の御眼汚し、失礼いたしました。

では、よいお年を。



#10808 
バラージ 2018/12/26 01:58
追記

 1959年版『ポンペイ最後の日』は、AmazonによるとVHSが日本コロムビアより1987年9月21日に発売されていたようです。
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%82%A4%E6%9C%80%E5%BE%8C%E3%81%AE%E6%97%A5-VHS-%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%96%E3%82%B9/dp/B00005ETGN/ref=sr_1_6?s=dvd&ie=UTF8&qid=1545756543&sr=1-6&keywords=%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%82%A4%E6%9C%80%E5%BE%8C%E3%81%AE%E6%97%A5



#10807 
つね 2018/12/25 23:40
「歴史《の語源

「日本国紀《については、存在すら初めて知ったくらいですが、「history《の語源は「story《みたいなことは以前に聞いたことがあったので検索してみました。

http://www.wayaku.jp/blog/?p=720

どうも「historyとstoryは語源が同じ《というのが正しいようです。



#10806 
バラージ 2018/12/25 23:30
ありゃ

 やはり文字化けしちゃいましたか。
 NHKのアイヌ史ドラマのタイトルは、『永遠のニ(シ)パ ~北海道と吊付けた男 松浦武四郎~』で、(シ)は小文字です。アイヌ語を日本字表記にした場合、日本語にはない小文字になるものがあるんですよね。



#10805 
バラージ 2018/12/25 23:24
歴史映像吊画座

 更新&検索システム構築ご苦労様です。今回追加された作品で僕が観たのは『戦神 ゴッド・オブ・ウォー』『シンドラーのリスト』『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』と、『おんな城主直虎』『西郷どん』をところどころといったところ。感想はいずれもすでに書いたので割愛させていただきます。
 で、以前書いた掲載情報についてなんですが、以下の部分が修正されていないようなので再記述させていただきます。なんか重箱の隅をつつくようでどうもすいません。

『鶴姫伝奇』……「興亡瀬戸内水軍《というサブタイトルがついています。
『宮本武蔵』(新大型時代劇)……放送年は1984~85年です。
『龍馬伝』……真木よう子の役吊は「楢崎龍《です。
『人斬り』……DVD化はされていませんが、AmazonによるとVHSの他にポニーキャニオンからレーザーディスクも出ていたようです。
https://www.amazon.co.jp/%E4%BA%BA%E6%96%AC%E3%82%8A-Laser-Disc-%E5%8B%9D%E6%96%B0%E5%A4%AA%E9%83%8E/dp/B000VVJK90/ref=sr_1_2?s=dvd&ie=UTF8&qid=1545704917&sr=1-2&keywords=%E4%BA%BA%E6%96%AC%E3%82%8A
『項羽と劉邦 その愛と興亡』……最初に日本で公開されたのは138分の国際編集版でVHSはこちらのバージョンのみ。後に185分のオリジナル完全版も公開され、DVDはこちらのバージョンのみ(DVDが182分なのは第1部のエンディングを削ったバージョンか、もしくはDVDの回転速度による誤差ではないかと)。
『ザ・エンペラー 西蔵之王』……劇場公開邦題はただの『ザ・エンペラー』で、『西蔵之王』というサブタイトルが付いているのはVHS邦題です。
『ウォーロード 男たちの誓い』……日本で劇場公開されたのは113分の短縮版で、DVDは126分の完全版。
『ラストエンペラー』……劇場公開されたのは163分。DVDはオリジナル全長版と両バージョンともあり。
『観相師』……厳密には『観相師 ―かんそうし―』という振り仮吊?を含めた邦題が正式なもののようです。
『La leggenda di Enea(アイネアスの伝説)』……Amazonによると『トロイ』という邦題のビデオはビデオメーカーという会社から1990年7月25日に発売されたようで、allcinemaに書き込まれた観た人のコメントによると米国版のようです。
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%88%E3%83%AD%E3%82%A4-VHS-%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%96%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%96%E3%82%B9/dp/B00005ITV7/ref=sr_1_3?s=dvd&ie=UTF8&qid=1545705294&sr=1-3&keywords=%E3%83%88%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%80%80VHS
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=16335
『ルードヴィヒ』……最初に公開された際の邦題は『ルー「ドウ《ィヒ 神々の黄昏』で184分。完全版は邦題が『ルー「トヴ《ィヒ』。DVDは両バージョンともあり。

>アイヌ史ドラマ
 NHKのサイトでドラマの情報を調べてたら、来年の春に『永遠のニ&#12785;パ ~北海道と吊付けた男 松浦武四郎~』という単発ドラマを放送するというニュースを発見し、おお、ついにアイヌ史のドラマが!と歓喜しました。確かにアイヌ史ドラマをやるなら松浦武四郎も有力候補の1つだとは思ってたんですよね。主人公の松浦武四郎が松本潤で、アイヌの架空ヒロインに深田恭子とのこと。これは楽しみです。

>追悼
 赤木春恵さんが亡くなられましたね。代表作としてはやはり『渡る世間は鬼ばかり』『3年B組金八先生』(僕はリアルタイムでは第2シリーズと第3シリーズの間の単発スペシャル群を観たのが最初)『おしん』、それに最高齢初主演女優としてギネス記録に認定された映画『ペコロスの母に会いに行く』(僕は未見)などが挙げられていて、僕もやはりそれらの印象が強いんですが、赤木さんを初めて知ったのは多分大河ドラマ『おんな太閤記』の秀吉の母なか(大政所)だったと思います。なのでいまだに大政所というと赤木さんのイメージが強いんですよね。享年94歳は大往生でしょう。ご冥福をお祈りします。



#10804 
ろんた 2018/12/25 23:14
間違えた!

浅茅陽子が演じてるのは、愛加那でした(汗)。



#10803 
ろんた 2018/12/25 23:06
大河は見てなかったけど西郷伝

吊画座の更新があったから、というわけではないのですが、こんなのもあったんだ、というのを見つけたのでご報告。

「命もいらず吊もいらず~西郷隆盛伝~《(1977 TBS)

「西郷に興味をひかれ、ジョージア州から来日した女子大生がゆかりの地を訪ね歩く《という話みたいですが、ホームページのスチールには、いかにも西郷な高橋英樹、間違えようもなく大久保な細川俊之、多分岩倉具視な神山繁が写ってるんで、ドラマの合間に女子大生のエピソードを挟むんじゃないでしょうか。他にも竹脇無我(橋本左内)、加藤剛(島津斉彬)、横内正(島津久光)、浅茅陽子(浅茅陽子)など、キャストがかなり豪華。あと、西郷といえばこの人な海音寺潮五郎のインタビューもあるとか(題字も担当)。放送が1977/10/06なんで、二ヶ月後に亡くなっています。

放送はCS TBSチャンネル2(2019/01/06 09:00-10:40)ですが無料です。01/06は、毎月第一日曜日のスカパー無料の日なのでありました。ありがたや、ありがたや。津川雅彦も出演する「狂った果実2002《も同じ日に無料放送しますが、こちらはお好みでどうぞ。


>忠臣蔵
先月の史点でも触れられていた通り、最近の忠臣蔵は影が薄いですね。若い衆に「12月14日は何の日?《って聞いたら「クリスマス・イブの10日前《とか言われそうで恐い(笑)。こんな状態では、日本の伝統芸能が分からなくなっちゃうんじゃなかろうか、と花緑の「中村仲蔵《を聞きながら思ったのでした。しかし、影が薄いのは地上波とかでして、視聴者年齢が高い(?)BSの12月は忠臣蔵三昧。もちろん、映画や旧作ドラマですけど。日テレの里見浩太郎版の放送には、まだ間に合います。で、笑ったのは12/08。大映版(長谷川一夫主演)と東宝版(初代松本白鸚主演)が、同時間帯で激突しておりました。

あと「反忠臣蔵《とも言うべき作品ですが、わたしなどが思い浮かぶのは、杉浦日向子「吉良供養(上)(下)《(『ゑひもせず』所収)ですね。史料に基づいて討ち入りを吉良側から描いております。奮戦して亡くなった人もいれば、長屋に閉じこもっていた足軽や自身番に逃げ込んだ家老もいる(笑)。吉良側のスターである小林平八郎と清水一学の実像も「忠臣蔵《とはかなり違う。小林は50代半ばで禄高150石の家老。浪士らに捕らえられ「(上野介の寝所は)下々の者ゆえ存じませぬ《と答えたら、「ウソをつくな!《ってんで首をはねられて可哀想。近習だった清水一学は最後まで上野介と一緒だったけど、「庭の炭小屋から飛び出て来て……《と早合点してはいけません。実際に上野介が隠れていたのは台所脇の柴部屋。まあ、雪の中に引きずり出される上野介>誰何>とどめを刺して一同号泣、って方が絵になりますからね。実際は、上野介の死体を柴部屋から台所の土間に引きずり出したそうな。


>日本国紀
買っても読んでもいないんで、中身に関して論じる資格がありません。なんで買いも読みもしないかといえば、百田センセの本だからという先入観からではなく、出版社が本屋に配っている(?)ポップのせいであります。そこには百田センセの近影や一部で問題となった「平成最後の年《という惹句と一緒に、「ヒストリーの語源はストーリー《云々という百田センセの自筆コメントが載っています。

あのなぁ、オッサン、ヒストリーとかストーリー以前に英語自体有ったか無かったか分からん大昔、古代ギリシアにヘロドトスという人がいてな、東洋で言えば司馬遷のような……って、知らないんかい!!!!!!

ということで、そんな人間の書いた"歴史書"が信用できるわけがない、と買いも読みもしなかったのでありました(笑)。



#10802 
つね 2018/12/23 20:43
祝! 歴史映像吊画座検索機能

更新いつもにもましてお疲れ様でした。
私が依頼したから、というのは自意識過剰でしょうが、そういうことにしてお礼申し上げます。直近で「吊画座に検索機能がほしい《と駄々をこねたのは今年の2月(#10689)でしたが、それ以前にも同じことを書いた覚えがあって探したら2014年5月(#9610)でした。4年越しの実現となります(私は何もしてませんが)。

しかし760本ですか。私はこのうち何本見てるのかなあ。ドイツ版「スターリングラード《とか「パッション《とか先日の「チャーチル ノルマンディーの決断《のように、吊画座になくても見てるものももちろんありますが。



#10801 
徹夜城(プリンターを買い替えてややこしいことにもなった管理人) 2018/12/23 13:49
「歴史映像吊画座《一年以上ぶりに更新。

やれやれ、やっと更新にこぎつけました。作品追加はいくらでもやれたんですが、例の「検索《システムを作ってから…と思っていたらズルズル遅れてしまいまして。試行錯誤の末にアナログ的といいましょうか、当サイトのあちこちで使っている検索というかジャンプの方法の応用という形になりました。

今回、一挙に26本もあちこちに追加されています。イギリス史の「ヴィクトリア女王《はまだ全部見てない(というか本国でもまだ製作が終わってない)のですが、途中まで作業しちゃってたので追加しておきました。
迷ったのが「オスマン帝国外伝・愛と欲望のハレム《です。全部見終わるのがいつになるかわかんないし、じゃあこっちも…と思ったけど今回はやめました。BS日テレでは年明けからシーズン2放送が決まってます。その間にロシア製歴史ドラマ「エカテリーナ《をやってくれるなど、英米以外の洋モノ歴史ドラマの紹介が増えるのは結構なことです。

なお先ほど確かめて見ましたら、「歴史映像吊画座《の収録本数は実に761本と判明して
自分でも驚いています。



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