米菜クラブ平成26年10月かんなづきの授業より【抜粋】

【献立】


(1)秋刀魚さんま刺身さしみ(生食の秋刀魚の代表は刺身となめろうです)   
生食の秋刀魚の代表は刺身となめろうです)
材料 鮮さんま、大根、胡瓜、大葉、茗荷、花穂、浅葱、生姜、レモンなど柑橘
調味 濃口醤油(    )、(刺身用の付けたれは土佐醤油やポン酢などでも良い)

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要点 ①秋刀魚は鱗をとり、頭を外して腸を抜き水洗いする。 ②水気をふき取り三枚に下ろし腹骨をとり、中骨を毛抜きで取り除いて一枚は皮をむきもう一枚はバーナーで軽く炙るか熱湯をかけてしもふる。
③大根や胡瓜は桂剥きにしてつまに刻み、茗荷は縦の千切りにして水に晒す。
④適宜に化粧包丁の切れ目を加えて半身を概ね3当分に斬り盛りつける。
⑤浅葱は小口に刻み化粧花や穂紫蘇と切りかぼすを前盛りにする。

参考

秋刀魚(1)

8月下旬より北海道では根室沖でサンマ漁が始まる。 親潮に乗って北海道沖から南下するサンマは脂がのっていて値段も立派ですが味も素晴らしいものがあります。 しかし、身が柔らかく傷みやすいので搬送が難しく、味は時間との勝負になるため東京方面の市場に出荷されないことがおおいのです。さんまは胃袋がないので餌が十分消化されずお腹の中に残っている状況ですから、鮮度落ちが早く身もしまっていないのです。

9月中旬から10月上旬になるとさらに南下して三陸沖を通過する頃のサンマになると程よく餌も消化され身も引き締まってきてはらわたごと食べてもおいしいと言われますが、この時期はサンマが餌を食べないので内蔵に何も残らない為内蔵ごと食べやすくなるのだそうです。さらに南下を続けて銚子沖を通る頃はサンマ漁も東京に近くなるため、関東地方では値段がとても安く買い求めやすくなり市中では沢山出廻ってきます。

むかしから江戸下町言葉で「さんまがでりゃぁ、按摩ぁひっこんじまぁ《と言われたくらい、秋になり秋刀魚がでまわるころは皆元気になるので、病人も少なくなり、医者替わりだった按摩(マッサージ師)は仕事も少なくなって、外に出回る機会もなくなるので家に閉じ篭りがちだねというたとえ話でした。
また、さらに南下し駿河湾を超えるころのさんまはつかれて身に脂肪がなくパサついていて美味しくありませんが、脂肪の少ないこのさんまの特徴を活かして腸をぬき塩水に漬けてから干したものを煮干のように出汁に利用するのことがあるそうです。

さんまは、鉄分、ビタミンA、B2、D、カルシウムなど栄養価に富み、皮膚・粘膜や目の健康、骨粗鬆症予防、ガン・老化予防などの効果も期待でき、貧血予防効果もあります。 特にオメガ3脂肪酸の一種、EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)等が含まれており、EPAは血中のコレステロールを低下させ、血流を良くして血栓をできにくくする効果があります。 また、DHAにはコレステロールを抑える作用とともに、脳細胞の成長を促し、脳を活性化、ボケを防ぐ働きがあります。
どちらも、現代人には上足が指摘されている成分で、血液の流れを良くし、コレステロール値を下げ、脳梗塞や心筋梗塞を予防するばかりか、脳を活性化させる効果があるともいわれています。

サンマはもともと、体の幅が狭い、つまり細長い魚を意味する「狭真魚(さまな)《と呼ばれていたものが訛り、サンマになったという説が有力です。その姿は背中が青紫で腹が銀白色に輝く細長い魚体が刀剣を連想させ、秋に獲れる代表的な魚であることから1898年頃に現在の「秋刀魚《という字が一般的に使われるようになったようです。
さらに、昔はサンマとサヨリの区別も曖昧で、サンマに対する認識がいい加減だった事も伺えます。 江戸時代には当て字として「馬《とも書かれ、現在でも水産業界では、「午《の字が使われてるところもありま す。昔の書物にも「三摩《と記されたり、夏目漱石の「吾輩は猫である《の中でも「三馬《と書かれています。




   
覚え書き
&
料理メモ
     


(2)秋刀魚さんまささずし(蘚魚での焼き秋刀魚はこの時期だけの絶品)

  
蘚魚での焼き秋刀魚はこの時期だけの絶品
材料 鮮さんま、笹の葉、(生又は干)椎茸、甘酢漬け生姜、鶏卵、米(1割餅米に変えても可)、出汁昆布と削り節の出汁、サラダ油
調味 椎茸煮締め(干し椎茸50g:戻し汁500cc)
濃口醤油45cc:味醂30cc:砂糖50cc:酢10cc:料理酒15cc
【鰹昆布の出汁0.5Lは適宜に加減】

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要点 ①昆布と鰹節の出汁と戻し汁、酒、砂糖、濃口醤油、味醂で椎茸を煮ておく。
②秋刀魚を丸ごと薄味の塩焼きにして冷ます。
③中骨を分けて外し頭と中骨をもう一度軽く焼く。
④昆布と③を入れた出汁で米を炊き、540cc(3合)の米に対して酢50cc:砂糖27g:塩12gの割合で合わせた酢で鮨飯を作る。
⑤笹の葉に鮨飯、煮て薄く切った椎茸、焼いて10cm長に切った秋刀魚を載せ、さらに錦糸卵を板状で上に載せて包み2時間位ねかせてから食べる。
⑥甘酢生姜を添える。

参考

秋刀魚(2)

一般に魚の雄雌の見分け方は大抵難しいですが、サンマの場合、雌は下顎(したあご)の先端が淡黄緑色をして鋭くとがっています。一方、雄の下顎は橙黄色で鈊い円形をしています。
また美味さを極めるためには目利きをしなくては叶いませんのでまず、

①魚体に光沢がある、
②目が黒く澄んでいる、
③大きくて身に張りがあり、尾まで太い、
④口先や尾のつけ根が黄色くなっているものは「大漁秋刀魚《と呼ばれ、脂の乗りも最高。

また(1)でも申しましたがサンマは回遊魚なので、7月頃に北海道東岸沖に現れ、三陸沖を南下して10月には常磐から銚子沖にに達します。そして南下の終点は四国、九州沖と言われています。この南下の途中で産卵し、孵化した稚魚は北上を始め、夏に再び北海道沖に現れます。 サンマはこのように広範囲を回遊しているため、日本の各地では地方色豊かに様々な調理法が工夫されているのです。

サンマ漁についてですが、現在は主に棒受け網漁という漁法で行われていて、この漁法は敷網漁業の一種で方形あるいは台形の網の1辺に向竹(むこうだけ)と呼ばれる竹をつけて水面に支え、反対側にはいわ(沈子)綱とよばれる漁具を下方に引っぱり、水中で所要の形状を保たせるために用いられるおもりをつけ、このおもりは網漁具を海底に固定するためにも用いられるのでおもり、しずみ、ちんしなどともいって、沈降力が大きいことが材料の備えるべき第一条件だが、こわれにくいこと、加工が容易なこと、 供給が豊富で安価なことも必要であり、鉛、鉄、石、陶器、コンクリートなどが昔から用いられているそうです。

このいわ網をつけて水中に沈めておき網全体を向竹の両端に直角にとりつけた2本の張出しざおで支え、 網の両わきは適当な間隔で鉄輪をつけて矢綱を通し、いわ綱には8本ほどの引綱をつけ、船内に保持しておく。 さらに漁は撒餌(まきえ)をしたり、夜間集魚灯をつけたりして、網の上に対象魚群を誘導し、ころあいをみて、両わきの矢綱を締め、同時に引綱をあげて、網の四方をすべて水上に出し、魚群を包囲するのです。 この漁法は、サンマが光に集まる習性を利用して、夜間に集魚灯でサンマを集め、下から四つ手網ですくい上げる方法で一般的な秋刀魚の漁法だそうです。

他の漁法としては刺網漁とうのがあって、サンマの通り道に網を仕掛け、サンマがその網に刺さって抜けなくなるという漁法も行われています。また「つかみ取り漁《という伝統的な興味深い漁法もあります

サンマの群れはエサ(動物プランクトン)が多く、流れ藻が漂っている潮流の境目を通り道にしています。この性質を利用して、船の脇に海藻を付けた筵(むしろ)を浮かべ、これに集まってきたサンマを筵に開けた穴から手を突っ込んでつかみ取ります。 これを「つかみ取り漁法《というそうで、現在でも佐渡や北海道の奥尻島に残っているのだそうです。ちなみに、なれたプロの漁師さんは一度に数匹をつかみ取ることができるのだそうです。



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