涙無しには語れないノンフィクション(苦笑)



〜あさづけ兄貴、
「東京23区制服Wars」を買うのこと〜





「東京23区制服Wars」なるゲームがあるという。
キャラデザは木村貴宏さんだという。
半場友恵さんや伊藤舞子さんが出演されているという。
桑島法子さんや篠原恵美さん、深見梨加さんなんかも出演されているという。

買わねば死ねぬ。


というわけで、一路札幌へ向かったあさづけ兄貴なのであった(爆)。
恐らく、このぐらいのマイナーな(失礼)ゲームになると、旭川では探しても
見つからない可能性が高い。よって直接札幌まで探しにいった方が得策と
いうもんである。
そう判断したのだ。

んで、札幌は狸小路。
まずは、旭川にもチェーン店がある大手中古ソフト屋へ。しかしそこには
入荷しておらず。オンラインで全チェーン店を探してもらうが、やはり
見つからなかった。
ということで、そこから少し西へ。駅から伸びるメインストリートと狸小路
との交差点にある、大手電器店へ向かった。
ここは、電器一般はもちろんのこと、コンシューマー機用ゲーム(新品・
中古)やその攻略本なんかも多数扱っているので、いざというときに利用する
ことがあるのである。

さて、その電器店のゲーム関係フロアで、「制服Wars」を探す。
が、見つからない。
「アドベンチャー」コーナーを中心に、「RPG」「シミュレーション」の
コーナーなんかも物色してみるが、やっぱり、見つからない。

さあどうする、あさづけ兄貴?
まず最初に「店員さんに聞く」という選択肢が頭に浮かんだ。
もちろん、状況的には、それが一番手っ取り早いと思われる。
しかし、その計画には、最大の難点があった。
そう、その「難点」とは、このゲームのタイトルである。

「東京23区制服Wars」。
何と気恥ずかしいタイトルであろうか?(笑)


こういうことを言うとナニだが、まるで企画物のエロビデオのような
タイトルであり(苦笑)、これを店員さんに聞くのはかなりに抵抗があったので
ある。
ちなみに、このタイトルを聞いた時、「花のあすか組!」の
「戦(いくさ)・23」を思い出す人も若干いると思うが、それは
それでまた別の問題である。(^^;
しかし、それ以外に、このソフトがここに存在しているか否かを知る術は
無いのだ。この事実だけが、私の上に重くのしかかる。

数瞬の逡巡の後、私は意を決してレジに近づき、そこにいた、比較的年長と
思われる男性店員(以下「店員甲」と呼称する)に、やや小声で(苦笑)、
しかしはっきりと、尋ねた。

「あの〜、東京23区制服Warsって、どこにありますか?」


その私の問いに対し、店員甲は、私に向かって営業スマイルで「少々お待ち
下さい」と告げ、然る後に、売り場の陳列棚の整理をしていた、こちらは
かなり若い男性店員(同様に、以下「店員乙」と呼称する)に向かって、
よりによって大声で、こう叫びやがったのである。

「○○く〜ん、
 『東京23区制服Wars』って
どこにあったっけ〜?」


顔面から血の気が引く音を、私は生まれて初めて自覚した。
店内の客が、こちらを見る。
背後から突き刺さる多数の視線。
そう。このようなタイトルのゲームを買うとこを悟られまいとする私の努力を
あざ笑うかのような行動を、この店員甲は取ったのだ。しかも、恐らくは
無自覚に。

逃げよう。
そんな言葉が頭に浮かんだりもした。
しかし、ここで逃げたら、何のために札幌まで来たか分からない。
私は、この視線の攻撃に耐え抜く決心をした。

しかし、その決断を、さらに揺るがす事態が発生したのである。
先程の店員甲の恐るべき問いに答え、店員乙が、これまた負けないぐらい
大きな声で、事もあろうに、こう叫んでしまったのである。

「ギャルゲーの所にあると
思いますけどぉ」


ぐはぁッ(吐血)


 
「ギャルゲー」。
この言葉の響きが、圧倒的な破壊力をもって、私に襲いかかる。
私は、ただ呼吸も忘れ、その場に立ち尽くしていた。
ぐるぐると回る世界。
背中に突き刺さる視線が、さらに強く、痛くなる。
もともとが恥ずかしい名前のゲームである所に、さらに追い撃ちをかける
ように「ギャルゲー」。しかも大声。
もはや、社会的な死刑宣告に等しい。
そこにいた客全員の記憶に、私は「とても恥ずかしい名前のギャルゲーをやる
人間」として、刻み込まれるに違いないのだ。

一刻も早く、この忌まわしい場所から逃げたかった。
それしか、考えることが出来なかった。
否。 ようやく、そこまで考えることができるぐらい、思考が回復したのだ。
そして、その時には、事態は既に手遅れになっていた。
店員甲が、「ギャルゲー」の棚から取ってきた(と思われる)「制服Wars」を
こちらに差し出し、「お待たせしました、こちらで間違いないですね?」と
微笑みかけていたのだ。

力無い声で「‥‥はい」と答えた、その瞬間。
私の敗北が決定した。(;_;)

その後、私は逃げるように代金を払い、逃げるように店を出、逃げるように
札幌駅に向かい、逃げるように旭川に帰ってきたわけである。

えーと、ゲーム販売店の従業員の皆様。
このような悲惨な事件を繰り返さないためにも、お願いですから、人が
恥ずかしい名前のゲームを買おうとしている時に、そのゲーム名を大声で
叫んだりしないで下さい。つらいっす(苦笑)。





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