エビゾー観察日記−ふ化−


−水面下での攻防−


エビゾーくんがふ化した

水面にタマゴが浮遊していたのでまだかと思っていたが
実は底辺で事は起こっていたのであった

もう少し派手にふ化できないものかとも思ったが
彼らにとってはこれが精一杯なのだろう

底のほうで彼らは実にチマチマと動いている
この世に生をうけて狂喜乱舞しているようにもみえる

エビゾーくんの姿を詳しく観察してみるが
今の段階ではどの部分が何なのか判別できない

ただエビゾーくん全体の外見は
辞書等をたまに開いたらいるあの微小生命体に酷似している

動きはブラウン運動に近いものがあろう

ただ彼らには主体性というものが感じられない
生まれたばかりのエビゾーくんに
ここまで期待するのは酷なことだとは思うが
もう少しその目指す方向性といったものを明らかにして欲しい

でもまあとりあえずふ化という出来事は喜んでよいであろう
水及び塩などの環境面ではいまのところ問題はないようだ

しかし今後エビゾーくんが大量にふ化してくると
環境汚染・飢餓・渋滞・いじめ・就職難・危険球・・・・
などの諸問題が発生してくる

これらの諸問題に適切に対処していかないと
エビゾーくんはたちまち絶滅危惧種になってしまう

今後はエビゾーくんの意見に耳を傾け
住み良い社会を作りあげていこうと思っている



もどろうか