技官研修


4月24〜27日に
今年度に新規採用となった技官による研修が行われた

全4日間の研修であり
前半2日は本郷で講義主体の研修
後半2日は茨城県の農学部附属牧場なる場所での宿泊研修
という日程である

前半2日は実に退屈な研修であった
全く普通の講義で実に眠かった

初日の研修後には懇親会が行われ
技官同士の交流が図られた

今年度採用された技官には
実にマニアックな人物が揃っていた

「28歳」「少女ゲームマニア」「地震研所属」「魁皇似」
これは何人かの人の特徴ではなく
一人の人物が有する特徴なのであった
今後私はその人物を「魁皇」と心の中で呼ぶことにした

岡山出身32歳妻子アリ
という人物とも知り合いになれた
「ジャスコ」「シューズ愛ランド」「青江」などの
極めてローカルな話で盛り上がることができた
彼は大人で非常にいい人であった

2日目の午後には施設見学があり
小石川にある農学部附属植物園にいった

そこでは「ミラクルフルーツ」なるものを食べさせられた
これを食べたあとはなんでも甘く感じるようになるらしい

外見は梅干のタネ風で味はとくにない
その後レモンっぽいものが配られたので食べてみる
食べてみるとなるほど甘く感じる

しかしそれ以上の感想はとくになく
植物園自身もたいしたものではなかった

3日目
いよいよ研修の本番
牧場宿泊研修の始まりである

常磐線の岩間という駅に行き
岩間駅からはバスが迎えにきて牧場に到着した

到着するなり「応接とマナー」という
今回の研修で最も過酷な講義があった
この講義では一人一人スピーチするのである

「いままで人から親切にされてうれしかったこと」
というさえないテーマで3分以内のスピーチを行い
他の人がそのスピーチを厳しく採点し
あとでその採点用紙をもらうという
なんとも恐ろしい研修である

みんな実に緊張していた
私も緊張はしたのであるがとりあえずスピーチを行った
こんなところで真面目に感動的な話をしても仕方ないので
それなりの話を提供した

話の内容はここでは公開しないが
とりあえず笑いをとれたので満足であった

講師の評価は「ユーモアがあってよい」であった
他の人の書いてくれた採点用紙には
「おもしろかった」という系統の物が多かった一方で
「話すときによく足元を見ている」などの
姿勢や時間配分などについての指摘も多数あり
なかなか得るものがある講義であった

夕方はバーベキューが行われた
皆スピーチが終わって極めて生き生きしている

そこでは羊の肉などが提供された
「魁皇」はうれしそうに大量に摂取していた

噂ではその日牧場で飼育していた羊が2匹消えたという
私はなんとなくその夜腹が痛かった

技官も夜は眠る

宿泊施設の部屋は2人部屋であり
私はある技官と同部屋となった

この研修には高卒の人が何人かいて
私の同部屋の人はその高卒の人であった

話を聞くと彼は「技官補」というポストらしい
技官自身が仕事がないのにそれを補佐するのである
実に興味深い役職である

しかし聞くと彼は農学部附属果樹園で働いており
毎日忙しいのだそうだ

補佐していただく側が楽をしていて
申し訳ない気持ちになった
これからはちゃんと仕事をしようと思った

彼は童顔で背が低く
いかにも高校を卒業したてという感じであったが
行動は意外にそうでもないのであった

バーベキューでは「僕は未成年ですから」と言って酒を拒否し
隅の方でタバコを吸っているのであった

また研修前日に初めてのパチンコに行って
数万円を稼いだということであった

しかし夜はベッドで「週刊少年ジャンプ」を読んでおり
少し安心したのであった

翌日私は朝早く起きた
技官になって早起きができるようになったのである

すると外でテニスをしていたので行ってみた

そして仲間に入れてもらった
その場にあったマルマン的なラケットで
それなりのプレーをした

テニスをしていた人の中に
女の技官の人がいたのであるが
その人はかつてインターハイに出場した
という人物なのであった
久しくテニスはしていなかったらしいのであるが
さすがのプレーであった

4日目は牧場見学と乗馬が行われた
バーベキュー、テニス、乗馬と
研修であることを忘れるくらいの内容である

乗馬では中央競馬2勝のサラブレッドと
ショボイ白いアルゼンチンからきた馬の2種類に乗った

ただそのあたりをグルグル歩き回るだけなのだが
落ちまいとすることで変な力が入って尻周辺が実に痛い

馬は賢いということはわかったが
初乗馬の感想は
「なにも尻を痛めてまで馬に乗る必要性はないな」
というものであった

乗馬終了後に講義を一つ受け
研修の修了書をもらい研修は終了となった

研修自身はたいしたものではなかったが
マニア技官同士交流を深めることができ
実に意義のある研修であった

また研修中に数名の技官から名刺をいただいた
私も作成せねばと思ったが
渡す相手がいないので迷っているところである


研修終了後に
この研修で目立ちたがり気味だった人物が
これを機に技官メーリングリストを作ろうと提案した

私もメールアドレスを提供し
技官メーリングリストが作られた

数日後その目立ちたがリ気味の人物から
技官名簿がメーリングリストで配布された

それから1ヶ月以上経過するが
その後はメールは一通もきていない



もどろうか