橙い彗星


以前なくした僕の時計
結局見つからず
これからも見つかりそうもないので
思いきって同じのを買うことにした

表参道に専門店があるということで
風速30メートルの強風の中
期待していってみた

店内をくまなくさがすが目的のものはない
店員さんに聞くと2年前くらいに製造中止になったらしい

その店の在庫もすでになくなっており
当時のものを今も置いている店で買うしかないらしい

製造中止ならなおさら急いで買っとかないといけない
結構この時計には愛着があるのだ

そこで秋葉原にこの時計を売っていた店があるのを思い出し
行ってみることにした

しかし2年近く前に売ってるのを見ただけで
今あるかどうかわからない

行ってみるとなんとあった
まああるような気はしてた

あるにはあったが色が凄い

蛍光オレンジ

マニア時計にマニア色というマニアの上塗り

極めて場違いな光を放っていて
1km離れたところから発見できそうだ

俗に言うクルクルランド色のこの時計
しかし製造中止ということを聞くと色を選んではいられない

他の色を売ってる店が万が一あるかもしれないと思い
一応他の店をまわってみたが
なんせ製造中止のレア時計
他の色どころかそれ自身置いてある店はなかった

そこで売っている店に戻る
店のおじさんに時計をよく見せてもらう

本物かどうか調べたところ
一応本物であるようだ

長年ショーケースに入っていたせいか少し色があせている
おじさんに色があせてることをそれとなく指摘したが
何も起きなかった

まあいいやとついに購入

満を持してつけていってみると
この時計の評判は非常に悪い

やはりこの色に問題があるのか

正直なところ実際つけていてかなり目障り

少しばかり後悔しているが
わかる人にはわかるといった渋い逸品だ
と自分に言い聞かせている

こうなったら誰が何と言おうがつけ続ける予定

将来この時計のよさが認められることを信じている





もどろうか