学生席のドラマ
再び東京六大学野球観戦である
同伴者は７８と今（コン）ちゃん
今ちゃんは元高校球児であるので野球にはうるさい
大枚１１００円払って内野席券を購入
入口で今ちゃんはパンフレット（５００円）を迷いに迷った挙句
「きたからには買わないわけには行くまい」
と自分に言い聞かせて購入した
パンフレットを片手に試合を食い入るように見る今ちゃん（右）と
それなりに見る７８（左）
本日の目的は東大ｖｓ立大
前のシーズンでは東大は立大に完全試合をされている
今ちゃんは試合の前の練習を真剣に見つめる
彼は選手の「肩」に過剰に反応する
さて試合開始
試合は意外にいい試合であった
７回まで３−１で立大リード
東大はなかなかがんばっていた
そんな中
７８と今ちゃんが学生席付近にいきたいといいだした
学生席にはかつて一度足を踏み入れたことがあるが
応援団が個人的に話しかけてきて
起立して応援せよというので
すぐに耐え切れなくなってでてしまったという経験がある
私は勇気をふりしぼり学生席に向かった
しかし今回は学生席にすわるわけではなく
学生席のそばの一般席に座ってみた
応援団はやはり学生席の人々の間近までいき
個人的に応援をあおっている
しかし我々はその心配がなく
応援団の応援を楽しむことができる
これが実に面白い
東大の応援はなかなか面白い
試合に勝てない分
楽しませることを研究しているのであろう
私は個人的にメガネの応援団員を気に入った
やる気があるのかないのかが微妙なのである
やる気なさそうにしているのであるが
要所要所でやる気があるのである
やる気がなさそうな彼
やる気過剰時の彼
ひととおり応援団を楽しんでいると
学生席の上段部から激しくヤジる声が聞こえるようになった
学生席なのであるがなぜか中年の男性であった
東大の応援には酔っ払いの中年が必ずといっていいほど現れる
意外に普通の中年の方である
「中年の中の中年」という感じである
「中年」という言葉を聞いたら
たいていの人がこういう人を思い浮かべると思われるほどの
純中年の方である
服装もきちんとしており
外見だけをみれば「紳士」とよんでも差し支えなさそうである
ただその言動は「紳士」と呼ぶにあまりにふさわしくない
彼は東大のピッチャー浅岡に対し
「浅岡！キャッチャーの方ばかり見るな！こっちを見ろ！」
などという実に不条理なヤジを飛ばしている
しかし私はあえて心の中で彼を「紳士」と呼ぶことにした
紳士は発言内容もさることながら
その行動が実に怪しい
私は試合の方はもうどうでもよくなり
紳士の動向に注目することにした
最近は球場に野球を見にきているのだか
マニア人物を発見しにきているのだかわからない
メガホンの使用法を間違えている紳士
りりしい紳士
がっくり紳士
ややうれしそうにヤジる紳士
判定に不満の紳士
自由の女神を意識している紳士
誰かに何かをアピールしていると思われる紳士
どうやらこの見方が気に入ったらしい紳士
なぜか大爆笑の紳士
いつのまにか下に下りてきて溶け込んでいる紳士
試合の方であるが
紳士の応援もむなしく６−１で東大は負けた
途中話題の女性投手「竹本」がブルペンで投球練習をしていたが
３連続暴投でブルペンのマウンドを降ろされていた
学生席は様々な人間模様があり意外にいいものであった
次回は勇気を出して学生席に乗り込みたい
しかし問題がある
私はすでに学生でない
ただ一応大学関係者であるゆえ
なんとかすれば侵入できるのではないかと思う
ここで私の中で一つの疑惑がわき起こった
さきほどの紳士は東大の教職員ではないのか
もしかしたら教授かもしれない
この人物についての情報をお持ちの方は
ぜひ私までご連絡ください
もどろうか