そして若本さん率いる帝斧吽(タイフーン)。それぞれ五人ずつで構成されているので、
一人が殺られても、そのまま4人で続行できるという利点があります。
若本さんは言うに及ばず、若本さんの親衛隊長相模君にも要注意です。
一方、私たち四組はと言うと、淵谷君の緋虎(ヒトラー)に私の星鈴(スターリン)の二頭。
しかも緋虎は四人構成、1人でもやられたら終わりです。
本来、緋虎に乗るのは秦山君でした。でも、彼は昨日の三組の襲撃の際に爆風に吹き飛ばされ、
一命は取り留めたものの、骨折と全身打撲で現在入院しているのです。
騎馬戦に勝つために特殊な訓練を受けていた彼に強靭な肉体を持つ松野君、そして淵谷君と林君と
鹿島君で構成された騎馬緋虎は、二日前に行われた中学生相手の模擬演習において、
青空中学校が誇る精鋭騎馬13頭をわずか1分で壊滅状態に陥れました。
その中には、去年の運動会の騎馬戦で「最強」の名をほしいままにした、
旧6年1組の死斗竜(デストロン)も含まれていたのです。
秦山君がいれば、3組など問題にもならなかったでしょう。
しかし、彼がいないからといって、それがそのまま負けにつながるわけではありません。
緋虎の淵谷君や星鈴の来田君など、まだまだ強者が揃っています。
すでに重火器類は弾薬等を使い尽くしてしまったので、肉弾戦で相手を一つずつ潰していくしかありません。
とにかく、まず相手の足を封じることです。
機動力さえなくしてしまえば、直接攻撃による破壊力は私たちの方が上なのです。
しかし、私たちが仕掛けるよりも早く、3組の3頭が攻撃を開始してきたのです。