蛇(くちなわ)の平十郎
「くちなわ」とは口のある縄。つまり蛇のこと。
仲間の盗賊たちが平蔵を怖れて江戸を離れても、
「なあに、盗賊改メがこわくてお盗がなるものか」
とうそぶいて、平蔵の暗殺を企み、
一味の者が
(鬼の平蔵が御役をつとめている間は、とても江戸でお盗めはできねえ)
裏切りの刻印を捺されるのを承知で、蛇の平十郎の眼をかすめ、姿を消してしまう。
という中でも、
(平蔵がいる江戸のまん中で大仕事をやってのけてくれる)
と、
蛇(くちなわ)の名前どおりひつこく、用心深く
平蔵への復讐に執念を燃やす男。
テレビのシリーズでは石橋蓮司氏が演じて、
平十郎の「冷酷さ」、
社会に対する不満を述べたり自分の正当性を主張したりする一面と、
捕まってからの「ぶざまさ」とのギャップが、
まさにお見事で。
はまり役でした。
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