風に吹かれて天孫降臨の高千穂神社
koziki History MUSEUM
2016.3.24


古事記と宮崎神話その1
 太陽の神が天の岩戸に隠れたとき、
 神々は陽気に踊り「宴」を催した。


天安河原:古事記/監修三浦佑之/朝日新聞出版抜粋 《Ⅰ 天安河原と天岩戸神社西本宮 》
 宮崎県西臼杵郡高千穂町天岩戸1073-1番地
 高千穂町公式サイト

 天安河原は高千穂町にある。岩戸隠れの際に、八百万の神々が集まって相談した場所であると伝えられている。天岩戸神社西本宮から岩戸川を500mほど遡った所にある河原。
 古事記によれば、天照大神は須佐之男命の暴力を恐れて天の岩屋戸に籠ってしまう。高天の原と、葦原の中つ国は真っ暗になり、そこで八百万の神は「天の安の河原」に集まり、恩金神(おもいかねのかみ)に秘策を練らした。天宇受売命(あめのうずめのみこと)の踊りで天の石屋戸から外へ引き出し、後方にしめ縄を張ったことで、高天の原と葦原の中つ国は自然と以前のように明るさを取り戻した。
 そして須佐之男命は、高天の原から追放された。

天安河原:高千穂町

    高天原の伝承地
  1. 宮崎高千穂町説(高千穂の夜神楽)
  2. 宮崎高原町説(天孫降臨の地)
  3. 熊本阿蘇説(日の宮・幣立神宮/阿蘇神社/阿蘇カルデラ台地)
  4. 福岡甘木説
  5. 壱岐説(天ヶ原、高野原等の地名が残る)
天岩戸神社西本宮:撮影2016.03.24
  1. 奈良盆地説(金剛山は天上の神々が住んだ高天原の伝承地)
  2. 和歌山高野山説(高野と天野で高天原)
  3. 岡山蒜山説(茅部神社の山を登ると、天岩戸・真名井の滝・天の浮橋の名称)
  4. 群馬生犬穴説(内部に高天原や天の安河原の名称)
  5. 茨城多賀郡説(新井白石による『古史通』説)
  6. 鳥取氷ノ山説(高天原の地名・伝承がある)
  7. 鳥取霊石山説(伊勢ヶ平・白兎に道案内されたという伝承)


    古事記から見る天岩屋
  1. 古事記「国造り」大八島国の項。・・・
  2. 古事記 「黄泉国」 イザナミと離別の項。・・・一日千人死に、一日千五百人生まれる
  3. 古事記 「禊ぎ祓い」 伊邪那岐命の阿波岐原で禊ぎ祓いの項。・・・天照大神に5柱男・須佐之男命に3柱女
  4. 古事記「天岩屋」天照大神の項。・・・天安河で誓約をした。天照大神に5柱男・須佐之男命に3柱女


須佐之男命の高天原の訪問神話
 伊邪那岐神(イザナギノミコト)の禊ぎによって生まれた月読尊(右目)・天照大神(左目)・素戔嗚尊(鼻)の三神はそれぞれに、夜の食国・高天原・海原や根の堅州の国を分担して治めることになるが、素戔嗚尊だけは親の伊邪那岐神の命に従わず、伊弉冉尊(イザナミノミコト)を慕って泣いてばかりおり、素戔嗚尊が泣くことにより河川の水が涸れたり、植物が枯れるという。自然界の秩序を乱すような自体に陥ってしまいます。そこで親神の怒りをかい、素戔嗚尊は「根の国」に追放されることとなります。その時素戔嗚尊は根の国に行く前に、姉である天照大神に挨拶をしようと高天原に向かいますが、その様子が山も海も国土全体を揺り動かすほどの凄まじいものだった為、天照大神は弟が高天原を奪いに来たものと誤解し、武装して相対します。素戔嗚尊は「誓約:うけひ(*1)」を行って高天原を奪いに来た訳ではないことを示そうとする場面から始まります。


 「誓約:うけひ(*1)」(*1)
「うけひ」は一種の占いで、正邪や吉凶を判断する行為である。二柱は須佐之男命が持つ十拳の剣と天照大神が持つ八尺の勾玉を交換し、 天の真名井(高天の原の神聖な泉)ですすいで口の中に入れ、神を生み出した。
 この「うけひ」によって生まれた子については、『日本書紀』と『古事記』では性別が違っています。『書紀』では素戔嗚尊が生んだのは「男の子」、『古事記』では「女の子」なのですが、勝ちはどちらも「素戔嗚尊」となっています。ここに『日本書紀』と『古事記』の理念の違いを見ることができます。(『古事記』はその成立当時の「女帝に捧げられた書物」なのではないかとが考える理由のひとつです。)この時二神によって生み出された子の中に天皇の始祖ともなるべき「天忍穂耳尊」がいることで、この話はその後の展開の上で重要な部分となってくるわけです。
 しかし、神意を仰ぐための忍術的行為で二通りの結果に前提を決め、行為を行なう。ところがここでは、あらかじめ「男が生まれたら邪心がない」という前提を決めずに行なっていたので、正確にいえば「うけひ」になっていない。


天岩戸神社西本宮:撮影2016.03.24 天安河原へ行く途中の喫茶店にて:撮影2016.03.24

1、天岩戸神社 2、天岩戸神社(神楽殿) 3、天安河原
天岩戸神社西本宮(岩戸川を挟んで東と西)と天安河原(高千穂町天岩戸)


古事記と宮崎神話その2
 国生み神話から天孫降臨、そして神武天皇へ!
 天孫はどういう訳か出雲ならぬ筑紫の日向に天降つた。

高千穂神社:宮崎県西臼杵郡高千穂町三田1037
《Ⅰ 高千穂宮と高千穂峡 》
 宮崎県西臼杵郡高千穂町大字三田井字神殿1037番地
 六国史に記された、日向国で一番位の高い神社である。
 高千穂町公式サイト

邇邇芸命/瓊瓊杵尊【ににぎのみこと:神武天皇の曾祖父】
 大和王朝に屈服した出雲王朝(大国主に国譲りを強制され屈服)の神々は、天孫を別の地点である『筑紫の日向の久士布流多気(くじふるたけ)』へ降臨させた。最初は天照大神は、天之忍穂耳(あめのおしほみみ)に葦原の中つ国へ赴いて治めるように命じたが、旅の途中に邇邇芸命が生まれたので、その子に降臨させてほしいと願い出て、それが許された。
 邇邇芸命(*1)は三種の神器を授けられ、天児屋命・布刀玉命・天鈿女命・石凝姥・玉祖命の五部神を引きつれ、猿田毘古神(神稲の田の男神)に先導されて筑紫の日向の高千穂の霊峰(*2)に降臨した。

    邇邇芸命の記述(*1)
  1. 『古 事 記』に、天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇芸命,
  2. 『日本書紀』に、天津彦彦火瓊瓊杵尊,天饒石国饒石天津彦火瓊瓊杵尊,]
    高千穂の霊峰(*2)
  1. 宮崎県西臼杵郡高千穂町
  2. 鹿児島県霧島市
 ひむか神話街道  邇邇芸命は木花開耶姫(このはなのさくやひめ)を見初め妻にした。一夜ではらんだのをあやしんだため,姫は産屋に火を放ち,火にちなんだ火照命(ほでりのみこと)・彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)・火明命(ほのあかりのみこと)3神を産んだが、いっしょに嫁いだ姉の磐長姫は醜かったので嫌って妻にしなかった。それで姉妹の父、大山祇神が憤慨して呪いをかけ、代々の天皇の寿命が岩のように永久ではなく花のように短くなるようにしたのだという。鹿児島県霧島町の霧島神宮などに祭られている。
 高天原の最高の神だった天照大神の子孫がそのまま天皇家の先祖となり、直属の家来が変わることなく天皇の忠実な家臣(藤原一族)となっていく。
高千穂神社前:撮影2016.03.24
    祖母傾国定公園/昭40
    (五ケ瀬峡谷 名勝天然記念物/昭9)
  1. 御橋(久太郎水神社)
  2. 真名井の滝「古事記:日本滝百選」
  3. 鬼八の力石「祭神 三毛入野命」
  4. 仙人の屏風岩「高さ70m」
  5. 槍飛橋「五ケ瀬川の中で川幅の狭い場所」
  6. 高千穂大橋
  7. 高千穂神社と神楽殿

1、真名井の滝 2、高千穂神社本殿

1、真名井の滝と、仙人の屏風岩(高さ70m):名勝天然記念物(昭和9年) 2、鬼八の力石(祭神 三毛入野命に投げた200トンの石) 3、槍飛橋 4、高千穂大橋(五カ瀬川)
天孫降臨後、八百万神々この丘に集まり、高天原を遙拝されし場所 『高千穂峡』


古事記と宮崎神話その3
 神武天皇東遷物語(高千穂の宮~日向の国 美々津の港から船出)
 古事記には、神武天皇親しく諸皇子を従えて「日向より発たす」
 
宮崎神話 《Ⅰ 日向市美々津の立磐神社 》
 宮崎県日向市美々津3419
 神武天皇が耳川を下って流れ着いた美々津の立磐神社。
 日向市公式サイト

    天下を治めるため高千穂の宮から大和への道(船出:海の道)
  1. 美々津権現崎(立磐神社)
  2. 伊勢ヶ浜(大御神社)絶景の大海原
  3. 鵜戸崎岬(鵜戸神社の登り龍)
  4. 細島御鉾ケ浦(御鉾神社・馬ヶ背)
  5. 和歌山市の竃山神社
  6. 鹿嶋市の鹿島神宮
  7. 橿原市の橿原神宮(畝傍山の東南:国重要文化財)
『祓い詞』祝詞奏上から見える日向市!
 今も神主に引き継がれている『祓い詞』掛まくも畏き 伊邪那岐大神 筑紫の日向(ひむか)の橘の小戸の 阿波岐原に禊祓へ給ひし時に成りませる祓戸大神等、諸諸の禍事罪有らむをば 祓へ給ひ清め給へと 白す事を聞食せと 恐み 恐も白す。」   祝詞奏上にリンク


神武天皇の御腰掛之磐:宮崎県日向市美々津  1、神武天皇東征への経路
 日向美々津(日向市)→筑紫(北部北九州/1年)→豊国の宇沙(大分県宇佐市)→安芸(広島/7年)→吉備(岡山県/8年)→速吸の門(明石海峡/亀)→播磨(兵庫県)→浪速の渡り(大阪湾から上町台地と生駒山地の間の潟湖への入り口)→白肩の津(東大阪市/日下楯津)→登美(奈良市西部/楯で応戦でイッセの死)→血沼の海(大阪府南部に面した海)→紀の国の男の水門(和歌山市)→熊野村(和歌山県と三重県の境の村)→吉野河の下流(八咫烏が先導)→吉野山→宇陀(奈良県宇陀市)→忍坂(奈良県桜井市)→大和の畝火の橿原(奈良県橿原市)・・・天下を治めた。


神武東征の船出、美々津


1、国選定:日向市美々津重要伝統的建造物群保存地区(7.6㌶) 2、日本海軍発祥の地 3、大御神社:国の登録有形文化財
神武天皇東征:高千穂の宮→日向の国(美々津)→筑紫→阿岐→吉備~~大和への道


【1】貴重な歴史遺産と自然の日向市を探訪。
   1、日豊海岸国定公園(延長120㎞)と自然に触れて。
   2、日向市景観計画、
     5つのたからもの「ひだまり・みどりたまり・かぜたまり・みずたまり・ひとだまり」

伊勢ヶ浜の鵜戸神社
伊勢ヶ浜の鵜戸神社


1、鵜戸神社周辺の海 2、クルスの海 3、馬ヶ背断崖 4、馬ヶ背突端
日豊海岸国定公園(宮崎県日向市)


【2】貴重な歴史遺産と自然の宮崎市を探訪。青島神社と木花神社。
 宮崎県宮崎市青島2-13-1 
 青島神社は山幸彦と豊玉毘命を祀る。


 古事記をひも解くと、「天つ神」と「国つ神」の間に生まれた初めての神、海幸彦(兄)、山幸彦(弟)の話しである。綿津見の国で、綿津見の大神(海の神)の娘、娘豊玉毘命と結ばれ3年の間、楽しく暮らしていたが探していた釣針をを得て地上に戻った山幸彦(弟)が宮を建てた地が青島と言われている。日向灘に突き出た島で、波状岩「鬼の洗濯板」が島内をぐるりと囲む。島全体が境内地で、かっては聖域として一般の入島は禁じられていた。 宮崎市木花には山幸彦が訪ねた綿津見の宮(海神の宮)があったという青島の近くにある。(玉依姫命は式内社 草岡神社の副祭神である)


    神話の国 宮崎県
  1. 青島神社(宮崎県・宮崎市)-山幸彦・豊玉毘命
  2. 木花神社(宮崎県・宮崎市)-木花佐久夜毘売・日子番能邇邇芸命
  3. 小戸神社(宮崎県・宮崎市)-伊邪那岐神
  4. 江田神社(宮崎県・宮崎市)-伊邪那岐神・伊邪那美神
  5. 阿波岐原(宮崎県・宮崎市)-みそぎ池(シーガイヤのある一ツ葉海岸)
  6. 鵜戸神社(宮崎県・日南市)-日子波瀲武鸕鷀草葺不合尊

1、青島神社参拝 2、青島神社参道(鬼の洗濯板) 3、店先の埴輪 4、宮崎空港
山幸彦が宮を建てたという青島。周囲1.5㎞の小さな島。

Ⅰ.日向市 Ⅱ.宮崎市


Copyright© T.Kiku Office 2016, Web pages Created by tamio kiku
■ 風に吹かれて!Link  寄稿・投稿・紀行文