風に吹かれて因幡の白兎の白兎神社
inaba History MUSEUM 2016.4.16
「気多ノ前」から見た淤岐ノ島
古事記と白兎海岸 鳥取神話その1
神話「因幡の白うさぎ」の伝承地。
大国主命を祀る白兎神社と淤岐ノ島
東西16㎞の山陰海岸ジオパークの自然観。
《Ⅰ 白兎神社 》
祭神:白兔神/配祀・保食神
鳥取県鳥取市白兎宮腰 603番地
・縁結びの神様(八上比売との恋慕い:恋人の聖地)
・皮膚病、傷痍(薬草:蒲の効用)
気多ノ前から約150m沖合に神話の島、兎がいたとされる「淤岐ノ島(おきのしま)」がある。島の北側と南側には波食棚が見られる。干潮時にこの波食棚が海面上にあらわれ、鮫(わにざめ)の背中のように見えることから、自然の景観と神話が重ね合わされ、因幡の白兎の話しが言い伝えられてきた。
白兎神社は16世紀の終り頃、鹿野城主・亀井武藏守の枕元に白兎が現われ、自ら祀った神社がなくなくなり、住むところがなく悲しく訴えたことで神社が奉納されたと言い伝えられている。(因幡民談記より)
古事記に曰く(古語略)、淤岐ノ島に流された兎、海の和邇(ワニ)を欺(あざ)きて気多之前まで渡らむとせしが欺きを知りたる和邇により悉く(ことごとく)衣服を剥がれ泣き悲しむ兎に八十神の命もちて海塩を浴びて風に当り伏せれば前にも増して痛みはげしく、ここに大牟遲神(大国主命)その兎に教へたまはく「今急くこの水門に往きて水もて汝が身を洗ひて、水門の蒲黄(ほおう)を取りて敷き散らしその上に輾転てば汝が身、本の膚の加必ず差えなむものぞ」と教えたまひき。かれ教えの如せしかば、その身もとの如くなりき。・・・・[用語解説] 蒲黄(ホオウ、ほおう)はヒメガマ、ガマ、コガマ、その他の成熟した花粉を乾燥したものである。 古来から止血、通経、利尿薬として利用されてきた。
古事記
○稲羽の素兎(原文1)
故此大國主神之兄弟八十神坐。然皆國者避於大國主神。所以避者。其八十神各有下欲婚稻羽之八上比賣之心共行稻羽時。於大穴牟遲神負{代巾}。爲從者率往。於是到氣多之前時。裸菟伏也。爾八十神謂其菟云。汝將爲者。浴此海鹽。當風吹而。伏高山尾上。故其菟從八十神之教而伏。爾其鹽隨乾。其身皮悉風見吹拆。故痛苦泣伏者。最後之來大穴牟遲神見其菟。言何由汝泣伏。菟答言。僕在淤岐嶋。雖欲度此地。無
度因。故欺海和迩【此二字以音。下效此】言。吾與汝竸。欲計族之多少。故汝者隨其族在悉率來。自此嶋至于氣多前皆列伏度。爾吾蹈其上。走乍讀度。於是知與吾族孰多。如此言者。見欺而列伏之時。吾蹈其上讀度來。今將下地時。吾云。汝者我見欺。言竟。服。因此泣患者。先行八十神之命以。誨告浴海鹽當風伏。故爲如教者。我身悉傷。於是大穴牟遲神教告其菟。今急往此水門。以水洗汝身。即取其水門之蒲黄。敷散而。輾轉其上者。汝身如本膚必差。故爲如教其身如本也。此稻羽之素菟者也。於今者謂菟神也。故其菟白大穴牟遲神。此八十神者必不得八上比賣。雖負袋(衣の部分が巾)汝命獲之。
●因幡の白兎の伝承地
- 鳥取県鳥取市白兎宮腰(白兎神社)~因幡民談記
- 鳥取県西伯郡大山町(中山神社)~古事記伝:本居宣長
●淤岐ノ島の伝承地
- 鳥取県・淤岐ノ島
- 島根県・隠岐島
●古事記から見る伝承地
- 売沼神社(鳥取市河原町):八上比賣神/伊弉册尊・保食神・建御名方神
- 阿太賀都健御熊神社(鳥取市御熊):御熊命/配祀・保食神・木花開耶姫命
- 中山神社(西伯郡大山町):大国主命・田心姫(宗像三女神の一人)
- 白兎神社(鳥取市白兎宮腰):白兔神/配祀・保食神
- 白兎神社の不増不滅の池
●参考資料へリンク
- 山陰海岸ジオパークへリンク(世界ジオパーク際ユネスコ会議認定とは!)
- 鳥取砂の美術館へリンク
- 鳥取市/都市整備部/都市環境課(景観条例)
・景観計画区域へリンク(因幡の白兎景観形成重点区域)
・鳥取市景観計画へリンク
- 鳥取歴史博物館へリンク
鳥取砂丘と砂の美術館
山陰海岸ジオパーク(山陰海岸国立公園を中核とし、平成22年10月4日 世界認定)
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