仏教伝来後(神仏習合) 八幡神崇拝 本地垂迹説
【よりリアルに偶像化された八幡神(3体) 
神宮寺


1、女神坐像(社伝:神功皇后/天皇の母):桧一木造 彩色 像高54.2cm /杵築市奈多宮〜所蔵 2、僧形八幡神坐像(社伝:応神天皇):桧一木造 彩色 像高48.5cm /杵築市奈多宮〜所蔵 3、女神坐像(社伝:比売神/天皇の后):桧一木造 彩色 像高55.8cm /杵築市奈多宮〜所蔵
僧形八幡神坐像
平安時代後期(12世紀) 重文


応神帝御影『集古十種』/ウィキペディア(Wikipedia)より
 神様それとも仏様!

 邪馬台国東遷説にまつわり皇室の先祖として祭られている神、八幡神(宇佐八幡)は、実在性が濃厚な最古の大王(天皇)・第15代(在位270〜310年)応神天皇と神功皇后を付会し、”皇祖神”や”武神”として各地の八幡宮に祭られています。応神天皇を誉田別尊(ほむたわけのみこと)とも称されています。


南無八幡大菩薩


 神祇信仰の八幡神(宇佐八幡宮)は仏教伝来後、神宮寺の出現により神仏習合の神として成立していきます。八幡神・八幡大神・八幡大菩薩へと成立・発展し、その宮も八幡宮・八幡神宮・八幡大菩薩へと変遷した。
 特質すべきは、東大寺の大仏建立に際し、九州の”宇佐八幡神”を勧請し手向山八幡宮に守護神(神は仏の化身)として鎮座させたことから神仏習合の歴史が始まったとされています。
 又、信仰の対象として偶像化(彫刻・絵)し、依り身近に感じさせた春日権現・熊野権現・日光権現・秋葉権現 ・立山権現(修験道)等、仏が神の姿に変わって、この世に現れたのを権現「仮の姿で現れる」と言う、本地垂迹説思想の考え方です。

那須野与一/平家物語巻11 明星大学所蔵より

平家物語:那須与一の南無八幡大菩薩の場面 物語り:日暮れ近く源平軍が引き分けたところへ、平家側から扇の的を立て た船が進み出てくる。義経が那須与一宗高に命じると、与一は神々(八幡神) に祈って弓を引き絞り、揺れる的を見事に射抜いた。

全国四万四千社の総本社 神仏習合の宇佐八幡宮

  1. 宇佐八幡宮  神亀2年( 725)「我は、譽田天皇廣幡八幡麻呂(応神天皇
             のこと)、護国霊験の大菩薩」と託宣。
  2. 石清水八幡宮 貞観2年( 860)京都の南西の裏鬼門を守護する王城守護の神
  3. 筥崎八幡宮  延長1年( 923)八幡神の託宣。
  4. 鶴岡八幡宮  建久2年(1191)源頼義が石清水八幡宮を勧請した。


鶴岡八幡宮境内図:本殿背後(図の右)の谷に社僧12坊が展開する 鶴岡八幡宮寺大塔(右)と薬師堂(左)と思われる。(横浜開港資料館蔵〜神仏分離令前、明治3年撮影)解体


鎌倉期の鶴岡八幡宮寺全景(左)

仏教的神号の八幡大菩薩(はちまんだいぼさつ)は明治政府によって禁止された。


国際豊かな神(インド・中国・日本)  七福神 信仰 垂迹画


五福神図:狩野探幽 (1602-1674) 日本の美術194より  毘沙門天 恵比須 布袋和尚 大黒天 弁財天

 神様それとも仏様!

 七福神信仰は室町時代末期頃、京都に始まったといわれています。
 仏の守護神(本地垂迹画)として個々に恵比須・大黒の信仰は平安末期まで遡ることができます。応仁の乱後、商業の発達が加速化し、今までの國や村の五穀豊穣の信仰から、庶民の個人的な願いを託す対象として”福の神信仰”が広がっていくことになります。南北朝時代には仏画として登場し、江戸初期に上野の寛永寺を開いた天海大僧正が徳川家康に「公はこの乱世を治め、天下泰平の基を築く福徳を備えている」と述べ、七福神のもつ七つの福徳を説いたとされ、家康は大いに喜び、狩野探幽に、その七福神の画を描かせたのが最初だといわれています。七福神信仰が盛んになるのは江戸後期(1800年代)に入ってからです。




  国籍:日本
  神徳:(商売繁昌・除災招福・漁業)
  出生:大国主命の第4子、事代主命をいう。日本固有の神様を象徴的に偶
     像化された。摂津の国、西宮の里に祭られ「恵比須様」と呼ばれた。
  性別:男


  国籍:印度
  神徳:(五穀豊穣・子孫愛育)
  出生:インド・ヒンズー教の破壊の神、シバ神
      神道の大黒天 - 密教の大黒天が元になり、大国主命と神仏習合し
      て出来た神道の神
  性別:男


  国籍:印度
  神徳:(豊穣の神・音楽の神、弁舌の神・福徳神・学芸神・財宝神)
  出生:インド・ヒンズー教の女神サラスヴァティーが仏教、神道に取り込
      まれた呼び名。弁才天は、奈良時代に仏教とともに伝来した。
  性別:女


  国籍:印度
  神徳:(大願成就・開運厄除)
  出生:インド・ヒンズー教ではクベーラと呼ばれ財宝福徳を司る神武闘の
      神様。別名多聞天。四天王のひとり。持物は宝塔を持ち、邪鬼と呼
      ばれる鬼形の者の上に乗ることが多い。
  性別:男


  国籍:中国
  神徳:(長寿延命・富貴招福)
  出生:中国宋時代の元祐中の人。南極老人星(カノープス)の化身。仙人
      は修行を積み不老不死になり、神と同じように信仰された。長寿と
      自然との調和のシンボル鹿を従え、手に長寿のシンボル”桃”も持
      っている。
  性別:男


  国籍:中国
  神徳:(招徳人望・俸禄増加)
  出生:中国・道教の星の神。南極老人星(カノープス)の化身。道教の教
      (財産)・長寿の三徳を具現化した神。杖を右手に、左に長命の鳥、
      え幸福・封禄中国の五山のひとつ、泰山(山東省)の王。宋の時代、
      嘉祐年間(1056年〜)鶴を従える福神。に実在した道士と言われて
      いる。
  性別:男


  国籍:中国
  神徳:(富貴繁栄・夫婦円満・財宝賦与)
  出生:中国唐末の明州(浙江省)に実在したとされる伝説的な禅僧。弥勒
      菩薩の化身。鎌倉時代に禅画の題材として、大きな袋を背負った太
      鼓腹の僧侶の姿で描かれている。袋は「堪忍袋」。
  性別:男


七福神遊戯之図 絹本着色 一幅 法料139.0×97.4:東京藝術大学大学美術館所蔵
原作 狩野安信 (1613-1685):法眼永真筆
【 恵比須 大黒天 弁財天 毘沙門天 福禄寿 寿老人 布袋和尚 】
偶像化された神




【草岡神社奉賛会】
Copyright© Kiku tamio Office 2010
| HOME |