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温泉街は南京の街から離れた郊外である。行きはタクシー、しかし温泉街は鄙びていた。タクシーなど拾えるような栄えた街ではない。仕方なく、帰りは路線バスを乗り継いで街まで戻る。ひどい悪路を走る路線バスの乗客は私達以外は誰もいなくなって、日も暮れてくる。車窓に人家も少なく、灯火もなく寂しくなってくる。次に乗り継いだバスは乗客こそいたが、日が暮れたにも関わらず車内灯を点さずに真っ暗。手元も見えない。そして今晩の宿はまだ決まっていない・・・・。
南京汤山一号温泉は南京の街から40分ほど離れた郊外。日本的にいえば水着で入るリゾート温泉、箱根の「箱根小涌園ユネッサン」のようだ。滑り台があったり、色々な湯船があり、軽食を食べるスタンドがあって、お茶が飲める。外は氷点下を思わせる寒さであるが、温泉自体は暖かく湯治している気分になる。少々騒がしすぎるが・・・。
温泉街の街自体は寂れている。水着を売っている商店街はあるが、場末感は否めない。温泉を訪れる人は殆ど、上海からツアーバスでやってくる。したがって、温泉は賑わっていても、街は寂しく、炭鉱が似合いそうな山麓であった。新幹線とタクシーでやって来る人は少ないようだ。実際に、タクシーも街に入ってから迷っていた(温泉はいくつかあるからだろう・・・。ネットで予約した温泉に辿り着くのに少々迷った)。
温泉には4時間近くいて、全ての湯船を制覇した。しかし、水着で温泉は少々抵抗がある。中国も、香港も、基本的に人前で裸になるのが嫌なようだ。中国の海でも思ったが、露出度が高い水着の着用比率は日本よりも遥かに少ないと思う(日本で海なんて何年も行っていないが・・・)。
本来ならここに泊まれれれば良いが、宿は何処もいっぱい。今日は春節で、殆どの人が帰省していて行楽地は誰もいないかと思っていたが、そうではないようだ。最近は、春節に旅行に行く人が増えたと聞く。最近の日本の正月と似ている。
これが温泉の入り口。街の寂れ具合からみると立派な施設であった。 | |
春節で人がいない事を差し引いても寂しい街であった | |
温泉は本来は写真を撮るのはルール違反だと思う。雰囲気を記録したくて持ち込んでしまった。特定の誰かを盗撮していないので問題ないとは思うが・・・。 | |
効能なんかが書かれていて、本当に日本的・・・。 | |
街を徘徊するトゥクトゥク | |
とりあえず南京の中心地に行きそうなバスに乗り込む。最初は乗客がいたが、そのうち誰もいなくなる | |
揺れもひどく、とんでもないバスであった。寂しい車窓を眺めるのも旅情といえなくもないが、遠い異国で心細くなってきた。 |