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地下鉄(高架線だが・・・)から見下ろすと、長距離列車の車庫が見えた。鉄道好きとしては、こういう光景を見ると感情が高まってくる。昔の品川の車庫のようだ(品川の一昔前は、長距離寝台列車が多く休んでいたが、今は通勤電車ばかりになってしまった)。中国は新幹線全盛とはいえ、まだ長距離夜行列車の需要も旺盛とみえて、寝台車を多く見る事ができた。
地下鉄の「宝山路」駅を出て街を少し歩くと、古い建物が見えてくる。かつての「上海北駅」跡を整理した場所に作ったのが「上海鉄路博物館」。建物は実際にはかつての駅舎を80%スケールダウンした形で復元した、再建されたものであるが雰囲気は伝わってくる。
屋外には、最近まで活躍していた本線用の大型蒸気機関車や客車が保存されている。日本の機関車と比べてもかなり大きく迫力がある。ナロゲージの蒸気機関車も保存されていて貴重品との事である。
屋内で関心をもったのが、ふたつあり、ひとつめは地下鉄が開通する前に走っていた路線の写真。大型ディーゼルカーが軒下を走っている光景は、その頃に来たかったと思わせた。もうひとつは、南京車載連絡船であった。今でこそ長江は長大橋梁で横断しているが、かつては連絡船を介して結ばれていた。スケール的には宇高連絡線(高松-岡山)と同じぐらいだろう。潮位によって線路の高さを調整する可動橋の写真や、イメージ図に釘付けになった。
日本軍の上海空襲を紹介したコーナーもある。上海爆撃があったのは事実で、この上海北駅も破壊されたのもまた事実である。
折角の博物館だが、開館日が限られており注意が必要であった(訪問当時は日曜日は閉館)。訪問者も少ない。しかし、鉄道趣味が無いと言われる中国にあって鉄道を文化財として意識しているのが意外であった。
上海の地下鉄 | |
長距離列車の車庫があった | |
上海北駅を復元したもの | |
本線の蒸気機関車 | |
ナロゲージの蒸気機関車 | |
客車も保存されていた |