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フワランポーン駅では、朝の8時に国家斉唱の時間があり、直立不動の姿勢をとらないと逮捕されるから気をつけた方がいいよ・・・。と聞いていたが、激務続きで、そんな時間には起きられず、結局駅に着いたのは10時近かった。貴重な休日、列車に乗ってアユタヤに行く事にした。タイの鉄道に乗車するのは約20年ぶり。久しぶりであるが、あまり変わっていないような気もする。
列車でバンコクからアユタヤに向かう事とする。距離は71q。切符を購入して驚いた。わずか20バーツ。日本円にして70円にも満たない。ホテルから駅までの料金よりも安かったような気がする。ミニバスだとこの3倍はするが、最近はでバンコクも物価があがり、この金額は、タイの物価と照らし合わせても異常に安い。
4両編成のディーゼルカーはエアコンも無いが、この日はそれほど暑くなく窓から風が入ってくるので不快な思いはしなかった。列車は立ち客が少しいる程度の乗車率であった。市街地の中はスラム街を行くが、この景色は20年前から変わっていない。信号はタブレット式、各駅では駅員が出発の合図を送っている。各駅で少しずつ遅れが増して行く。
市街地を出ると、列車は田畑の中を速度を上げ快走した。通過駅がある事から快速列車だと推察される。途中駅で大型ディーゼル機関車に牽引された客車列車を追い抜く。20年前に乗車した列車と同じ車両のように見える。当時から老朽化したボロ客車だったが、そのまま使われているのだろうか。日本で30年前に消滅した旧型客車の客車列車の姿がそこにあった。
車内販売があるのは20年前と変わらないが、セブンイレブンのカゴに載っているのはスナック菓子が中心だった。20年前は車内で果物を切ってもらった記憶がある。行商のオバサンがいないのは時間帯が理由なのか、消滅したのか・・・。また、走行中にモップで床の掃除を行っていたが、水で拭かれた床に乗客の足跡がかえて目立つようになって、意味があるだろうか・・・。
時刻が遅れているので、アユタヤ駅を通り過ぎたのか不安になってスマホを見る。GPSで検索して、まだ目的地にたどり着いていない事がわかった。やがて蒸気機関車が保存された大きな駅に到着した。いかにも南国風の駅で、賑やかな雰囲気だった。僅か70キロに2時間弱・・・遅いように感じるが、慢性的に渋滞している道路を行くよりも確実である。
帰りも列車で戻りたかったが、切符を買おうとすると、次の列車は2時間後だと言われて諦めてミニバスに乗らざるを得なかった。バス乗り場までのタクシーが100バーツ(明らかにボラれているのだが、交渉がうまくゆかなかった)+ミニバスが60バーツ。列車の8倍のコストがかかった。
フワランポーン駅は鉄道の中央駅の雰囲気がある。側線に留置されている客車の中に、日本からやってきた12系客車を発見した。 車内は程よい乗車率で、快適だった。 |
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市街地では多くの駅に停車するが、都会の喧騒とは明らかに空気が違う。時代に取り残された感じは否めない。 普通列車では客車列車が現役。タブレット式の信号装置も、日本では殆ど見られない。都市部で現役というのが凄い。 |
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アユタヤ駅はさすがに観光地だけあって、それらしい雰囲気がある。 遺跡で有名なアユタヤ市街はここから少し離れている。 |
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