●あおなみ線

・2008年3月2日 作成
訪れた日 2007年12月8日
 

「名古屋」を出た近代的な電車は、すぐにJR東海の車庫や工場裏、そして貨物の引込み線郡の中を走る。あたりは工場や古い倉庫が立ち並ぶ・・・。入換機関車やコンテナ貨車、自動車輸送用のコンテナも見る事が出来る。電車は貨物列車の間をコソコソ走っている感じだ。言い方は悪いが、どこかうらぶれた感じがある。電車は新しいが、鶴見線にも通じる景色と雰囲気だ。

あおなみ線は新しい。2004年開通の近代路線である。しかし、前身は西臨港貨物線という東海道線の貨物支線である。これを全面改良して誕生したのが名古屋臨海高速鉄道西名古屋港線、通称あおなみ線である。名古屋貨物ターミナルまでは貨物線としても機能しているが、それ以降は貨物線の路盤を使って高架化した旅客線となる。乗客は伸び悩んでいるようだが地下鉄との相互乗り入れの計画もある。

「中島」を出ると、未成線の南方貨物線の遺構が分かれてゆく。これ以降は純然たる旅客線になる(貨物線としては廃止)。車窓は埋立地という雰囲気が漂ってくる。埋め立ては進行中なので、港湾施設が陸地に取り残されている姿も見る事が出来て興味深い。やがて海が近づいてくる。伊勢湾自動車道の巨大吊橋が見えてくると終点「金城ふ頭」だ。海の向うの製鉄所と火力発電所が濛々と煙をあげている。コンビナートのど真ん中である。

終点「金城ふ頭」は何も無い未開の埋立地という雰囲気。少し先に名古屋市国際展示場(ポートメッセなごや)があり、イベント時は賑わうのだろうが、暖かい生活感が全くない。製鉄所と、輸出用自動車駐車場しかないような中に、渋いお洒落な教会があり、いかにも浮いているが、これは結婚式場のようだ。辺りの寂しさと比べ、駅だけは立派で、余計に悲壮感が感じられる。

最初はつまらないと思っていたあおなみ線であるが、臨港線らしい都会のローカル線を感じられる興味深い路線であった。同じ事を感じる人もいるのであろう。私以外に鉄道ファンらしき人が2組、3名、思い思いに電車や景色の写真を撮っていた。この3名は若い女性で、時代が変わったのか、或いは一過性の出来事なのか・・・色々と考え込んでしまった。


名古屋駅の新幹線の横から出発
側線郡の中を行く
貨物列車を沢山みかける
埋立地の端が近づいてきた
資材置き場・・・埋立地らしい
対岸は製鉄所、手前の駐車場は輸出用車両の保管場所
製鉄所と教会・・・このミスマッチが名古屋らしい


http://www2s.biglobe.ne.jp/~kurume/my_hp.gif (6911 バイト)


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