富士急行線
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「フジサン特急」の指定席の展望席に落ち着こうとすると、後方に陣取っていた見知らぬオバサン達に、「ねえ、あんたこの席(前面展望席)をとっておいてよ」と、言われ丁重にお断りしたが、彼女達は自分の荷物を席において、後方のボックス席でおしゃべりに夢中だ。後から来た家族連れが展望席に座ろうとして、若干のトラブルになった。この家族連れは若い娘と老夫婦だったが、娘はお父さんに酷い口調で対応している。所詮ここは東京近郊で、やってくる人も冷たい感じがする。しかし、車窓に富士山が広がると皆黙ってカメラを向けた。富士山は冷え切った人の心をも癒す何かを持っている。
海外出張が多かったこの頃、とにかく富士山にこだわって日帰り旅行を繰り返していた。富士急行線(富士急)の旅もそのひとつである。富士急といえば、富士急ハイランドやスケートで有名であるが、鉄道といえば山梨県を走るローカル私鉄に過ぎない。それでも、東京近郊であるので、東京から通勤電車が乗り入れてきたり、青息吐息のローカル私鉄とは少々異なる。ただし、乗客減少は深刻で、かつては自社で新造車を作ったこの優良私鉄も、今では中古車両を積極的に導入している。今回は色々な車両に乗る事にした。
最初に乗った「フジサン特急」は展望車を備えた3両編成の有料特急である。旧国鉄のリゾート列車の「パノラマエクスプレスアルプス」を譲り受けた車両である。前面展望からの景色は素晴らしく、観光列車として適していると思う。「大月」から終点「河口湖」まで約30q。約45分。とても快適に過ごす事が出来た。残念ながら乗客は疎らで、行く末が気になったが・・・。
帰りは「トーマスランド号」に乗るが、これは富士急唯一の自社発注車両。普通電車として運行されているが、車体色や内装は子供達に人気の「きかんしゃトーマス」に因んだものになっている。以前に乗った時はオリジナル色をしていて、そちらの方が好きではあったが・・・。
「葭池温泉前」で下車し、一風呂浴びた後は「富士登山電車」に乗る。「赤富士」と「青富士」の2両編成。通常車両2両に併結されたいた。私は自由席の「青富士」に乗車。JR九州で有名なデザイナー「水戸岡鋭治」がデザインしただけあって、メルヘンチックな雰囲気に感激する。若い女性アテンダントから記念品を受け取り気分よく旅を続けた。アテンダントは乗客たちと談笑したりして、とてもアットホームな雰囲気に包まれていた。
「都留文科大学前」でJRへ直通する「ホリデー快速河口湖号」に乗り換え旅を終えた。かつては、定期急行が乗り入れていたが、この臨時快速は、その名残である。
木造の架線柱が懐かしい | |
リニアの実験線 開通したら富士急に影響があるのだろうか |
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容姿端麗な富士山 | |
フジサン特急の走行シーン | 2001年1月に撮影した「パノラマエクスプレスアルプス」。フジサン特急のJR時代である |
トーマス号の走行シーン | |
富士登山電車 | |
ホリデー快速 (かつての特急車両で運転) |