●生地鼻灯台
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黒部駅を発車して間もなく、電車の窓から灯台が見えた。これが富山県で一番の高さを誇る生地鼻灯台である。黒部駅で聞いたところタクシーで1500円ほどだという事だったので、わざわざ次の電車を1時間も待って隣の生地駅へやって来た。生地駅からは徒歩20との事である。
歩いてゆけるとの事だが、車窓から見る限りちょっと遠い。まして今日は真夏を思わせるような天気だ。出張帰りという事もあって重たい荷物も持っている。駅前の喫茶店でも入って、荷物を預けようと思ったが、そのような店は無く、唯一あった生協も閉まっている。結局タクシーで灯台に向かってしまった。
灯台のある生地鼻には砲台跡と台場があった。上杉謙信手植えの松がある。上杉謙信がここで病に犯された時に、ここの名水で癒えたとの事。その事に感謝して植えたのが海岸の松との事である。また、富山湾に面した海岸線からは富山湾を一望できる。この日は暑さのためか、靄がかかってしまいクリアに見えなかったのが残念。又、海岸線にそってテトラポットが配置され、人工的な雰囲気になってしまっている。海を見ながら黄昏ようと思ったが、そのような雰囲気ではなかった。
さて、灯台である。平地に作られているため、31メートルというノッポの灯台になっている。黒白の縞模様が気に入った。廻りには松が多く、日本の海岸線というイメージにピッタリ。いかにも漁村風な狭い通りに持った街並みの中に、この灯台は馴染んでいるようだ。生地の観光スポットは、黒部漁港付近が中心なのでこちらにはあまり人が来ない静かな場所である。
生地は名水の里として有名で、いたる所から水が沸いている。駅前でも汲み上げており、観光バスやドライブのついでの人が止まっては水を飲んでいた。黒部漁港を中心に、徒歩またはサイクリングで生地を巡るツアーもあるようなので、時間と気力があればゆっくり巡りたかったと思った次第であった。
生地駅 | |
名水「清水の里」 (生地駅前) |
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生地台場から | |
生地鼻灯台 | |
松がいかにも日本的 | |
生地駅にやってきた北陸本線の電車(普通電車しか止まらない) |