●篠ノ井線
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「冠着」を出て、次の駅はスイッチバック駅の「姨捨」・・・・。そう思っていると、駅でもない所で引込み線に入線して停車。対抗列車をやり過ごし、バックして別の引き込み線に入る。また方向転換してようやく出発・・・・。「姨捨」のスイッチバックを楽しみにしていたが、その前にもスイッチバックがある事に驚いた。松本から乗った篠ノ井線普通列車での体験である。その「羽尾信号所」が無くなる・・・。
スイッチバックとは主に、峠を登る為に方向転換してジグザグに登る事を言う。篠ノ井線にあるスイッチバックはX字型と呼ばれているもの。通過列車は真っ直ぐ走るが、交換待ちの列車や、駅に停車する各駅停車などは、坂道の途中で停車すると起動できないので、スイッチバック式の引込み線に入る。山岳区間の多い日本にはスイッチバックが多かったが、最近は列車の性能アップでスイッチバックは次々と姿を消してゆく。坂道の途中でも起動できるようになってきたからである。そんな中、篠ノ井線には有名な「姨捨」を挟んで3連続スイッチバックが存在するという珍しい区間であった。その中のひとつである「羽尾信号所」が廃止になる。これは列車の性能もさることながら、列車の本数が減り、退避する必要が無くなってきたというのがその理由のようだ。そんな3連続スイッチバックを旧国鉄型車両(旧国鉄塗装)で体験する企画がある事を、松本から乗った特急電車の車内パンフレットで知った。中央線にはかつて郵便荷物車なる車両が連結されていたが、これも再現する・・・。実際に中央線を走った型式ではないが、細かい事を抜きにして懐かしく感じる。定員制ではないので大混雑が予想されたが迷わず乗る事に決めた。
当日、3両の電車は大混雑。しかし動けないほどの状態では無かった。まずは最初のスイッチバックの「桑ノ原信号所」。列車交換も退避も無いので本来なら通貨するところを体験スイッチバック。次の「姨捨」では撮影時間があり、大勢のファン達は熱狂していた。日本3大車窓については「姨捨」のページで記載しているので省くが、特急列車で一気に通過するより、ここで一息いれて景色を楽しむのが篠ノ井線の楽しみ方だと思う。そして廃止される「羽尾信号所」で3度目のスイッチバックに入る。ここでは快速列車に追い抜かれるという、スイッチバック信号所の目的通りの体験させてくれた。そして終点「聖高原」。思春期の頃「聖高原」行き列車の行き先案内板を見て、とても夢のある想像をした事を思い出す。駅はそれなりに大きく、今日は賑わっているが普段はどうなのだろうか。
かつては郵便・荷物車を2両繋いだ10両編成がスタンダードだった | |
姨捨から交換列車を撮影 | |
羽尾信号所で列車通過待ち | |
聖高原駅も臨時の売店が出店 | |
折り返し時間で、郵便・荷物車の車内が公開された | |
ある年代以上には懐かしい編成である | |
現役時代の写真だが、方向幕に表示されている姨捨行きはなかった(合成写真と思われる) |