●徳山村
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名鉄揖斐線の廃線跡を奥・奥へと進み携帯の圏外に入る。人家もなくなり、山しか無い寂しい隘路を進む。突然、眼下に広がるのは広大なダムの建設現場だった。
揖斐川をせき止めて、日本最大の総貯水容量のダム湖を生む徳山ダム。その湖底に沈む予定の徳山村は1987年に廃村になってしまった。自治体規模で消えた村というのは珍しいらしく、テレビで特集されたりした事もあった。
徳山ダムの建設は、1957年に調査が始まり、1987年に村民の移転が終わり、2000年に着工。2007年完成予定との事である。調査の始まった1957年と、21世紀では治水においても発電においてもダムの需要が異なってきてる。脱ダム、脱不要公共事業の声が高まる中、当然、徳山ダム建設反対を叫ぶ声も大きい。
私は、このダム建設について自分の意見は述べない。ただし、廃校になった小学校や、離村後も残された石橋、集落跡の更地を見ていると悲しくなってきたのは事実。醜道と称された、隘路の国道417号線は新道となり北陸を結ぶ事になる。山をブチ抜く工事も進んでいるようだった。
山の中を走りまわる大型ダンプ | |
北陸を結ぶ道路も建設中 | |
徳山小学校 | |
教室がそのまま残され、黒板には色々な思いが書き込まれていた。 | |
やがて湖底に沈む街並み | |
取り残された石橋 |