●富山ライトレール
|
変わったなぁ・・・というのが最初の感想。富山港線時代には、うらぶれていた岩瀬浜駅はバス乗り場併設のちょっとしたターミナルになっていた。やってきた電車は綺麗なトラム。まるでドイツの路面電車だ。万葉線のドイツ製の車両と同じタイプだ。大勢の乗客が乗り込んでいたので終点まで立って行く事にした。閑散としていた富山港線時代からは想像できない。路面電車は富山港線時代の鉄道路線を行く。殆どが専用軌道の都電荒川線に乗りなれている身にはあまり違和感がなかった。
富山ライトレールは2006年2月28日までJR西日本が運行していた富山港線を改良して生まれた新しい路面電車である。JR時代は1〜2時間に1本の運転だった運転本数は15分間隔になり利便性は大幅に向上した。赤字ローカル線を廃止にするのではなく、新たに生まれ変わるのは正直嬉しい。元々、この路線は閑散区間でもあったし、今時、電車でもないだろう・・・果たして成功するのだろうかと不安だったが、この日の盛況を見ると現時点では成功なのだろう。路面電車化した理由には既存の路面電車への乗り入れの構想もあるという。
JR時代は臨時駅だった競輪場前駅からは競輪とは無関係の乗客が乗り込んでくる。確実に乗客層を増やしている事が実感できる。学生やファミリーが多く、日常の交通機関として役割を果しているようだ。一部、富山港線時代のホーム跡が残っているところも時々見られ、既存の重厚な鉄道施設とライトレールの簡素な施設を比較できて面白い。やがて鉄道路線を離れ路面区間を行く。ここから58年ぶりに新規開業した路面電車区間となる。クルマの右折車線を避けるように捻じ曲がった線形が後付けを物語っている。やがて、折り返し列車を待つ人々で賑わう富山駅北駅に到着。
近年、路面電車が見直されている。万葉線といい、富山ライトレールといい、富山県も頑張っている。車の邪魔という理由で、ごく最近も、次々と路面電車を廃止に追い込んだ、隣の岐阜県の判断は正しかったのだろうか。
バスターミナル併設の岩瀬浜駅 | |
旧富山港線のプラットフォーム | |
プラットフォームの高さの違いに注目 | |
頻繁に列車交換 | |
58年ぶりの新しい路面区間 | |
終点富山駅西駅からの折り返し電車も賑わっていた |