●輪島
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朝市で有名な輪島、売られているものは輸入物も多いとの噂もあるが、能登を代表する観光地として一見の価値はあるだろう。しかし、伝統的な朝市の風景の中にある中世のヨーロッパの建物っぽい「イナチュウ美術館」はあまりにアンバランス。それがまた面白いのかもしれない。
輪島駅から線路が消えたのが2001年3月31日。国鉄ローカル線を引き継いだ第三セクターの廃止路線とあって話題になったが、有名観光地を持ち、JRから直通急行も運行されていた「のと鉄道七尾線」(穴水〜輪島20,4キロ)が廃止されるとは思ってもいなかった。むしろ、穴水〜蛸島間の支線的存在の「能登線」の方が危ないと思っていた。
輪島には何度か訪れた事があったが、いずれも鉄道利用ではない。鉄道好きでもこのような状態なのだから、観光地を抱えていても鉄道が廃止されてしまう理由がわかるような気がする。今回は舳倉島訪問のために宿泊したが、空き時間を利用して鉄道跡を偲んだ。旧駅舎は 「輪島駅ふらっと訪夢」というバスターミナルと観光案内所に改装され、「みどりの窓口」も営業活動を行っていた。旧プラットフォームに到着するバスが旧駅を活性化しているように見えるが、なぜ鉄道廃止を機に街の中心部へ乗り入れなかったのかという批判も聞こえてきた。鉄道は来ないのに駅舎があり、輪島駅前の交差点があり、ステーションホテルもあった。
寂れた感じのぬぐいきれないステーションホテルに泊まり、翌朝、鉄道跡を探りに行く。「輪島駅ふらっと訪夢」にはホーム跡が再現されているが停車しているのは写真のディーゼルカー。穴水方面に歩くと、まだ線路の撤去されていない道床が続き、列車が今にも走ってきそうな雰囲気だった。
廃線跡と「輪島駅ふらっと訪夢」 |
輪島駅を偲ぶ施設。駅名標の「シベリア」は、かつて金沢から輪島経由でシベリア行きの列車を走らせようとした名残とか |
生まれ変わった駅 |
朝市の中で異彩を放つ「イナチュウ美術館」 |
朝市の様子。早朝すぎて客が少ない |