●福塩線(福塩北線)
|
府中駅を発車したディーゼルカーは行楽客で溢れていた。川に沿って走る車窓は長閑・・・。福山付近では青々としてた水田は黄金色に変わってきた。山奥に入ってきたという事を実感できる。所々徐行区間があり、その度に減速したり加速したりを繰り返す。軽快気動車は意外なほど足が速く、併走する道路を走る自動車と暫くデッドヒートを繰り返していた。
福塩線の実態は、地方都市周辺の近郊区間と、山間部のローカル線の二つに分かれる。この北線と呼ばれるローカル線は今日でこそ行楽客がいるが、普段は閑散としていると聞く。今日も、途中駅で団体が降りてしまうと車内はガラガラになってしまった。まるでバスでも充分な状態になってしまった。
関東に住んでいる者には馴染みの薄い中国山地の山間部。川や水田の美しさも目を楽しませてくれるが、途中駅の駅舎の古さ、渋さはタイムスリップでもしたかのような印象を与えてくれる。約1時間30分の旅であったが、退屈するかと思っていたが、結構楽しむ事が出来た。
福塩線の終点は塩町であるが、列車はこのまま芸備線に乗り入れる。私たちはこの駅で下車して備後落合方面の列車を待つ事にしたが、この塩町駅。とても分岐駅には思えない程何もない駅だった。ローカル線の途中駅と何も変わらない。近所にレトロな看板を掲げた酒屋があったが、辺りに集落を形成するほどの民家も無かった。駅舎自体はそれなりの大きさがあるが、賑わったのは遥か昔の事・・・・という駅だった。今日は天気がよく、行楽客も他に数人いたから良いが、この駅で数少ない列車を待つのは辛い事だろう。
福塩線のディーゼルカー | |
川が車窓を楽しませてくれる | |
先に進むほど水田が黄金色に変わってゆく | |
列車交換 | |
塩町着 | |
塩町駅 駅舎 | |
塩町駅周辺 |