●SLニセコ
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出張先の休日。札幌駅まで行って時刻表を見ると「SLニセコ」なる臨時列車があるではないか。窓口に行ってみると指定券の残りがあり、早速乗ってみる。
蒸気機関車世代ではない私は、流行のSL列車にはとりたてて関心が無い。しかし、この列車は客車に興味があった。所謂旧型客車といわれる蒸気機関車時代からの客車が、復元されレトロ客車として使用されている。
札幌駅を出発した客車は満員状態。指定券が残っていてラッキーだった。私が座ったオハフ332555という客車は、戦前〜戦後にかけて作られた客車だった。天井にはオレンジ色の優しい光を投げかける白熱灯、車内は木製でニスで磨き上げられ、飴色に輝いていた。思えば、初めて北海道を訪れた時に乗った夜行列車も同じ系列の車両だった。
同じボックスのオバサン達と会話も弾むが、彼女たちはギシギシ音をたてる走行音にいたく不満そうだったが、私としてはその音も快音に聞こえる。小樽からSLが先頭にたって峠を登ってゆく。今はローカル線に凋落してしまった函館本線山線。岩内線(1985年廃止)を分岐した小沢、胆振線(1986年廃止)を分岐した倶知安、いずれも寂れていた。かつては特急や急行が走った路線。かつて、大型蒸気機関車C62の重連が牽引した急行「ニセコ」は伝説となっている。
倶知安から先、乗客を降ろしながら列車は進む。終点「蘭越」まで乗ったのは僅かだった。列車はすぐに折り返し倶知安まで戻る。倶知安で休止後、再び札幌に向かう。用意されたバスで温泉等に行っていた乗客も戻ってきて、ほぼ行きと同じ顔ぶれになるが、今度は1ボックスを占領できた。
夕暮れ迫る車窓に、若い時代、同じ路線、同じ客車で旅をしてきた想い出が浮かんでくる。特に、残照を残して暮れてゆく日本海を眺めながら走る小樽からの区間は旅情たっぷりだった。
和服姿の若い女性が乗務するこの観光列車だが、旅情を盛り上げる工夫も多く、今まで乗ったSLイベント列車の中では一番好感が持てた。いつまでも走り続けて欲しい。切に願った。
雨上がりに似合うくろがねのSL | |
羊蹄山は辛うじて見えた | |
終点蘭越 旧型客車が似合う |
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バック運転で戻る | |
日本海を眺めて走る | |
白熱灯が暖かい |