●明日萌(恵比島)
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明日萌なんて地名は何処にも存在しない。NHKの連続テレビドラマ「すずらん」(1999年4月5日〜10月2日)の中に出てくる架空の駅だが、ドラマでは昭和初期の炭鉱の街と玄関駅が再現され、真岡鉄道から取り寄せた蒸気機関車や旧型客車がドラマに何度も出てきて感動を覚えた。ドラマの内容も悪くなかったのだが、鉄道に関連したテレビドラマに釘付けになった。何でもプロデューサーが鉄道好きだったとか・・・。
この駅の正体は留萌本線の「恵比島」。何もない小さな無人駅だったが、ドラマの撮影で昭和初期の駅舎のセットが作られ、現在もそのまま残っている。あのドラマのおかげで、何も無かった無人駅に観光客はやってくるし、JR北海道も、自前の蒸気機関車と旧型客車を復活させる事を決断した。まさにNHKサマサマなのだ。
この日も観光客は多かったが、皆、車で乗りつけてくる。赤字ローカル線になってしまった留萌本線の乗客増には貢献していなかった。鉄道好きを宣言している私も・・・。2時間に1本程度の列車本数では利用しろというのが無理。
そのような恵比島駅。観光地っぽいのは駅前のセットだけ、あとは北海道らしい何も無い無人の景色が延々と続く(ちなみに、恵比島駅の本当の駅舎は、車掌車を改造した質素なもの。ホーム上にポツンと置かれている)。
駅の反対側の草原の中に廃墟らしい建物が見えた。こんな所に何故? と思ったが、この恵比島駅、かつては留萌鉄道を分岐していたジャンクションとして賑わっていた事を後で知った。ドラマと同じように炭鉱で賑わった街が、ここに本当にあったのだ。後日、留萌鉄道の名残を探しに山奥に入る事となるのだが、不気味な事このうえなく、正直言って薦めない。
忠実に作られたセットだった |
本物の駅舎はこの手前にある |
駅の周りの街も再現された |
いったい何時の時代のタリフだろう |
駅の近くにある「萌の丘」 |