●増毛(増毛駅・増毛灯台)
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石狩湾から日本海沿いを北上すると、「送毛」や「増毛」といった「毛」にまつわる地名が目につく。アイヌ語の「マシケイ」の当て字だから「毛」とは無関係だと思うが、面白い地名ではある。そのひとつ「増毛」を訪れた。
北海道の経済は破綻状態で、札幌だけが発展して、地方は過疎化が進み、廃村も多い。特に、炭鉱で栄えた地方は悲惨な状態だ。その中で、「増毛」は活気のある街だと思った。漁業が好調なのだろうか。
駅前には渋い、由緒ありそうな旅館の「富田屋」がある。現在は営業していないようだが、映画のロケ地にもなったらしい。増毛には、このような歴史を感じさせる渋い建物が多い。その最たるものが増毛小学校だろう。
ここで一番気に入ったのが「増毛灯台」だった。増毛駅のほぼ真上の丘に建つ四角い灯台は1949年(昭和24年)に改築されたものだ。鉄道と灯台が好きな私。一度に両方が見えるこのロケーションが気に入らない訳がない。残念ながら列車は出発してしまった後だったので、後日、改めて灯台と列車の写真を撮りに来た。
列車のいない夕方の増毛駅は廃線跡のようだった。しかし、後日列車で訪れた増毛駅は、蕎麦屋のスタンドも盛況で大勢の人が集まっていた。残念ながら、その殆どは列車の乗客では無かったのだが、駅が賑わっているのは嬉しいものだ。
葬式鉄ではないが、留萌本線の末端区間(増毛駅〜留萌駅)が廃止と聞いて、増毛駅付近に泊まる事に決めた。灯台と列車の写真を撮りたかったからである・・・。前日まで雪が積っていたが、雨で雪は溶けてしまった・・・。それでも、灯台の光跡と列車のテールランプの組み合わせが撮れて満足。増毛駅すぐ近くの旅人宿は、この時期にありえないぐらいの混雑。旅人宿自体も13年ぶりだったが、旅人たちと酒を酌み交わすのも楽しかった。
翌日、日本最北 の造り酒屋、国稀酒造を訪問、JR北海道グッズも豊富にあって楽しかった。増毛駅の売店は長蛇の列・・・。きっと開業以来の賑わいだったと思われる。増毛の街並みもなかなか良く、観光客で賑わっていた、この時期にこれだけ観光客がいるもの留萌本線に乗り納め客が多いからであろう。留萌本線が廃止されたら、静かな佇まいになるのであろう・・・。
渋い旅館の富田屋(左上). (右上)。 灯台とローカル列車 |
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無人駅になってしまった増毛駅 |
夜の増毛駅(上) 最北の造り酒屋、国稀酒造。見学ができる(左、左下) 臨時列車も運転されていた(右下) |
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