●留萌本線

2003年11月26日作成
訪れた日 2003年10月11日
2016年11月19日
2016年11月20日

留萌本線は深川から留萌を経由して増毛までの66.8km意の路線である。この路線、かつて141.1qの長さを誇る支線を抱えていたため本線と名前がついている。ちなみに、本線より支線の方が長い事で不思議な路線だった。羽幌線廃止後も本線を名乗っているが、実際は盲腸ローカル線になりさがってしまっている。

羽幌線乗車時に、深川−留萌間を通っていたので、留萌本線の未乗車区間は留萌−増毛間の16.7qとなっていた。全線完乗を目指している訳ではないので、この区間はそのまま未乗のまま残ると思っていた。

2003年秋、車で増毛まで行った。雄冬や増毛は行ってみたい所ではあったのだが、鉄道が通っている場所に車で行ってしまったのだ。そして、そこで見た留萌本線の沿線の様子や、閑散とした列車の様子に留萌本線の将来が危ないと思い、どうしても乗りたくなり、再度、鉄道で増毛を目指した。

留萌駅にレンタカーを置いて増毛行きディーゼルカーの乗客となる。ここから増毛までを往復してみようと思ったのである。留萌−増毛間は日本海沿いに走る。この区間は漁村が続き、寂れてはいるものの、大原野ばかりが広がる北海道らしい景色とは少し異なる。紅葉で真っ赤に染まった山と、青い日本海の景色を楽しみながら終点増毛へ。

車で来た時は寂れていたのだが、この日は何故か人が多い増毛駅。駅の蕎麦屋も大繁盛。ここで車内持ち込みで「ニシンソバ」を作って貰い、留萌までの帰路のお供とする。駅の賑やかさと列車の乗客数が比例しないのが残念。日本海を見ながら暫く走り、やがて、左手に臨港線跡が近づいて来て、留萌駅へ・・・。かつて、貨物ヤードを抱えたこの駅は巨大な敷地を持っていたのだが、羽幌線のホームも、貨物ヤードも無くなり、駅の規模は随分小さくなってしまった。わずかに残骸が残る照明塔に、かつての繁栄の名残を感じる事が出来る。


留萌駅までの山越え区間に乗車するのは1986年以来、30年ぶりであった。羽幌線に乗って以来であるが、当時のメモにもこの区間の事はあまり触れられていないので、まるで初乗車のような感動を覚えた。

留萌本線の部分廃止に伴う名残乗車客が多いので、2両編成の列車は適度な乗車率であるが、この区間もまた廃止候補となっている。30年前と比べて合理化も進み、列車交換できる駅も5駅から1駅になってしまった。当時走っていた急行列車や石炭列車の姿もない。すっかり寂しくなってしまった留萌本線であるが、車窓を見ると、深川留萌自動車道の建設光景が見る事ができた。ローカル線は廃止に直面しているが、高規格道路は建設が進む。なにかおかしいような気もする。

廃止される留萌駅から先の区間で途中下車してみた。国鉄時代に仮乗降場として作られた駅である。ドア1個分の朝礼台のような簡素なホームが特徴である。北海道のローカル線の特徴でもあったが、ローカル線廃止が続き、このような駅も少なくなってきた。まるでバス停のような小さな待合室で、次の列車まで寒さを凌いだが、おかげで風邪が悪化してしまった。


留萌駅に入ってくるディーゼルカー
留萌駅から先は日本海を見ながら走る。

隣は臨港線の橋梁跡か?(左下)

恵比島駅を出発する気動車(下)
晩秋の海を眺めるお地蔵様・・・。海難事故の犠牲者を供養するものだと思ったが、サハリンの引き上げに因むものだそうだ。このお地蔵様を列車から眺める事はもうできない。 (上)

留萌駅の構内はまるで幹線の主要駅のような雰囲気があるが、やってくる列車は少ない。(右上)

廃止直前なのにで、臨時列車も運行されており2番線も活用されていた。

現在、列車交換ができるのは峠下駅のみである。


http://www2s.biglobe.ne.jp/~kurume/my_hp.gif (6911 バイト)


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