●砂原線
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森駅を出発した上り「SL大沼号」は函館本線のメインルートを外れ、駒ケ岳を右手に海沿いの勾配を上り始めた。この列車は駒ケ岳の東側海岸を走るが、大部分の列車は西側内陸部を直行する。同じ函館本線でも、この線は勾配を避けた迂回路で通称「砂原線」と呼ばれている。函館本線の特急は、内陸部を直行する為、車窓の駒ケ岳はいつもと異なる姿を見せてくれた。
砂原線は勾配に弱い蒸気機関車時代の名残で、車両の登坂性能が向上した現在、あえて迂回路を走る必要が無くなった。殆どの優等列車は直行ルートを走るが、夜行列車の一部と普通列車の一部はこの砂原線を経由している。乗車した事はある筈だが夜間である。改めて車窓を眺めるのは初めてのような気がする。
駒ケ岳にばかり気をとられていたが、海側の景色も素晴らしい。海岸が目前に迫る訳ではないが、高台を走る時に木々の間から垣間見る太平洋は雄大だった。渡島砂原駅を出た頃だった。「あっ! 灯台」 と指を向けられた先に、草原にポツンと浮かぶ紅白模様の小さな灯台が見えた。砂地にひっそりと佇む姿が哀愁を誘う砂埼灯台の姿だった。自称灯台ファンを名乗るくせに言われるまで存在を忘れていた。突然だったので撮影は思うように出来なかったのが残念。
砂原線の途中駅には、立派な駅舎を持つ大きな駅もあったが、今は無人化されていた。日に6〜8本しか走らないローカル線の哀愁が漂っている。それでも、流山温泉駅はリゾートの雰囲気が漂い、鉄道利用者は少ないものの、駅周辺には観光客の姿を見る事が出来た。なぜか東北新幹線の初代型(200系)が3両編成で保存されていたのには驚いた。
それにしても記録的な猛暑の中に乗るSLは辛かった。旧型客車の指定券が出てきた時は嬉しかったが、まるでサウナ状態。乗っているだけで体力が消耗されてゆく・・・。
海沿いの森駅は晴れていれば気持ちの良い駅 | |
渡島砂原駅 | |
砂埼灯台 | |
鹿部駅に停車中 | |
無人駅となってしまった駅 | |
真夏の蒸気機関車牽引列車は煙い | |
東北新幹線が・・・ |